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公開番号
2025115265
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-06
出願番号
2024009728
出願日
2024-01-25
発明の名称
ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C12P
7/625 20220101AFI20250730BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】PHAの水性懸濁液中での凝集の抑制と、水性懸濁液からのPHAの分離性とを両立させ得る、PHAの製造方法を提供する。
【解決手段】PHAを含有する菌体を含む培養液に、無機過酸化物を添加する工程、有機過酸化物を添加する工程、アルカリ性タンパク質分解酵素を添加する工程、および、pHを一定範囲に調整する工程により、PHAの水性懸濁液を得、さらに、当該水性懸濁液を遠心分離する工程を含む、PHAの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)ポリヒドロキシアルカン酸を含有する菌体を含む培養液に無機過酸化物を添加する工程、
(b)前記工程(a)で得られた培養液に有機過酸化物を添加し、当該有機過酸化物の1分間半減期温度以下であって、かつ、0~100℃の温度で維持する工程、
(c)前記工程(b)で得られた培養液にアルカリ性タンパク質分解酵素を添加して、酵素処理を行う工程、
(d)前記工程(c)で得られた培養液のpHを10.0~12.0に調整する工程、および、
(e)前記工程(d)で得られたポリヒドロキシアルカン酸の水性懸濁液を遠心分離する工程、
を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記工程(b)における、前記有機過酸化物の添加量は、前記工程(a)で得られた培養液に含まれるポリヒドロキシアルカン酸100重量部に対して、0.1~5重量部である、請求項1に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
【請求項3】
前記有機過酸化物は、1分間半減期温度が140℃以下のパーオキシジカーボネートまたはパーオキシエステルである、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
【請求項4】
前記工程(a)は、前記無機過酸化物を添加したポリヒドロキシアルカン酸を含有する菌体を含む培養液を、30~75℃で維持する工程を含む、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
【請求項5】
前記工程(d)において、前記工程(c)で得られた培養液にさらに界面活性剤を添加する、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
【請求項6】
前記ポリヒドロキシアルカン酸が、3-ヒドロキシブチレート繰り返し単位およびその他のヒドロキシアルカノエート単位を含む共重合体であり、当該共重合体中の3-ヒドロキシブチレート単位/その他のアルカノエート単位の組成比が、70/30~88/12(mol/mol)である、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
【請求項7】
前記無機酸化物は、過酸化水素またはオゾンである、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカン酸(以下、「PHA」と称する場合がある。)は、生分解性を有することが知られおり、近年、環境配慮の観点から、生分解性プラスチックとして利活用が図られている。
【0003】
微生物が生成するPHAは、微生物の菌体内に蓄積されるため、PHAをプラスチックとして利用するためには、微生物の菌体内からPHAを分離・精製する工程が必要となる。PHAを分離・精製する工程では、PHA以外の生物由来成分を可溶化した後、得られた水性懸濁液から、遠心分離、ろ過、乾燥等の分離操作により、PHAを回収する。このような微生物菌体からのPHAの回収に係る技術として、例えば、特許文献1および2に記載の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2023/021878号公報
国際公開第2023/140097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術は優れたものであるが、PHAの水性懸濁液中での凝集の抑制と、水性懸濁液からのPHAの分離性とを両立する観点からは、改善の余地があった。
【0006】
上記のような状況にあって、本発明の一態様は、PHAの水性懸濁液中での凝集の抑制と、水性懸濁液からのPHAの分離性とを両立させ得る、PHAの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、PHAの製造過程において、PHAを含有する菌体を含む培養液に対して、無機過酸化物処理、有機過酸化物処理、アルカリ性タンパク質分解酵素処理をこの順で実施することにより、PHAの水性懸濁液中での凝集の抑制と、水性懸濁液からのPHAの分離性とを両立できることを初めて見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一態様は、以下の構成を含む。
〔1〕(a)ポリヒドロキシアルカン酸を含有する菌体を含む培養液に無機過酸化物を添加する工程、(b)前記工程(a)で得られた培養液に有機過酸化物を添加し、当該有機過酸化物の1分間半減期温度以下であって、かつ、0~100℃の温度で維持する工程、(c)前記工程(b)で得られた培養液にアルカリ性タンパク質分解酵素を添加して、酵素処理を行う工程、(d)前記工程(c)で得られた培養液のpHを10.0~12.0に調整する工程、および、(e)前記工程(d)で得られたポリヒドロキシアルカン酸の水性懸濁液を遠心分離する工程、を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
〔2〕前記工程(b)における、前記有機過酸化物の添加量は、前記工程(a)で得られた培養液に含まれるポリヒドロキシアルカン酸100重量部に対して、0.1~5重量部である、〔1〕に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
〔3〕前記有機過酸化物は、1分間半減期温度が140℃以下のパーオキシジカーボネートまたはパーオキシエステルである、〔1〕または〔2〕に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
〔4〕前記工程(a)は、前記無機過酸化物を添加したポリヒドロキシアルカン酸を含有する菌体を含む培養液を、30~75℃で維持する工程を含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
〔5〕前記工程(d)において、前記工程(c)で得られた培養液にさらに界面活性剤を添加する、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
〔6〕前記ポリヒドロキシアルカン酸が、3-ヒドロキシブチレート繰り返し単位およびその他のヒドロキシアルカノエート単位を含む共重合体であり、当該共重合体中の3-ヒドロキシブチレート単位/その他のアルカノエート単位の組成比が、70/30~88/12(mol/mol)である、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
〔7〕前記無機酸化物は、過酸化水素またはオゾンである、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、PHAの水性懸濁液中での凝集の抑制と、水性懸濁液からのPHAの分離性とを両立させ得る、PHAの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
(【0011】以降は省略されています)
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