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公開番号
2025116238
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2025093892,2024558318
出願日
2025-06-05,2024-05-28
発明の名称
セルロース系繊維製品の染色方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D06P
3/66 20060101AFI20250731BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】特定の温度、pH条件でのアルカリ洗浄を用いることで、CO
2
排出量を削減しつつ、染色堅牢度が高く、アルカリ処理による加水分解のない、反応染料で染色されたセルロース系繊維製品を得ることができる新規染色方法の提供。
【解決手段】本発明は、以下の工程:バッチ式又は連続式の染色方法であって、以下の工程:染色液中で、セルロース系繊維又はセルロース系繊維を含む繊維製品を、反応染料と反応させる染色反応工程;前記染色液を全部又は一部排出した後、pH10~14、温度15~70℃のアルカリ洗浄液で、染色された繊維又は繊維製品を、洗浄するアルカリ洗浄工程;及び前記アルカリ洗浄液を排出した後、水により洗浄するアルカリ後洗浄工程;を含む、セルロース系繊維又はセルロース系繊維を含む繊維製品の染色方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の工程:
バッチ式又は連続式の染色方法であって、以下の工程:
染色液中で、セルロース系繊維又はセルロース系繊維を含む繊維製品を、反応染料と反応させる染色反応工程;
前記染色液を全部又は一部排出した後、pH10~14、温度15~70℃のアルカリ洗浄液で、染色された繊維又は繊維製品を、洗浄するアルカリ洗浄工程;及び
前記アルカリ洗浄液を排出した後、水により洗浄するアルカリ後洗浄工程;
を含む、セルロース系繊維又はセルロース系繊維を含む繊維製品の染色方法。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記アルカリ後洗浄工程において、前記水に酸を添加し、酸を含む酸洗浄液で中和する、請求項1に記載の染色方法。
【請求項3】
前記染色反応工程及び前記アルカリ洗浄工程の間に、水溶液により洗浄する、アルカリ前洗浄工程を有する、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項4】
前記染色方法は、バッチ式の染色方法であり、かつ、前記アルカリ洗浄液が、pH10~13、温度15℃~70℃以下である、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項5】
前記染色方法は、連続式の染色方法であり、かつ、前記アルカリ洗浄液が、pH12~14、温度15℃~60℃である、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項6】
以下の式(1):
-0.07x+13≦y<-0.07x+17
{式中、xは、15~70℃の温度の値であり、そしてyは、10~14のpHの値である。}の関係を満たす、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項7】
前記アルカリ洗浄工程の全体にわたり、前記染色液を5℃以上70℃以下の温度に維持する、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項8】
前記反応染料が、求核付加型反応染料を含む、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項9】
前記アルカリ前洗浄工程において、浴比1:100以下で、温度5~70℃の水で洗浄する、請求項3に記載の染色方法。
【請求項10】
前記アルカリ洗浄工程において、浴比1:100以下で、温度15~70℃のアルカリ洗浄液で洗浄する、請求項1又は2に記載の染色方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性染料を使用した、セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含有する繊維製品の染色方法に関する。より詳しくは、本発明は、反応性染料を使用した、セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含有する繊維製品の染色方法において、染色反応工程後に特定の洗浄工程を含む染色方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含有する繊維製品の工業的な染色において、反応性染料を使用する場合、染色浴内に反応性染料とともに染色助剤として無機塩類とアルカリ剤を投入し、反応性染料の染色を実施する。無機塩類の存在は、セルロース繊維の内部への染料の吸収を促進するために必要であり、他方、アルカリ剤はセルロース繊維に反応染料を固定化させるために必要である。無機塩類とアルカリ剤の染色浴への投入は、均一な染色物を得るために重要な要素であることが一般に知られている。かかる反応染料を用いた染色では、染色反応の終了後、未反応の染料、染色助剤である無機塩類やアルカリ剤を洗浄しなければならない。その理由は、以下のとおりである:
・未反応の染料が残っていると、色落ちや他の生地への染料汚染というリスク、すなわち、染色堅牢度の不良が生じる、
・無機塩類は染料を吸尽させる役割があるため、塩の濃度が高い状態のままでは、染料自体を取り除けない、
・アルカリは皮膚刺激性があるため、酸などを使用して生地のpHを下げ、中和する必要がある。
【0003】
したがって、従来、反応染料を用いた染色方法における洗浄において、これらの薬品を染色された生地に残存させないようにするために、多くの洗浄を実施しなければならないという問題がある。
従来の水洗では、染料をよく吐き出させるために、高温での洗浄(一般には、90℃付近、低くとも75℃以上)が行われてきた。
かかる状況下、多量に使用する洗浄水を高温まで暖める際、ボイラーなどで炊いた蒸気を使用することが一般的であり、それには多くのエネルギーを使っており、さらに、昇温までの時間をかける必要があり、運転中に多くの電気を使うため、多くのCO
2
排出量を生じていた。
【0004】
以下の特許文献1には、スルファートエチルスルホニル基を有する反応染料により着色繊維材料のアルカリ性ソーピング浴を用いる洗浄方法において、温度75~95℃、バッチ方式の洗浄に際してはpH9~10、連続方式の洗浄に際してはpH9~12の洗浄液で、洗浄することが提案されている。
また、以下の特許文献2には、反応染料を用いた綿及び綿混紡織物の染色において、200°F(93.3℃)で、45wt%のKOH:10~74wt%、50ボーメ度のケイ酸ナトリウム:10~60wt%のアルカリ液を0.25~1g/Lで添加された洗浄液で洗浄することが記載されている。この場合、洗浄液のpHは11前後と推定される。
また、以下の特許文献3には、90℃で行ったソーピングと同等の効果が得られる70~75℃の洗浄に適したソーピング剤が、また、処理法として、70~75℃の重合脂肪酸の水溶性塩を含むソーピング剤を含む、pH10~12未満の洗浄液で洗浄することが提案されている。
さらに、以下の特許文献4には、アルカリ処理で容易に分解される分散染料と反応染料、好ましくは求核置換型の反応染料の染色物における処理法として、pH8以上、好ましくはpH10.0~13.5、温度50~85℃、好ましくは60~80℃で処理する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭62-78287号公報
米国特許第5378242号
特開平1-272888号公報
特開昭50―135383公報
【非特許文献】
【0006】
参考資料2 温室効果ガス排出量計算のための算定式及び排出係数一覧(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/suishin_g/3rd_edition/ref2.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、特に、求核付加型の反応染料を用いるセルロース系繊維及びその製品の染色方法における染色後の洗浄において、洗浄液の温度を低下させつつ、pHを高めることで、CO
2
排出量を削減しつつ、染色堅牢度が高く、アルカリ処理による加水分解のない、反応染料で染色されたセルロース系繊維製品を得ることができるセルロース系繊維生地の新規染色方法を提供することである。
本願発明者らは、かかる課題を解決すべく、以下のように、反応染料を用いた、セルロース系繊維及びその製品の染色後の洗浄に用いる洗浄水の低温化を検討した。
【0008】
上記したように、染色加工機械では、高温(一般には、90℃付近、低くとも75℃)での洗浄を行うことにより昇温にかかるエネルギーや運転時間がかかることでCO
2
排出量が増大する。
他方、温度を下げて、洗浄を行うと、十分な洗浄が行われず、色落ち(堅牢度)の不良につながる。
また、前記したように、アルカリを用いて洗浄することで、染色堅牢度を高めることがきるという技術が存在するが、アルカリには、染料の洗浄効果を高める効果がある一方で、既に反応している染料とさらに反応して結合を脱離させて堅牢度不良を起こし、又は色素自体を加水分解し、変色、褪色を引き起こすことが知られている。
特許文献1では、凡そpH9~10(浸染)、pH9~12(連染)で高温(75~95℃)での洗浄を行っているが、得られる効果は高くなく、かかる比較的低いpH領域でも加水分解による変色や堅牢度不良のリスクがあり、さらにはかかる比較的高温での処理は、加水分解のリスクだけでなく、CO
2
排出量も従来技術のものと変わらない。
また、特許文献2では、約93℃でpH11程度での洗浄が実施されており、この場合、変色のリスクはより高くなり、CO
2
排出量も従来技術のものと変わらない。
また、特許文献3では、請求項では75℃以下とあるものの、発明が解決しようとする課題には、「70~75℃の低温度」にすることが「要望されている」と記載され、それ以下の低温にすることを想定されておらず、70~75℃、pH10~12の洗浄では、得られる効果は高くなく、かかる比較的低いpH領域でも加水分解による変色や堅牢度不良のリスクがある。
また、特許文献4では、請求項では50~80℃とあるものの、実施例ではいずれも、80~85℃の洗浄を行っており、80~85℃、pH8を上回る洗浄では、得られる効果は高くなく、かかる比較的低いpH領域でも加水分解による変色や堅牢度不良のリスクがあり、CO
2
排出量も従来技術のものと比較し、大きく改善しない。
【0009】
他方、反応染料種には、反応基のタイプとして、「求核付加型」と「求核置換型」があるが、「求核付加型」では、特に加水分解のリスクが高まることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、特に、求核付加型の反応染料を用いるセルロース系繊維及びその製品の染色方法における染色後の洗浄において、洗浄液の温度を低下させつつ、pHを高めることで、CO
2
排出量を低下させ、かつ、アルカリ処理による染料の加水分解を回避しつつ、染色堅牢度の高い色ムラがない均一な染色物を得ることができることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
(【0011】以降は省略されています)
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