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公開番号
2025116497
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-08
出願番号
2024010953
出願日
2024-01-29
発明の名称
水平構面構造、水平構面構造の設計方法、および水平構面構造の施工方法
出願人
日鉄建材株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
E04B
5/02 20060101AFI20250801BHJP(建築物)
要約
【課題】コスト・工期を増やすことなく、高い面内せん断性能を有する水平構面構造を提供する。
【解決手段】木造建物の水平構面構造であって、木製の梁組と、厚さ方向の少なくとも一部が梁組の上面よりも下方に落とし込まれて梁組の内側に配置された水平構面部材と、梁組と水平構面部材とに接合されて水平構面部材を支持する支持部材とを備え、平行な一組の梁組間に生じる水平変位を梁組間の中心間距離で除した値である梁組の変形角について、支持部材と等価な接合部が終局に達する時の変形角をRu
等
、梁組と水平構面部材との間のクリアランスによる初期あそびに相当する変形角をR
0
とすると、R
0
≦Ru
等
を満足する、水平構面構造を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
木造建物の水平構面構造であって、
木製の梁組と、
厚さ方向の少なくとも一部が前記梁組の上面よりも下方に落とし込まれて前記梁組の内側に配置された水平構面部材と、
前記梁組と前記水平構面部材とに接合されて前記水平構面部材を支持する支持部材とを備え、
平行な一組の前記梁組間に生じる水平変位を前記梁組間の中心間距離で除した値である前記梁組の変形角について、前記支持部材と等価な接合部が終局に達する時の変形角をRu
等
、前記梁組と前記水平構面部材との間のクリアランスによる初期あそびに相当する変形角をR
0
とすると、R
0
≦Ru
等
を満足する、水平構面構造。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記等価な接合部が降伏する際の変形角をRy
等
とすると、
Ry
等
≦R
0
≦Ru
等
を満足する、請求項1に記載の水平構面構造。
【請求項3】
前記水平構面部材はデッキ合成スラブである、請求項1または請求項2に記載の水平構面構造。
【請求項4】
前記支持部材は、前記梁組の上面に固定される上フランジ部と、前記水平構面部材の下面に固定される下フランジ部と、前記上フランジ部と前記下フランジ部とを接続し、前記梁組の内法面に接するウェブ部とを有して、前記デッキ合成スラブに接合されている、請求項3に記載の水平構面構造。
【請求項5】
前記支持部材は、前記デッキ合成スラブの各辺の全幅に亘って延在する、請求項4に記載の水平構面構造。
【請求項6】
前記等価な接合部は、前記梁組と前記上フランジ部とに接している第1の接合部と等価な第1のバネ要素と、前記デッキ合成スラブと前記下フランジ部とに接している第2の接合部と等価な第2のバネ要素とが、前記水平構面構造が受けた水平力のために前記梁組と前記デッキ合成スラブの隅角部とが接触するまで前記水平力に抵抗する機構である、請求項4または請求項5に記載の水平構面構造。
【請求項7】
前記梁組と前記デッキ合成スラブとは、前記水平構面構造が水平力を受けて前記梁組と前記デッキ合成スラブとが接触した後、前記梁組と前記デッキ合成スラブとの間の圧縮力で前記等価な接合部とともに前記水平力に抵抗する機構である、請求項6に記載の水平構面構造。
【請求項8】
前記梁組に筋かいを設けずに、相当床倍率4.0倍以上とした、請求項1に記載の水平構面構造。
【請求項9】
木製の梁組と、
厚さ方向の少なくとも一部が前記梁組の上面よりも下方に落とし込まれて前記梁組の内側に配置された水平構面部材と、
前記梁組と前記水平構面部材とに接合されて前記水平構面部材を支持する支持部材とを備える木造建物の水平構面構造の設計方法であって、
平行な一組の前記梁組間に生じる水平変位を前記梁組間の中心間距離で除した値である前記梁組の変形角について、前記支持部材と等価な接合部の終局に達する時の変形角をRu
等
、前記梁組と前記水平構面部材との間のクリアランスによる初期あそびに相当する変形角をR
0
とすると、R
0
≦Ru
等
を満足する、水平構面構造の設計方法。
【請求項10】
請求項3に記載の水平構面構造の施工方法であって、
前記梁組を構築する工程と、
前記梁組の内側にデッキプレートを前記支持部材を介して支持させる工程と、
前記デッキプレートを型枠としてコンクリートを流し込むことによって前記デッキ合成スラブを構築する工程と
を含む、水平構面構造の施工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建物の水平構面構造、水平構面構造の設計方法、および水平構面構造の施工方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、戦後に造林された森林資源が本格的な利用期を迎えたことから、公共建築物をはじめとする建築物の木造化を推進する動きが盛んであり、林野庁が主体となり木材の利用促進に関する法律が整理されている。これにより、従来は鉄骨造やRC造で建設することが大半であった大規模案件でも木造化が進んでいる。
【0003】
このような木造建築物の大規模化に伴い、木造水平構面には高い面内せん断性能が要求されている。仕様規定に基づく水平構面の許容せん断耐力は最大7.84kN/mであり、床倍率に換算すると4.00倍の面内せん断性能を有するが、建築用途・規模によってはより高い面内せん断性能が要求されることもあり、要求性能を満足する新たな構法の確立が求められている。特許文献1には、高い床倍率を得るための水平構面の構築方法について記載されている。木造水平構面に仕様規定ではない仕様を用いる場合、または、水平構面部材が所定の面内せん断性能を有しない場合、筋かい材を取り付け、面内せん断性能を有する仕様とする必要がある。木造の水平構面に筋かい材を取り付けるには、木造の梁組、柱、壁などに接合部材を設ける必要があり、コストおよび工期がかかる。そのため、筋かい材を用いず、仕様規定と同等以上の面内せん断性能を有する水平構面部材が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許6990817号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特に大規模案件では、床倍率が4.00倍を超える面内せん断性能が要求されることがある。このような場合、例えば筋かいを設けるなどして面内せん断性能を向上させていたが、このような対策を行うことによって、コスト・工期が増えてしまうという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、コスト・工期を増やすことなく、高い面内せん断性能を有する水平構面構造、水平構面構造の設計方法、および水平構面構造の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]木造建物の水平構面構造であって、木製の梁組と、厚さ方向の少なくとも一部が前記梁組の上面よりも下方に落とし込まれて前記梁組の内側に配置された水平構面部材と、前記梁組と前記水平構面部材とに接合されて前記水平構面部材を支持する支持部材とを備え、平行な一組の前記梁組間に生じる水平変位を前記梁組間の中心間距離で除した値である前記梁組の変形角について、前記支持部材と等価な接合部が終局に達する時の変形角をRu
等
、前記梁組と前記水平構面部材との間のクリアランスによる初期あそびに相当する変形角をR
0
とすると、R
0
≦Ru
等
を満足する、水平構面構造。
[2]前記等価な接合部が降伏する際の変形角をRy
等
とすると、Ry
等
≦R
0
≦Ru
等
を満足する、請求項[1]に記載の水平構面構造。
[3]前記水平構面部材はデッキ合成スラブである、[1]または[2]に記載の水平構面構造。
[4]前記支持部材は、前記梁組の上面に固定される上フランジ部と、前記水平構面部材の下面に固定される下フランジ部と、前記上フランジ部と前記下フランジ部とを接続し、前記梁組の内法面に接するウェブ部とを有して、前記デッキ合成スラブの各辺に接合されている、[3]に記載の水平構面構造。
[5]前記支持部材は、前記デッキ合成スラブの各辺の全幅に亘って延在する、[4]に記載の水平構面構造。[6]前記等価な接合部は、前記梁組と前記上フランジ部とに接している第1の接合部と等価な第1のバネ要素と、前記デッキ合成スラブと前記下フランジ部とに接している第2の接合部と等価な第2のバネ要素とが、前記水平構面構造が受けた水平力のために前記梁組と前記デッキ合成スラブの隅角部とが接触するまで前記水平力に抵抗する機構である、[4]または[5]に記載の水平構面構造。
[7]前記梁組と前記デッキ合成スラブとは、前記水平構面構造が水平力を受けて前記梁組と前記デッキ合成スラブとが接触した後、前記梁組と前記デッキ合成スラブとの間の圧縮力で前記水平力に抵抗する機構である、[6]に記載の水平構面構造。
[8]前記梁組に筋かいを設けずに、相当床倍率4.0倍以上とした、[1]に記載の水平構面構造。
[9]木製の梁組と、厚さ方向の少なくとも一部が前記梁組の上面よりも下方に落とし込まれて前記梁組の内側に配置された水平構面部材と、前記梁組および前記水平構面部材とにそれぞれ接合されて前記水平構面部材を支持する支持部材とを備える木造建物の水平構面構造の設計方法であって、平行な一組の前記梁組間に生じる水平変位を前記梁組間の中心間距離で除した値である前記梁組の変形角について、前記支持部材と等価な接合部の終局に達する時の変形角をRu
等
、前記梁組と前記水平構面部材との間のクリアランスによる初期あそびに相当する変形角をR
0
とすると、R
0
≦Ru
等
を満足する、水平構面構造の設計方法。
[10]上記[3]に記載の水平構面構造の施工方法であって、前記梁組を構築する工程と、前記梁組の内側にデッキプレートを前記支持部材を介して支持させる工程と、前記デッキプレートを型枠としてコンクリートを流し込むことによって前記デッキ合成スラブを構築する工程とを含む、水平構面構造の施工方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、真壁形式水平構面構造において圧縮筋かい効果を効果的に作用させて、高い面内せん断性能を有する水平構面構造を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態に係る水平構面構造の平面図である。
図1のII-II線に沿った、水平構面構造の断面図である。
水平構面部材と支持部材の構成について別の形態を示す断面図である。
水平構面部材と支持部材の構成について別の形態を示す断面図である。
水平構面部材と支持部材の構成について別の形態を示す断面図である。
水平構面構造の梁組にせん断力が加わった場合の梁組の変形角Rを説明する平面図である。
真壁形式水平構面構造におけるモーメントMと変形角Rの関係を表すグラフである。
条件(I)下での真壁形式水平構面構造におけるモーメントMと変形角Rの関係を表すグラフである。
条件(II)下での真壁形式水平構面構造におけるモーメントMと変形角Rの関係を表すグラフである。
条件(III)下での真壁形式水平構面構造におけるモーメントMと変形角Rの関係を表すグラフである。
条件(IV)下での真壁形式水平構面構造におけるモーメントMと変形角Rの関係を表すグラフである。
条件(V)下での真壁形式水平構面構造におけるモーメントMと変形角Rの関係を表すグラフである。
クリアランスと相当床倍率の関係を示すグラフである。
水平構面構造の性能確認試験の結果であり、せん断力-変形角関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
〔水平構面構造の構成〕
本発明の水平構面構造は、面材を梁組に対して直接釘打ちなどにより接合する直張り水平構面構造とは異なり、面材を梁組の内側に配置し、面材の厚さ方向の少なくとも一部を梁組の上面よりも下方に落とし込んだ構造である。以下、この水平構面構造を真壁形式水平構面構造と呼ぶこともある。
(【0011】以降は省略されています)
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