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公開番号2025118126
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013262
出願日2024-01-31
発明の名称転がり軸受の状態監視方法、状態監視装置、およびプログラム
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類G01M 99/00 20110101AFI20250805BHJP(測定;試験)
要約【課題】転がり軸受の焼き付きの予兆をより精度良く捉え、汎用的な状態監視を実現する。
【解決手段】転がり軸受の状態監視方法であって、前記転がり軸受の振動データを取得する取得工程と、前記振動データから第1の時間幅の第1のデータを抽出する抽出工程と、前記第1のデータに対してゼロパディングおよび振幅補正を行うことにより、前記第1の時間幅よりも大きい第2の時間幅の第2のデータを生成する生成工程と、前記第2のデータに対して周波数解析を行うことにより、前記第1のデータにおける転動体通過周波数を導出する導出工程と、前記振動データにおける前記転動体通過周波数の変化の傾きに基づいて、前記転がり軸受にて発生する焼き付きの予兆を特定することにより、前記転がり軸受の状態を監視する監視工程と、を有する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
転がり軸受の状態監視方法であって、
前記転がり軸受の振動データを取得する取得工程と、
前記振動データから第1の時間幅の第1のデータを抽出する抽出工程と、
前記第1のデータに対してゼロパディングおよび振幅補正を行うことにより、前記第1の時間幅よりも大きい第2の時間幅の第2のデータを生成する生成工程と、
前記第2のデータに対して周波数解析を行うことにより、前記第1のデータにおける転動体通過周波数を導出する導出工程と、
前記振動データにおける前記転動体通過周波数の変化の傾きに基づいて、前記転がり軸受にて発生する焼き付きの予兆を特定することにより、前記転がり軸受の状態を監視する監視工程と、
を有する状態監視方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記監視工程は、前記振動データにおける単位時間当たりの転動体通過周波数の変化の傾きが、所定の期間にわたって連続して負の値である場合、焼き付きの予兆として検出する、請求項1に記載の状態監視方法。
【請求項3】
前記監視工程は、最小二乗法を用いて、前記単位時間の振動データを用いて所定の周期ごとに導出された複数の転動体通過周波数の値から、当該単位時間当たりの転動体通過周波数の平均の傾きを算出する、請求項2に記載の状態監視方法。
【請求項4】
前記監視工程は更に、前記振動データに基づいて導出された前記転動体通過周波数が所定の閾値を下回った場合に、焼き付きが発生する可能性が高い予兆として検出する、請求項1に記載の状態監視方法。
【請求項5】
前記転動体通過周波数は、前記転がり軸受を構成する外輪の周波数成分であるZfcのピーク周波数である、請求項1に記載の状態監視方法。
【請求項6】
前記転がり軸受は、絶縁体により構成される、請求項1に記載の状態監視方法。
【請求項7】
転がり軸受の状態監視装置であって、
前記転がり軸受の振動データを取得する取得手段と、
前記振動データから第1の時間幅の第1のデータを抽出する抽出手段と、
前記第1のデータに対してゼロパディングおよび振幅補正を行うことにより、前記第1の時間幅よりも大きい第2の時間幅の第2のデータを生成する生成手段と、
前記第2のデータに対して周波数解析を行うことにより、前記第1のデータにおける転動体通過周波数を導出する導出手段と、
前記振動データにおける前記転動体通過周波数の変化の傾きに基づいて、前記転がり軸受にて発生する焼き付きの予兆を特定することにより、前記転がり軸受の状態を監視する監視手段と、
を有する状態監視装置。
【請求項8】
コンピュータに、
転がり軸受の振動データを取得する取得工程と、
前記振動データから第1の時間幅の第1のデータを抽出する抽出工程と、
前記第1のデータに対してゼロパディングおよび振幅補正を行うことにより、前記第1の時間幅よりも大きい第2の時間幅の第2のデータを生成する生成工程と、
前記第2のデータに対して周波数解析を行うことにより、前記第1のデータにおける転動体通過周波数を導出する導出工程と、
前記振動データにおける前記転動体通過周波数の変化の傾きに基づいて、前記転がり軸受にて発生する焼き付きの予兆を特定することにより、前記転がり軸受の状態を監視する監視工程と、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受の状態監視方法、状態監視装置、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、様々な機械装置において転がり軸受が利用されており、このような機械装置の動作を適切に実施、継続するために、転がり軸受の状態監視が行われている。転がり軸受を備える機械装置の例としては、風力発電装置や工作機械などが挙げられる。転がり軸受の状態監視の一つとして、焼き付きの発生の監視がある。焼き付きは、転がり軸受の重大な故障直前の急激な温度上昇で初めて捉えられることが多い。これに対し、故障発生の抑制や装置の不具合などを目的として、故障直前ではなくなるべく早い段階で焼き付きの検出を可能とする方法が求められている。
【0003】
焼き付きの検出に際し、温度や振動の大きさなどのデータを用いた手法や、潤滑油の劣化状態の分析など様々なものが挙げられる。例えば、特許文献1では、転がり軸受の振動データから転動体通過周波数の低下を検出し、転がり軸受の状態を監視する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-017291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、従来の手法では、突発的な焼き付きを予測することが難しい、焼き付きが発生する前の兆候(以下、焼き付き予兆)を捉えることは可能であるが高コストで実機投入のハードルが高い、といった課題がある。
【0006】
例えば、転がり軸受を備える風力発電装置では、一般的に回転速度が遅く、回転に係る周波数特性を捉えるためには、非常に細かな分解能が必要である。そのためには、風力発電装置の動作に対し、長時間の計測が必要となる。長時間の計測を行った場合には計測データの容量が膨大となり、必然的に計算や保存コストが高くなる。
【0007】
また、適用する機械装置の動作条件や環境などに関わらず、汎用的な焼き付きの予兆を捉えることが可能な手法が求められる。例えば、特許文献1のような周波数に対する所定の閾値を用いた判定手法を用いる場合、適切な閾値は、機械装置の実際の動作条件や環境などに左右されるため、閾値の設定が難しく、適用環境によっては精度の高い予兆検出が困難な場合がある。また、測定データにはノイズが含まれることが想定されるが、このようなノイズの影響により、転がり軸受の動作に係る正しい周波数特性(例えば、ピーク値)を抽出することができない場合がある。そのため、特許文献1のような閾値と、ノイズの影響を受けた測定データに基づく周波数特性との比較のみでは、実際の損傷の予兆となる物理現象を十分に捉えきれていない可能性がある。
【0008】
上記課題を鑑み、本発明は、転がり軸受の焼き付きの予兆をより精度良く捉え、汎用的な状態監視を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、転がり軸受の状態監視方法であって、
前記転がり軸受の振動データを取得する取得工程と、
前記振動データから第1の時間幅の第1のデータを抽出する抽出工程と、
前記第1のデータに対してゼロパディングおよび振幅補正を行うことにより、前記第1の時間幅よりも大きい第2の時間幅の第2のデータを生成する生成工程と、
前記第2のデータに対して周波数解析を行うことにより、前記第1のデータにおける転動体通過周波数を導出する導出工程と、
前記振動データにおける前記転動体通過周波数の変化の傾きに基づいて、前記転がり軸受にて発生する焼き付きの予兆を特定することにより、前記転がり軸受の状態を監視する監視工程と、
を有する状態監視方法。
【0010】
また、本発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、転がり軸受の状態監視装置であって、
前記転がり軸受の振動データを取得する取得手段と、
前記振動データから第1の時間幅の第1のデータを抽出する抽出手段と、
前記第1のデータに対してゼロパディングおよび振幅補正を行うことにより、前記第1の時間幅よりも大きい第2の時間幅の第2のデータを生成する生成手段と、
前記第2のデータに対して周波数解析を行うことにより、前記第1のデータにおける転動体通過周波数を導出する導出手段と、
前記振動データにおける前記転動体通過周波数の変化の傾きに基づいて、前記転がり軸受にて発生する焼き付きの予兆を特定することにより、前記転がり軸受の状態を監視する監視手段と、
を有する状態監視方法。
(【0011】以降は省略されています)

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