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公開番号2025119290
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-14
出願番号2024014097
出願日2024-02-01
発明の名称癌細胞検査方法と癌細胞検査装置
出願人国立大学法人富山大学
代理人個人
主分類G01N 33/574 20060101AFI20250806BHJP(測定;試験)
要約【課題】肺癌の検査及び診断のための癌細胞検査を簡易且つ高精度に行うことができる癌細胞検査方法と癌細胞検査装置を提供する。
【解決手段】CTC-tipを用いて検査対象細胞群を補足し、補足した検査対象細胞群に対して所定の抗体により蛍光染色を行う。染色した検査対象細胞群の血中細胞画像を撮影し、血中細胞画像の特徴量についてクラスタリングを行う。特徴量は、少数細胞特徴量と多数細胞特徴量を求めるもので、深層学習により、健常人と癌患者からサンプリングした血中細胞画像を用いてEfficient-GANによる異常検出器の学習を行う。多数細胞特徴量は、複数の形態特徴量における輝度とその発生頻度の輝度ヒストグラムのグラフ形態を含む。少数細胞特徴量は、少数細胞検出器を用いて検査対象細胞群の血中細胞画像を検出し、少数細胞の血中細胞画像を所定の基準によりクラスタリングし、分類した各クラスタの出現確率を用いて少数細胞特徴量を求める。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
採血した血液を撮影した血中細胞画像を用いて、癌細胞の可能性を検査する癌細胞検査方法において、
CTC-tipを用いて検査対象細胞群を補足し、補足した検査対象細胞群に対して所定の抗体により蛍光染色を行い、染色した前記検査対象細胞群の血中細胞画像を撮影し、
この後、前記血中細胞画像の特徴量について機械学習処理におけるクラスタリングを行うものであって、前記特徴量は、少数細胞特徴量と多数細胞特徴量を求めるもので、
予め、深層学習により、健常人と癌患者からサンプリングした血中細胞画像を用いてGANによる異常検出器の学習を行い、
前記血中細胞画像における前記多数細胞特徴量について、前記血中細胞画像の複数の形態特徴量における輝度とその発生頻度の輝度ヒストグラムのグラフ形態を含む複数の前記輝度ヒストグラムを形成し、所定の前記多数細胞特徴量閾値により前記多数細胞特徴量を識別し、
少数細胞検出器を用いて前記検査対象細胞群の前記血中細胞画像中の少数細胞を検出し、前記少数細胞の前記血中細胞画像を所定の基準によりクラスタリングし、分類した各クラスタの出現確率を用いて前記少数細胞特徴量を求め、前記血中細胞画像中の白血球画像及びその他ノイズ画像を除去して、所定の少数細胞特徴量閾値により前記検査対象細胞群について前記少数細胞特徴量を識別し、
識別された前記多数細胞特徴量及び前記少数細胞特徴量について、前記多数細胞特徴量閾値及び前記少数細胞特徴量閾により異常と判断された前記検査対象細胞群について癌細胞の可能性があるとする癌細胞検査方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記蛍光染色に用いる抗体は、細胞核のDNAに発現するHoechst、白血球に発現するCD45、上皮細胞に発現するCKの3種である請求項1記載の癌細胞検査方法。
【請求項3】
前記多数細胞特徴量は前記血中細胞画像における、前記Hoechst、前記CD45、及び前記CKについて、各平均輝度、前記輝度ヒストグラムの高さ、前記輝度ヒストグラムの幅、輝度ヒストグラムの中央値、前記輝度ヒストグラムの歪度、及び前記輝度ヒストグラムの尖度のうちの複数種類から成る請求項2記載の癌細胞検査方法。
【請求項4】
前記多数細胞特徴量閾値は、前記多数細胞特徴量について健常者と癌患者との前記輝度ヒストグラムの前記発生頻度又は前記輝度の値の差を基に設定する請求項3記載の癌細胞検査方法。
【請求項5】
前記少数細胞検出器を用いた前記血中細胞画像に映る前記白血球画像の除去は、単独で前記血中細胞画像に映る白血球を除去し、さらに前記血中細胞画像内に複数で映る白血球を除去する請求項1記載の癌細胞検査方法。
【請求項6】
前記少数細胞特徴量をクラスタリングし、前記学習された前記異常検出器により、健常者と癌患者との前記少数細胞特徴量の相違を基に癌細胞の可能性があるとする請求項1記載の癌細胞検査方法。
【請求項7】
前記白血球の除去は、一段階目で、異常値及び画像内に映る細胞数により細胞数閾値を決定し、細胞数については画像に対して二値化を行い検出される細胞成分の個数を数え、
画像内に単独で写りかつ異常値が低い細胞を正常とするように前記細胞数閾値を設定し、
次に、前記一段階目では正常とした画像内に複数細胞が写っている画像を除去するために、特異的に発光している細胞を検出する異常値の異常値閾値を決め、前記異常値閾値の決定基準として、画像中の細胞の面積を用い、各細胞の異常値と面積を求めて、異常値を昇順に並べたときの、細胞面積の平均値である細胞の異常値を第二の閾値として前記白血球の画像を除去し、、
前記第二の閾値以上の異常値を有した前記検査対象細胞群に対してクラスタリングを行い、これにより得たクラスタを、正常人の場合と比較した出現確率を特徴量として癌細胞を識別する請求項4記載の癌細胞検査方法。
【請求項8】
採血した血液を撮影した血中細胞画像を用いて、癌細胞の可能性を検査する癌細胞検査装置において、
CTC-tipを用いて検査対象細胞群を補足し、補足した検査対象細胞群に対して所定の抗体により蛍光染色を行い、染色した前記検査対象細胞群の血中細胞画像を撮影する血中細胞画像撮影装置と、
前記血中細胞画像の特徴量についてクラスタリングを行うものであって、前記特徴量は、少数細胞特徴量と多数細胞特徴量を求める特徴量抽出装置とを備え、
前記特徴量抽出装置は、予め、深層学習により、健常人と癌患者からサンプリングした血中細胞画像を用いてGANによる異常検出器の学習を行ったものであり、
前記特徴量抽出装置は、前記血中細胞画像における前記多数細胞特徴量について、前記血中細胞画像の複数の形態特徴量における輝度とその発生頻度の輝度ヒストグラムのグラフ形態を含む複数の前記輝度ヒストグラムを形成し、所定の前記多数細胞特徴量閾値により前記多数細胞特徴量を識別するとともに、少数細胞検出器を用いて前記検査対象細胞群の前記血中細胞画像中の少数細胞を検出し、前記少数細胞の前記血中細胞画像を所定の基準によりクラスタリングし、分類した各クラスタの出現確率を用いて前記少数細胞特徴量を求め、前記血中細胞画像中の白血球画像及びその他ノイズ画像を除去して、所定の少数細胞特徴量閾値により前記検査対象細胞群について前記少数細胞特徴量を識別する処理装置からなり、
識別された前記多数細胞特徴量及び前記少数細胞特徴量について、前記多数細胞特徴量閾値及び前記少数細胞特徴量閾により異常と判断された前記検査対象細胞群について癌細胞か否かを識別可能にする癌細胞検査装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、機械学習を利用して細胞画像から癌細胞をスクリーニングし癌検査を行う癌細胞検査方法と癌細胞検査装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、一般的な肺癌の検査手法としては、まずX線レントゲンなどでスクリーニングを行い、陽性と判断されたものに対してCT検査や生検による確定診断が行われる。しかし現状スクリーニング手法として主流となっているX線レントゲン検査は高い特異度であるが低感度であり、未検出の癌患者が40%程度出てしまうという課題が存在する。肺癌治療において早期診断は生存率に直結する重要なファクターであり、そのためより高感度なスクリーニングによる未検出者の減少が望まれる。
【0003】
その他、液体生検による癌検査方法は、血液や尿といった体液から抽出したエクソソーム(Exosome)や循環腫瘍細胞(CTC)を用いて様々な診断を行う生検であり、低侵襲な特性から肺癌診断においても研究が進められている。肺癌においては、CTCなどが予後の予測やスクリーニングにおけるマーカーとして用いられているが、個数に限った予測や遺伝子解析を必要とすることが現状となっている。
【0004】
その他の癌検査方法として、特許文献1に示すように、多重癌遺伝子バイオマーカーを用いた乳癌の早期診断および治療後のモニタリング方法が提案されている。具体的には、(a)正常人及び被検者の生物学的試料から分離したエクソソーム(Exosome)からmRNAを抽出する段階;(b)抽出されたmRNAを鋳型としてアデニンヌクレオチド転位酵素2、及び電位依存性陰イオン選択性チャネル1遺伝子のmRNAレベルを測定する段階;及び(c)ANT2及びVDAC1遺伝子のmRNAレベルが正常人に比べて増加したとき乳癌と判定する段階を含む、乳癌の早期診断の早期診断方法が開示されている。
【0005】
一方、近年、AI(Artificial Intelligence)の要素技術として機械学習が多く用いられている。特に深層学習(Deep Learning)は、画像処理や自然言語処理、音声認識等の分野にも広く応用されている。さらに、生成AIの一つとして敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks, GAN)がある。生成モデルであるGANは、データから特徴を学習することで、実在しないデータを生成することや、存在するデータの特徴を変換することができ、正解データを与えることなく特徴を学習する教師なし学習の一手法である。
【0006】
また、Deep Learningの好適な用途の1つに画像等の異常検知がある。機械学習における教師あり学習は、異常パターンが無数にある場合には適用が難しく、そのような場合には、ラベルを使用せず正常例のみを学習データとする教師なし学習が効果的であり、教師なし学習手法としてGANを用い、従来の機械学習の手法に比べて異常検知精度の改善する方法が種々提案されている。
【0007】
そこで、AIを用いた機械学習を肺癌検査等に組み合わせることでCTCの個数に限らず、その他の様々な血中細胞からの特徴を用いた精度の高い肺癌検査が期待される。
【0008】
AIを用いた癌検査方法としては、特許文献2に開示されるデジタル病理画像処理システムが提案されている。具体的には、組織サンプルのデジタル病理画像を受信し、デジタル病理画像を複数のパッチに細分化する。組織サンプルのデジタル病理画像は、非小細胞肺癌(NSCLC)と診断された患者からの腫瘍サンプルの全スライドスキャン画像とし、デジタル病理画像またはスライド画像全体は、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色画像である。この方法では、パッチごとに、パッチ内で検出された画像特徴を識別することと、機械学習モデルを使用して、パッチ内で識別された画像特徴に対応する1つ以上のラベルを生成することとを含み、機械学習モデルは、深層学習ニューラルネットワークとすることができる。一実施形態では、画像特徴は、組織像を含み、パッチに適用される1つ以上のラベルは、腺癌(ADC)および扁平上皮癌腫(SCC)の癌領域を含む。この方法では、生成されたラベルに基づいて組織サンプルの異種性メトリックを決定し、異種性メトリックは、組織サンプル中の識別された画像特徴および対応するラベルの異種性の程度を評価するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第7187081号公報
特表2023-534448号公報
【非特許文献】
【0010】
Hyunku Shin, Seunghyun Oh, Soonwoo Hong, Minsung Kang, DaehyeonKang, Yong-gu Ji, Byeong Hyeon Choi, Ka-Won Kang, Hyesun Jeong, Yong Park,Sunghoi Hong, Hyun Koo Kim, and Yeonho Choi “Early-Stage Lung Cancer Diagnosisby Deep Learning-Based Spectroscopic Analysis of Circulating Exosomes” Nano2020 14 (5), 5435-5444
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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