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公開番号2025120843
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-18
出願番号2024015970
出願日2024-02-05
発明の名称匂いセンサ
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類G01N 27/327 20060101AFI20250808BHJP(測定;試験)
要約【課題】嗅細胞を用いた匂いセンサにおいて、嗅細胞の応答範囲に依拠せずに匂い物質の濃度の計測範囲を拡げる技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する匂いセンサは、流路、吸気装置、嗅細胞、検知器、制御器を備える。吸気装置は、流路に送り込むガスの流量を調整する。ここで、ガスは、特定の匂い物質を含む気体であり、典型的には空気でよい。嗅細胞は流路内に配置されている。嗅細胞は、特定の匂い物質が結合すると、結合した匂い物質の量に応じた応答を示す。検知器は、嗅細胞の応答を検知し、結合した匂い物質の量の計測値を出力する。制御器は、検知器の計測値が所定の基準値に一致するように吸気装置を制御するとともに、吸気装置の出力に基づいてガス中の匂い物質の濃度を特定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
流路と、
前記流路に送り込むガスの流量を調整する吸気装置と、
前記流路の中に配置されており、ガス中の特定の匂い物質が結合すると、結合した前記匂い物質の量に応じた応答を示す嗅細胞と、
前記応答を検知し、前記応答から前記匂い物質の量の計測値を出力する検知器と、
前記計測値が所定の基準値に一致するように前記吸気装置を制御するとともに、前記吸気装置の出力に基づいて前記ガス中の前記匂い物質の濃度を特定する制御器と、
を備えている、匂いセンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、嗅細胞を用いた匂いセンサに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
嗅細胞を用いた匂いセンサが知られている(特許文献1-3)。特許文献1の匂いセンサは、嗅細胞、嗅細胞に匂い分子が接合したときの嗅細胞の応答を光学的または電気的に計測する検知器を備える。特許文献2にも同様のセンサが開示されている。なお、嗅細胞の応答や、匂い物質の量と検知器の出力との関係については、例えば非特許文献1を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-007741号公報
特開2020-041947号公報
特開2020-510417号公報
【非特許文献】
【0004】
Mainland, J. D., Li, Y. R., Zhou, T., Liu, W. L. L. & Matsunami, H., 2015, Human olfactory receptor responses to odorants, Scientific data, 2(1), 1-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
嗅細胞に結合した匂い物質の量が多いほど嗅細胞の応答は大きくなる。すなわち、嗅細胞の応答が高いほどガス中の匂い物質の濃度が高いことがわかる。しかしながら、嗅細胞の応答範囲は狭いことが知られている。ここで、応答範囲とは、結合した匂い物質の量の変化に対する嗅細胞の応答出力の変化の割合が大きい範囲を意味する。嗅細胞は生体であるため、その応答範囲を拡げることは難しい。本明細書は、嗅細胞を用いた匂いセンサにおいて、嗅細胞の応答範囲に依拠せずに匂い物質の濃度の計測範囲を拡げる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する匂いセンサは、流路、吸気装置、嗅細胞、検知器、制御器を備える。吸気装置は、流路に送り込むガスの流量を調整する。ここで、ガスは、特定の匂い物質を含む気体であり、典型的には空気でよい。嗅細胞は流路内に配置されている。嗅細胞は、特定の匂い物質が結合すると、結合した匂い物質の量に応じた応答を示す。検知器は、嗅細胞の応答を検知し、結合した匂い物質の量の計測値を出力する。検知器の原理の詳細については、前述した特許文献1-3、非特許文献1を参照されたい。制御器は、検知器の計測値が所定の基準値に一致するように吸気装置を制御するとともに、吸気装置の出力に基づいてガス中の匂い物質の濃度を特定する。
【0007】
基準値には、嗅細胞の応答範囲内の値が採用される。好ましくは、結合した匂い物質の量の変化に対する嗅細胞の応答出力の変化が最大となるときの嗅細胞の応答値が基準値として採用される。検知器の計測値が基準値を下回る場合、制御器は吸気装置の出力を上げる。計測値が基準値を上回る場合、制御器は吸気装置の出力を下げる。検知器の計測値が基準値に等しいことは、嗅細胞に結合した匂い物質の量が一定であることを意味する。一方、流路に送り込まれるガスの量は、流路に送り込まれるガスの流量で定まり、ガスの流量は吸気装置の出力に依存する。基準値に対応する匂い物質の量を記号Aで表し、吸気装置の出力をBで表すと、ガス中の匂い物質の濃度は、A/Bと一意の相関があることがわかる。A/Bの値を匂い物質の濃度へ変換する変換式は、予め特定され、制御器に組み込まれている。匂いセンサは、基準値と、吸気装置の出力と、変換式によって、ガス中の匂い物質の濃度を特定することができる。
【0008】
Bの取り得る範囲が匂いセンサの計測範囲に相当する。すなわち、本明細書が開示する匂いセンサは、嗅細胞の応答範囲に依拠せずに、吸気装置の性能により濃度の計測範囲を定めることができる。動作範囲の広い吸気装置を採用することで、広い計測範囲を有する匂いセンサを実現することができる。
【0009】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例の匂いセンサの構造を示す模式図である。
吸気装置の出力と匂い物質の濃度の関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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