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公開番号2025126644
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024022975
出願日2024-02-19
発明の名称半導体装置の製造方法および半導体装置
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H10D 30/66 20250101AFI20250822BHJP()
要約【課題】スーパージャンクション(SJ)構造の耐圧を確保できる技術を提供する。
【解決手段】積層SJ構造を備えた半導体装置の製造方法である。下側SJ層は、第1導電型の下側第1カラムと第2導電型の下側第2カラムとが、第1方向に繰り返し配置されている。上側SJ層は、第1導電型の上側第1カラムと第2導電型の上側第2カラムとが、第2方向に繰り返し配置されている。製造方法は、下側SJ層の上面に第1導電型の上側半導体層を形成する工程を備える。製造方法は、上側半導体層の上面に、上側第2カラムに対応する開口を備えた上側マスク層を形成する工程を備える。製造方法は、上側マスク層を介して、下側SJ層の上面に、第1導電型の第1不純物を注入する第1注入工程を備える。製造方法は、上側マスク層を介して、上側半導体層の深さ方向の全体に、第2導電型の第2不純物を多段注入する第2注入工程を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下側スーパージャンクション層(13)と、前記下側スーパージャンクション層の上面に配置されている上側スーパージャンクション層(14)と、を備える積層スーパージャンクション構造(SS)を備えた半導体装置(1)の製造方法であって、
前記下側スーパージャンクション層は、第1導電型の下側第1カラム(13n)と第2導電型の下側第2カラム(13p)とが、第1方向(y方向)に沿って交互に繰り返し配置されており、
前記上側スーパージャンクション層は、第1導電型の上側第1カラム(14n)と第2導電型の上側第2カラム(14p)とが、前記第1方向と角度を有する第2方向(x方向)に沿って交互に繰り返し配置されており、
前記下側スーパージャンクション層の上面に第1導電型の上側半導体層(14u)を形成する工程(S60)と、
前記上側半導体層の上面に、前記上側第2カラムに対応する開口を備えた上側マスク層(42)を形成する工程(S70)と、
前記上側マスク層を介して、前記下側スーパージャンクション層の上面に、第1導電型の第1不純物(リン)を注入する第1注入工程(S80)と、
前記上側マスク層を介して、前記上側半導体層の深さ方向の全体に、第2導電型の第2不純物(アルミニウム)を多段注入する第2注入工程(S90)と、
を備える、半導体装置の製造方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
下側スーパージャンクション層と、前記下側スーパージャンクション層の上面に配置されている上側スーパージャンクション層と、を備える積層スーパージャンクション構造を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記下側スーパージャンクション層は、第1導電型の下側第1カラムと第2導電型の下側第2カラムとが、第1方向に沿って交互に繰り返し配置されており、
前記上側スーパージャンクション層は、第1導電型の上側第1カラムと第2導電型の上側第2カラムとが、前記第1方向と角度を有する第2方向に沿って交互に繰り返し配置されており、
前記下側スーパージャンクション層の上面に、前記上側第2カラムに対応する開口を備えた特定マスク層(43)を形成する工程(S44a)と、
前記特定マスク層を介して、前記下側スーパージャンクション層の上面に、第1導電型の第1不純物を注入する第1注入工程(S46a)と、
前記下側スーパージャンクション層の上面に第1導電型の上側半導体層を形成する工程(S60)と、
前記上側半導体層の上面に、前記上側第2カラムに対応する開口を備えた上側マスク層(42)を形成する工程(S70)と、
前記上側マスク層を介して、前記上側半導体層の深さ方向の全体に、第2導電型の第2不純物を多段注入する第2注入工程(S90)と、
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記上側スーパージャンクション層を垂直上方から見たときに、前記下側スーパージャンクション層は、前記上側第1カラムと重複している第1重複領域(OA1)と、前記上側第2カラムと重複している第2重複領域(OA2)と、を備えており、
前記第1注入工程では、前記下側第1カラムおよび前記下側第2カラムの上面に、前記第1不純物が第1の濃度で注入され、
前記第2注入工程では、前記下側第1カラムおよび前記下側第2カラムの上面に、前記第2不純物が注入され、
前記第1の濃度は、
前記下側第1カラムの上面における第1導電型のチャージ量が、互いに隣接する前記第1重複領域(Rn_C1)と前記第2重複領域(Rn_C2)とで略同一となる濃度であるとともに、
前記下側第2カラムの上面における第2導電型のチャージ量が、互いに隣接する前記第1重複領域(Rp_C1)と前記第2重複領域(Rp_C2)とで略同一となる濃度である、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記下側スーパージャンクション層および前記上側スーパージャンクション層の半導体材料は、炭化ケイ素であり、
前記第1不純物はリンであり、
前記第2不純物はアルミニウムである、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
下側スーパージャンクション層と、前記下側スーパージャンクション層の上面に配置されている上側スーパージャンクション層と、を備える積層スーパージャンクション構造を備えた半導体装置であって、
前記下側スーパージャンクション層は、第1導電型の下側第1カラムと第2導電型の下側第2カラムとが、第1方向に沿って交互に繰り返し配置されており、
前記上側スーパージャンクション層は、第1導電型の上側第1カラムと第2導電型の上側第2カラムとが、前記第1方向と角度を有する第2方向に沿って交互に繰り返し配置されており、
前記上側スーパージャンクション層を垂直上方から見たときに、前記下側スーパージャンクション層は、前記上側第1カラムと重複している第1重複領域(OA1)と、前記上側第2カラムと重複している第2重複領域(OA2)と、を備えており、
前記第2重複領域において前記下側スーパージャンクション層の上面にドープされている第1導電型の第1不純物の濃度は、前記第1重複領域において前記下側スーパージャンクション層の上面にドープされている前記第1不純物の濃度よりも高い、
半導体装置。
【請求項6】
前記下側第1カラムでは、前記第1不純物および前記第2導電型の第2不純物の濃度が、前記第2重複領域の方が前記第1重複領域よりも高く、第1導電型のチャージ量が、前記第2重複領域と前記第1重複領域とで略同一であり、
前記下側第2カラムでは、前記第1不純物および前記第2不純物の濃度が、前記第2重複領域の方が前記第1重複領域よりも高く、第2導電型のチャージ量が、前記第2重複領域と前記第1重複領域とで略同一である、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記下側スーパージャンクション層および前記上側スーパージャンクション層の半導体材料は、炭化ケイ素であり、
前記第1不純物はリンであり、
前記第2導電型の第2不純物はアルミニウムである、請求項5に記載の半導体装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下側スーパージャンクション層の上に上側スーパージャンクション層が積層されている、積層スーパージャンクション構造を備えた半導体装置が開示されている。下側スーパージャンクション層は、n型カラムとp型カラムとが、第1方向に沿って交互に繰り返し配置されている。上側スーパージャンクション層は、n型カラムとp型カラムとが、第1方向と角度を有する第2方向に沿って交互に繰り返し配置されている。
【0003】
上側スーパージャンクション層の製造工程では、まず、下側スーパージャンクション層上にn型のエピタキシャル層を成長させる。次に、エピタキシャル層の表面に、上側スーパージャンクション層のp型カラムに対応する開口を備えたマスク層を形成する。マスク層を介して、エピタキシャル層の深さ方向の全体に、p型不純物を多段注入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-89916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上側スーパージャンクション層の多段注入では、p型カラムの上端から下端まで、p型不純物の濃度ピークが一定となるように、イオン注入が行われる。従って、上側スーパージャンクション層のp型カラムの下端部にイオン注入するときには、下端部に濃度ピークが位置する。すると、下側スーパージャンクション層の上面にも、必然的にp型不純物が注入されてしまう。イオン注入は、濃度ピークの両側に裾引きを有する、ガウス型の濃度分布を有するためである。下側スーパージャンクション層のp型カラムの上面にp型不純物が注入されると、この上面におけるp型のチャージ量が増加してしまう。また下側スーパージャンクション層のn型カラムの上面にp型不純物が注入されると、この上面におけるn型のチャージ量が低下してしまう。下側スーパージャンクション層の並列するp型カラムとn型カラムとのチャージバランスが崩れるため、耐圧低下を引き起こすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する半導体装置の製造方法の一実施形態は、下側スーパージャンクション層と、下側スーパージャンクション層の上面に配置されている上側スーパージャンクション層と、を備える積層スーパージャンクション構造を備えた半導体装置の製造方法である。下側スーパージャンクション層は、第1導電型の下側第1カラムと第2導電型の下側第2カラムとが、第1方向に沿って交互に繰り返し配置されている。上側スーパージャンクション層は、第1導電型の上側第1カラムと第2導電型の上側第2カラムとが、第1方向と角度を有する第2方向に沿って交互に繰り返し配置されている。製造方法は、下側スーパージャンクション層の上面に第1導電型の上側半導体層を形成する工程を備える。製造方法は、上側半導体層の上面に、上側第2カラムに対応する開口を備えた上側マスク層を形成する工程を備える。製造方法は、上側マスク層を介して、下側スーパージャンクション層の上面に、第1導電型の第1不純物を注入する第1注入工程を備える。製造方法は、上側マスク層を介して、上側半導体層の深さ方向の全体に、第2導電型の第2不純物を多段注入する第2注入工程を備える。
【0007】
本明細書が開示する半導体装置の製造方法の一実施形態は、下側スーパージャンクション層と、下側スーパージャンクション層の上面に配置されている上側スーパージャンクション層と、を備える積層スーパージャンクション構造を備えた半導体装置の製造方法である。下側スーパージャンクション層は、第1導電型の下側第1カラムと第2導電型の下側第2カラムとが、第1方向に沿って交互に繰り返し配置されている。上側スーパージャンクション層は、第1導電型の上側第1カラムと第2導電型の上側第2カラムとが、第1方向と角度を有する第2方向に沿って交互に繰り返し配置されている。製造方法は、下側スーパージャンクション層の上面に、上側第2カラムに対応する開口を備えた下側マスク層を形成する工程を備える。製造方法は、下側マスク層を介して、下側スーパージャンクション層の上面に、第1導電型の第1不純物を注入する第1注入工程を備える。製造方法は、下側スーパージャンクション層の上面に第1導電型の上側半導体層を形成する工程を備える。製造方法は、上側半導体層の上面に、上側第2カラムに対応する開口を備えた上側マスク層を形成する工程を備える。製造方法は、上側マスク層を介して、上側半導体層の深さ方向の全体に、第2導電型の第2不純物を多段注入する第2注入工程を備える。
【0008】
上側スーパージャンクション層に、第2導電型の上側第2カラムが第2注入工程によって形成される。このとき、下側スーパージャンクション層の上面のうち、上側第2カラムに対応する領域に、第2導電型の第2不純物が注入されてしまう。そこで上記方法は、下側スーパージャンクション層の上面のうち、上側第2カラムに対応する領域に、第1導電型の第1不純物を注入する第1注入工程を備えている。これにより、第2注入工程によって下側スーパージャンクション層の上面に注入されてしまう第2不純物の影響を、第1注入工程によって下側スーパージャンクション層の上面に注入される第1不純物によって相殺することができる。チャージバランスの劣化を抑制できるため、耐圧等の所望の電気特性が得られない事象の発生を防止することが可能となる。
【0009】
本明細書が開示する半導体装置の一実施形態は、下側スーパージャンクション層と、下側スーパージャンクション層の上面に配置されている上側スーパージャンクション層と、を備える積層スーパージャンクション構造を備えた半導体装置である。下側スーパージャンクション層は、第1導電型の下側第1カラムと第2導電型の下側第2カラムとが、第1方向に沿って交互に繰り返し配置されている。上側スーパージャンクション層は、第1導電型の上側第1カラムと第2導電型の上側第2カラムとが、第1方向と角度を有する第2方向に沿って交互に繰り返し配置されている。上側スーパージャンクション層を垂直上方から見たときに、下側スーパージャンクション層は、上側第1カラムと重複している第1重複領域と、上側第2カラムと重複している第2重複領域と、を備えている。第2重複領域において下側スーパージャンクション層の上面にドープされている第1導電型の第1不純物の濃度は、第1重複領域において下側スーパージャンクション層の上面にドープされている第1不純物の濃度よりも高い。
【0010】
下側スーパージャンクション層の上面にドープされている第2導電型の第2不純物の濃度が、第2重複領域の方が第1重複領域よりも高い場合がある。そこで上記構成では、下側スーパージャンクション層の上面にドープされている第1導電型の第1不純物の濃度が、第2重複領域の方が第1重複領域よりも高くされている。これにより、第2重複領域内の下側スーパージャンクション層の上面において、第2不純物の影響を第1不純物によって相殺することができる。チャージバランスの劣化を抑制できるため、耐圧等の所望の電気特性が得られない事象の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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