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公開番号2025127830
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024024758
出願日2024-02-21
発明の名称電気自動車
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類B60L 15/20 20060101AFI20250826BHJP(車両一般)
要約【課題】MTモードとEVモードを備える電気自動車において、EVモードからMTモードに切り替えられた際に仮想のギヤポジションを適切に設定すること。
【解決手段】本開示は、電気モータを駆動源として有する電気自動車に関する。電気自動車は、電気モータを制御する制御装置と、アクセルペダルと、シフト装置と、を備える。電気自動車は、シフト装置の変速操作が無効なEVモードと、有効なMTモードを備える。制御装置は、MTモードで電気モータを制御する場合に、アクセル操作量と電気モータのトルクとの関係を予め定められた複数の関係の中から変速操作に応じて切り替えることと、EVモードからMTモードへ切り替えられた場合、アクセル操作量と電気モータのトルクとの関係を上記予め定められた複数の関係の中から電気自動車の車速に応じて選択することと、を実行する。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項１】
電気モータを駆動源として有する電気自動車であって、
前記電気モータを制御する制御装置と、
前記制御装置に対して操作量に応じて連続的な指示を出す第１の指示器と、
前記制御装置に対して操作毎に離散的な指示を出す第２の指示器と、を備え、
前記制御装置は、
前記第２の指示器の操作が無効な第１のモードで前記電気モータを制御する場合、前記第１の指示器の操作量に応じて前記電気モータのトルクを決定することと、
前記第２の指示器の操作が有効な第２のモードで前記電気モータを制御する場合、前記第１の指示器の操作量と前記電気モータのトルクとの関係を予め定められた複数の関係の中から前記第２の指示器の操作に応じて切り替えることと、
前記第１のモードから前記第２のモードへ切り替えられた場合、前記第１の指示器の操作量と前記電気モータのトルクとの関係を前記予め定められた複数の関係の中から前記電気自動車の車速に応じて選択することと、
を実行するように構成される
ことを特徴とする電気自動車。
続きを表示（約 1,800 文字）【請求項２】
請求項１に記載の電気自動車において、
前記制御装置は、前記第１のモードから前記第２のモードへ切り替えられた場合、前記予め定められた複数の関係のうち、現在の前記車速の下での前記第１の指示器の操作量に対する前記電気モータのトルクが最大となる関係を選択すること、をさらに実行するように構成されている
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項３】
請求項２に記載の電気自動車において、
仮想回転速度を表示する表示器をさらに備え、
前記予め定められた複数の関係のそれぞれは前記第１の指示器の操作量と前記仮想回転速度との関係を含み、
前記制御装置は、
前記第１のモードで前記電気モータを制御する場合、前記表示器の表示を無効にすることと、
前記第２のモードで前記電気モータを制御する場合、前記予め定められた複数の関係の中から選択された関係に従い、前記表示器に表示する前記仮想回転速度を前記第１の指示器の操作量に応じて変化させることと、
停車時に前記第１のモードから前記第２のモードへ切り替えられた場合、前記表示器に予め定められた回転速度を表示することと、をさらに実行するように構成されている
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項４】
請求項１に記載の電気自動車において、
前記第２のモードは、更に複数のモードを含み、
前記第１のモードから前記第２のモードへ切り替えられた場合において前記制御装置が前記予め定められた複数の関係の中から選択する関係は、前記複数のモードのそれぞれにおいて異なる
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項５】
請求項４に記載の電気自動車において、
仮想回転速度を表示する表示器をさらに備え、
前記予め定められた複数の関係のそれぞれは前記第１の指示器の操作量と前記仮想回転速度との関係を含み、
前記制御装置は、
前記第１のモードで前記電気モータを制御する場合、前記表示器の表示を無効にすることと、
前記第２のモードで前記電気モータを制御する場合、前記予め定められた複数の関係の中から選択された関係に従い、前記表示器に表示する前記仮想回転速度を前記第１の指示器の操作量に応じて変化させることと、
停車時に前記第１のモードから前記第２のモードへ切り替えられた場合、前記表示器に予め定められた回転速度を表示することと、をさらに実行するように構成されている
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項６】
請求項１乃至５の何れか１項に記載の電気自動車において、
前記第１の指示器の操作量と前記電気モータのトルクとの予め定められた複数の関係のそれぞれは、仮想的なギヤポジションである複数の仮想ギヤポジションのそれぞれに対応し、
前記第２の指示器は、前記仮想ギヤポジションを相対的に指定する指示器である
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項７】
請求項６に記載の電気自動車において、
前記第２の指示器は、トランスミッション車両のパドルシフタを模擬した疑似パドルシフタである
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項８】
請求項６に記載の電気自動車において、
前記第２の指示器は、トランスミッション車両のシフトレバーを模擬した疑似シフトレバーである
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項９】
請求項１乃至５の何れか１項に記載の電気自動車において、
前記第２のモードにおける前記第１の指示器の操作量と前記電気モータのトルクとの関係は、前記第１のモードにおける前記第１の指示器の操作量に対する前記電気モータのトルクよりも前記電気モータのトルクが小さくなるように予め定められる
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項１０】
請求項１乃至５の何れか１項に記載の電気自動車において、
前記第１の指示器はアクセルペダルであり、
前記予め定められた複数の関係は、トランスミッション車両の複数の変速比のそれぞれにおけるアクセルペダルの操作量とエンジントルクとの関係を再現するように予め定められる
ことを特徴とする電気自動車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、電気モータを駆動源として有する電気自動車に関する。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
特許第６７８７５０７号公報には、エンジンを動力源とする手動変速機を備えた車両（トランスミッション車両）の挙動を電気モータの制御によって疑似的に再現可能な電気自動車が開示されている。当該電気自動車は、一般的なＥＶ走行を行うＥＶ走行モード（ＥＶモード）の他に、トランスミッション車両の挙動を再現するＭＴ走行モード（ＭＴモード）を備える。運転者はＭＴモードとＥＶモードをスイッチ等によって切り替えることができる。ＭＴモードにおいてはトランスミッション車両のギヤポジションも仮想的に再現され、運転者はトランスミッション車両を運転するときのように変速操作を自らの手で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特許第６７８７５０７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ＭＴモードとＥＶモードを備える電気自動車において、ＥＶモードからＭＴモードに切り替えられたときのギヤポジションの選択について考える。ＥＶモードは、シフト装置の操作が無効とされ、電気自動車が通常のＥＶ走行を行うモードである。ＭＴモードは、シフト装置による変速操作が有効とされるモードである。変速操作は仮想的なギヤポジションを切り替えるためのものであり、ギヤポジションが切り替えられると、アクセルペダルの操作量と電気モータのトルクによって再現される仮想のエンジントルクとの関係が切り替えられる。
【０００５】
ここで、シフト装置がスティック等の位置によってギヤポジションを一意に指定する構造となっている場合には、ＭＴモードへの切り替え時に再現されるギヤポジションもスティックの位置に応じて一意に決められる。しかし、シフト装置がギヤポジションを相対的に指定する装置である場合、つまり現在のギヤポジションを基準としてアップ、又はダウンを指示する装置である場合には、仮想的なギヤポジションが設定されていないＥＶモードから、ＭＴモードに切り替えられた際のギヤポジションを一意に決めることができない。そのため、ギヤポジションの選択が課題となる。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示は、電気モータを駆動源として有する電気自動車に関する。上記電気自動車は、電気モータを制御する制御装置と、制御装置に対して操作量に応じて連続的な指示を出す第１の指示器と、制御装置に対して操作毎に離散的な指示を出す第２の指示器と、を備える。制御装置は、以下の処理を実行する。１つ目の処理は、第２の指示器の操作が無効な第１のモードで電気モータを制御する場合に、第１の指示器の操作量に応じて電気モータのトルクを決定することである。２つ目の処理は、第２の指示器の操作が有効な第２のモードで電気モータを制御する場合に、第１の指示器の操作量と電気モータのトルクとの関係を予め定められた複数の関係の中から第２の指示器の操作に応じて切り替えることである。３つ目の処理は、第１のモードから第２のモードへ切り替えられた場合、第１の指示器の操作量と電気モータのトルクとの関係を上記予め定められた複数の関係の中から電気自動車の車速に応じて選択することである。
【発明の効果】
【０００７】
本開示の電気自動車によれば、第２の指示器の操作が無効な第１のモード（ＥＶモード）から第２の指示器の操作が有効な第２のモード（ＭＴモード）に切り替えられた場合、第１の指示器の操作量と電気モータのトルクとの関係が予め定められた複数の関係の中から車速に応じて選択される。予め定められた複数の関係は、仮想的に設定された複数のギヤポジションのそれぞれに対応している。つまり、本開示の電気自動車によれば、ＥＶモードからＭＴモードへの切り替え時には、車速に応じて仮想的なギヤポジションが自動的に選択される。これにより、シフト装置が相対的にギヤポジションを指定する装置であり、運転者がシフト装置によってギヤポジションを一意に指定することができない場合であっても、ＭＴモードへの切り替え時のギヤポジションを走行状態に合わせた適切なギヤポジションとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
本開示の実施形態に係る電気自動車の構成を示す図である。
相対指示型シフト装置の例を示す図である。
相対指示型シフト装置の別の例を示す図である。
相対指示型シフト装置の更に別の例を示す図である。
相対指示型シフト装置の更に別の例を示す図である。
電気自動車の走行制御に関係する制御装置の構成を示す図である。
車速と仮想エンジン速度の関係を示すグラフである。
第１実施形態におけるギヤポジションの選択の様子を示すタイムチャートである。
ノーマルモードにおけるギヤポジションの選択について説明するためのグラフ図である。
スノーモードにおけるギヤポジションの選択について説明するためのグラフ図である。
第３実施形態におけるギヤポジションの選択の様子を示すタイムチャートである。
本開示の実施形態に係るギヤポジションの選択に関する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
【００１０】
１．電気自動車の動力系の構成
図１は本開示の実施形態に係る電気自動車１００の構成を模式的に示す図である。まず、図１を参照して電気自動車１００の動力系の構成について説明する。
（【００１１】以降は省略されています）

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