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公開番号2025130454
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027623
出願日2024-02-27
発明の名称インダクタおよびインダクタの製造方法
出願人株式会社村田製作所
代理人弁理士法人クシブチ国際特許事務所
主分類H01F 37/00 20060101AFI20250901BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】素体表面において引出部の導線の絶縁被膜の上に外部電極が形成されるのを抑制して、外部電極の表面の凹みを抑制し、及び外部電極内に水分が入り込むのを抑制する。
【解決手段】インダクタは、導線を巻回した巻回部と巻回部から引き出された1対の引出部とを有するコイル導体と、磁性粒子と樹脂とを含有して上記コイル導体を内包する素体と、上記引出部の、素体の表面から露出した露出部分に接続された外部電極と、を備え、素体の表面のうち引出部の露出部分がない領域において、素体の表面と外部電極との間に、外部電極よりも導電率の低い低導電率層を有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
導線を巻回した巻回部と前記巻回部から引き出された1対の引出部とを有するコイル導体と、
磁性粒子と樹脂とを含有して前記コイル導体を内包する素体と、
前記引出部の、前記素体の表面から露出した露出部分に接続された外部電極と、
を備え、
前記素体の表面のうち前記引出部の前記露出部分がない領域において、前記素体の表面と前記外部電極との間に、前記外部電極よりも導電率の低い低導電率層を有する、
インダクタ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記素体は、相対向する一対の端面を有し、
前記引出部の前記露出部分は、前記素体の前記端面にあり、
前記低導電率層は、前記端面のうち前記露出部分のない領域に形成されている、
請求項1に記載のインダクタ。
【請求項3】
前記低導電率層は、前記端面のうち、前記引出部の前記露出部分から前記巻回部に向かって前記素体内へ延在する導線部分と外部電極とが対向する部分に形成されている、
請求項2に記載のインダクタ。
【請求項4】
前記素体は、前記一対の端面と直交する実装面を有し、
前記低導電率層は、前記実装面のうち、前記巻回部と前記外部電極とが前記素体の一部を挟む位置に形成されている、
請求項2に記載のインダクタ。
【請求項5】
前記外部電極は、銅めっき層を含み、
前記低導電率層の導電率は、銅の導電率よりも低い、
請求項1に記載のインダクタ。
【請求項6】
前記低導電率層は、リン(P)を含む、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項7】
前記低導電率層は、リン(P)に加えて、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、及び又は酸素(O)を含む、
請求項6に記載のインダクタ。
【請求項8】
導線を巻回した巻回部と前記巻回部から引き出された1対の引出部とを有するコイル導体を作製するコイル導体形成工程と、
前記コイル導体の前記引出部が、磁性粒子と樹脂とを含有する素体の表面から露出する様に、前記素体に前記コイル導体を埋設する素体成型工程と、
前記素体の表面のうち、前記引出部の前記素体から露出した露出部分を含む電極予定箇所にレーザ光を照射して、前記電極予定箇所における前記素体の表面の前記樹脂の一部を除去する表面処理工程と、
前記露出部分を含む前記素体の前記電極予定箇所に、めっきにより外部電極を形成するめっき層形成工程と、
を有し、
前記めっき層形成工程では、
前記表面処理工程の終了後に、予め定めた所定時間に亘って酸素雰囲気において前記素体の前記電極予定箇所を酸化させたのち、
前記素体をリン化合物の水溶液中に浸漬して、前記電極予定箇所の前記素体の表面に、銅よりも導電率の低い低導電率層を形成し、
前記電極予定箇所の、前記引出部の露出部分及び前記低導電率層の上に、前記外部電極を構成する銅めっき層を形成する、
インダクタの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタおよびインダクタの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コイル導体と、磁性粒子と樹脂とを含有してコイル導体を内包する素体と、コイル導体の末端に電気的に接続された一対の外部電極とを有するインダクタが記載されている。このインダクタでは、コイル導体の引出部の表面が素体表面に露出され、上記素体表面のうち外部電極が形成される部分において、上記素体に含まれる樹脂が除去された後でめっき層が形成される。これにより、上記素体が含む磁性粒子と、引出部と、上記めっき層を含む外部電極と、が電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-58418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のインダクタでは、外形寸法の小型化に伴って、素体内部に埋設されたコイル導体の巻回部と外部電極との間や、巻回部から引き出されて引出部に至るまでのコイル導体の中間部と外部電極との間に介在する素体部分の厚みが薄くなり、この薄くなった素体部分がインダクタの耐電圧(以下、耐圧ともいう)を制限する要因となり得る。
【0005】
本発明の目的は、磁性粒子と樹脂とを含む素体にコイル導体を内包するインダクタにおいて、コイル導体のうち素体内部に存在する部分と、素体表面の外部電極と、の間の絶縁性を向上して、耐圧性能を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、導線を巻回した巻回部と前記巻回部から引き出された1対の引出部とを有するコイル導体と、磁性粒子と樹脂とを含有して前記コイル導体を内包する素体と、前記引出部の、前記素体の表面から露出した露出部分に接続された外部電極と、を備え、前記素体の表面のうち前記引出部の前記露出部分がない領域において、前記素体の表面と前記外部電極との間に、前記外部電極よりも導電率の低い低導電率層を有する、インダクタである。
本発明の他の態様は、導線を巻回した巻回部と前記巻回部から引き出された1対の引出部とを有するコイル導体を作製するコイル導体形成工程と、前記コイル導体の前記引出部が、磁性粒子と樹脂とを含有する素体の表面から露出する様に、前記素体に前記コイル導体を埋設する素体成型工程と、前記素体の表面のうち、前記引出部の前記素体から露出した露出部分を含む電極予定箇所にレーザ光を照射して、前記電極予定箇所における前記素体の表面の前記樹脂の一部を除去する表面処理工程と、前記露出部分を含む前記素体の前記電極予定箇所に、めっきにより外部電極を形成するめっき層形成工程と、を有し、前記めっき層形成工程では、前記表面処理工程の終了後に、予め定めた所定時間に亘って酸素雰囲気において前記素体の前記電極予定箇所を酸化させたのち、前記素体をリン化合物の水溶液中に浸漬して、前記電極予定箇所の前記素体の表面に、銅よりも導電率の低い低導電率層を形成し、前記電極予定箇所の、前記引出部の露出部分及び前記低導電率層の上に、前記外部電極を構成する銅めっき層を形成する、インダクタの製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、磁性粒子と樹脂とを含む素体にコイル導体を内包するインダクタにおいて、コイル導体のうち素体内部に存在する部分と、素体表面の外部電極と、の間の絶縁性を向上して、耐圧性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係るインダクタを上面の側から視た斜視図である。
インダクタを底面の側から視た斜視図である。
インダクタの内部構成を示す透視斜視図である。
図3に示すインダクタを上面の側から視た平面透視図である。
図4に示すインダクタのV-V断面図である。
図5に示すインダクタの、C部の部分詳細図である。
インダクタにおける、図6に示すD部に相当する部分の断面拡大写真の一例である。
インダクタの製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[1.インダクタの構成]
まず、本実施形態に係るインダクタ1の構成について説明する。
[1.1 インダクタの全体構成]
図1は本実施形態に係るインダクタ1を上面12の側から視た斜視図であり、図2はインダクタ1を底面10の側から視た斜視図である。
本実施形態のインダクタ1は、表面実装型の電子部品として構成されており、略六面体形状の一態様である略直方体形状の素体2と、当該素体2の表面に設けられた一対の外部電極4とを備えている。
【0010】
以下、素体2において、実装時に図示しない実装基板に向けられる実装面である第1の主面を底面10と定義し、底面10に対向する第2の主面を上面12と言い、底面10に直交する一対の第3の主面を端面14と言い、これら底面10、及び一対の端面14に直交する一対の第4の主面を側面16と言う。
図1に示すように、底面10から上面12までの距離を素体2の厚みTと定義し、一対の側面16の間の距離を素体2の幅Wと定義し、一対の端面14の間の距離を素体2の長さLと定義する。また、厚みTの方向を厚み方向DTと定義し、幅Wの方向を幅方向DWと定義し、長さ距離の方向を長さ方向DLと定義する。
インダクタ1の大きさは、例えば、長さL寸法が1.4mm、幅W寸法が1.2mm、厚みT寸法が0.65mmである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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