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公開番号2025130742
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024027986
出願日2024-02-28
発明の名称静電荷像現像用トナー
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G03G 9/093 20060101AFI20250902BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温定着性と耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】コア及びシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記コアが、アルコール成分とカルボン酸成分を含む原料モノマーの重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂と、スチレン系樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記トナー粒子中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、12質量%以上50質量%以下である、静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
コア及びシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記コアが、アルコール成分とカルボン酸成分を含む原料モノマーの重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂と、スチレン系樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、
前記トナー粒子中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、12質量%以上50質量%以下である、
静電荷像現像用トナー。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記コア中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、2質量%以上45質量%以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
前記トナー粒子中の前記スチレン系樹脂の含有量が、40質量%以上80質量%以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
前記コア中の前記スチレン系樹脂の含有量が、50質量%以上90質量%以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
前記非晶性複合樹脂が炭素数1以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸由来の構成単位を含有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項6】
前記シェルが、ポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む複合樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項7】
前記コア中の樹脂の合計質量に対する前記シェル中の樹脂の合計質量の比(シェル中の樹脂/コア中の樹脂)が3/97以上20/80以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項8】
工程(1):コア用樹脂を含有するコア用樹脂粒子を水系媒体中で凝集させて、凝集粒子1を得る工程、
工程(2):工程(1)で得られた凝集粒子1の表面に、シェル用樹脂を含有するシェル用樹脂粒子を凝集させて、凝集粒子2を得る工程、及び
工程(3):工程(2)で得られた凝集粒子2を融着させて、コア及びシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を得る工程
を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記コア用樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分を含む原料モノマーの重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂と、スチレン系樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、
前記トナー粒子中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、12質量%以上50質量%以下である、
静電荷像現像用トナーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナー、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が求められている。高画質化に対応して、粒径分布が狭く、小粒径のトナーを得る方法として、微細な樹脂粒子等を水系媒体中で凝集、融着させてトナーを得る、凝集融着法(乳化凝集法、凝集合一法とも呼ばれる)による、所謂ケミカルトナーの製造が行われている。
【0003】
特許文献1には、非晶性樹脂A及び結晶性樹脂を含有するコアと、非晶性樹脂Bを含有するシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、該非晶性樹脂Aがスチレンアクリル系樹脂を含有し、該スチレンアクリル系樹脂の含有量が、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上であり、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂の相溶化度Aが、特定の範囲であり、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂の相溶化度Bが、特定の範囲であることを特徴とするトナーについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-40843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のトナーは、低温定着性及び耐熱保存性の両立に改善の余地があった。
本発明は、低温定着性と耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の〔1〕~〔8〕に関する。
〔1〕コア及びシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記コアが、アルコール成分とカルボン酸成分を含む原料モノマーの重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂と、スチレン系樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、
前記トナー粒子中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、12質量%以上50質量%以下である、
静電荷像現像用トナー。
〔2〕前記コア中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、2質量%以上45質量%以下である、〔1〕に記載の静電荷像現像用トナー。
〔3〕前記トナー粒子中の前記スチレン系樹脂の含有量が、40質量%以上80質量%以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の静電荷像現像用トナー。
〔4〕前記コア中の前記スチレン系樹脂の含有量が、50質量%以上90質量%以下である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
〔5〕前記非晶性複合樹脂が炭素数1以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸由来の構成単位を含有する、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
〔6〕前記シェルが、ポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む複合樹脂を含有する、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
〔7〕前記コア中の樹脂の合計質量に対する前記シェル中の樹脂の合計質量の比(シェル中の樹脂/コア中の樹脂)が3/97以上20/80以下である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
〔8〕工程(1):コア用樹脂を含有するコア用樹脂粒子を水系媒体中で凝集させて、凝集粒子1を得る工程、
工程(2):工程(1)で得られた凝集粒子1の表面に、シェル用樹脂を含有するシェル用樹脂粒子を凝集させて、凝集粒子2を得る工程、及び
工程(3):工程(2)で得られた凝集粒子2を融着させて、コア及びシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を得る工程
を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記コア用樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分を含む原料モノマーの重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂と、スチレン系樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、
前記トナー粒子中の前記非晶性複合樹脂の含有量が、12質量%以上50質量%以下である、
静電荷像現像用トナーの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温定着性と耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[静電荷像現像用トナー]
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)は、コア及びシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を含有する。
トナー粒子のコアは、アルコール成分とカルボン酸成分を含む原料モノマーの重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該スチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂と、スチレン系樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、非晶性複合樹脂のトナー粒子中の含有量が、12質量%以上50質量%以下である。
【0009】
本発明のトナーが、低温定着性と耐熱保存性に優れる詳細なメカニズムは定かではないが、次のように考えられる。
従来、トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂を複合化することにより、スチレン系樹脂中での結晶性ポリエステル樹脂の分散性を向上させる手段が採られていた。一方、このような手段では、低温定着性は向上するが、結晶性ポリエステル樹脂の再結晶化率が低下し、耐熱保存性が悪化してしまうという課題を見出した。
本発明のトナーは、コア部とシェル部とを有するコアシェル構造のトナー粒子のコア部が、ポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系樹脂セグメントと、ポリエステル樹脂セグメント及びスチレン系樹脂セグメントとを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位とを含む非晶性複合樹脂、スチレン系樹脂、及び結晶性ポリエステル樹脂とを含有する。そのため、スチレン系樹脂セグメントを有する非晶性複合樹脂とスチレン系樹脂が相溶し、更にこの複合樹脂がポリエステル樹脂セグメントを有する非晶性複合樹脂でもあるため、結晶性ポリエステル樹脂の分散性を向上させることが可能となる。加えて、スチレン系樹脂セグメントを有する非晶性複合樹脂とスチレン系樹脂が相溶することにより、非晶性樹脂にスチレン系樹脂のみが存在する場合と比較して、非晶性樹脂全体と結晶性ポリエステル樹脂の極性差が大きくなり、結晶性ポリエステル樹脂の再結晶化を促進することができると考えられる。その結果、樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の微分散化及び再結晶化が促進されることで、トナーが優れた低温定着性と耐熱保存性の両立を示すことができる。
なお、本発明の効果に関する上記のメカニズムは推定であり、これに限定されるものではない。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、すなわち、「軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃)」で定義される結晶性指数によって表される。
「結晶性樹脂」とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下である樹脂をいう。
「非晶性樹脂」は、示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピークが観測されないか、又は、吸熱ピークが観測される場合には、結晶性指数が0.6未満又は1.4超である樹脂をいう。
吸熱の最大ピーク温度とは、実施例に記載の測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度のことを指す。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。
「ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物」とは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンにアルキレンオキシドを付加した構造全体を意味する。
「カルボン酸成分」とは、カルボン酸のみならず、それらの無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含まれる。すなわち、本明細書中では、単にカルボン酸の名称のみを記載している場合、そのカルボン酸の無水物及び炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含めて記載されているものとする。
「体積中位粒径D
50
」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
(【0011】以降は省略されています)

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