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公開番号2025131613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2025082119,2022508799
出願日2025-05-15,2020-08-14
発明の名称再生可能な潤滑油組成物でエンジン性能を改善するための方法
出願人シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20250902BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】LSPIを低減しながら燃料経済性保持を改善する方法を提供する。
【解決手段】本明細書で提供されるものは、性能要件ならびにより厳しい環境及び燃料経済性の規制に対処する潤滑油添加剤と組み合わせて、制御された構造特性を有する炭化水素混合物によって具体化された再生可能なベースオイルを含む潤滑油組成物である。潤滑油組成は、コールドクランクシミュレート粘度(CCS)対Noack揮発度の関係での性能を提供し、このことが、改善した燃料経済性、改善した燃料経済性保持、及び保持されたLSPI防止を備えた低粘度エンジンオイルの配合を可能にし、さらに潤滑を要する他のデバイスまたは装置に改善された特性を付与している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
燃料経済性を改善する方法であって、潤滑油を用いて内燃エンジンを潤滑することを含み、
前記潤滑油が、
a.(a)炭化水素混合物を含む、少なくとも25重量%の再生可能なベースオイルを有するベースオイルの混合物であって、
前記炭化水素混合物が、
i.FIMSによれば、偶数の炭素数を有する分子のパーセンテージが≧80%であり、
ii.BP/BI≧-0.6037(分子あたりの内部アルキル分岐)+2.0であり、
iii.平均で分子あたり0.3~1.55+メチルが存在する、前記ベースオイルの混合物と、
b.i.分散剤と、
ii.洗剤と、
iii.阻害剤と、
iv.摩擦調整剤と、
v.流動点降下剤と、
vi.粘度調整剤と、
のうち少なくとも1つの添加剤と、を含む、前記方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記潤滑油組成物が、約5重量%~約30重量%の全添加剤濃縮物と、約70重量%~約95重量%の前記ベースオイル混合物と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、ASTM D5481に基づいて、2.3cP未満の潤滑性高温高剪断粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、ASTM D445に基づいて、7.1cSt以下の100℃での潤滑動粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、ASTM D5293に基づいて、6200mPa.s以下の-35℃での潤滑性低温コールドクランキング粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記潤滑組成物が、SAE J300に基づいて、0W~12以下の潤滑性SAE粘度グレードを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記燃料経済性が、少なくとも0.3%、好ましくは0.5%超で改善される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
燃料経済性保持を改善する方法であって、内燃エンジンを潤滑油で潤滑することを含み、
前記潤滑油が、
a.炭化水素混合物を含む、少なくとも25重量%の再生可能なベースオイルを有するベースオイル混合物であって、
前記炭化水素混合物が、
i.FIMSによれば、偶数の炭素数を有する分子のパーセンテージが≧80%であり、
ii.BP/BI≧-0.6037(分子あたりの内部アルキル分岐)+2.0であり、
iii.平均で分子あたり0.3~1.5の5+メチルが存在する、前記ベースオイル混合物と、
b.i.分散剤と、
ii.洗剤と、
iii.阻害剤と、
iv.摩擦調整剤と、
v.流動点降下剤と、
vi.粘度調整剤と、
のうち少なくとも1つの添加剤と、を含み、
前記潤滑油組成物が、約5重量%~約30重量%の全添加剤濃縮物と、約70~約95重量%の前記ベースオイル混合物を含む、前記方法。
【請求項9】
前記組成物が、ASTM D5481に基づいて、2.3cP未満の潤滑性高温高せん断粘度を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、ASTM D445に基づいて、7.1cSt以下の100℃での潤滑動粘度を有する、請求項7に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
炭化水素混合物と潤滑油添加剤を含む再生可能なベースオイルを含有する潤滑油組成物でエンジン性能を改善する方法が開発されており、これは独自の組成特性を有し、様々なタイプの内燃エンジンを潤滑するために用いられるときに優れた燃料経済性改善能力と潤滑油の耐用期間にわたる燃料経済性保持特性を示している。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
エンジンオイル配合の業界傾向は、現在の、またはより良いレベルの性能を維持することも期待しながら、燃料経済の利点を高めるために低粘度レジーム(0W-X)に移行している。しかしながら、業界が低粘度に移行し、低いオイル消費を維持するにつれて、燃料経済性の耐久度が課題になるか、または利用可能な技術では達成できなくなる。オイルの粘度が低下すると、揮発性が高まり、エンジンオイルの蒸発が増加することになり、オイル粘度が上昇する。さらに、オイルの高温高せん断(HTHS)粘度を下げることにより、燃料経済性が向上させることができる。HTHSは、低温及び高温の粘度も調整する粘度調整剤の影響を大きく受けるため、高粘度指数(VI)オイルが望ましい。いくつかの超低粘度オイルが市販されているが、それらは最も厳しい揮発性要件を満たし得ない。
【0003】
ベースストックは、内燃エンジン、タービン、コンプレッサ、油圧システムなどのための潤滑油を含む様々な潤滑油を製造するために一般的に使用される。これらはまた、プロセスオイル、ホワイトオイル、熱伝達流体としても使用される。完成品の潤滑油は、一般的にベースオイルと添加剤の2つの成分で構成されている。1つのベースストックまたはその混合物であるベースオイルは、これらの完成品の潤滑油の主成分であり、粘度及び粘度指数、揮発性、安定性、ならびに低温性能などの性能に大きく貢献する。一般に、いくつかのベースストックは、個別のベースストックと個別の添加剤の混合物を変化させることによって、多種多様な完成品の潤滑油を製造するために使用される。
【0004】
脂肪酸エステルを含有する潤滑油組成物を用いてエンジン燃料効率を改善する方法は、米国特許第9,885,004号に記載されている。
【0005】
American Petroleum Institute(API)は、飽和炭化水素含有量、硫黄レベル、及び粘度指数に基づいて、ベースストックを5つのグループに分類している(下の表1)。グループI、II、及びIIIのベースストックは、グループIのための溶剤精製、グループII及びグループIIIのための水素化処理など、広範な処理を介して、そのほとんどが原油から得られている。特定のグループIIIベースストックはまた、ガスツーリキッドプロセス(GTL)を介して合成炭化水素液体から製造され得、天然ガス、石炭、またはその他の化石資源から取得される。グループIVのベースストックであるポリオレフィン(PAO)は、1-デセンなどのアルファオレフィンのオリゴマー化によって製造される。グループVのベースストックには、ナフテン系ベースストック、ポリアルキレングリコール(PAG)、エステルなど、グループI~IVに属さないものがすべて含まれる。大規模ベースストック製造用原料のほとんどは再生不可能である。
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【0006】
自動車用エンジンオイルは、断然にベースストックの最大の市場になっている。自動車業界は、排出量の削減、排出間隔の延長、及び燃費の向上が求められることから、エンジンオイルにさらに厳しい性能仕様を課している。具体的には、自動車OEM(相手先ブランド供給)は、摩擦損失を低減し、燃料経済性の向上を達成するために、0W-20から0W-8、さらには0W-4などの低粘度エンジンオイルの採用を推進している。エンジンオイル中のNoack揮発度が低いベースオイルにより、配合物が設計された粘度をより長い運転時間にわたり保持することを可能にしており、向上した燃料経済性保持と、US6300291で説明されているより長い排出間隔を可能にしている。粘度グレードが0W-20未満のエンジンオイルでのグループI及びグループIIの使用は、それらが混合された配合が0W-20未満のエンジンオイルの性能仕様を満たすことができないため、非常に制限されており、グループIII及びグループIVのベースストックに対する需要増加につながっている。
【0007】
グループIIIのベースストックは、そのほとんどが水素化分解及び接触脱ロウ(水素化異性化など)を通じて真空ガスオイル(VGO)から製造されている。グループIIIのベースストックはまた、溶媒精製に由来するスラックワックスの接触脱ロウ、またはガスツーリキッドベースオイル(GTL)としても知られる、天然ガスまたは石炭ベースの原料からのフィッシャートロプシュ合成に由来するワックスの接触脱ロウによっても製造できる。
【0008】
VGOからのグループIIIベースストックの製造プロセスは、米国特許第5,993,644号及び第6,974,535号で説明されている。それらの沸点分布は、同じ粘度のPAOと比較した場合、通常は高く、PAOよりも揮発性が高くなる。さらに、グループIIIのベースストックは、通常、同等の粘度でグループIVのベースストックよりも高いコールドクランク粘度(つまり、ASTM D5293、CCSに準拠した動的粘度)を有する。
【0009】
GTLベースストック処理は、米国特許第6,420,618号及び第7,282,134号、ならびに米国特許出願公開第2008/0156697号に記載されている。例えば、後者の刊行物は、フィッシャートロプシュ合成生成物からベースストックを調製するためのプロセスを説明しており、その適切な沸点範囲を有する画分は、GTLベースストックを生成するために水素化異性化にかけられる。
【0010】
GTLベースストックのそのような構造及び特性は、例えば、米国特許第6,090,989号及び第7,083,713号、ならびに米国特許出願公開第2005/0077208号に記載されている。米国特許出願公開第2005/0077208号では、最適化された分岐を有する潤滑油ベースストックが説明されており、ベースストックのコールドフロー特性を改善するために分子の中心に向けて分岐アルキル基が集中している。それにもかかわらず、GTLベースストックの流動点は、通常、PAOまたは他の合成炭化水素ベースストックよりも劣っている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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