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公開番号2025133672
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024111959
出願日2024-07-11
発明の名称秘匿計算システム及び秘匿計算方法
出願人NTT株式会社,サイボウズ・ラボ株式会社
代理人弁理士法人ITOH
主分類G09C 1/00 20060101AFI20250904BHJP(教育;暗号方法;表示;広告;シール)
要約【課題】準同型暗号を利用して、内積の近似値を効率的に計算する秘匿計算方法及びシステムを提供する。
【解決手段】秘匿計算システムにおいて、クライアントとサーバは整数値Sを共有し、クライアントは、所持する整数ベクトルxの各要素xiをSw+1,・・・,Sにより順次除算して整数集合(ai1,ai2,・・・,aiw+1)に分割し、整数集合(ai1,ai2,・・・,aiw+1)を準同型暗号により暗号化した暗号文Enc(aij)を送信し、サーバは、整数ベクトルyの各要素yiをSw+1,・・・,Sにより順次除算して整数集合(ai1',ai2',・・・,aiw+1')に分割し、暗号文Enc(aij)(1≦j≦w+1)と、整数集合(ai1',ai2',・・・,aiw+1')とを用いて、整数ベクトルxと整数ベクトルyとの内積の近似値の暗号文cx'yを計算し、暗号文cx'yをクライアント送信する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
整数値を取る要素x

(ただし、Dを予め決められた1以上の整数として、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルxを所持する第1の情報処理装置と、整数値を取る要素y

(ただし、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルyを所持する第2の情報処理装置とが含まれる秘匿計算システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記第2の情報処理装置と共有する整数値Sを用いて、前記整数ベクトルxの各要素x

をS
w+1
,・・・,S(ただし、wは予め決められた1以上の整数)により順次除算することにより整数集合(a
i1
,a
i2
,・・・,a
iw+1
)に分割し、
前記整数集合(a
i1
,a
i2
,・・・,a
iw+1
)をそれぞれ準同型暗号により暗号化した暗号文Enc(a
ij
)(1≦j≦w+1)を前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第2の情報処理装置は、
前記整数値Sを用いて、前記整数ベクトルyの各要素y

をS
w+1
,・・・,Sにより順次除算することにより整数集合(a
i1
',a
i2
',・・・,a
iw+1
')に分割し、
前記暗号文Enc(a
ij
)(1≦j≦w+1)と、前記整数集合(a
i1
',a
i2
',・・・,a
iw+1
')とを用いて、前記整数ベクトルxと前記整数ベクトルyとの内積の近似値の暗号文c

'yを計算し、
前記暗号文c

'yを前記第1の情報処理装置に送信する、
秘匿計算システム。
続きを表示(約 3,400 文字)【請求項2】
前記第2の情報処理装置は、




/S
w+1
の近似値の暗号文のiに関する総和を前記暗号文c

'yとして計算する、請求項1に記載の秘匿計算システム。
【請求項3】
前記第2の情報処理装置は、

w+1
,・・・,Sの各々により事前に計算された値を更に用いて、x



/S
w+1
の近似値の暗号文のiに関する総和を前記暗号文c

'yとして計算する、請求項1又は2に記載の秘匿計算システム。
【請求項4】
整数値を取る要素x

(ただし、Dを予め決められた1以上の整数として、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルxを所持する第1の情報処理装置と、整数値を取る要素y

(ただし、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルyを所持する第2の情報処理装置とが含まれる秘匿計算システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記整数ベクトルxの各要素x

を二進数展開することにより係数{x
ij

j=0,・・・,n
を算出し、
前記係数{x
ij

j=0,・・・,n
をそれぞれ準同型暗号により暗号化した暗号文Enc(x
ij
)(0≦j≦n)を前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第2の情報処理装置は、
前記整数ベクトルyの各要素y

を二進数展開することにより係数{y
ij

j=0,・・・,n
を算出し、
前記係数{y
ij

j=0,・・・,n
と、前記暗号文Enc(x
ij
)(0≦j≦n)とを用いて、x・y/2

の近似値の暗号文c

'yを計算し、
前記暗号文c

'yを前記第1の情報処理装置に送信する、
秘匿計算システム。
【請求項5】
前記第1の情報処理装置は、
前記整数ベクトルxの各要素x

を、round関数を使用した二進数展開である修正二進数展開することにより前記係数{x
ij

j=0,・・・,n
を算出し、
前記第2の情報処理装置は、
前記整数ベクトルyの各要素y

を、前記修正二進数展開することにより前記係数{y
ij

j=0,・・・,n
を算出し、
前記係数{y
ij

j=0,・・・,n
と、前記暗号文Enc(x
ij
)(0≦j≦n)とを用いて、i=0,・・・,D-1に関するmul

(Enc(x

'),y

):=Enc(x
i,n
)y

+Enc(x
i,n-1
)foor(y

/2

)+・・・+Enc(x
i,0
)foor(y

/2

)の和c

を、i=0,・・・,D-1に関するmul

(Enc(x

'),y

):=Enc(x
i,0
)y
i,n-1
+Enc(x
i,1
)y
i,n-2
+・・・+Enc(x
i,n-1
)y
i,0
の和c

に基づく値で補正することにより、x・y/2

の近似値の暗号文c

'yを計算する、請求項4に記載の秘匿計算システム。
【請求項6】
整数値を取る要素x

(ただし、Dを予め決められた1以上の整数として、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルxを所持する第1の情報処理装置と、整数値を取る要素y

(ただし、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルyを所持する第2の情報処理装置とが含まれる秘匿計算システムに用いられる秘匿計算方法であって、
前記第1の情報処理装置が、
前記第2の情報処理装置と共有する整数値Sを用いて、前記整数ベクトルxの各要素x

をS
w+1
,・・・,S(ただし、wは予め決められた1以上の整数)により順次除算することにより整数集合(a
i1
,a
i2
,・・・,a
iw+1
)に分割するステップと、
前記整数集合(a
i1
,a
i2
,・・・,a
iw+1
)をそれぞれ準同型暗号により暗号化した暗号文Enc(a
ij
)(1≦j≦w+1)を前記第2の情報処理装置に送信するステップと、を実行し、
前記第2の情報処理装置が、
前記整数値Sを用いて、前記整数ベクトルyの各要素y

をS
w+1
,・・・,Sにより順次除算することにより整数集合(a
i1
',a
i2
',・・・,a
iw+1
')に分割するステップと、
前記暗号文Enc(a
ij
)(1≦j≦w+1)と、前記整数集合(a
i1
',a
i2
',・・・,a
iw+1
')とを用いて、前記整数ベクトルxと前記整数ベクトルyとの内積の近似値の暗号文c

'yを計算するステップと、
前記暗号文c

'yを前記第1の情報処理装置に送信するステップと、を実行する、
秘匿計算方法。
【請求項7】
整数値を取る要素x

(ただし、Dを予め決められた1以上の整数として、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルxを所持する第1の情報処理装置と、整数値を取る要素y

(ただし、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルyを所持する第2の情報処理装置とが含まれる秘匿計算システムに用いられる秘匿計算方法であって、
前記第1の情報処理装置が、
前記整数ベクトルxの各要素x

を二進数展開することにより係数{x
ij

j=0,・・・,n
を算出するステップと、
前記係数{x
ij

j=0,・・・,n
をそれぞれ準同型暗号により暗号化した暗号文Enc(x
ij
)(0≦j≦n)を前記第2の情報処理装置に送信するステップと、を実行し、
前記第2の情報処理装置が、
前記整数ベクトルyの各要素y

を二進数展開することにより係数{y
ij

j=0,・・・,n
を算出するステップと、
前記係数{y
ij

j=0,・・・,n
と、前記暗号文Enc(x
ij
)(0≦j≦n)とを用いて、x・y/2

の近似値の暗号文c

'yを計算するステップと、
前記暗号文c

'yを前記第1の情報処理装置に送信するステップと、を実行する、
秘匿計算方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、秘匿計算システム及び秘匿計算方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
準同型暗号は暗号化されたデータに対する演算を秘密鍵なしで行うことができる公開鍵暗号方式である(非特許文献1)。準同型暗号を利用することにより、暗号化したまま内積計算を行うことができる。例えば、クライアントAとサーバBの2パーティが存在し、クライアントAはベクトルx、サーバBはベクトルyを所持しているものとする。このとき、準同型暗号を利用することにより、クライアントAは、ベクトルxの平文をサーバBに与えることなく、内積x・yの計算結果を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
光成滋生, 「クラウドを支えるこれからの暗号技術」, 秀和システム, 2015.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、準同型暗号を利用した内積計算では乗算を多く行う必要があるが、乗算によってデータサイズが大きくなる場合があるという問題がある。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたもので、準同型暗号を利用して、内積の近似値を効率的に計算することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による秘匿計算システムは、整数値を取る要素x

(ただし、Dを予め決められた1以上の整数として、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルxを所持する第1の情報処理装置と、整数値を取る要素y

(ただし、iは0以上D-1以下の整数値)で構成される整数ベクトルyを所持する第2の情報処理装置とが含まれる秘匿計算システムであって、前記第1の情報処理装置は、前記第2の情報処理装置と共有する整数値Sを用いて、前記整数ベクトルxの各要素x

をS
w+1
,・・・,S(ただし、wは予め決められた1以上の整数)により順次除算することにより整数集合(a
i1
,a
i2
,・・・,a
iw+1
)に分割し、前記整数集合(a
i1
,a
i2
,・・・,a
iw+1
)をそれぞれ準同型暗号により暗号化した暗号文Enc(a
ij
)(1≦j≦w+1)を前記第2の情報処理装置に送信し、前記第2の情報処理装置は、前記整数値Sを用いて、前記整数ベクトルyの各要素y

をS
w+1
,・・・,Sにより順次除算することにより整数集合(a
i1
',a
i2
',・・・,a
iw+1
')に分割し、前記暗号文Enc(a
ij
)(1≦j≦w+1)と、前記整数集合(a
i1
',a
i2
',・・・,a
iw+1
')とを用いて、前記整数ベクトルxと前記整数ベクトルyとの内積の近似値の暗号文c

'yを計算し、前記暗号文c

'yを前記第1の情報処理装置に送信する。
【発明の効果】
【0007】
準同型暗号を利用して、内積の近似値を効率的に計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態に係る秘匿計算システムの全体構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るクライアントの機能構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
実施例1における秘匿計算処理の一例を示すシーケンス図である。
実施例2における秘匿計算処理の一例を示すシーケンス図である。
実施例3における秘匿計算処理の一例を示すシーケンス図である。
実施例4における秘匿計算処理の一例を示すシーケンス図である。
コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
<従来技術とその課題>
≪準同型暗号≫
準同型暗号(Homomorphic Encryption, HE)とは準同型性を持つ暗号方式のことであり、2つの暗号文が与えられた際に、平文や秘密鍵なしで演算を行うことができ、かつ、その演算結果が正常に復号できるという性質を持つ。準同型暗号は、基本的に、鍵生成関数Gen、暗号化関数Enc、復号関数Dec、準同型演算関数Evalで構成される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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