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公開番号
2025140956
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024040627
出願日
2024-03-15
発明の名称
摩擦係数の同定方法、プレス成形シミュレーション方法およびプレス成形品の製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類
G01N
19/02 20060101AFI20250919BHJP(測定;試験)
要約
【課題】金属板とプレス成形金型との間の摩擦係数の正確な同定技術を提供する。
【解決手段】金属板のプレス成形における、金属板とプレス成形金型との間の摩擦係数の同定方法であり、金属板の張出し成形試験をおこない、張出し成形試験によって張り出される金属板の張出し部について実測ひずみ分布をデジタル画像相関法によって測定するひずみ分布取得工程と、張出し成形試験を模擬した成形シミュレーションを、3条件以上の摩擦係数で実施して、各摩擦条件での張出し部について解析ひずみ分布を算出するひずみ分布解析工程と、前記各摩擦条件と、前記解析ひずみ分布および前記実測ひずみ分布の差異との関係から摩擦係数を算出する判定工程と、を含む、摩擦係数の同定方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属板のプレス成形における、金属板とプレス成形金型との間の摩擦係数の同定方法であり、
金属板の張出し成形試験をおこない、張出し成形試験によって張り出される金属板の張出し部について実測ひずみ分布を測定するひずみ分布取得工程と、
張出し成形試験を模擬した成形シミュレーションを、3条件以上の摩擦係数で実施して、各摩擦条件での張出し部について解析ひずみ分布を算出するひずみ分布解析工程と、
前記各摩擦条件と、前記解析ひずみ分布および前記実測ひずみ分布の差異との関係から摩擦係数を算出する判定工程と、を含む、摩擦係数の同定方法。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記実測ひずみ分布および前記解析ひずみ分布が、前記張出し成形試験における、パンチ肩接触部と、パンチの中央部を含んだパンチ底接触部とを含む金属板表面の一線上におけるひずみの分布であり、
前記判定工程では、前記一線上における解析ひずみの積算値と実測ひずみの積算値との比較から摩擦係数を算出する、
請求項1に記載の摩擦係数の同定方法。
【請求項3】
前記実測ひずみ分布および前記解析ひずみ分布が、前記張出し成形試験における、パンチ肩接触部と、パンチの中央部を含んだパンチ底接触部とを含む金属板表面の一線上におけるひずみの分布であり、
前記判定工程では、
(1)前記一線上における解析ひずみの積算値と実測ひずみの積算値との比較、
(2)パンチ肩接触部における解析ひずみ値と実測ひずみ値との比較、および、
(3)パンチ底接触部における解析ひずみ値と実測ひずみ値との比較、
という3点から、摩擦係数を算出する、
請求項1に記載の摩擦係数の同定方法。
【請求項4】
水準の異なる複数の張出し高さ条件で、摩擦係数を算出し、ひずみレベルごとの摩擦係数とする、
請求項1~3のいずれか1に記載の摩擦係数の同定方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1に記載の摩擦係数の同定方法で摩擦係数を決定し、決定した摩擦係数を用いて、プレス成形解析を行う、
プレス成形シミュレーション方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1に記載の摩擦係数の同定方法で摩擦係数を決定し、決定した摩擦係数を用いて、プレス成形解析を行う工程を含む、
プレス成形品の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板、とくに鋼板の摩擦係数の同定方法ならびに、その摩擦係数を用いたプレス成形シミュレーション方法およびプレス成形品の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車部品の製造にあたって事前に有限要素法(FEM)を用いた成形シミュレーションが一般的に行われている。そのFEMを用いたシミュレーションでは、鋼板の割れるリスクを評価したり、寸法精度を満足するための工法を検討したりしている。また、外板部品においては面精度などの閾値を超えないよう事前予測も行われている。こういった取組みによって部品製造にかかる時間の短縮が図られてきた。この取組みはFEMの予測精度が高いことが前提である。解析結果を踏まえて金型を製作、実際にプレスをおこなって予測と実態の差を確認する。FEMの予測精度に影響を及ぼす主な因子として、材料モデルや金型の弾性変形などが挙げられる。加えて、摩擦係数の及ぼす影響も強いことが一般的に知られており、信頼性の高い正確な摩擦係数をFEMに設定する必要がある。従来、プレス成形を対象とした場合の摩擦係数の測定には、平板摺動試験が広く用いられてきた。しかしながら、平板摺動試験では、面圧や摺動速度など、限定的な条件で測定される。そのため、鋼種間の摺動性の良し悪しを評価するには簡便であり好適な方法であるものの、プレス成形シミュレーションに設定するための摩擦係数として用いるには正確性に欠ける懸念がある。
【0003】
こうした背景から、特許文献1には、成形シミュレーション法に適用する見かけの摩擦係数決定方法が開示されている。その方法は、予め面圧と摩擦係数の相関を実測しておくものである。まず、成形金型のドロービード部を模した金型でドロービード部の面圧を算出する。そして、予め実測した摩擦係数をあてはめてビードを通過させるのに必要な引抜き力を算出する。その後、ドロービード部の面圧と引抜き力から見かけの摩擦係数を算出して、成形シミュレーションに適用するものである。
【0004】
特許文献2には、金属材料の摩擦係数算出方法および成形シミュレーション方法が開示されている。その方法は、面圧、摩擦仕事量、成形速度、工具との相対硬度差、粗度、潤滑油粘度、塑性ひずみ、温度及び磨耗粉の径の1種又は2種以上を用いて多項式近似により摩擦係数を算出するものである。そして、算出した摩擦係数を用いて成形シミュレーションを行う技術である。
【0005】
特許文献3には、成形シミュレーション用の摩擦係数取得方法が開示されている。その方法では、まず所定の摩擦係数を設定した成形シミュレーションをおこなう。そして、鋼材の所定部位における面圧と相対速度、たとえば、摺動速度を算出する。その後、面圧と摺動速度を満たす条件下で摺動試験をおこない、得られた摩擦係数で再度成形シミュレーションをおこない、鋼材の成形状態を推定するものである。
【0006】
特許文献4には、円柱試料圧縮過程の摩擦係数の決定方法が開示されている。その方法は、円柱試料を圧縮する成形シミュレーションにて圧縮後の試料形状と摩擦係数の関係を求め、次に圧縮試験で実際に得られた試料形状とひずみに基づいて摩擦係数を決定するものである。
【0007】
特許文献5には、試料と部材との間の摩擦係数を測定する方法が開示されている。具体的には、特許文献4と同じく円柱試料の圧縮試験と成形シミュレーションに基づいて摩擦係数を決定する手法であるが、これを温間成形に拡張した技術としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-311338号公報
特開2005-207774号公報
特開2009-002926号公報
特開2011-196758号公報
特開2023-005956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記各従来技術には以下のような解決しなければならない課題がある。
すなわち、特許文献1に記載の方法は、実際のプレス成形で生じるような面圧変化や摺動速度といった考慮がなされていない。加えて、ドロービード部は高面圧で摺動速度が相対的に速い条件に該当することが推察されるため、外板部品における面精度の予測にあたっては、低面圧で摺動速度の相対的に遅い条件を予測するのに不適であると考えられる。
【0010】
特許文献2に記載の方法は、実際のプレス成形で生じる面圧変化や塑性ひずみを考慮できる点で好適な摩擦係数の決定手法であると言える。一方で、鋼板の表面処理の状態や使用される潤滑油が異なる場合、当然ながら摩擦係数を算出するための多項式も異なる。そのため、それらを導出するための作業負荷は非常に高いことが憂慮される。加えて、状態関数として算出される摩擦係数はいかなる面圧、摺動速度でも動摩擦係数となっている。一方で、静止摩擦係数が支配的になる低面圧、低摺動速度での成形や摺動を受ける張出し部位については十分なシミュレーション結果を得ることができないと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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