TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025149899
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2025019813
出願日2025-02-10
発明の名称通信システム
出願人ソフトバンク株式会社
代理人個人,個人
主分類H04B 7/06 20060101AFI20251001BHJP(電気通信技術)
要約【課題】基地局と複数の端末装置との間の通信回線の負荷を高めることなく端末装置間の干渉を抑圧可能なMU-MIMO伝送を下り回線で実現することができる通信システムを提供する。
【解決手段】基地局と複数の端末装置は同一の周波数帯を用いるTDD方式でMU-MIMO伝送を行う。基地局は、複数の端末装置から受信した複数の参照信号に基づいて複数の上り回線の伝搬路応答HU,iを推定して集約し、全体の上り回線の伝搬路応答HU及び下り回線の伝搬路応答HDを推定し、下り回線の伝搬路応答HDに基づいて、適応ビームフォーミングのウェイトWBFを算出し、特異値分解を用いて複数の端末装置に対する下り回線における送信ウェイトWBDを算出し、下り回線の送信信号SにウェイトWBF及びWBDを適用する。複数の端末装置はそれぞれ、基地局から受信した下り回線の受信信号XiにMMSE規範の受信ウェイトWMMSE,iを適用する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
複数のアンテナを有する基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムであって、
前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有し、
前記基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行い、
前記基地局は、
前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
(i=1~N)を推定し、
前記複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記上り回線の伝搬路応答H

に基づいて前記基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'
を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、
前記複数の端末装置に対する下り回線の送信信号S

に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記送信ウェイトW
BD,i
を重畳して送信し、
前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、MMSE(平均二乗誤差最小化)規範又は逆行列規範の受信ウェイトW
invers,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する、
ことを特徴とする通信システム。
続きを表示(約 4,900 文字)【請求項2】
複数のアンテナを有する基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムであって、
前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有し、
前記基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行い、
前記基地局は、
前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
(i=1~N)を推定し、前記複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記上り回線の伝搬路応答H

に基づいて前記基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に送信ウェイトW
BD,i
を重畳した伝搬路応答H
D,i
''に対して、前記複数の端末装置のそれぞれが下り回線SU-MIMO伝送を効率よく行う固有モード伝送のための複数の送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を算出し、
前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り回線の送信信号S

(i=1~N)に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記BD法の送信ウェイトW
BD,i
と前記固有モード伝送の送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を重畳して送信し、
前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、MMSE(平均二乗誤差最小化)規範の受信ウェイトW
MMSE,i
又は逆行列規範の受信ウェイトW
inverse,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
複数のアンテナを有する基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムであって、
前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有し、
前記基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行い、
前記基地局は、
前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
(i=1~N)を推定し、前記複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記上り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に前記送信ウェイトW
BD,i
を重畳した伝搬路応答H
D,i
''に対して、前記複数の端末装置のそれぞれが下り回線SU-MIMO伝送を効率よく行う固有モード伝送のための送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を算出し、
前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り回線の送信信号S

(i=1~N)に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記BD法の送信ウェイトW
BD,i
と前記固有モード伝送の送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を重畳して送信し、
前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、ZF(ゼロフォーシング)規範の受信ウェイトW
ZF,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
複数のアンテナをそれぞれ有する複数(M)の基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記複数の基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムであって、
前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有し、
前記複数の基地局が互いに送信信号及び受信信号を共有するための基地局間連携ネットワークと、前記複数の基地局に接続された集約局と、を備え、
前記複数の基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行い、
前記複数の基地局はそれぞれ、
自局が前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号を、前記基地局間連携ネットワークを介して自局以外の他の基地局に送信し、
自局が前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号と、前記他の基地局が前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号とに基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の基地局毎の伝搬路応答H
U,j
(j=1~M)を推定し、
前記集約局は、
前記複数の上り回線の基地局毎の伝搬路応答H
U,j
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記複数の基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記上り回線の伝搬路応答H

に基づいて前記複数の基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、
前記複数の基地局のそれぞれ又は前記集約局は、
前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に前記送信ウェイトW
BD,i
を重畳した伝搬路応答H
D,i
''に対して、前記複数の端末装置のそれぞれが下り回線SU-MIMO伝送を効率よく行う固有モード伝送のための送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を算出し、
前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り回線の送信信号S

(i=1~N)に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記BD法の送信ウェイトW
BD,i
と前記固有モード伝送の送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を重畳して送信し、
前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、MMSE(平均二乗誤差最小化)規範の受信ウェイトW
MMSE,i
(i=1~N)、逆行列規範の受信ウェイトW
invers,i
(i=1~N)又はZF(ゼロフォーシング)規範の受信ウェイトW
ZF,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項4の通信システムにおいて、
前記複数の基地局はそれぞれ、複数のアンテナを有するアンテナ装置と通信回線を介して前記集約局に接続された基地局装置とを備え、
前記複数の基地局は分散配置されている、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項4の通信システムにおいて、
前記複数の基地局はそれぞれ、複数のアンテナを有するアンテナ装置と前記集約局に接続された基地局装置とを備え、
前記アンテナ装置と前記基地局装置とは有線の伝送路を介して接続され、
前記複数の基地局を構成する複数のアンテナ装置は分散配置され、
前記複数の基地局を構成する複数の基地局装置はそれぞれ、前記基地局間連携ネットワークを介して接続され、前記集約局を有する基地局間連携制御システムに集中配置されている、
ことを特徴とする通信システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一又は複数の基地局と複数の端末装置との間の複数アンテナを用いたマルチユーザMIMO伝送に関するものである。
続きを表示(約 6,000 文字)【背景技術】
【0002】
送受信に複数アンテナを用いることで通信容量を増やすMIMOの発展技術として、複数の端末装置をまとめて一つのシステムを構成するマルチユーザMIMO(以下、「MU-MIMO」ともいう。)がある。マルチユーザMIMOは端末装置間の信号分離が必要であり、下り回線では基地局で送信信号にウェイトを掛けることで信号分離を行うのが一般的である。
【0003】
特許文献1には、基地局が端末装置からCSIとしてフィードバックされた伝搬路情報(伝搬路応答)に基づいて送信ウェイトを計算し、送信信号に送信ウェイトを乗算することにより端末装置間の信号分離を行う無線通信システムが開示されている。同無線通信システムにおいて、端末装置では、複数の受信アンテナで受信した信号をMMSE合成して所望信号を得る。
【0004】
特許文献2には、第1基地局と第2基地局からなる2つの基地局が第1移動局と第2移動局からなる2つの移動局(端末装置)に対して信号を送信する複数基地局協調MU-MIMOシステムが開示されている。同システムにおいて、第1基地局は、第1移動局からフィードバック情報として受信したチャネル情報(伝搬路応答)に基づいて送信ウェイトを生成し、第2基地局は、第2移動局からフィードバック情報として受信したチャネル情報(伝搬路応答)に基づいて送信ウェイトを生成する。基地局間伝送路を介して、第1基地局は、第2基地局で生成された送信信号を受信し、第2基地局は、第1基地局で生成された送信信号を受信する。2つの基地局はそれぞれ、自局で生成した送信信号と他局から受信した送信信号に送信ウェイトを掛け、送信ウェイトが掛けられた送信信号を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-015963号公報
特開2017-139684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記MU-MIMO伝送を行うシステムにおいて端末装置間の干渉を抑圧して効率のよいMIMO伝送を下り回線で実現するためには、一般には基地局が送信した参照信号(パイロット信号)を複数の端末装置がそれぞれ受信し、各端末装置が、基地局から受信した参照信号に基づいて下り回線の伝搬路応答H

を推定し、推定した伝搬路応答H

を基地局へフィードバックする必要がある。この複数の端末装置から基地局への伝搬路応答H

のフィードバックは、各端末装置から基地局への上り回線の制御信号を利用して行う必要があり、基地局と複数の端末装置との間の無線通信にとって大きな負荷になる。そのため、MU-MIMO伝送を行うシステムにおいて、基地局と複数の端末装置との間の無線通信の負荷を高めることなく、端末装置間の干渉を抑圧可能なMU-MIMO伝送を下り回線で実現することが難しい。特に、数10から100を超えるアンテナ素子で構成されるMassiveアンテナ(「超多素子アンテナ」ともいう。)を用いたMassive MIMOにおけるMU-MIMO伝送では、狭指向性ビームを用いた複数の端末装置のそれぞれの方向への適応ビームフォーミング機能により、下り回線では他セルの端末装置への干渉抑制、上り回線では他セルの端末装置からの干渉抑制を実現する場合、下り回線における正確な伝搬路応答(H

)情報がない場合、MU-MIMO伝送を下り回線で実現することが更に難しい。
【0007】
また、複数のセルで構成されるセルラーシステムに上記MU-MIMO伝送を適用する場合、他セル内のMU-MIMO伝送を行っている複数の端末装置からの干渉により通信品質が低下する。例えば、各セルが2端末のMU-MIMO伝送を適用すれば、各セルが1端末のSU-MIMO伝送を適用した場合に比べて他セルからの干渉量が2倍となることから通信品質が低下しSU-MIMO伝送の「2倍の通信容量(理想)」は得られない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る通信システムは、複数のアンテナを有する基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムである。前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有する。前記基地局は、電波の狭指向性ビームを例えば前記複数の端末装置の位置する方向に向ける適応ビームフォーミング機能により、下り回線では他セルの端末装置への干渉を抑圧し、上り回線では他セルの端末装置からの干渉を抑圧することができる。前記基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行う。前記基地局は、前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
(i=1~N)を推定し、前記複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定する。更に、前記基地局は、前記上り回線の伝搬路応答H

に基づいて前記基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、前記複数の端末装置に対する下り回線の送信信号S

に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記送信ウェイトW
BD,i
を重畳して送信する。前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、MMSE(平均二乗誤差最小化)規範の受信ウェイトW
MMSE,i
(i=1~N)又は逆行列規範の受信ウェイトW
invers,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する。
【0009】
本発明の他の一態様に係る通信システムは、複数のアンテナを有する基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムである。前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有する。前記基地局は、電波の狭指向性ビームを前記複数の端末装置の位置する方向に向ける適応ビームフォーミング機能により、下り回線では他セルの端末装置への干渉を抑圧し、上り回線では他セルの端末装置からの干渉を抑圧することができる。前記基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行う。前記基地局は、前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
(i=1~N)を推定し、前記複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定する。更に、前記基地局は、前記上り回線の伝搬路応答H

を転置して前記基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に送信ウェイトW
BD,i
を重畳した伝搬路応答H
D,i
''に対して、前記複数の端末装置のそれぞれが下り回線SU-MIMO伝送を効率よく行う固有モード伝送のための送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を算出し、前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り回線の送信信号S

(i=1~N)に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記BD法の送信ウェイトW
BD,i
と前記固有モード伝送の送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を重畳して送信する。前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、MMSE(平均二乗誤差最小化)規範の受信ウェイトW
MMSE,i
(i=1~N)又は逆行列規範の受信ウェイトW
invers,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する。
【0010】
本発明の更に他の態様に係る通信システムは、複数のアンテナを有する基地局と、複数のアンテナをそれぞれ有する複数(N)の端末装置とを備え、前記基地局と前記複数の端末装置との間でマルチユーザMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を行う通信システムである。前記基地局の複数のアンテナはそれぞれ、Massiveアンテナを構成する複数のアンテナ素子であり、電波の狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミング機能を有する。前記基地局は、電波の狭指向性ビームを例えば前記複数の端末装置の位置する方向に向ける適応ビームフォーミング機能により、下り回線では他セルの端末装置への干渉を抑圧し、上り回線では他セルの端末装置からの干渉を抑圧することができる。前記基地局と前記複数の端末装置は、上り回線及び下り回線で同一の周波数帯を用いるTDD(時分割複信)方式で前記マルチユーザMIMO伝送を行う。前記基地局は、前記複数の端末装置のそれぞれから受信した複数の参照信号に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれと前記基地局のアンテナとの間の複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
(i=1~N)を推定し、前記複数の上り回線の伝搬路応答H
U,i
を集約して前記複数の端末装置の全体と前記基地局のアンテナとの間の上り回線の伝搬路応答H

を推定する。更に、前記基地局は、前記上り回線の伝搬路応答H

に基づいて前記基地局のアンテナと前記複数の端末装置の全体との間の下り回線の伝搬路応答H

を推定し、前記下り回線の伝搬路応答H

に基づいて、前記複数の端末装置のそれぞれに対して狭指向性ビームを形成するための適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
を算出し、前記ウェイトW
BF,i
を下り回線の伝搬路応答H
D,i
に重畳した適応ビームフォーミング適用時の伝搬路応答H
D,i
'を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に対して異なる端末装置からの干渉を抑圧するために特異値分解を用いたBD法(ブロック対角化法)を適用して前記異なる端末装置からの干渉を抑圧する送信ウェイトW
BD,i
を算出し、前記伝搬路応答H
D,i
'に前記送信ウェイトW
BD,i
を重畳した伝搬路応答H
D,i
''に対して、前記複数の端末装置のそれぞれが下り回線SU-MIMO伝送を効率よく行う固有モード伝送のための送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を算出し、前記複数の端末装置のそれぞれに対する下り回線の送信信号S

(i=1~N)に、前記適応ビームフォーミングのウェイトW
BF,i
と前記BD法の送信ウェイトW
BD,i
と前記固有モード伝送の送信ウェイトW
SVD,i
(i=1~N)を重畳して送信する。前記端末装置は、前記基地局から受信した下り回線の受信信号X

(i=1~N)に、ZF(ゼロフォーシング)規範の受信ウェイトW
ZF,i
(i=1~N)を適用して、送信信号S

を復調する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

ソフトバンク株式会社
通信システム
1日前
ソフトバンク株式会社
システム、装置、及び方法
7日前
ソフトバンク株式会社
測定装置、測定方法及びプログラム
今日
ソフトバンク株式会社
情報処理装置及び情報処理プログラム
10日前
ソフトバンク株式会社
情報処理装置及び情報処理プログラム
10日前
ソフトバンク株式会社
情報処理装置及び情報処理プログラム
7日前
ソフトバンク株式会社
通信システム、水中光通信体、及び制御方法
7日前
ソフトバンク株式会社
画像処理装置、プログラム、及び画像処理方法
10日前
ソフトバンク株式会社
量子コンピュータシステムおよびその制御方法
6日前
ソフトバンク株式会社
無線中継装置、ゲートウェイ装置及び通信システム
1日前
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
今日
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
2日前
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
6日前
ソフトバンク株式会社
管理基盤、プログラム、情報処理システム、及び管理方法
7日前
ソフトバンク株式会社
管理基盤、プログラム、情報処理システム、及び管理方法
7日前
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
今日
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
今日
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理システム
今日
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラム
6日前
ソフトバンク株式会社
情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラム
6日前
ソフトバンク株式会社
学習データ生成システム、学習データ生成プログラム、および学習データ生成方法
今日
ソフトバンク株式会社
情報処理端末、情報処理端末の制御方法、情報処理端末の制御プログラム、及び情報処理システム
2日前
国立研究開発法人物質・材料研究機構
リチウム(Li)とマンガン(Mn)とルテニウム(Ru)と硫黄(S)とを含有する複合酸化物からなる正極活物質、その製法及びその用途
1日前
理想科学工業株式会社
手話情報生成装置、方法、プログラムおよびシステム
6日前
理想科学工業株式会社
手話動画情報収集装置、方法、プログラムおよびシステム
6日前
理想科学工業株式会社
手話動画情報収集装置、方法、プログラムおよびシステム
6日前
個人
店内配信予約システム
2か月前
サクサ株式会社
中継装置
今日
サクサ株式会社
中継装置
3か月前
WHISMR合同会社
収音装置
28日前
サクサ株式会社
中継装置
1日前
アイホン株式会社
電気機器
22日前
キヤノン株式会社
電子機器
2か月前
キヤノン株式会社
撮像装置
1か月前
キヤノン株式会社
撮像装置
3か月前
サクサ株式会社
無線通信装置
今日
続きを見る