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公開番号2025153325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024055757
出願日2024-03-29
発明の名称フレキシブル電気化学素子
出願人個人
代理人
主分類H01M 4/74 20060101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 外部応力に応じた変形が可能で、柔軟性に優れ、鉄系元素電極により構成されるフレキシブル電気化学素子を提供する。
【解決手段】 鉄族元素金属の繊維集合体の少なくとも一部を活物質とした電極に用いる電気化学素子であり、該電極と電解質、外装体から構成された電気化学素子が外部応力による変形が可能なフレキシブル電気化学素子を提供する。また電気化学素子における鉄系元素金属繊維集合体の表面の少なくとも一部が異種金属元素薄膜で被覆されたフレキシブル電気化学素子を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄族元素金属の繊維集合体を電極として用いた電気化学素子であり、該電極と電解質、外装体から構成された電気化学素子が、外部応力による変形が可能なフレキシブル電気化学素子。
続きを表示(約 89 文字)【請求項2】
請求項1の電気化学素子における鉄族元素金属繊維集合体の表面の少なくとも一部が異種金属元素薄膜で被覆されることを特徴とするフレキシブル電気化学素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄族元素金属繊維集合体を電極に含み、柔軟性を有するフレキシブル電気化学素子に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池に代表される蓄電可能な電気化学素子は、分散型電源や携帯機器用電源に利用され、日常生活に不可欠な存在となっている。また最近増大する風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの高効率利用を行うため一次的に電力貯蔵に高容量化蓄電素子が求められている。これらの利用には構成要素の資源問題がなく、低コストで製造、供給され、かつ安全性の高い電気化学素子を構築する必要がある。前記のリチウムイオン二次電池は高エネルギー密度を特徴として主に小型容量のセルに用いられているが、構成元素の資源な問題や高エネルギー状態の電極で構成され、非水系電解液の発火危険性を有するなど安全上の課題を有する。
資源問題や低コスト化に優位な鉄をベースとする電気化学素子は、古くから研究され技術が蓄積されてきた。特に充放電が可能な鉄・空気電池は、主に水系電解質を用い発火の危険はないため安全性が高く、大容量の蓄電装置として期待され、活発な開発が進められている。
【0003】
鉄族元素金属の繊維状集合体はスチールウールとして一般に知られる材料であり、スチールウールはたわし、ブラシとして台所用途、工業用途の洗浄用材料部材に利用されている。代表的な製造方法は、鉄、ステンレススチールなどの金属ブロックやシートの研削加工であり、このワイヤー、リボン形状の切削物として製造される。スチールウールの電池への応用例として、電解液のもれ防止物質としての利用(特許文献1)、鉄・酸化マンガン充電式電池において集電体としての利用(特許文献2)、ニッケル鉄電池において不活性導電性マトリックスとしての利用(特許文献2)が挙げられる。このように、従来のスチールウールの電気化学素子への応用として、液体保持、導電性マトリックスや電極集電体としての利用に限られており、スチールウールを電気化学素子の電極活物質に用いた例はない。
【0004】
通常、乾電池、蓄電池などの電気化学素子は形状が直方体ブロック、円筒型、コイン型、板状など固定された形状であり、外部応力によって変形しない堅牢性を有する。一方、最近、携帯機器やウエアラブル機器として、曲げやねじりなどの外部圧力に変形可能なフレキシブル性を特徴とする機器が開発され、これらの部品、部材に機械的柔軟性(フレキシブル性)が求められている。従来の電気化学素子はその形状や堅牢性のためこれらのフレキシブル機器への適応が難しく、搭載する機器の形態が制限される。また従来の電気化学素子では、機器に搭載できる空間は限定され、空間の利用率向上には、複雑な形状に充填できる自由な形状の電池が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
公開実用新案昭和51-1720
特表2022-543752
特表2016-534491
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電解質の含侵性、保持性に優れ、外部応力に応じた変形が可能で、耐性に優れたフレキシブル電気化学素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、鉄族元素金属の繊維集合体を電極として用いた電気化学素子であり、該電極と電解質、外装体から構成された電気化学素子が、外部応力による変形が可能であることを特徴とするフレキシブル電気化学素子である。
また、この電気化学素子における鉄族元素金属繊維集合体の表面の少なくとも一部が異種金属元素薄膜で被覆されることを特徴とするフレキシブル電気化学素子である。
【0008】
以下、本発明のフレキシブル電気化学素子を構成する要素、素子の構造、作製方法について順次説明する。
本発明のフレキシブル電気化学素子における、鉄族元素金属の繊維集合体はスチールウールに代表されるスポンジ状の細線ワイヤー集合体である。
本発明における繊維集合体を構成する鉄族元素金属は、周期律表のチタン(元素番号22)から亜鉛(元素番号30)から選択され、特にクロム(元素番号24)、マンガン(元素番号25)、鉄(元素番号26)、コバルト(元素番号27)、ニッケル(元素番号28)、銅(元素番号29)が好ましく、さらに好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケルの単体もしくはこれらの金属元素を主体とする合金である。この例として、各種の鉄、スチール、炭素鋼、ケイ素鋼、ステンレススチール(クロム、ニッケル、鉄を主体とする合金類)、ニッケル鋼、コバルト鋼、マンガン項などが挙げられ、ボロン、炭素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄などのヘテロ元素が金属中に固溶もしくは不均一に分布もしくは組織として析出して含有する材料も含まれる。また複数の種類の金属元素金属からなる繊維状集合体を複合化させることもできる。
本発明の鉄系元素金属繊維集合体の単位構造の繊維の形状として、その断面が円筒状、半円状、楕円状、三角形、四角、長方形であり、その長径がmm~数μmの範囲、繊維長はmm~mの範囲、アスペクト比(繊維長/長径)が10以上であり、上限は限定されない。
【0009】
鉄系元素金属繊維集合体は、該繊維束を一方向に整列させた(x方向)一次元構造、繊維束を面内方向に規則性を持たせて織布状の(x-y面)二次元構造、二次元構造の厚さ方向(z方向)にさらに繊維束を配列して厚手シート形状とした三次元構造、およびこれら繊維集合体それそれの方向の規則性を乱した構造、不織布形態およびこれらの複合構造が可能である。また、形状の寸法安定化や表面処理の目的で、必要に応じ、これら繊維集合体に圧縮、延伸、巻き取りや超音波溶接、高周波、プラズマ、抵抗加熱処理を施すことができる。
本発明における鉄系元素金属繊維集合体は、繊維集合体の内部に、繊維形状や繊維組織に応じた空間を有し、電解質の含侵性と保液性に優れることが特徴であり、電気化学素子の製造面で迅速な電解質の含侵や、素子の長期間にわたる電解質保持が可能となるなど好ましい。
【0010】
本発明の鉄系元素金属繊維集合体の電気的性質、磁気的性質について説明する。本発明の該繊維集合体は構成する繊維の内部および表面が導電性を有し、繊維集合体内部で繊維間の導電ネットワークが形成されるため繊維集合体として高い導電性を発現する。繊維集合体を金属クランプで挟み込んだ後、直流2端子法、4端子法により電気伝導度が測定でき、本発明の繊維集合体は、0.1S/m~10E6S/mの電気伝導度を有する。また、電気伝導度は非接触で電磁誘導法により評価することができる。この方法は、電気化学素子構成後や、電池として駆動させながら本発明繊維集合体の電気伝導度を評価できる。
また本発明の繊維集合体は鉄系元素金属からなり、これらが強磁性を有するため繊維集合体は高い磁化率を発現する。磁化率は電磁誘導の原理で振動式磁力計などにより評価できる。本発明の繊維集合体の飽和磁化率は200emu/g~10emu/gである。
(【0011】以降は省略されています)

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