TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025144621
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024044357
出願日
2024-03-21
発明の名称
冷陰極電子源
出願人
株式会社ホロン
代理人
個人
主分類
H01J
37/073 20060101AFI20250926BHJP(基本的電気素子)
要約
【目的】本発明は、高輝度、長寿命の冷陰極を有する冷陰極電子源に関し、工場運用等で必要な10時間以上の超高輝度状態を安定かつ容易に維持できるコールドフィールドエミッターを有する冷陰極電子銃を実現することを目的とする。
【構成】電子ビームを放出する先端が尖ったエミッターと、エミッターの先端に対して電界を印加して電子ビームを引き出す、穴の開いたエクストラクターと、エミッターを保持およびフラッシングするための加熱する弾性体と、弾性体を支持および加熱する電源を供給する支柱とを備え、弾性体はエミッターを中心に対称の位置に配置した支柱に固定され、フラッシング時に弾性体が収縮してエミッターのドリフトを低減するように構成する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
エミッターから電子ビームを引き出す冷陰極電子源において、
電子ビームを放出する先端が尖ったエミッターと、
前記エミッターの先端に対して電界を印加して電子ビームを引き出す、穴の開いたエクストラクターと、
前記エミッターを保持およびフラッシングするための加熱する弾性体と、
前記弾性体を支持および前記加熱する電源を供給する支柱とを備え、
前記弾性体は前記エミッターを中心に対称の位置に配置した前記支柱に固定され、前記フラッシング時に当該弾性体が伸縮して前記エミッターのドリフトを低減したことを特徴とする冷陰極電子源。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
エミッターから電子ビームを引き出す冷陰極電子源において、
電子ビームを放出する先端が尖ったエミッターと、
前記エミッターの先端に対して電界を印加して電子ビームを引き出す、穴の開いたエクストラクターと、
前記エミッターを保持およびフラッシングするための加熱する弾性体と、
前記弾性体を支持および前記加熱する電源を供給する支柱と、
前記エミッターの先端と反対側の部分を固定する熱絶縁性のエミッター支持部とを備え、
前記フラッシング時に前記エミッター支持部に固定された前記エミッターのドリフトを無くしあるいは低減したことを特徴とする冷陰極電子銃。
【請求項3】
請求項1において、前記弾性体および支柱を2の整数倍の個数を設けたことを特徴とする冷陰極電子銃。
【請求項4】
前記弾性体の加熱する部分を無くして、前記エミッターに加熱する部分を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷陰極電子銃。
【請求項5】
前記エミッターの先端を、前記エクストラクターの穴の上部に突出させ、電子ビームのエクストラクターへの衝突を少なくしてガス放出を低減あるいは電子ビーム利用効率を高めたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷陰極電子銃。
【請求項6】
前記エミッターの先端の形状を、スポット状にして高輝度かつ微小スポット、あるいはリング状にして高輝度かつ大電流の電子ビームとしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷陰極電子銃。
【請求項7】
前記エミッターの先端から所定距離以上、離れた場所を非電子放出体でカバーし、先端部分から放出される電子ビームの輝度を高めるあるいはフラッシングによる輝度低下を低減したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の冷陰極電子銃。
【請求項8】
前記先端の尖ったエミッターを、基板の上にデポジションあるいはエッチングにより形成したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の冷陰極電子銃。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高輝度、長寿命の冷陰極を有する冷陰極電子源に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
電子ビーム装置は電子ビーム露光機やCDSEMあるいは高速検査装置、修正装置として半導体デバイス製造および管理に広く使用されている。電子ビームは電子銃で発生した負電荷を有する素粒子の1つである電子を加速することで得られる。ドブロイ波長がオングストローム以下と短くnmオーダーのスポットに絞ることが出来るため、nmオーダーの微細加工を必要とする最先端の半導体デバイスの製造や高速検査には必須である。
【0003】
ムーアの法則に従い半導体デバイスは年々微細化あるいは集積化が進んでいる。近年多少飽和傾向があるものの、1枚のフォトマスクあるいは1枚のウエハー上に形成される半導体素子数は増加傾向にある。現在では最小線幅数10nm以下のサイズを持つトランジスタが1兆個以上、1つのウエハー上に形成されている。生成AIで使用される最先端GPUでは1つの半導体デバイスに1000億個ものトランジスタが搭載されている。また、使用される半導体の個数そのものが生成AIアプリケーション実行のためのデーターセンター建設によりどんどん増え続けている。
【0004】
電子ビーム装置でこれらのデバイスを製造あるいは検査したりするためには相当大きなスループットが必要である。検査装置のスループットは画像取得速度で決まる。検査に活用可能なSNRを有する画像を取得するためには1ピクセル当たり10個から1000個程度の電子照射が必要と言われている。スループットを高くするためには単位時間当たり1ピクセルに照射できる電子数を大きくすることが必要である。
【0005】
電子源から放出された電子ビームはレンズによってスポット状に小さく絞られてサンプル表面に照射される。1つの電子銃で供給可能な最大電流密度は電子源の持つ最大輝度で決定される。現行の電子銃を利用する限り電子ビーム光学系を幾ら改良して収差を0にしても単位面積および時間当たりに照射可能な最大電子数は電子源の最大輝度で決まってしまいスループット向上には限界がある。
【0006】
現在はTFEと呼ばれる先端鋭利なタングステン針にジルコニウムを拡散して用いる熱電界型電子銃が広く利用されている。この電子銃は今から40年ほど前に発明された。先端鋭利に加工したタングステン針先端を1700ケルビン度程度に加熱した際に起こるジルコニウム拡散薄膜で覆うことで仕事関数を下げ高い輝度を実現する。エミッター先端に3KV以上の電圧を印加することで電子放出を行う。エミッター周辺に存在する気体は超高温のエミッターには吸着しにくいため周辺気体の影響を受けにくい。出力電流は非常に安定で雑音も小さく、ジルコニウムが枯渇するまで何年も連続して使用できる。但し1700ケルビン度以上の高温で利用するため熱擾乱の作用により電子ビームのエネルギー分布が1eV程度ある。また、ビーム放出面積がミクロンサイズと比較的大きいため電子ビームを低エネルギーで数nmオーダーの小さなスポットに絞ることは苦手である。
【0007】
一方、TFEの3倍以上の輝度を実現できるコールドフィールドエミッター(CFE)がある。コールドフィールドエミッターは名前が示す通り、室温で先端鋭利なタングステン針に高い電界を印加することで電子を放出させる電子源である。CFEの方が歴史的にはTFEよりもずっと古い。室温で電子放出するため放出電子のエネルギー分布がTFEの半分以下で0.3eV程度と小さく、電子ビーム光学系の持つ色収差の影響を受けにくいため同じ電子ビームエネルギーであれば、TFEよりも小さなスポットに電子ビームを絞ることが出来る。また、電子ビーム発生点が数10nmとTFEよりも狭いため、縮小率の大きな電子光学系を用いた場合、光源サイズが無視できるように成り輝度が高くなる。針先端を液体窒素等で冷却すれば熱擾乱による電子ビームのエネルギー分散を小さくできるため数10ミリボルト程度にエネルギー分布は小さくできる。
【0008】
従来のコールドフィールドエミッターは起動直後に超高輝度領域が現れTFEの10倍以上の輝度が出る。しかしながら、数分でエミッター先端部にガス吸着が起こり輝度は10分の1程度に減衰する。その後しばらく輝度が変化しない安定領域が現れる。安定領域が現れた後、少し印加電圧を増やしてTFEの3倍程度の輝度を実現している。
【0009】
従来のコールドフィールドエミッターはこの安定領域を利用している。この安定領域も数時間経つとエミッターへの水素吸着が徐々に増加して仕事関数を変動させるため電流値がばらついて不安定になり、最終的には電子放出が止まる。
【0010】
そのたびに、フラッシングと呼ばれるエミッター先端部を数秒間1000℃以上の高温に加熱して吸着した水素を放出する再活性化を行う。フラッシングを行うと輝度は元に戻るが、フラッシングを行うたびにエミッター先端が溶けて丸まるので、曲率半径が増加し同じ電圧を印加してもエミッター先端に生じる実効電界が減少する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
株式会社ホロン
冷陰極電子源
今日
株式会社ホロン
フォトマスク修正のドリフト補正装置およびフォトマスク修正のドリフト補正方法
1か月前
株式会社ホロン
電子検出装置および電子ビーム検査装置
2日前
個人
安全なNAS電池
28日前
日本発條株式会社
積層体
4日前
東レ株式会社
多孔質炭素シート
23日前
個人
フリー型プラグ安全カバー
1か月前
ローム株式会社
半導体装置
23日前
ローム株式会社
半導体装置
2日前
個人
防雪防塵カバー
4日前
エイブリック株式会社
半導体装置
25日前
ローム株式会社
半導体装置
2日前
ローム株式会社
半導体装置
2日前
エイブリック株式会社
半導体装置
25日前
ローム株式会社
半導体装置
今日
キヤノン株式会社
電子機器
23日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
今日
株式会社ホロン
冷陰極電子源
今日
沖電気工業株式会社
アンテナ
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
4日前
東レ株式会社
ガス拡散層の製造方法
23日前
個人
半導体パッケージ用ガラス基板
3日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
16日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
16日前
株式会社ティラド
面接触型熱交換器
15日前
オムロン株式会社
電磁継電器
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
1か月前
太陽誘電株式会社
全固体電池
今日
株式会社GSユアサ
蓄電装置
1か月前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
4日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
2日前
TDK株式会社
電子部品
今日
日本特殊陶業株式会社
保持装置
今日
マクセル株式会社
配列用マスク
15日前
トヨタ自動車株式会社
二次電池
4日前
続きを見る
他の特許を見る