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公開番号
2025161745
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-24
出願番号
2025035029
出願日
2025-03-05
発明の名称
金属シリコンとガラスの溶融分離方法
出願人
学校法人早稲田大学
,
DOWAエコシステム株式会社
代理人
個人
主分類
B09B
3/35 20220101AFI20251017BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】シリコン系の太陽光発電設備に含まれる太陽電池モジュール由来のシリコンとガラスの混合物から、シリコンを分離して選択的に回収する、金属シリコンとガラスの溶融分離方法を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールを破砕し、シリコンとガラスの混合物を含む破砕物を回収する前処理工程と、前記のシリコンとガラスの混合物を、1420℃以上1650℃以下の温度で溶融する溶融工程と、1420℃以上1650℃以下の温度で、前記の溶融工程で得られたシリコンとガラスの混合物の溶融物を、ガラスの構成成分と接触した状態で保持する保持工程と、前記溶融物を冷却する冷却工程と、前記の冷却工程により凝固したシリコンとガラスの混合物からガラスを機械的に除去する分離工程とを有する、金属シリコンとガラスの溶融分離方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
太陽電池モジュールを破砕し、シリコンとガラスの混合物を含む破砕物を回収する前処理工程と、
前記のシリコンとガラスの混合物を、内壁が前記ガラスの構成成分により形成された耐火性の容器に収容し、不活性雰囲気下において、1420℃以上1650℃以下の温度で溶融する溶融工程と、
不活性雰囲気下において、1420℃以上1650℃以下の温度で、前記の溶融工程で得られたシリコンとガラスの混合物の溶融物を、前記のガラスの構成成分と接触した状態で保持する保持工程と、
前記のシリコンとガラスの混合物の溶融物を冷却する冷却工程と、
前記の冷却工程により凝固したシリコンとガラスの混合物からガラスを機械的に除去する分離工程と、
を有する、金属シリコンとガラスの溶融分離方法。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
前記のガラスの構成成分により形成された耐火性の容器が、石英ガラスるつぼ、アルミナるつぼ、マグネシアるつぼのいずれかである、請求項1に記載の金属シリコンとガラスの溶融分離方法。
【請求項3】
前記のシリコンとガラスの混合物の溶融物と接触する前記ガラスの構成成分が、当該シリコンとガラスの混合物の溶融物を収容する耐火性の容器の内壁を構成する石英ガラスである、請求項1に記載の金属シリコンとガラスの溶融分離方法。
【請求項4】
前記のシリコンとガラスの混合物の溶融物と接触する前記ガラスの構成成分が、当該シリコンとガラスの混合物の溶融物中に装入された石英ガラスを含む、請求項1に記載の金属シリコンとガラスの溶融分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電設備の廃材からシリコンとガラスを分離して回収する技術に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
結晶質シリコン太陽電池や非晶質シリコン太陽電池による太陽光発電は、太陽光というクリーンエネルギーを利用して発電を行っているために、環境負荷が小さな再生可能エネルギーとして着目されており、近年その使用量が急激に増大している。その太陽光発電に使用されるシリコン系の太陽電池モジュールは、例えば太陽電池セル以外に、ガラス基板、金属製の電気回路形成材料、太陽電池セルを封止する封止材、封止材の周囲に設けられるフレーム部材、バックシート等の保護部材や保護ガラス等の様々な部材により構成される。
【0003】
これまで太陽電池モジュールは、一定期間使用された後に廃棄処分されていたが、近年、リサイクルの観点からは有価物を選別して回収することが求められている。太陽電池モジュールのリサイクル方法には一般に、前処理工程、破砕工程、有機材料の軟化工程や燃焼工程等の分離工程、電極の除去工程、粉砕工程等の様々な工程を含んでいる。そのような従来行われてきた太陽電池モジュールのリサイクルは、主として金、銀や銅等の有価金属を選別回収するものであった。
【0004】
例えば特許文献1には、シリコン系の太陽電池モジュール又は太陽電池シート状構造物を破砕する工程と、前記破砕物を選別する選別工程とを有する太陽電池モジュールのリサイクル方法が開示されているが、当該リサイクル方法は破砕物を風力選別することにより有価金属を回収することを目的としたものである。なお、特許文献1に記載の太陽電池シート状構造物とは、太陽電池モジュールからガラス基板及びフレーム部材を取り除いた構造物を指す。
【0005】
特許文献2には、金属シリコンを精製する技術が開示されているが、特許文献2には、太陽電池モジュールからシリコンのみを選別回収する技術に関する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-173099号公報
特開平4-338109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
太陽電池モジュールに含まれる有価物には、前記の金属元素以外に高純度のシリコンがあるが、従来、金属を物理選別する技術と比較して、シリコンを選別して回収する技術に関する研究はあまり行われていなかった。その一つの理由は、従来のリサイクル技術において、太陽電池モジュールの粉砕物からシリコンとガラスを物理選別する技術が確立されていなかったことである。
【0008】
例えばシリコンと金属とを物理選別する場合には、それらの密度差を利用して比重選別を行う、また、特許文献1に記載の風力選別を行う等が可能である。また、金属の電磁的特性を利用し、磁力選別や過電流選別等を用いて物理選別を行うことも、金属元素の種類によっては可能である。それに対して、シリコンとガラスを選別する場合には、従来、以下の問題点があった。
【0009】
純シリコンの密度は室温付近において2.33g/cm
3
である。それに対し、太陽電池モジュールで通常用いられているソーダ石灰ガラスのそれは2.38g/cm
3
である。一般に、密度差が1.0g/cm
3
程度以下の場合には、密度差を利用した物理選別は困難である。また、シリコンとガラスの組み合わせの場合には、電磁的性質を利用した物理選別を用いることもできない。
【0010】
シリコンとガラスの混合物からシリコンを選択的に回収する方法としては、当該混合物を溶融し、ガラスをスラグ成分として浮上させて分離する方法が考えられる。しかし、その場合には、上述のようにシリコンとガラスの溶融状態における密度差が少ないために、ガラスの内部に粒状の金属シリコンが内包された状態になり、両者を効率的に分離することができなかった。そのために、太陽電池モジュール由来のシリコンとガラスの混合物は廃棄処分になり、埋め立て等により処理されることが多かった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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