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公開番号2025141705
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024041762
出願日2024-03-15
発明の名称アンテナの放射特性を測定する測定方法、測定システム、及びプログラム
出願人学校法人早稲田大学
代理人弁理士法人創光国際特許事務所
主分類G01R 29/10 20060101AFI20250919BHJP(測定;試験)
要約【課題】大口径のアンテナの放射特性を簡便に測定できるようにする。
【解決手段】測定対象の被測定アンテナから所定の出力強度の電波を出力させる電波出力ステップと、被測定アンテナが電波を出力する方向において、被測定アンテナに対向する仮想平面に配列された複数の測定位置を通過させるように飛行体を飛行させつつ、飛行体の位置と、飛行体の姿勢と、被測定アンテナから出力された電波の強度と、の測定を実行させる飛行体測定ステップと、位置情報、姿勢情報、及び電波強度情報に基づき、被測定アンテナの放射特性を算出する算出ステップと、を有する、測定方法。
【選択図】図10


特許請求の範囲【請求項1】
アンテナの放射特性を測定する測定方法であって、
測定対象の被測定アンテナから所定の出力強度の電波を出力させる電波出力ステップと、
前記被測定アンテナが電波を出力する方向において、前記被測定アンテナに対向する仮想平面に配列された複数の測定位置を通過させるように飛行体を飛行させつつ、前記飛行体の位置と、前記飛行体の姿勢と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度と、の測定を実行させる飛行体測定ステップと、
コンピュータが、前記飛行体が複数の前記測定位置で測定した、前記飛行体の位置を示す位置情報と、前記飛行体の姿勢を示す姿勢情報と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度を示す電波強度情報とを取得する情報取得ステップと、
前記コンピュータが、前記位置情報、前記姿勢情報、及び前記電波強度情報に基づき、前記被測定アンテナの放射特性を算出する算出ステップと、
を有する、測定方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記飛行体測定ステップにおいて、前記飛行体は、所定の飛行経路を飛行中に、前記飛行体の位置と、前記飛行体の姿勢と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度と、の測定を複数回にわたって実行し、
前記算出ステップは、
前記位置情報に基づいて、複数の電波強度の測定結果の中から、それぞれの前記測定位置における電波強度の測定結果の代表値を特定する特定ステップと、
前記位置情報及び前記姿勢情報に基づいて、特定した電波強度の測定結果の代表値を補正する補正ステップと、
を更に有する、
請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
複数の前記測定位置は、前記仮想平面において複数の縦線と複数の横線を有するグリッドを仮想的に描いた場合の、複数の前記縦線と複数の前記横線の交点の位置である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項4】
複数の前記測定位置は、前記被測定アンテナからの距離が異なる複数の前記仮想平面に前記グリッドを仮想的にそれぞれ描いた場合の、前記交点の位置である、請求項3に記載の測定方法。
【請求項5】
前記仮想平面は、前記被測定アンテナから第1距離よりも離れており、前記第1距離は、近傍界が始まる距離である、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項6】
前記第1距離は、前記被測定アンテナの直径をD、前記被測定アンテナが出力した電波の波長をλとした場合、次式のZ1で示される、
TIFF
2025141705000009.tif
21
58
請求項5に記載の測定方法。
【請求項7】
前記仮想平面は、前記被測定アンテナから前記第1距離よりも離れており、かつ、第2距離よりも近い範囲に位置しており、前記第2距離は、前記近傍界及び遠方界の境界となる距離である、請求項5に記載の測定方法。
【請求項8】
前記第2距離は、次式のZ2で示される、
TIFF
2025141705000010.tif
13
44
請求項7に記載の測定方法。
【請求項9】
前記仮想平面は、前記被測定アンテナから前記第2距離よりも離れている領域に更に位置し、複数の前記測定位置は、前記被測定アンテナからの距離が異なる複数の前記仮想平面において複数の縦線と複数の横線を有するグリッドを仮想的に描いた場合の、複数の前記縦線と複数の前記横線の交点の位置である、請求項7に記載の測定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
測定対象の被測定アンテナから所定の出力強度の電波の出力を開始させる電波出力ステップと、
前記電波出力ステップを実行した後に、前記被測定アンテナが電波を出力する方向において、前記被測定アンテナに対向する仮想平面に配列された複数の測定位置を通過させるように飛行体を飛行させつつ、前記飛行体の位置と、前記飛行体の姿勢と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度と、の測定を実行させるためのデータを出力する飛行体測定ステップと、
前記飛行体が複数の前記測定位置で測定した、前記飛行体の位置を示す位置情報と、前記飛行体の姿勢を示す姿勢情報と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度を示す電波強度情報とを取得する情報取得ステップと、
前記位置情報、前記姿勢情報、及び前記電波強度情報に基づき、前記被測定アンテナの放射特性を算出する算出ステップと、
を実行させるためのプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナの放射特性を測定する測定方法、測定システム、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
アンテナの放射特性を求める方法として、一定の距離を離した別のアンテナを設置し、設置したアンテナを移動させながら放射特性を測定して平面走査により近傍界特性を得る方法(例えば、特許文献1~3を参照)、全立体角積分による測定方法(例えば、非特許文献1~3を参照)が知られている。しかし、一定以上の口径を有する反射鏡アンテナの近傍界特性、及び遠方界特性を測定するには、規模が大きく特別な設備が必要になる(例えば、非特許文献4、5を参照)。そこで、部分的な部品の計測により大口径のアンテナの放射特性を確認する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、設置後のアンテナ特性の維持については、鏡面誤差などの測定結果を利用していることも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3658225号公報
特開2000-199773号公報
特許第5168940号公報
【非特許文献】
【0004】
Gordon, Joshua A., et al. "Millimeter-wave near-field measurements using coordinated robotics." IEEE Transactions on Antennas and Propagation, vol.63, no.12, pp.5351-5362, 2015.
Y. Tanaka et al., "Photonics-Based Near-Field Measurement and Far-Field Characterization for 300-GHz Band Antenna Testing," in IEEE Open Journal of Antennas and Propagation, vol. 3, pp. 24-31, 2022.
電子情報通信学会知識ベース, アンテナの測定,https://www.ieice-hbkb.org/files/04/04gun_02hen_09.pdf
手代木,”アンテナ近傍界測定の現状と動向”, 通信総合研究所季報, vol.34, no. 172, pp.101-110, 1988.https://www.nict.go.jp/publication/kiho/34/172/Kiho_Vol34_No172_pp101-110.pdf
織笠光明, “衛星搭載大型アンテナの開発と現状”, 2015年度VLBI懇談会シンポジウム.http://vlbi.sci.ibaraki.ac.jp/vcon15/proc/Orikasa.pdf
ITU-R SA.509-3 <https://www.itu.int/dms_pubrec/itu-r/rec/sa/R-REC-SA.509-3-201312-I!!PDF-E.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大口径の反射鏡アンテナに対する放射特性の測定方法には、様々な課題が存在する。特許文献1では、小型アンテナの放射特性を高速に測定する装置が提案されているが、大口径の反射鏡アンテナへ適用した場合、装置が大型化するために実現することは困難であった。特許文献2では、組み立て前の大口径の反射鏡アンテナの反射鏡の特性を測定することができるが、組み立てて設置した後のアンテナの特性を測定することはできない。特許文献3では、設置後の反射鏡アンテナに対して、衛星等外部から到達する信号を用いて鏡面誤差を最小化する方法が提案されているが、アンテナの特性そのものを測定することは困難であった。非特許文献4及び非特許文献5では、大規模で特殊な設備を用いてアンテナの近傍界特性を測定する方法が説明されているが、設置後のアンテナを測定することは困難であった。さらに遠方界特性は計算上で確認しているだけであり、実測することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、大口径のアンテナの放射特性を簡便に測定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様においては、アンテナの放射特性を測定する測定方法であって、測定対象の被測定アンテナから所定の出力強度の電波を出力させる電波出力ステップと、前記被測定アンテナが電波を出力する方向において、前記被測定アンテナに対向する仮想平面に配列された複数の測定位置を通過させるように飛行体を飛行させつつ、前記飛行体の位置と、前記飛行体の姿勢と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度と、の測定を実行させる飛行体測定ステップと、コンピュータが、前記飛行体が複数の前記測定位置で測定した、前記飛行体の位置を示す位置情報と、前記飛行体の姿勢を示す姿勢情報と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度を示す電波強度情報とを取得する情報取得ステップと、前記コンピュータが、前記位置情報、前記姿勢情報、及び前記電波強度情報に基づき、前記被測定アンテナの放射特性を算出する算出ステップと、を有する、測定方法を提供する。
【0008】
前記飛行体測定ステップにおいて、前記飛行体は、所定の飛行経路を飛行中に、前記飛行体の位置と、前記飛行体の姿勢と、前記被測定アンテナから出力された電波の強度と、の測定を複数回にわたって実行し、前記算出ステップは、前記位置情報に基づいて、複数の電波強度の測定結果の中から、それぞれの前記測定位置における電波強度の測定結果の代表値を特定する特定ステップと、前記位置情報及び前記姿勢情報に基づいて、特定した電波強度の測定結果の代表値を補正する補正ステップと、を更に有してもよい。
【0009】
複数の前記測定位置は、前記仮想平面において複数の縦線と複数の横線を有するグリッドを仮想的に描いた場合の、複数の前記縦線と複数の前記横線の交点の位置であってもよい。
【0010】
複数の前記測定位置は、前記被測定アンテナからの距離が異なる複数の前記仮想平面に前記グリッドを仮想的にそれぞれ描いた場合の、前記交点の位置であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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