TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025101024
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023217565
出願日2023-12-25
発明の名称双極型蓄電池及びその製造方法
出願人古河電気工業株式会社,古河電池株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 10/12 20060101AFI20250630BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】正極用集電体が基板から剥離するのを阻止して正極用集電体と基板との界面に電解液が侵入するのを防止するとともに、積層方向に各フレームの接合工程をなくして各フレームの組立作業性を良好にし、かつ、各フレームの機械的強度を高くすることができる双極型蓄電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】双極型蓄電池100は、各々が積層方向に積層される複数のバイポーラプレート110の基板111と、負極用集電体113及び負極用活物質層114と正極用集電体116及び正極用活物質層117のうちの少なくとも正極用集電体116とのそれぞれの少なくとも一辺を受け入れる複数の受容部141を有する予め一体に成型された複数のフレーム140a,140b,140c,140dを備えている。複数の基板111と、複数のフレーム140a,140b,140c,140dとが接合部160で接合される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板の一方側の面に負極用集電体及び負極用活物質層を有する負極を設け、前記基板の他方側の面に正極用集電体及び正極用活物質層を有する正極を設けた、積層方向に積層される複数のバイポーラプレートと、積層方向に互いに隣接する一方のバイポーラプレートの正極用活物質層と他方のバイポーラプレートの負極用活物質層との間に介在する1又は複数の電解質層とを備え、前記複数のバイポーラプレートの各々の前記負極と前記正極とが電気的に接続されたバイポーラプレート組立体と、
各々が積層方向に積層される複数の前記バイポーラプレートの前記基板と、前記負極を構成する負極用集電体及び負極用活物質層と前記正極を構成する正極用集電体及び正極用活物質層のうちの少なくとも正極用集電体とのそれぞれの少なくとも一辺を受け入れる複数の受容部を有する予め一体に成型された複数のフレームとを備え、
前記基板と、前記基板及び少なくとも正極用集電体のそれぞれの少なくとも一辺を前記受容部に受け入れた前記フレームとが接合部で接合されていることを特徴とする双極型蓄電池。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記複数の受容部の各々は、前記バイポーラプレートの前記負極用集電体の少なくとも一辺をも受け入れるものであり、前記基板と、前記基板、前記正極用集電体、及び前記負極用集電体のそれぞれの少なくとも一辺とを前記受容部に受け入れた前記フレームとが前記接合部で接合されていることを特徴とする請求項1に記載の双極型蓄電池。
【請求項3】
前記複数の受容部の各々は、前記バイポーラプレートの前記基板、前記正極用集電体及び前記正極用活物質層を有する前記正極、及び前記負極用集電体及び前記負極用活物質層を有する前記負極のそれぞれの少なくとも一辺を受け入れるものであり、前記基板と、前記基板、前記正極、及び前記負極のそれぞれの少なくとも一辺とを前記受容部に受け入れた前記フレームとが前記接合部で接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の双極型蓄電池。
【請求項4】
複数の前記フレームの各々は、光透過性樹脂材料製であることを特徴とする請求項3に記載の双極型蓄電池。
【請求項5】
前記バイポーラプレートの前記基板が光吸収性樹脂材料製であり、前記接合部は、光透過性樹脂材料製の各フレーム側から光吸収性樹脂材料製の前記基板側に向けて照射されたレーザー光の照射による溶着部であることを特徴とする請求項4に記載の双極型蓄電池。
【請求項6】
前記複数の受容部の各々は、前記バイポーラプレートの前記基板、前記正極用集電体及び前記正極用活物質層を有する前記正極、及び前記負極用集電体及び前記負極用活物質層を有する前記負極のそれぞれの少なくとも一辺を、前記正極及び前記負極の前記受容部への挿入側の一辺のそれぞれが前記基板の前記受容部への挿入側の一辺に形成された凹部に埋設された状態で受け入れ、前記基板が光吸収性樹脂材料製であり、前記接合部は、光透過性樹脂材料製の各フレーム側から光吸収性樹脂材料製の前記基板側に向けて照射されたレーザー光の照射による溶着部であることを特徴とする請求項4に記載の双極型蓄電池。
【請求項7】
前記複数の受容部の各々は、前記バイポーラプレートの前記基板、前記正極用集電体及び前記正極用活物質層を有する前記正極、及び前記負極用集電体及び前記負極用活物質層を有する前記負極のそれぞれの少なくとも一辺を、前記正極及び前記負極のそれぞれの前記受容部への挿入側の一辺に断面三角形状の光吸収性樹脂材料製の樹脂材を設けて前記正極及び前記負極のそれぞれの前記受容部への挿入側の一辺を覆った状態で、前記樹脂材とともに受け入れ、前記基板が光吸収性樹脂材料製であり、前記接合部は、光透過性樹脂材料製の各フレーム側から光吸収性樹脂材料製の前記基板及び光吸収性樹脂材料製の前記樹
脂材側に向けて照射されたレーザー光の照射による溶着部であることを特徴とする請求項4に記載の双極型蓄電池。
【請求項8】
前記複数の受容部の各々は、前記バイポーラプレートの前記基板、前記正極用集電体及び前記正極用活物質層を有する前記正極、及び前記負極用集電体及び前記負極用活物質層を有する前記負極のそれぞれの少なくとも一辺を、前記正極及び前記負極のそれぞれの前記受容部への挿入側の一辺をコーティング材でコーティングした状態で、前記コーティング材とともに受け入れ、前記基板が光吸収性樹脂材料製であり、前記接合部は、光透過性樹脂材料製の各フレーム側から光吸収性樹脂材料製の前記基板側に向けて照射されたレーザー光の照射による溶着部であることを特徴とする請求項4に記載の双極型蓄電池。
【請求項9】
前記接合部は、前記基板、前記正極、及び前記負極のそれぞれの前記受容部への挿入側の一辺と、前記基板、前記正極、及び前記負極のそれぞれの前記受容部への挿入側の一辺を前記受容部に受け入れた前記フレームとを接着する接着部であることを特徴とする請求項3又は4に記載の双極型蓄電池。
【請求項10】
複数の前記フレームは結合部で結合されていることを特徴とする請求項3に記載の双極型蓄電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、双極型蓄電池及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用した発電設備が増えている。このような発電設備においては、発電量を制御することができないことから、蓄電池を利用して電力負荷の平準化を図るようにしている。すなわち、発電量が消費量よりも多いときには差分を蓄電池に充電する一方、発電量が消費量よりも小さいときには差分を蓄電池から放電するようにしている。上述した蓄電池としては、経済性や安全性等の観点から、鉛蓄電池が多用されており、中でもエネルギー密度の観点から、双極(バイポーラ)型鉛蓄電池が注目されている。
【0003】
この双極型鉛蓄電池は、一般的に、基板の一方側の面に負極用鉛層及び負極用活物質層を有する負極を設け、基板の他方側の面に正極用鉛層及び正極用活物質層を有する正極を設けた、積層方向に積層される複数のバイポーラプレートと、積層方向に互いに隣接する一方のバイポーラプレートの正極用活物質層と他方のバイポーラプレートの負極用活物質層との間に介在する1又は複数の電解質層とを備え、複数のバイポーラプレートの各々の負極と正極とが電気的に接続された構成を有する。
【0004】
この双極型鉛蓄電池においては、電解液に含有される硫酸によって正極用鉛層が腐食して正極用鉛層の表面に腐食生成物の被膜が生成されることがある。そして、この腐食生成物の被膜の成長によって正極用鉛層に伸び(グロース)が生じるおそれがあった。
そして、このグロースによって正極用鉛層が基板(正確には、基板と正極用鉛層とを接着している接着層)から剥離し、正極用鉛層と基板との界面に電解液が侵入して正極用鉛層及び負極と正極とを導通させる導通部の腐食がさらに進行するおそれがあった。その結果、液洛の発生を引き起こし、電池の性能が低下するおそれがあった。
【0005】
従来、この課題を解決するものとして、例えば、特許文献1に示すバイポーラ型蓄電池が提案されている。
特許文献1に示すバイポーラ型蓄電池は、負極を第1プレートに固定した第1プレートユニットと、電解質層を第2プレートの内側に固定した第2プレートユニットと、基板の一方の面に正極が設けられ他方の面に負極が設けられたバイポーラ電極を第3プレートの内側に固定した第3プレートユニットと、正極を第4プレートに固定した第4プレートユニットとを備えている。そして、バイポーラ電極は、正極の基板に接着される面に対向する面の周縁部に密着し周縁部を覆う被覆部材を備えている。
バイポーラ電極が正極の基板に接着される面に対向する面の周縁部に密着し周縁部を覆う被覆部材を備えることで、正極用鉛層と正極用活物質層との接触範囲を確保しつつ正極と基板との界面に電解液が侵入することを可能な限り防止することができる。
【0006】
また、双極型蓄電池の従来の他の例として、特許文献2に示す密閉型バイポーラ電池アセンブリも提案されている。
特許文献2に示す密閉型バイポーラ電池アセンブリは、積み重ね可能なケーシングフレームと、第1エンドキャップの下方の面に配置された第1の活物質導電型を表面に設けた第1の剛性集電体と、第2エンドキャップの上方の面に配置された第1の活物質導電型と反対の電池電極の極性に対応する第2の活物質導電型を表面に設けた第2の剛性集電体と、積み重ね可能なケーシングフレーム、第1の剛性集電体及び第2の剛性集電体によって画定された電解液領域と、電解液領域のための液密包囲体を提供するように構成される圧
縮性プラスチックシール、接着シール、金属化シール、溶融シール、ナイフエッジ状シール、及び溶接シールのうちの少なくとも1つとを含んでいる。
特許文献2に示す密閉型バイポーラ電池アセンブリによれば、第1の剛性集電体(第2の剛性集電体)と第1エンドキャップ(第2エンドキャップ)との界面に電解液が侵入することを可能な限り防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2022/070829号
特表2017-508241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これら特許文献1に示すバイポーラ型蓄電池及び特許文献2に示す密閉型バイポーラ電池アセンブリにあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示すバイポーラ型蓄電池においては、第1プレートユニット、第2プレートユニット、第3プレートユニット、及び第4プレートユニットを積層方向に積層している。また、特許文献2に示す密閉型バイポーラ電池アセンブリにおいては、第1エンドキャップ、ケーシングフレーム、及び第2エンドキャップを積層方向に積層している。このため、積層方向においてケーシングフレームなどのフレームの部品点数が多く、フレームの組立工程が多く、製造に要する時間が長い課題があった。また、積層方向において複数のフレームを接合しているため、フレームの接合強度が若干低いという課題もあった。
【0009】
このようなことから、本発明は、正極用集電体が基板から剥離するのを阻止して正極用集電体と基板との界面に電解液が侵入するのを防止するとともに、積層方向に各フレームの接合工程をなくして各フレームの組立作業性を良好にし、かつ、各フレームの機械的強度を高くすることができる双極型蓄電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有する双極型蓄電池を提供する。
(1)基板の一方側の面に負極用集電体及び負極用活物質層を有する負極を設け、前記基板の他方側の面に正極用集電体及び正極用活物質層を有する正極を設けた、積層方向に積層される複数のバイポーラプレートと、積層方向に互いに隣接する一方のバイポーラプレートの正極用活物質層と他方のバイポーラプレートの負極用活物質層との間に介在する1又は複数の電解質層とを備え、前記複数のバイポーラプレートの各々の前記負極と前記正極とが電気的に接続されたバイポーラプレート組立体を備えている。
(2)各々が積層方向に積層される複数の前記バイポーラプレートの前記基板と、前記負極を構成する負極用集電体及び負極用活物質層と前記正極を構成する正極用集電体及び正極用活物質層のうちの少なくとも正極用集電体とのそれぞれの少なくとも一辺を受け入れる複数の受容部を有する予め一体に成型された複数のフレームを備えている。
(3)前記基板と、前記基板及び少なくとも前記正極用集電体のそれぞれの少なくとも一辺を前記受容部に受け入れた前記フレームとが接合部で接合されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日東精工株式会社
端子部品
21日前
株式会社ExH
電流開閉装置
1日前
レナタ・アーゲー
電池
16日前
株式会社クオルテック
空気電池
13日前
個人
鉄心用材料とその製造方法
6日前
エイブリック株式会社
半導体装置
1日前
株式会社メルビル
ステージ
8日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
6日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
22日前
三菱電機株式会社
漏電遮断器
20日前
オムロン株式会社
電磁継電器
2日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
6日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
6日前
豊田鉄工株式会社
コイル部品
15日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
6日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
1日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
6日前
三洲電線株式会社
撚線
20日前
中国電力株式会社
移動用変圧器
15日前
トヨタ自動車株式会社
電源装置
1日前
日星電気株式会社
ケーブルアセンブリ
今日
住友電装株式会社
端子台
今日
中国電力株式会社
断路器操作構造
2日前
住友電装株式会社
コネクタ
6日前
住友電装株式会社
コネクタ
6日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
1日前
東洋電装株式会社
操作装置
2日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
1日前
株式会社GSユアサ
極板積層装置
22日前
ローム株式会社
チップ部品
1日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
21日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
23日前
エドワーズ株式会社
冷却システム
6日前
富士電機株式会社
半導体モジュール
1日前
株式会社村田製作所
二次電池
6日前
トヨタ自動車株式会社
電極及び電池
14日前
続きを見る