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公開番号2025104721
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222730
出願日2023-12-28
発明の名称蓄電デバイスの使用方法及び休眠剤
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類H01M 10/54 20060101AFI20250703BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】蓄電デバイスを一時的に不活性化させた後に再び充放電可能とする。
【解決手段】本開示の蓄電デバイスの使用方法は、正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスの使用方法であって、酸化還元電位が負極活物質よりも低く正極活物質よりも高いレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む休眠剤を加えて蓄電デバイスを不活性化させる休眠開始工程と、不活性化した蓄電デバイスに外部から電流を加えて再び充放電可能とする休眠終了工程と、を含む。レドックスシャトル剤は、例えば、フルオレノン骨格を有するフルオレノン系化合物である。あるいは、レドックスシャトル剤は、酸化還元の間に二量体を形成して失活する化合物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスの使用方法であって、
酸化還元電位が前記負極活物質よりも低く前記正極活物質よりも高いレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む休眠剤を加えて前記蓄電デバイスを不活性化させる休眠開始工程と、
不活性化した前記蓄電デバイスに外部から電流を加えて再び充放電可能とする休眠終了工程と、
を含む蓄電デバイスの使用方法。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記レドックスシャトル剤は、フルオレノン骨格を有するフルオレノン系化合物である、請求項1に記載の蓄電デバイスの使用方法。
【請求項3】
前記フルオレノン系化合物は、式(1)で表される、請求項2に記載の蓄電デバイスの使用方法。
TIFF
2025104721000005.tif
53
170
【請求項4】
前記レドックスシャトル剤は、酸化還元の間に二量体を形成して失活する化合物である、請求項1に記載の蓄電デバイスの使用方法。
【請求項5】
前記非水系溶媒は、エーテル類又はカーボネート類を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの使用方法。
【請求項6】
前記レドックスシャトル剤は、前記非水系溶媒に50mmol/L以上5mol/L以下の範囲で溶解している、請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの使用方法。
【請求項7】
正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスを休眠させる休眠剤であって、
酸化還元電位が前記負極活物質よりも低く前記正極活物質よりも高くフルオレノン骨格を有するフルオレノン系化合物であるレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む、
休眠剤。
【請求項8】
正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスを休眠させる休眠剤であって、
酸化還元電位が前記負極活物質よりも低く前記正極活物質よりも高く酸化還元の間に二量体を形成して失活する化合物であるレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む、
休眠剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電デバイスの使用方法及び休眠剤に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、非水電解液二次電池などの蓄電デバイスをリサイクル又は廃棄する際に、回収電池を不活性化させる不活性化処理が行われている。こうした処理として、例えば、回収電池を充放電装置につないで0Vまで放電させる処理が可能であるが、その場合、放電に時間がかかることがあった。また、回収電池が電流遮断機構(CID)作動後の電池である場合には、放電させること自体ができなかった。そこで、回収電池の内部にフェノチアジン系のレドックスシャトル剤と非水系溶媒とを含む不活性化剤を添加することが提案されている(特許文献1参照)。これにより、充放電装置を用いることなく、安全かつ迅速に非水系二次電池の電池電圧を下げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-073888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、蓄電デバイスを輸送や保管する際など、一時的に蓄電デバイスを不活性化して安全な状態に保つことが望まれることがある。しかしながら、特許文献1では、蓄電デバイスの不活性化を図ることができるが、不活性化後の蓄電デバイスを再び利用することは検討されていなかった。
【0005】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、蓄電デバイスを一時的に不活性化させた後に再び充放電可能とできる、蓄電デバイスの使用方法及び休眠剤を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、所定のレドックスシャトル剤と非水系溶媒とを含む溶液を蓄電デバイスに添加すると、一時的に蓄電デバイスを不活性化させ、かつその後に再び充放電可能とできることを見出し、本開示の発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本開示の蓄電デバイスの使用方法は、
正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスの使用方法であって、
酸化還元電位が前記負極活物質よりも低く前記正極活物質よりも高いレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む休眠剤を加えて前記蓄電デバイスを不活性化させる休眠開始工程と、
不活性化した前記蓄電デバイスに外部から電流を加えて再び充放電可能とする休眠終了工程と、
を含むものである。
【0008】
また、本開示の休眠剤は、
正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスを休眠させる休眠剤であって、
酸化還元電位が前記負極活物質よりも低く前記正極活物質よりも高くフルオレノン骨格を有するフルオレノン系化合物であるレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含むものである。
【0009】
あるいは、本開示の休眠剤は、
正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とを備えた蓄電デバイスを休眠させる休眠剤であって、
酸化還元電位が前記負極活物質よりも低く前記正極活物質よりも高く酸化還元の間に二量体を形成して失活する化合物でありレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含むものである。
【発明の効果】
【0010】
この蓄電デバイスの使用方法及び休眠剤では、休眠剤を添加するだけで一時的に蓄電デバイスを不活性化させ、かつその後に外部から電流印加するだけで再び充放電可能とできる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、休眠剤に含まれるレドックスシャトル剤が、負極から電子を受け取り正極に電子を渡すことで、蓄電デバイスの放電が進行し、蓄電デバイスの容量を低下させて不活性化させることができるものと推察される。また、休眠剤に含まれるレドックスシャトル剤を所定のものとすると、外部からの電流印加で酸化還元が頻回に繰り返される間にレドックスシャトル剤が二量体を形成するなどして失活するため、不活性化の機能を失う。それにより、蓄電デバイスは、再び充放電可能になるものと推察される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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