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公開番号2025111213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005503
出願日2024-01-17
発明の名称定着用摺動部材及び定着装置
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 15/20 20060101AFI20250723BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】高画質を維持しつつ、初期駆動トルクが低減可能な定着用摺動部材を提供する。
【解決手段】定着用摺動部材であって、少なくとも一方の表面に複数個の第1凸部を有する金属基材と、該金属基材の、該第1凸部の表面を被覆する樹脂層と、を有し、該樹脂層の該金属基材と対向する側とは反対側の面の側に、該複数個の第1凸部に対応する複数個の第2凸部を有し、該複数個の第2凸部の少なくとも一つはその頂部に少なくとも1個の凹部を有し、温度25℃において、該定着用摺動部材の該第2凸部を有する面上にガラス板を0.4MPaで押圧したとき、該凹部を囲繞する該縁部が該ガラス板と接触するものである定着用摺動部材。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
定着用摺動部材であって、
少なくとも一方の表面に複数個の第1凸部を有する金属基材と、
該金属基材の、該第1凸部の表面を被覆する樹脂層と、を有し、
該樹脂層の該金属基材と対向する側とは反対側の面の側に、
該複数個の第1凸部に対応する複数個の第2凸部を有し、
該複数個の第2凸部の少なくとも一つはその頂部に少なくとも1個の凹部を有し、
温度25℃において、該定着用摺動部材の該複数個の第2凸部を有する面上にガラス板を圧力0.4MPaで押圧したとき、該凹部を囲繞する縁部が該ガラス板と接触する、ことを特徴とする定着用摺動部材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記縁部で囲繞されてなる前記凹部の深さが1.0μm以上である、請求項1に記載の定着用摺動部材。
【請求項3】
前記縁部で囲繞される前記凹部の面積相当径が、20~600μmである、請求項1に記載の定着用摺動部材。
【請求項4】
温度200℃において、前記定着用摺動部材の前記第2凸部を有する面上にガラス板を圧力0.4MPaで押圧したとき、前記凹部を囲繞する縁部が該ガラス板と接触する、請求項1に記載の定着用摺動部材。
【請求項5】
温度25℃における、下記計算式(1)で示される接触面積率の平均値をA25とし、
温度200℃における、下記計算式(2)で示される接触面積率の平均値をA200としたとき、A25<A200である、請求項4に記載の定着用摺動部材:
[x1/(x1+y1)]×100 (1)
(計算式(1)において、
x1は、温度25℃における、前記ガラス板と接触する前記縁部の面積を表し、
y1は、温度25℃における、前記縁部で囲繞される前記凹部の前記ガラス板への投影面積を表す。)
[x2/(x2+y2)]×100 (2)
(計算式(2)において、
x2は、温度200℃における、前記ガラス板と接触する前記縁部の面積を表し、
y2は、温度200℃における、前記縁部で囲繞される前記凹部の該ガラス板への投影面積を表す)。
【請求項6】
前記A200が、前記A25の2倍以上である請求項5に記載の定着用摺動部材。
【請求項7】
前記A200が、30%以上、80%以下である請求項5に記載の定着用摺動部材。
【請求項8】
前記A200が、40%以上、80%以下である請求項6に記載の定着用摺動部材。
【請求項9】
前記A25が、10%以上、50%以下である請求項5に記載の定着用摺動部材。
【請求項10】
前記樹脂層の
温度25℃における貯蔵弾性率をE´(25)とし、
温度200℃における貯蔵弾性率をE´(200)としたとき、
E´(25)が、2.5~4.0GPaであり、
E´(200)が、E25の0.06~0.13倍である、請求項1に記載の定着用摺動部材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、定着装置用摺動部材、及び定着装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年カタログ、ポスター、パンフレット等の商業用印刷物を必要部数に応じて印刷する、また各種請求書やダイレクトメール等の印刷の内容の一部を顧客毎に変更しながら連続印刷するオンデマンド印刷市場が拡大している。昨今オンデマンド印刷を担う電子写真方式の画像形成装置は、印刷速度のより一層の高速化が求められてきている。
印刷速度のより一層の高速化を達成するためには、紙などの記録材上の未定着トナー像を記録材に定着させるために十分なエネルギーを短時間で当該未定着トナー像に対して与える必要がある。そのための一つの方法として、未定着トナー像に対して相対的により長い時間エネルギーを付与することができる、定着ニップの幅が広い定着装置の使用が挙げられる。ここで、定着ニップの幅とは、記録媒体の搬送方向に沿う方向における、未定着トナー像を加熱するための定着用回転体と、該定着用回転体に対向配置された加圧用回転体との接触部の長さをいう。以降、定着ニップの幅が広い定着装置を、ワイドニップの定着装置ともいう場合がある。
このようなワイドニップの定着装置において、優れた画像品位を確保するためには、定着用回転体と記録媒体との間のスリップ、並びに、加圧用回転体と記録媒体との間のスリップをより確実に防止することが肝要となってくる。
【0003】
また、定着装置としては、
(i)無端状で回転可能なベルト(定着用回転体)と、
(ii)前記ベルトとの間で記録媒体を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、
(iii)前記ニップ部において、前記ベルトの内周面と潤滑剤を介して摺動する摺動部材と、
を備えた装置が知られている。尚、前記潤滑剤は、ベルト内面と摺動部材の滑りを安定させる目的で用いられるものであり、ニップ部に潤滑剤が介在しなくなると、ベルトの回転が不安定になったり、ベルト内面及び摺動部材の摩耗が生じ、装置としての寿命が短くなってしまったりする。
このような定着装置において、前述のスリップを抑制するためには、記録媒体-ベルト部材間の摩擦力と記録媒体-加圧部材間の摩擦力とに対して、摺動部材とベルト部材の内周面との間の摺動抵抗を十分に小さくする必要がある。
特許文献1には、上述したような定着装置の構成において、ベルトと摺動する側に前記ベルトの内周面に向かって突出する複数の突起が形成された基材層と、前記基材層の前記ベルトと摺動する側の表面を覆うように設けられた摺動層とを有し、前記摺動層のうち、前記複数の突起の先端部分に形成された摺動層の表面の形状が、曲率半径Rが300~850μmの曲面である、摺動部材を用いることが開示されている。そして、特許文献1においては、上記のような摺動部材を用いることで、摺動部材とベルトの内周面との間の摺動抵抗を低減できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-125025号公報
【非特許文献】
【0005】
IEEE Transactions on SYSTEMS,MAN AND CYBERNETICS,vol. SMC-9,No.1,Jan.1979,pp62-66)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る定着装置は、摺動部材とベルト部材の内周面との間の摺動抵抗の一定程度の低減には有効であった。しかしながら、静止状態にある定着用回転体の駆動(回転)を開始させる際、摺動部材とベルト部材の内周面との間の摺動抵抗が大きくなり、定着用回転体と記録媒体との間のスリップ、並びに、加圧用回転体と記録媒体との間のスリップが発生する場合があることがわかった。また、上記摺動抵抗の増大に起因して、静止状態にある定着用回転体の回転を開始させるための定着装置の初期駆動トルクが大きくなる傾向もあった。
本開示の少なくとも一の態様は、静止状態にある定着用回転体の駆動開始時においても定着用回転体の内周面との摺動抵抗が小さい定着用摺動部材の提供に向けたものである。また、本開示の少なくとも一の態様は、静止状態にある定着用回転体の駆動を開始させる際の初期駆動トルクが小さい定着装置の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一の態様によれば、
定着用摺動部材であって、少なくとも一方の表面に複数個の第1凸部を有する金属基材と、該金属基材の、該第1凸部の表面を被覆する樹脂層と、を有し、該樹脂層の該金属基材と対向する側とは反対側の面の側に、該複数個の第1凸部に対応する複数個の第2凸部を有し、該複数個の第2凸部の少なくとも一つはその頂部に少なくとも1個の凹部を有し、温度25℃において、該定着用摺動部材の該複数個の第2凸部を有する面上にガラス板を圧力0.4MPaで押圧したとき、該凹部を囲繞する縁部が該ガラス板と接触する定着用摺動部材が、提供される。
また、本開示の少なくとも一の態様によれば、記録材に担持された未定着トナー像を該記録材に定着させる定着装置であって、定着用回転体、該定着用回転体に対向配置され、該定着用回転体とともにニップ部を形成する加圧用回転体、該定着用回転体の内側に配置され、該定着用回転体の内周面と潤滑剤を介して摺動可能な摺動面を備える摺動部材、該定着用回転体の内側に、該摺動部材及び該定着用回転体を、該加圧用回転体との間で挟持するように配置され、該摺動部材をバックアップするバックアップ部材、該定着用回転体を加熱するヒータ、を具備し、該摺動部材が、上記の定着用摺動部材であり、かつ、該定着用摺動部材の該複数個の第2凸部を有する側の面が、該定着用回転体の内周面に対向するように配置されている定着装置が、提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一の態様によれば、静止状態にある定着用回転体の駆動開始時においても定着用回転体の内周面との摺動抵抗が小さい定着用摺動部材を得ることができる。また、本開示の少なくとも一の態様によれば、静止状態にある定着用回転体の駆動を開始させる際の初期駆動トルクが小さい定着装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の一態様に係る電子写真画像形成装置の概略構成断面図である。
本開示の一態様に係る定着装置の概略構成断面図である。
図2に示す定着装置のニップ部近傍の拡大断面図である。
本開示の一態様に係る摺動部材の一部の拡大断面図である。
本開示の一態様に係る摺動部材を所定の圧力でガラス板に押圧したときの状態の説明図である。
本開示の一態様に係る摺動部材を所定の圧力でガラス板に押圧したときのガラス板と摺動部材との接触部の分布の説明図である。
本開示の一態様に係る摺動部材の製造方法のうちの一つの説明図である。
ポリエーテルエーテルケトンの貯蔵弾性率の温度依存性を示すプロファイルである。
摺動部材の評価装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書中、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限および上限を含む数値範囲を意味する。また、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。本開示において、例えば「XX、YY及びZZからなる群から選択される少なくとも一つ」のような記載は、XX、YY、ZZ、XXとYYとの組合せ、XXとZZとの組合せ、YYとZZとの組合せ、又はXXとYYとZZとの組合せのいずれかを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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