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公開番号2025116749
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024011365
出願日2024-01-29
発明の名称ポリビニルアルコール系樹脂フィルム、および、該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250801BHJP(光学)
要約【課題】フィルム表面の傷の発生が抑制され、外観に優れたポリビニルアルコール系樹脂フィルム、および、その製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、厚みが45μm以下であり、吸水率が1%~10%であり、40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であり、長尺状であり、幅が2000mm以上である、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムであって該ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度が3000以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
厚みが45μm以下であり、
吸水率が1%~10%であり、
40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であり、
長尺状であり、幅が2000mm以上であり、
平均重合度が3000以上であるポリビニルアルコール系樹脂を含む、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
算術平均表面粗さRaが0.05μm以下である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルム。
【請求項3】
幅方向の厚みのバラつきが1μm以下である、請求項2に記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルム。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を基材に塗布して形成された層である、請求項3に記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルム。
【請求項5】
偏光子の製造に用いられる、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルム。
【請求項6】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を基材に塗布してポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、中間積層体を作製することと;該中間積層体を130℃以上で加熱しながら乾式延伸することと;をこの順に含む、40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項7】
40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性物質で染色することを含む、偏光子の製造方法。
【請求項8】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を基材に塗布してポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、中間積層体を作製することと;該中間積層体を130℃以上で加熱しながら乾式延伸することと;をこの順に含み、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを得ることをさらに含む、請求項7に記載の偏光子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム、および、該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、パッケージ材料などの様々な用途に用いられている(例えば、特許文献1)。また、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの用途として、画像表示装置等に用いられる偏光子が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-143297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、有機ELディスプレイの高精細化、および、バーチャルリアリティー(VR)用途でのレンズ拡大投影などより高い外観水準を満たす光学部材が求められている。そのため、フィルム表面の傷の発生が抑制され、優れた外観を有するポリビニルアルコール系樹脂フィルムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.本発明の実施形態のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、厚みが45μm以下であり、吸水率が1%~10%であり、40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であり、長尺状であり、幅が2000mm以上であり、該平均重合度が3000以上であるポリビニルアルコール系樹脂を含む。
2.上記1に記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、算術平均表面粗さRaが0.05μm以下であってもよい。
3.上記1または2に記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、幅方向の厚みのバラつきが1μm以下であってもよい。
4.上記1から3のいずれかに記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を基材に塗布して形成された層であってもよい。
5.上記1から4のいずれかに記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、偏光子の製造に用いられれてもよい。
6.本発明の別の実施形態においては、40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法が提供される。このポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を基材に塗布してポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、中間積層体を作製することと;該中間積層体を130℃以上で加熱しながら乾式延伸することと;をこの順に含む。
7.本発明のさらに別の局面においては、偏光子の製造方法が提供される。本発明の実施形態の偏光子の製造方法は、40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性物質で染色することを含む。
8.上記7に記載の偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を基材に塗布してポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、中間積層体を作製することと;該中間積層体を130℃以上で加熱しながら乾式延伸することと;をこの順に含み、上記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを得ることをさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、様々な製造工程に供されても、フィルム表面の傷の発生が抑制され、外観に優れたポリビニルアルコール系樹脂フィルム、および、その製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による偏光子の製造方法を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.ポリビニルアルコール系樹脂フィルム
本発明の実施形態のポリビニルアルコール(以下、PVAともいう)系樹脂フィルムは、厚みが45μm以下であり、吸水率が1%~10%であり、40℃、90%RHで2時間調湿後のステンレス板に対する静摩擦係数が2.55以下であり、長尺状であり、幅が2000mm以上であり、平均重合度が3000以上であるポリビニルアルコール系樹脂を含む。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは様々な用途に用いられる。また、長尺状の樹脂フィルムは、代表的には、ロールに接触しながら搬送され、各工程に供される。その結果、PVA系樹脂フィルムの表面にキズがつき、フィルムの外観が悪くなる場合がある。フィルムの外観が悪化する一因として、フィルムの置かれる環境(例えば、湿度)が変化することで、PVA系樹脂フィルム表面の抵抗力が変化し、ロールとの接触による摩擦でPVA系樹脂フィルム表面にキズが発生すると考えられる。なお、これらのキズは従来の画像表示装置では問題とならない程度の微細なキズである。本発明の実施形態のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、ロールに接触させながら搬送する場合であっても、製造環境および製造工程の種類によるフィルム表面の抵抗力への影響が抑制されPVA系樹脂フィルム表面へのキズが抑制され得る。
【0009】
PVA系樹脂フィルムの厚みは、45μm以下であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。PVA系樹脂フィルムの厚みは例えば、は1μm以上である。PVA系樹脂フィルムの厚みが上記範囲であれば、フィルム表面のキズの発生が抑制され、外観に優れたポリビニルアルコール系樹脂フィルムが得られ得る。
【0010】
PVA系樹脂フィルムの吸水率は1%~10%であり、好ましくは2%~9%であり、より好ましくは3%~8%であり、さらに好ましくは3.5%~7%であり、特に好ましくは4%~6%である。PVA系樹脂フィルムの吸水率が上記範囲であれば、フィルム表面のキズの発生が抑制され、外観に優れたポリビニルアルコール系樹脂フィルムが得られ得る。本明細書において、PVA系樹脂フィルムの吸水率は以下の方法により測定した値をいう。
<吸水率の測定方法>
PVA系樹脂フィルムから1cm角の測定用サンプルを切り出す。この測定用サンプルを水分吸脱着測定装置(例えば、Hiden社製、製品名「IGA-SORP」)にセットする。次いで、測定用サンプルを23℃、0%RHの条件で600分保持し、さらに、40℃、90%RHの条件で120分保持する。23℃、0%RHの条件で保持した後の重量W1、および、40℃、90%RHの条件で120分保持した後の重量をW2とし、以下の式から算出する。
吸水率(%)=(W2-W1)/W1×100
(【0011】以降は省略されています)

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