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公開番号
2025117576
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-12
出願番号
2025014392
出願日
2025-01-30
発明の名称
光触媒の製造方法、光触媒、海水分解方法および複合体の製造方法
出願人
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
代理人
個人
主分類
B01J
23/755 20060101AFI20250804BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】触媒活性に優れたTi
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒を効率的に得ることができる光触媒の製造方法を提供すること。
【解決手段】光触媒の製造方法は、酸素欠損が導入された酸化チタンを、エタノールまたはメタノールを添加した湿式のビーズミルにより粉砕する粉砕工程を含み、ビーズミルのビーズの直径が0.03~1mmである。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
Ti
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒の製造方法であって、
酸素欠損が導入された酸化チタンを、エタノールまたはメタノールを添加した湿式のビーズミルにより粉砕する粉砕工程を含み、
前記ビーズミルのビーズの直径が0.03~1mmである、
光触媒の製造方法。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記ビーズの直径が0.1~0.5mmである、
請求項1の光触媒の製造方法。
【請求項3】
前記ビーズミルに、Niの酸化物、水酸化物、硝酸化物のうちの少なくともいずれかを添加する、
請求項1の光触媒の製造方法。
【請求項4】
前記粉砕工程により得られるTi
3+
内包型酸化チタンに、Ptを担持させる工程を含む、
請求項1の光触媒の製造方法。
【請求項5】
NiとTi
3+
内包型酸化チタンとの複合体であり、比表面積が100m
2
g
-1
以上である、
光触媒。
【請求項6】
海水に、有機化合物と、Ti
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒とを添加し、紫外光および可視光を同時に照射する工程を含む、
海水分解方法。
【請求項7】
前記有機化合物がアルコールであり、
前記海水に対する前記アルコールの添加量は、0.005~0.5vol%である、
請求項6の海水分解方法。
【請求項8】
前記光触媒は、請求項1の製造方法で製造されたものである、
請求項6の海水分解方法。
【請求項9】
Ti
3+
内包型酸化チタンと他の金属化合物との複合体の製造方法であって、
酸素欠損が導入された酸化チタンを、エタノールまたはメタノールを添加した湿式のビーズミルにより粉砕する粉砕工程を含み、
前記ビーズミルのビーズの直径が0.03~1mmであり、
前記粉砕工程では、前記ビーズミルに、前記他の金属化合物の原料として、金属酸化物、金属水酸化物、金属硝酸化物のうちの少なくともいずれかを添加する、
複合体の製造方法。
【請求項10】
前記金属酸化物、前記金属水酸化物、前記金属硝酸化物は、Ni、Co、Cu、Fe、Ti、Mn、Ag、Mg、Ce、Zn、Nb、B、NおよびAlから選択される少なくとも1種の金属または元素を含む、
請求項9の複合体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒の製造方法、光触媒、海水分解方法および複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、エネルギー源としては様々なものが用いられているが、その中でも石油を燃やして得る火力エネルギーへの依存度は未だに高い。しかしながら、石油の埋蔵量は有限であり、燃焼させた際に排出される二酸化炭素が地球の温暖化の原因にもなっている。
【0003】
このような状況の中、エネルギー資源と地球環境問題を解決する方法として期待されるクリーンなエネルギー源として水素が注目されている。水素は燃焼させても水になるのみであり、使用時には環境負荷は小さい。一方、現状では、生産効率やコストの事情から、水素は主に天然ガスを原料としており、水素を発生させるために化石燃料が使用されることから、水素を生成する過程で二酸化炭素が排出され、環境負荷を低減することが難しい。
【0004】
光エネルギーを用いて水素を取り出す方法の一つに、光触媒によって水を分解して水素を得る方法がある。一般に、光触媒としては、無機酸化物半導体粒子が用いられ、そのバンドギャップ以上のエネルギーを吸収すると、ホール(+)と励起電子(-)を生成し、これらがそれぞれ酸化と還元反応に寄与し、水分解による水素が生成可能になる。また、光触媒を実用化する場合、クリーンかつ省エネルギーで安全性が高い光源である太陽光を利用することが望まれている。地表に降り注ぐ太陽光は、可視光である波長500nm付近に放射の最大強度をもっており、波長400~750nmの可視光領域のエネルギー量は全太陽光の約43%である。一方、波長400nm以下の紫外線領域は5%程度である。従って、太陽光スペクトルを効率よく利用するために、光触媒は、可視光が利用可能であることが望ましい。
【0005】
また、光触媒を利用した水分解には原料として水が必要であるが、真水は貴重な水資源として限りがある。したがって、地球の水の大部分を占める海水を水分解反応の原料に用いることができれば、非常に有益である。しかしながら、海水を分解すると大量に溶けている塩由来の塩素系化合物が副生し、光触媒の助触媒としてしばしば用いられる有用な貴金属を溶出させたり、有害な塩素が発生してしまう。
【0006】
このような状況にあって、光触媒として、安価で安定な性質を有する酸化チタンが注目されている。酸化チタンは、紫外光による応答が主であるが、可視光応答型の酸化チタンに関する研究も盛んに行われている。具体的には、Ti
3+
を酸化チタンの結晶格子内に埋め込んだ可視光応答型の酸化チタン(以下、「Ti
3+
内包型酸化チタン」と記載する場合がある)が報告されている(非特許文献1~5)。通常、Ti
3+
は空気中や水中の酸素と反応しやすく不安定であるが、Ti
3+
内包型酸化チタンでは、Ti
3+
が表面の酸素と反応しにくく安定である。そして、このようなTi
3+
内包型酸化チタンは、酸化チタン粉末と還元性前駆体(TiCl
3
など)との混合する方法や、酸化チタン粉末を水素ガス雰囲気下で焼成やプラズマ処理する方法などによって製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
Alexandra Teleki et al. Phys. Chem. Phys., 2009,11, 3742.
C.Di. Valentin et al. J. Phys. Chem. C, 2009, 113, 20543.
Fan Zuo et al. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 11856.
M. Xing et al. J. Catal. 2013, 297, 236.
Qing Zhu et al. J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 4429.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1~5などのTi
3+
内包型酸化チタンの製造方法の場合、効率的にTi
3+
内包型酸化チタンを得ることが難しい。さらに、非特許文献1~5などの方法で得られるTi
3+
内包型酸化チタンは、比表面積が十分でなく、また、還元性前駆体に由来する塩素などの不純物を内包する場合があるため、触媒活性について更なる向上が求められていた。
【0009】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、触媒活性に優れたTi
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒を効率的に得ることができる光触媒の製造方法と、この製造方法により得られる光触媒とを提供することを課題としている。また、Ti
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒を使用した海水分解方法を提供することを課題としている。さらに、本発明の光触媒(Ti
3+
内包型酸化チタン)の製造方法と同様の方法により、Ti
3+
内包型酸化チタンが各種の金属を担持した複合体の製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、以下の光触媒の製造方法、光触媒、海水分解方法および複合体の製造方法が提供される。
[1]Ti
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒の製造方法であって、
酸素欠損が導入された酸化チタンを、エタノールまたはメタノールを添加した湿式のビーズミルにより粉砕する粉砕工程を含み、
前記ビーズミルのビーズの直径が0.03~1mmである、
光触媒の製造方法。
[2]前記ビーズの直径が0.1~0.5mmである、
前記[1]の光触媒の製造方法。
[3]前記ビーズミルに、Niの酸化物または水酸化物を添加する、
前記[1]または[2]の光触媒の製造方法。
[4]前記粉砕工程により得られるTi
3+
内包型酸化チタンに、Ptを担持させる工程を含む、
前記[1]または[2]の光触媒の製造方法。
[5]NiとTi
3+
内包型酸化チタンとの複合体であり、比表面積が100m
2
g
-1
以上である、
光触媒。
[6]海水に、有機化合物と、Ti
3+
内包型酸化チタンを含む光触媒とを添加し、紫外光および可視光を同時に照射する工程を含む、
海水分解方法。
[7]前記有機化合物がアルコールであり、
前記海水に対する前記アルコールの添加量は、0.005~0.5vol%である、 前記[6]の海水分解方法。
[8]前記光触媒は、前記[1]の製造方法で製造されたものである、
前記[6]または[7]の海水分解方法。
[9]Ti
3+
内包型酸化チタンと他の金属化合物との複合体の製造方法であって、
酸素欠損が導入された酸化チタンを、エタノールまたはメタノールを添加した湿式のビーズミルにより粉砕する粉砕工程を含み、
前記ビーズミルのビーズの直径が0.03~1mmであり、
前記粉砕工程では、前記ビーズミルに、前記他の金属化合物の原料として、金属酸化物、金属水酸化物、金属硝酸化物のうちの少なくともいずれかを添加する、
複合体の製造方法。
[10]前記金属酸化物、前記金属水酸化物および前記金属硝酸化物は、Ni、Co、Cu、Fe、Ti、Mn、Ag、Mg、Ce、Zn、Nb、B、NおよびAlから選択される少なくとも1種の金属または元素を含む、
前記[9]の複合体の製造方法。
[11]前記ビーズの直径が0.1~0.5mmである、
前記[9]または[10]の複合体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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