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公開番号
2025117918
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2024012903
出願日
2024-01-31
発明の名称
Cu2O結晶含有層の製法、並びに、Cu2O結晶含有層を有する半導体を備える構造体及びその用途
出願人
国立研究開発法人物質・材料研究機構
,
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
弁理士法人浅村特許事務所
主分類
H10F
10/16 20250101AFI20250805BHJP()
要約
【課題】操作性や製造コストなどの観点から、従来の方法よりも優れた新規な方法で高い純度のCu
2
O結晶からなる薄い層を作製することである。
【解決手段】本発明は、導電性基板上に前駆体のCu
2
O結晶よりも高い発光特性を示すCu
2
O結晶を含む層を、導電性基板上に形成した前駆体のCu
2
O結晶からなる層上にハロゲン化第一銅からなる層を形成することによって製造する方法である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の工程1から5を含む、導電性基板上に前駆体のCu
2
O結晶よりも高い発光特性を示すCu
2
O結晶を含む層を製造する方法。
工程1:導電性基板上に前駆体のCu
2
O結晶からなる層を形成する工程;
工程2:前記前駆体のCu
2
O結晶からなる層上にハロゲン化第一銅からなる層を形成する工程;
工程3:前記ハロゲン化第一銅からなる層と前記前駆体のCu
2
O結晶からなる層との接触面に、加熱により、ハロゲン化第一銅とCu
2
Oとからなる融液層を形成する工程であって、前記融液層を構成するハロゲン化第一銅は、前記ハロゲン化第一銅からなる層の融解により形成され、前記融液を構成するCu
2
Oは、前記ハロゲン化第一銅からなる層と接触している前記前駆体のCu
2
O結晶からなる層の表面の融解により形成される工程;
工程4:前記融液層を冷却して前記融液層中のハロゲン化第一銅とCu
2
Oを再結晶化させることにより、前記導電性基板上に前駆体のCu
2
O結晶よりも高い発光特性を示すCu
2
O結晶を含む層を形成し、前記Cu
2
O結晶を含む層上にハロゲン化第一銅からなる層をさらに形成する工程;及び、
工程5:前記Cu
2
O結晶を含む層上に形成された前記ハロゲン化第一銅からなる層を除去する工程。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記工程3における加熱が、400℃以上600℃以下の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程3における加熱が、450℃以上550℃以下の温度で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程1が、物理的気相成長法、化学的気相成長法、化学的液相成長法、熱酸化法、エアロゾルを利用したエアロゾル製膜法、及びミスト製膜法のうちのいずれかの方法により、導電性基板上にCu
2
Oからなる層を形成する工程である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記工程1が、導電性基板上に0.5μm以上5μm以下の厚さで前駆体のCu
2
O結晶からなる層を形成する工程である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程2が、スパッタリング又は真空蒸着により、前記前駆体のCu
2
O結晶からなる層上にハロゲン化第一銅からなる層を形成する工程である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記工程2が、前記前駆体のCu
2
O結晶からなる層上に10nm以上2000nm以下の厚さでハロゲン化第一銅からなる層を形成する工程である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記工程2が、前記前駆体のCu
2
O結晶からなる層上に20nm以上800nm以下の厚さでハロゲン化第一銅からなる層を形成する工程である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記工程4が、前記融液層を25℃/分以上150℃/分以下の降温速度で室温まで冷却して前記融液層中のハロゲン化第一銅とCu
2
Oを再結晶化させることにより、前記導電性基板上に前駆体のCu
2
O結晶よりも高い発光特性を示すCu
2
O結晶を含む層と前記Cu
2
O結晶を含む層上にハロゲン化第一銅からなる層とを形成する工程である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記工程5が、前記Cu
2
O結晶を含む層上に形成された前記ハロゲン化第一銅からなる層を水洗によって除去する工程である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性基板上に前駆体のCu
2
O結晶よりも高い発光特性を示すCu
2
O結晶を含む層を製造する方法、並びに、導電性基板と当該基板上に所定の発光特性を有するCu
2
O結晶を含む層を備える半導体とを備える構造体及びその用途(特に、太陽電池)に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
環境問題への対応が全世界で課題となっており、その対応としてカーボンニュートラルの実現が希求されている。その実現のためには、再生可能エネルギーの果たす役割が非常に重要である。そこで、太陽電池が注目されており、光電変換効率や製造コストなどの観点からより優れた太陽電池の開発が研究されている。特に、タンデム(多接合)型太陽電池の開発が、次世代型太陽電池として注目されている。タンデム型太陽電池は、発電効率を向上させるために、異なる種類の太陽電池セルを重ねた構造を有する。例えば、2接合型太陽電池のタンデム型太陽電池では、2つの太陽電池(セル)をボトムセルとトップセルとして重ね合わせて1つの太陽電池とし、両方のセルで発電することにより、全体としての発電効率の向上を図る。既に実用化されているものとして、ゲルマニウムを半導体として用いる太陽電池をボトムセルに使用し、ガリウムヒ素半導体(GaAs)をはじめとしたIII-V族系の半導体を用いる太陽電池をトップセルやミドルセルに使用する2接合・や3接合型太陽電池のタンデム型太陽電池がある。しかしながら、III-V族系の半導体を用いる太陽電池は、製造コストの点で課題がある。また、結晶シリコンを半導体として用いる太陽電池をボトムセルに使用し、ペロブスカイト半導体を用いる太陽電池をトップセルに使用する2接合型太陽電池のタンデム型太陽電池が、精力的に研究開発されている。しかしながら、ペロブスカイト半導体を用いる太陽電池は、耐久性(具体的には、空気や湿気などの外的環境による経年劣化)の点で課題がある。
【0003】
そこで現在、低コストで高い信頼性を有する太陽電池として、結晶シリコンを半導体として用いる太陽電池をボトムセルに使用し、Cu
2
O結晶の半導体を用いる太陽電池をトップセルに使用する2接合型太陽電池のタンデム型太陽電池の開発が注目されている(例えば、特許文献1)。当該タンデム型の発電効率は30%を超えるとの報告もある(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-57536号公報
【非特許文献】
【0005】
Highly transparent Cu2O absorbing layer for thin film solar cells, Appl. Phys. Lett. 119, 242102 (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Cu
2
O結晶を半導体として用いる太陽電池は、地球上に豊富に存在する銅と酸素の化合物であるCu
2
Oを主な材料とするため、ガリウムヒ素半導体(GaAs)のようなIII-V族系の半導体と比べて材料自体の資源制約が極めて小さく安価であり、高価な単結晶基板を利用しない薄膜型太陽電池であるため、大幅な低コスト化が期待できる。そのうえ、Cu
2
Oは、毒性がなく環境にも優しい。また、Cu
2
Oは、バンドギャップが約2eVである半導体であり、室温で導電性を有するp型Cu
2
O結晶として入手し易い。また、Cu
2
O結晶を半導体として用いる太陽電池は、従来のペロブスカイト半導体に見られるような経年劣化要因も特に存在しないため、耐久性にも優れる。シリコン太陽電池の耐久性は非常に高いため、シリコン太陽電池と組み合わせる多接合太陽電池にとって高い耐久性(すなわち、優れた耐久性)は重要な特性である。また、Cu
2
O結晶の半導体を用いる太陽電池をトップセルに使用し、結晶シリコンを半導体として用いる太陽電池をボトムセルに使用する2接合型太陽電池のタンデム型太陽電池においては、Cu
2
O結晶が、結晶シリコンと異なる波長域の光を吸収して発電することになるため、Cu
2
O結晶の半導体を用いる太陽電池(トップセル)は、結晶シリコンを半導体として用いる太陽電池(ボトムセル)の発電をほとんど阻害しない。そのため、当該タンデム型の発電効率は、上述のとおり、30%を超えるとの報告もある(例えば、非特許文献1)。
【0007】
このような理由から、上述のとおり、Cu
2
O結晶を半導体として用いる太陽電池、特に、結晶シリコンを半導体として用いる太陽電池をボトムセルに使用し、Cu
2
O結晶の半導体を用いる太陽電池をトップセルに使用する2接合型太陽電池(タンデム型太陽電池)の開発が注目されているという現状がある(例えば、特許文献1や非特許文献1を参照)。
【0008】
Cu
2
O結晶を半導体として用いる場合、当該Cu
2
O結晶の純度が高くなると(具体的には、結晶中に金属銅(Cu)や2価の酸化銅(CuO)のような不純物の混入が少なくなると)、半導体特性が向上し、そのため発電効率も向上する。そのため、ITOガラスなどの導電性基板上に高純度のCu
2
O結晶(すなわち、不純物の混入が少ないCu
2
O結晶)からなる層(特に、薄膜)を形成することが所望されている。なお、本願において「薄膜」とは、厚さ10μm以下の層であることを意味する。
【0009】
また、Cu
2
O結晶は、発電効率の観点から、高い結晶性を有していることが望ましい。本願において「高い結晶性」とは、結晶内の欠陥が少なく、単結晶同士が各々単結晶として密着している状態を意味する。そのため、Cu
2
O結晶は単結晶であることが望ましい。本願において「単結晶」とは、必ずしも完全な単結晶である必要はなく、当業者にとってデバイス動作上、実質的に単結晶であると認識できる程度であればよい。但し、完全な単結晶に近いことがより望ましく、完全な単結晶であることが最も望ましい。「高い結晶性」の具体例としては、図4(A)が挙げられ、「高い結晶性」を満足していない具体例としては、図4(B)が挙げられる。
【0010】
Cu
2
O結晶を半導体として用いる場合、当該Cu
2
O結晶の純度が高く、また、当該Cu
2
O結晶の結晶性が高いと、当該半導体は、所望される半導体特性を示す。具体的には、25℃でフォトルミネッセンススペクトルを測定した場合に、約2eV(具体的には、1.9eV以上2.2eV以下の範囲)にピークを有する発光スペクトルを示す。
(【0011】以降は省略されています)
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