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公開番号2025129948
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026944
出願日2024-02-26
発明の名称プロトン電子混合伝導体、電極、燃料電池のセル、水蒸気電解セル及び水素透過膜
出願人三井金属鉱業株式会社,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類H01M 4/88 20060101AFI20250829BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】プロトン伝導性及び電子伝導性が向上したプロトン電子混合伝導体を提供すること。
【解決手段】AサイトにA元素を含み、BサイトにB元素、M1元素及びM2元素を含むペロブスカイト酸化物における酸素の一部がX元素で置換されている組成を有するプロトン電子混合伝導体である。A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表す。B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表す。M1元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表す。M2元素は第4周期遷移金属元素を表す。X元素はハロゲンを表す。モル比M1/(B+M1+M2)が0≦M1/(B+M1+M2)≦0.30を満たす。モル比M2/(B+M1+M2)が0<M2/(B+M1+M2)≦0.40を満たす。モル比X/(B+M1+M2)が0<X/(B+M1+M2)≦0.30を満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
AサイトにA元素を含み、BサイトにB元素、M

元素及びM

元素を含むペロブスカイト酸化物における酸素の一部がX元素で置換されている組成を有するプロトン電子混合伝導体であって、
A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.30を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.40を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するX元素のモル比(X/(B+M

+M

))が0<X/(B+M

+M

)≦0.30を満たすプロトン電子混合伝導体。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
B元素とM

元素とM

元素の和に対するX元素のモル比から、B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素とM

元素の和のモル比を引いた値(X/(B+M

+M

)-(M

+M

)/(B+M

+M

))がX/(B+M

+M

)-(M

+M

)/(B+M

+M

)≦0.10を満たす、請求項1に記載のプロトン電子混合伝導体。
【請求項3】
B元素とM

元素とM

元素の和に対するX元素のモル比から、B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比を引いた値(X/(B+M

+M

)-M

/(B+M

+M

))がX/(B+M

+M

)-M

/(B+M

+M

)≦0.10を満たす、請求項1に記載のプロトン電子混合伝導体。
【請求項4】
組成式A

(B
1-b-c






)O
3-δ


で表されるプロトン電子混合伝導体。
式中、A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
δは酸素欠損量を表し、
aは0.90以上1.10以下の数を表し、
bは0超0.30以下の数を表し、
cは0超0.40以下の数を表し、
dは0超0.30以下の数を表す。
【請求項5】
A元素が第2族元素であり、M

元素が希土類元素である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のプロトン電子混合伝導体。
【請求項6】
A元素がバリウムであり、
B元素がジルコニウムであり、


元素がスカンジウム又はイットリウムであり、


元素がコバルトであり、
X元素がフッ素である、請求項5に記載のプロトン電子混合伝導体。
【請求項7】
AサイトにA元素を含み、BサイトにB元素、M

元素及びM

元素を含むペロブスカイト酸化物における酸素の一部がX元素で置換されている組成を有するプロトン電子混合伝導体を含む電極であって、
A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.30を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.40を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するX元素のモル比(X/(B+M

+M

))が0<X/(B+M

+M

)≦0.30を満たす電極。
【請求項8】
組成式A

(B
1-b-c






)O
3-δ


で表されるプロトン電子混合伝導体を含む電極。
式中、A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
δは酸素欠損量を表し、
aは0.90以上1.10以下の数を表し、
bは0超0.30以下の数を表し、
cは0超0.40以下の数を表し、
dは0超0.30以下の数を表す。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の電極と、固体電解質層と、アノードとを備え、
前記固体電解質層の一方の面に前記電極が配置され、
前記固体電解質層の他方の面に前記アノードが配置されてなる、燃料電池のセル。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の電極と、固体電解質層と、カソードとを備え、
前記固体電解質層の一方の面に前記電極が配置され、
前記固体電解質層の他方の面に前記カソードが配置されてなる、水蒸気電解セル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン電子混合伝導体並びにこれを含む電極、燃料電池のセル、水蒸気電解セル及び水素透過膜に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
クリーンなエネルギーを社会に普及させることは持続可能な世界を構築するために重要な課題と認識されており、その解決の具体的手段として、燃料電池がある。セラミックス材料で構成される固体酸化物形燃料電池(SOFC)は高温で作動でき、燃料電池の中で最も発電効率が高いものである。SOFCの主要構成部材である固体電解質は、選択的にイオンを透過させる材料から構成されており、従来は酸化物イオン伝導体が用いられてきた。近年、酸化物イオン伝導体に代えてプロトン伝導体を用いることでSOFCの発電効率が理論上飛躍的に向上することが報告されており、電解質層にプロトン伝導性セラミックスを適用したプロトン伝導性セラミックス燃料電池(PCFC)の実現への期待が高まっている。
【0003】
PCFCの発電効率を向上させるためには、固体電解質のみならず、電極の各種性能を高めることが必要である。例えば特許文献1には、BaZr
0.7
Ce
0.1

0.1
Yb
0.1


を含む空気極を備えたプロトン伝導セラミックセルが記載されている。同文献に記載の電極によれば、電極抵抗が低く電流密度が高いプロトン伝導セラミックセルが提供されると同文献に記載されている。また非特許文献1には、コバルトをドープさせたBaZr
1-x
Sc


3-δ
(0<x<1)がプロトン電子混合伝導体として報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-006322号公報
【非特許文献】
【0005】
International Journal of Hydrogen Energy 47,5577-5584,2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PCFCのカソードはプロトンと酸素とが反応する場であるため、高いプロトン伝導性と、電子又はホール伝導性とを両立することが求められる。これに対し、特許文献1及び非特許文献1に記載の電極は、高いプロトン伝導性と、電子又はホール伝導性とが高いレベルで両立されたものではなかった。
【0007】
したがって本発明の課題は、プロトン伝導性及び電子伝導性が向上したプロトン電子混合伝導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、AサイトにA元素を含み、BサイトにB元素及びM

元素及びM

元素を含むペロブスカイト酸化物における酸素の一部がX元素で置換されている組成を有するプロトン電子混合伝導体であって、
A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.30を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.40を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するX元素のモル比(X/(B+M

+M

))が0<X/(B+M

+M

)≦0.30を満たすプロトン電子混合伝導体を提供するものである。
【0009】
また本発明は、組成式A

(B
1-b-c






)O
3-δ


で表されるプロトン電子混合伝導体を提供するものである。
式中、A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
δは酸素欠損量を表し、
aは0.90以上1.1以下の数を表し、
bは0超0.30以下の数を表し、
cは0超0.40以下の数を表し、
dは0超0.30以下の数を表す。
【0010】
また本発明は、AサイトにA元素を含み、BサイトにB元素及びM

元素及びM

元素を含むペロブスカイト酸化物における酸素の一部がX元素で置換されている組成を有するプロトン電子混合伝導体を含む電極であって、
A元素は二価の陽イオンとなり得る元素の少なくとも一種を表し、
B元素はZr及びCeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は三価の希土類元素及びインジウムよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を表し、


元素は第4周期遷移金属元素を表し、
X元素はハロゲンを表し、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.30を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するM

元素のモル比(M

/(B+M

+M

))が0<M

/(B+M

+M

)≦0.40を満たし、
B元素とM

元素とM

元素の和に対するX元素のモル比(X/(B+M

+M

))が0<X/(B+M

+M

)≦0.30を満たす電極を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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