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公開番号2025139123
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024037897
出願日2024-03-12
発明の名称放射線検出装置
出願人警察庁科学警察研究所長,国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
代理人個人,個人,個人
主分類G01T 1/22 20060101AFI20250918BHJP(測定;試験)
要約【課題】中性子等の放射線の入射方向を検出できる安価な放射線検出装置を得る。
【解決手段】この放射線検出装置1においては、検出槽10がその中心の周りの周方向で複数(4つ)の領域に区分され、領域毎の発光強度(発光量)が認識され、これによって紙面内の2次元内における中性子の入射方向が算出される。このため、図1においては、円形の検出槽10は、周方向で等間隔の4つの領域R1~R4に区分される。各領域の境界は、光(可視光、紫外光等)を反射させる境界層11によって区分される。円形の検出槽10の外周には、各領域毎の発光強度を検出する光検出器D1~D4が設置されている、入射方向は領域毎の発光量(あるい領域の組み合わせの総和の発光量)の大小関係によって決定される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
中性子又はγ線である放射線の空間内における入射方向を算出する放射線検出装置であって、
前記放射線の入射により発光を生ずる物質で充填されて構成された部分が各々の内部における一定時間内の前記発光の強度である発光量が認識できるような複数の領域に区分された検出槽と、
前記各領域毎の前記発光量を検出するように前記各領域毎に設けられた光検出器と、
各前記領域毎の前記発光量に基づき、前記入射方向を算出する解析部を具備することを特徴とする放射線検出装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記検出槽において、前記領域は前記発光を反射する境界層で区分されたことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記発光量が最も大きかった前記領域である主領域を求め、当該主領域の前記発光量と、当該領域の周囲の複数の前記領域である副領域における前記発光量と、を用いて前記入射方向を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記解析部は、前記主領域からみて対称な位置にある2つの範囲を設定し、一方の前記範囲内における複数の前記副領域の前記発光量の総和と、他方の前記範囲内における複数の前記副領域の前記発光量の総和を用いて、前記入射方向を算出することを特徴とする請求項3に記載の放射線検出装置。
【請求項5】
前記解析部は、隣接する複数の前記領域の組み合わせを複数設定し、当該組み合わせにおける複数の前記領域の前記発光量の総和を用いて、前記入射方向を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記解析部は、算出された前記入射方向からみた、手前側の前記領域における前記発光量と、奥側の前記領域における前記発光量の比率より、前記放射線のエネルギーを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記検出槽において、前記検出槽の中心からみて周方向に沿って区分されて前記領域が複数形成され、
前記解析部は、前記中心の周りの角度に対応させて前記入射方向を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
前記検出槽において、交差する複数の方向の各々に沿って複数の前記領域が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
【請求項9】
前記検出槽において前記発光を生ずる物質は水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
【請求項10】
前記放射線は中性子であることを特徴とする請求項9に記載の放射線検出装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の入射方向を検出する放射線検出装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
レンズや反射鏡を用いた結像光学系を容易に実現することができる可視光に対しては、結像光学系と2次元撮像素子を用いることによって、例えばその光の強度分布等を2次元画像として容易に得ることができ、可視光がスポット状である場合にはその入射方向を容易に認識することができる。これに対して、一般的には放射線の結像光学系は実現が困難であるため、このように入射方向を認識することは容易ではない。
【0003】
特に、このような結像光学系は、中性子やγ線に対しては全く実現されていない。このため、レンズや反射鏡を用いず、異なる原理によって放射線の入射方向を認識することが要求される。
【0004】
γ線に対しては、γ線の物質中でのコンプトン散乱において、コンプトン散乱に際してのエネルギー損失と散乱角度の絶対値との間に一定の関係があることを利用して、散乱前のγ線の入射方法を推定することができるコンプトンカメラが知られている(例えば特許文献1)。コンプトンカメラにおいては、図12(a)に示されるように、1段目の散乱層110と2段目の吸収層120が設けられ、γ線200は散乱層110でその一部のエネルギーが吸収され、残りのエネルギーは吸収層120によって吸収されるように設定される。散乱層110、吸収層120においては、このようにγ線のエネルギーを吸収することによって、その入射及び図中上下方向に沿った入射位置が検出される。この場合、入射したγ線の散乱層110における散乱によって損失したエネルギーを算出することができ、この損失エネルギーと散乱角度の絶対値φには1対1の関係がある。このため、この散乱角度の絶対値φが算出でき、同一の線源から複数回のγ線の入射があれば、φを円錐の角度とした円錐形を入射毎に作成し、その交点としてγ線の入射方向を算出することができる。
【0005】
中性子の検出とγ線の検出原理は一般的には異なるため、このコンプトンカメラをそのまま中性子に用いることは困難であるが、例えば、非特許文献1には、中性子の弾性散乱による反跳陽子と散乱後の中性子のエネルギーを測定することによって中性子の散乱角度の絶対値を測定し、その後において同一の原理によって中性子の入射方向を検出する技術が記載されている。
【0006】
また、非特許文献2には、図12(b)に示される構成で、遮蔽体140がある場合の放射線210の検出分布(複数の検出ユニット130の測定結果)のパターンから放射線210の入射方向を算出する技術が記載されている。ここで、実質的に検出ユニット130を構成する材料を遮蔽体140と兼用することもでき、この場合に用いられる材料としては、放射線210がγ線の場合であれば鉛等、放射線210が中性子線の場合であれば、ポリエチレン、Li等が用いられる。非特許文献2には、特にこのような材料として、吸収断面積の大きいLi結晶を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-48699号公報
【非特許文献】
【0008】
「Advances in Imaging Fission Neutrons with a Neuteon Scatter Camera」、P.A.Marleau、J.Brennan、K.Krenz、J.Lund、N.Mascarenhas、and S.Mrowka、2007 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference、N10-2(2007年)
「A Portable Fast-Neutron Imager with 6Li-Containing Scintillators」、T.Matsumura and T.Shinkawa、2016 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference、N33-2(2016年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
中性子の散乱断面積は小さいため、非特許文献1に記載の方法で検出効率を高めるには、装置の大型化が必要となり、かつ、検出できる中性子のエネルギーも例えば2MeV以上(高速中性子)に限定された。また、γ線を検出する場合においても共通した課題として、コンプトンカメラにおいては大面積で入射位置が検出可能な検出装置が必要となるが、これは非常に高価となった。
【0010】
また、非特許文献2に記載の技術では、高速中性子を検出するためには、これを減速するための減速材が必要となり、装置が大型化した。さらに、中性子遮蔽体を兼ねた検出ユニットを構成するLi等の結晶を大型化した場合、中性子検出の際のノイズとなるγ線感度が増大するため、中性子の検出効率を高めることが困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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