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公開番号
2025145698
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024046018
出願日
2024-03-22
発明の名称
積層シート、ミリ波レーダー、および通信機器
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/18 20060101AFI20250926BHJP(積層体)
要約
【課題】 本発明は、耐湿熱性に優れ、通信機器の通信安定性を向上させる積層シートを提供することをその課題とする。
【解決手段】 非晶性の熱可塑性樹脂を主成分とし、導電性材料の含有量が互いに異なる2種類の層(A層とB層)を交互に合計5層以上有する交互積層ユニットを含み、周波数1GHz~1000GHzの帯域の反射減衰量曲線における最大ピークの反射減衰量が5.0dB以上であり、動的粘弾性測定にて得られるtan∂の極大値が120℃以上340℃以下の範囲に存在することを特徴とする、積層シート。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
非晶性の熱可塑性樹脂を主成分とし、かつ導電性材料の含有量が互いに異なる2種類の層(A層とB層)を交互に合計5層以上1001層以下有する交互積層ユニットを含み、周波数1GHz以上1000GHz以下の帯域の反射減衰量曲線における最大ピークにおいて反射減衰量が5.0dB以上100dB以下であり、動的粘弾性測定にて得られるtan∂の極大値が120℃以上340℃以下の範囲に存在することを特徴とする、積層シート。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
非晶性の熱可塑性樹脂を主成分とし、かつ導電性材料の含有量が互いに異なる2種類の層(A層とB層)を交互に合計5層以上1001層以下有する交互積層ユニットを含み、前記A層と前記B層がポリカーボネートとアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂を合計で50質量%より多く含み、前記B層が前記A層よりも導電性材料を多く含み、かつ前記B層の導電性材料の含有量が1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、積層シート。
【請求項3】
少なくとも片面に反射層を有する、請求項1または2に記載の積層シート。
【請求項4】
ポリエステル、液晶ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、シクロオレフィン構造を有するポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトンのうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の積層シート。
【請求項5】
前記導電性材料を含有する層の少なくとも一つが、アルコキシ基を有するジオール由来の構成単位を主鎖内に有するポリマーを含有する、請求項1~4のいずれかに記載の積層シート。
【請求項6】
前記導電性材料を含有する層の少なくとも一つが、フルオレン基を有するジオールに由来する構成単位、ナフタレンジカルボン酸に由来する構成単位、イソソルビドに由来する構成単位、スピログリコールに由来する構成単位の少なくとも一つを主鎖骨格中に有するポリマーを含有する、請求項1~5のいずれかに記載の積層シート。
【請求項7】
下記算出方法によって得られる構造粘度が60Pa・s以上1000Pa・s以下である、請求項1~6のいずれかに記載の積層シート。
[算出方法]
回転式粘度計にて面内方向に等速剪断応力をかけて得られた粘度-時間曲線の最大値をηmax(Pa・s)、300秒時点の粘度をη300(Pa・s)としたときに、ηmax-η300(Pa・s)を構造粘度とする。
【請求項8】
少なくとも一方の表面において、表面突起の二乗平均平方根高さと平均断面高さの積(Rh)が0μm
2
以上50μm
2
以下である、請求項1~7のいずれかに記載の積層シート。
【請求項9】
85℃、85RH%の環境で500時間保管した後、及び100℃、5RH%の環境で500時間保管した後の少なくとも一方において、下記の特徴1から3の少なくとも一つを備える、請求項1~8のいずれかに記載の積層シート。
特徴1:周波数1GHz~1000GHzの帯域における反射減衰量の変化量が0%以上10%以下である。
特徴2:周波数1GHz~1000GHzの帯域の反射減衰量曲線における最大ピークの周波数の変化量が0%以上1%以下である。
特徴3:誘電率の変化量が0%以上10%以下である。
【請求項10】
25℃での主配向方向におけるヤング率をX
25
、90℃での主配向方向におけるヤング率をX
90
、150℃での主配向方向におけるヤング率をX
150
としたときに、以下の式1と式2の少なくとも一方を満たす、請求項1~9のいずれかに記載の積層シート。
式1:0.90≦X
25
/X
90
<1.50
式2:1.50≦X
90
/X
150
≦5.00
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐湿熱性に優れ、通信安定性の向上に寄与する積層シート、これを用いたミリ波レーダーおよび通信機器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
通信技術の進歩に伴い、近年、携帯電話や無線通信などでは主に数百MHz~数GHz帯域のメートル波が使用されている。また、4G、5Gなどのモバイル通信や無線LAN(Wi-fi)通信などでは、数GHz~数十GHz帯域のセンチ波が主に使用され、自動車衝突防止レーダーなどでは、数十GHz~数百GHz帯域のミリ波が主に使用されている。
【0003】
このように電磁波の周波数帯域は、情報の容量や伝達する距離、装置や用途等に合わせて適したものが選択されるが、近い周波数帯域の電磁波が様々な装置や用途で使用されるため、装置の誤作動や通信障害、情報漏洩等が懸念されている。また、電磁波に敏感な人体への影響も指摘されている。こうした懸念や指摘に応えるため、電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料のニーズが高まっている。特に、近年では、高速かつ大容量通信を実現するために、GHz周波数帯域の電磁波を利用する通信技術の開発が加速しており、当該周波数帯域の電磁波を遮蔽できる電磁波シールド材料が求められている。
【0004】
電磁波は、電界と磁界の2成分から構成される波として空間を伝播する。電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料は、その表面や内部で電磁波を反射することや、材料内部で電磁波を吸収して電磁波の持つエネルギーを損失、減衰させることができ、反射と吸収を組み合わせることでより効果を高めることができる。
【0005】
例えば、電磁波シールド材料の表面での反射による導電反射技術は、空気界面と電磁波シールド材料界面の電気抵抗値(比誘電率をもとに算出されるインピーダンス)が異なることで効果を高めることができ、一般的に金属(銅)など非常に抵抗値が低い材料を基材の表面に塗布、積層することで広範囲の周波数帯域にわたり高い電磁波シールド性を実現できる(特許文献1)。
【0006】
一方、電磁波シールド材料内部での吸収による電磁波吸収技術は、材料の内部に導電性材料および/または磁性材料を含有させ、内部に進入した電磁波を誘導電流に変換することで電磁波の持つエネルギーを損失させるものであり、カーボン材料やフェライト等の金属材料をゴムなどの誘電体ポリマーに含有させることで吸収性能を発現させることができる(特許文献2~4)。また、インピーダンスの異なる層を重ね合わせることで、電磁波シールド材料の表裏で反射した電磁波同士を干渉・打消して損失させることもできる(特許文献5)。
【0007】
特に、吸収による電磁波シールド性は、誘電性(絶縁性)を示す基材と内部に含有する導電性材料の組合せ、基材厚み、導電性材料の処方(材料の種類、組合せ方、含有量)などで特性が変化するものであるが、導電性材料の基材内での配列状態も重要な要素の一つである。例えば、導電性を向上するために一定方向に導電性材料を配列させて横並びに重ね合わさる態様とすることで、電磁波シールド材料全体の効果を高めることができるマクスウェル-ワグナー効果と呼ばれる知見もある(非特許文献1)。マクスウェル-ワグナー効果を利用した電磁波吸収材料として、低誘電体層と高誘電体層を交互に積層したフィルムが開示されている(特許文献6、7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2011-502285号公報
特開2003-158395号公報
特開2017-118073号公報
特開2019-057730号公報
特開2019-102665号公報
国際公開第2021/100566号
中国公開第106413367号公報
【非特許文献】
【0009】
Z.M.Dang,Prog.Matter.Sci.,2012,57,660-723
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されているような電磁波シールド材料の表面での反射による導電反射技術を利用した電磁波シールド材料では、金属スパッタリングや真空蒸着、最表層へ導電性および/または磁性材料を含有するペースト材料をコーティングする技術が用いられるが、剥落による電子機器や通信機器の短絡が発生したり、耐久性や強度が低下したりする点で課題がある。また、特許文献2~6では内部での吸収による電磁波吸収技術を利用した電磁波シールド材料が開示されているが、これらの電磁波シールド材料には、誘電率や成形性の観点から主にゴムやエラストマーが用いられており、室温での強度や他の樹脂部材との親和性に課題があった。例えば、特許文献2、5ではポリエチレン、特許文献4、6ではポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いる方法を開示しているが、いずれも耐湿熱性の観点では十分な性能が得られない。特に、普及が進んでいる車載用ミリ波レーダーなど移動体に搭載する通信機器に用いるためには高い耐湿熱性が求められている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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