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公開番号2025154600
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057698
出願日2024-03-29
発明の名称積層不織布、および液体含浸シート
出願人大和紡績株式会社
代理人個人,個人
主分類D04H 1/4374 20120101AFI20251002BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】肌または物に当てて使用したときに摩擦感を感じにくい平滑な表面を有するとともに、湿潤状態で比較的機械的強度の高い、セルロース系繊維を含む積層不織布を提供する。
【解決手段】第1繊維層と前記第1繊維層に積層された第2繊維層とが一体化されてなる積層不織布であって、前記第1繊維層は、標準時強度が3.0cN/dtex未満および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex未満であり、平均繊維径が0.1μm以上10μm以下である第1セルロース系繊維を70質量%以上100質量%以下の割合で含み、前記第2繊維層は、標準時強度が3.0cN/dtex以上および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex以上であり、平均繊維径が10μmを超え25μm以下である第2セルロース系繊維を40質量%以上100質量%以下の割合で含む、積層不織布。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1繊維層と前記第1繊維層に積層された第2繊維層とが一体化されてなる積層不織布であって、
前記第1繊維層は、標準時強度が3.0cN/dtex未満および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex未満であり、平均繊維径が0.1μm以上10μm以下である第1セルロース系繊維を70質量%以上100質量%以下の割合で含み、
前記第2繊維層は、標準時強度が3.0cN/dtex以上および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex以上であり、平均繊維径が10μmを超え25μm以下である第2セルロース系繊維を40質量%以上100質量%以下の割合で含む、積層不織布。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第2繊維層中、前記第2セルロース系繊維が複数個の屈曲部および/または捩れ部が連なった部分を有する箇所が、第2繊維層の表面の1280μm×960μmの領域にて5か所以上観察される、請求項1に記載の積層不織布。
【請求項3】
前記第1繊維層が、前記第1セルロース系繊維以外のセルロース系繊維Aを含み、前記第2繊維層が、前記第2セルロース系繊維以外のセルロース系繊維Bを含み、
すべての構成繊維がセルロース系繊維である、請求項1に記載の積層不織布。
【請求項4】
前記第1セルロース系繊維が、ビスコースレーヨン繊維であり、
前記第2セルロース系繊維が、溶剤紡糸セルロース繊維である、
請求項1に記載の積層不織布。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の積層不織布を含む、液体含浸シート用積層不織布。
【請求項6】
前記第1繊維層が、使用者の肌に当てて用いられる、請求項5に記載の液体含浸シート用積層不織布。
【請求項7】
前記第1繊維層の表面と前記第2繊維層の表面とが、液体含浸シートの一方の表面と他方の表面とをそれぞれ構成する、請求項5に記載の液体含浸シート用積層不織布。
【請求項8】
標準時強度が3.0cN/dtex未満および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex未満であり、平均繊維径が0.1μm以上10.0μm以下である第1セルロース系繊維を、第1繊維ウェブの総質量を基準として、70質量%以上100質量%以下の割合で含む、第1繊維ウェブを準備すること、
標準時強度が3.0cN/dtex以上および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex以上であり、平均繊維径が10μmを超え25μm以下である第2セルロース系繊維を、第2繊維ウェブの総質量を基準として、40質量%以上100質量%以下の割合で含む、第2繊維ウェブを準備すること、
第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを、この順に重ね合わせて積層繊維ウェブを作製すること、および
前記積層繊維ウェブを、高圧流体流を用いた交絡処理に付して繊維同士を交絡させること
を含む、積層不織布の製造方法。
【請求項9】
前記第2繊維ウェブ中、前記第2セルロース系繊維が複数個の屈曲部および/または捩れ部が連なった部分を有する箇所が、第2繊維ウェブの表面の1280μm×960μmの領域にて5か所以上観察される、請求項8に記載の積層不織布の製造方法。
【請求項10】
前記高圧流体流を用いた交絡処理において、前記第1繊維ウェブの表面に先に高圧流体流を噴射し、その後、第2繊維ウェブの表面に高圧流体流を噴射することを含む、請求項8に記載の積層不織布の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、不織布、およびこれを用いた液体含浸シートに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
不織布および紙等に液体を含浸させたシート(「液体含浸シート」)は、例えば、人体の皮膚から所定の物質を取り除く、または人体の皮膚に所定の物質を付与するために用いられ、あるいは物の汚れをふき取るために用いられるものとして、種々提案され、実用されている。液体含浸シートは、用途に応じて所定量の液体を含浸させるために、親水性繊維を含む構成として提供されることが多く、親水性繊維としてはコットンおよびレーヨン等のセルロース系繊維を用いることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の不織布層を有する多層不織布を含む化粧用シートであって、該多層不織布は、セルロース系繊維を50質量%以上含む繊維径0.1~8μmの不織布である第1の層、及びセルロース系繊維を50質量%以上含む繊維径10~20μmの不織布である第2の層をそれぞれ1層又は2層以上有し、該第2の層が該多層不織布の少なくとも片側の表面に存在しており、かつ、JIS-L1907準拠のバイレック試験に基づく該多層不織布の吸水速度が75mm以上である化粧用シートが提案されている。また、特許文献2には、2層又は3層構造の不織布であって、表層を繊維径が0 .1μm以上6.0μm以下である繊維Iを60質量%以上含み、2層の場合の裏層および3層の場合の中層を繊維径が8.0μm以上30.0μm以下である繊維IIを50質量%以上含む構成とし、不織布に含まれる繊維の80質量%以上100質量%以下が、断面形状が略円形である繊維である不織布が提案されている。特許文献2はさらに、当該不織布に含まれる繊維の80質量%以上100質量%以下をセルロース系繊維とすることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-226179号公報
特開2022-61310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、セルロース系繊維を含む積層不織布であって、肌または物に当てて使用したときに摩擦感を感じにくい平滑な表面を有するとともに、湿潤状態で比較的機械的強度の高い積層不織布を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の不織布は、第1繊維層と前記第1繊維層に積層された第2繊維層とが一体化されてなる積層不織布であって、
前記第1繊維層は、標準時強度が3.0cN/dtex未満および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex未満であり、平均繊維径が0.1μm以上10μm以下である第1セルロース系繊維を70質量%以上100質量%以下の割合で含み、
前記第2繊維層は、標準時強度が3.0cN/dtex以上および/または湿潤時強度が2.2cN/dtex以上であり、平均繊維径が10μmを超え25μm以下である第2セルロース系繊維を40質量%以上100質量%以下の割合で含む、積層不織布である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の積層不織布は、第1層により小さな繊維径のセルロース系繊維を含有させるとともに、第2層に含まれるセルロース系繊維を特定のものとすることによって、これを当てる対象(人および物)への負担を小さくでき、また、液体を含浸させたときでも取り扱いやすく、様々な用途に適している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例6で得た不織布の第2繊維層の表面を100倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
比較例1で得た不織布の第2繊維層の表面を100倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
比較例3で得た不織布の第2繊維層の表面を100倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
図1に、第2セルロース系繊維にて観察される複数個の屈曲部および/または捩れ部が連なった部分における各屈曲部および各捩れ部を示す破線を追記した電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本実施形態に至った経緯)
前記特許文献1および2はともに、繊維径の異なる2種類の繊維を、繊維径のより小さな繊維が表面側により多く存在するように構成することで、肌への刺激性等を低減し、表面の平滑性を向上させている。しかしながら、本発明者らが検討したところ、セルロース系繊維を使用する不織布において繊維径のみが異なる繊維を使用すると、不織布を湿潤させたときに伸びやすく、取り扱い性および使用感が良くないことがあり、あるいは不織布にヨレが生じたり、あるいはまた不織布を構成する層の大きなズレが生じたりすることがあった。そして、さらなる検討の結果、セルロース系繊維を使用する場合には、繊維径の大小のみならず、乾燥時強度および/または湿潤時強度の大小をも考慮して、積層構造の不織布の各層に含まれるセルロース系繊維を選択することで、機械的強度および表面平滑性が向上することを見い出すに至った。さらに、本発明者らは、繊維径のより大きい繊維が有する細かな屈曲部および/または捩れが表面平滑性と関係することをも見い出すに至った。以下、これらの知見に基づき、本実施形態の積層不織布を説明する。
【0010】
本実施形態の不織布は、特定の第1セルロース系繊維と、特定の第2セルロース系繊維とを含む。以下、これらの繊維をまず説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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