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公開番号
2025089880
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2023204824
出願日
2023-12-04
発明の名称
リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
出願人
JX金属株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
H01M
4/525 20100101AFI20250609BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】良好な電池特性を有するリチウムイオン電池用正極活物質、それを用いたリチウムイオン電池用正極、リチウムイオン電池、及びリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供する。同様に、良好な電池特性を有する全固体リチウムイオン電池用正極活物質、正極、電池、及び正極活物質の製造方法も提供する。
【解決手段】下記式(1)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質であり、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d
M
e
O
f
(1)(式(1)中、1.0≦a≦1.07、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、1.8≦f≦2.2、0.0035≦e/(b+c+d+e)≦0.0055、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
粒子強度が100MPa以上であり、(003)面の結晶子サイズが650Å以下であり、50%累積体積粒度D50が5~7μmである、リチウムイオン電池用正極活物質。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質であり、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d
M
e
O
f
(1)
(前記式(1)中、1.0≦a≦1.07、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、1.8≦f≦2.2、0.0035≦e/(b+c+d+e)≦0.0055、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
粒子強度が100MPa以上であり、(003)面の結晶子サイズが650Å以下であり、50%累積体積粒度D50が5~7μmである、リチウムイオン電池用正極活物質。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のリチウムイオン電池用正極活物質を含む、リチウムイオン電池用正極。
【請求項3】
請求項2に記載のリチウムイオン電池用正極及び負極を含む、リチウムイオン電池。
【請求項4】
下記式(1)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質と、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d
M
e
O
f
(1)
(前記式(1)中、1.0≦a≦1.07、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、1.8≦f≦2.2、0.0035≦e/(b+c+d+e)≦0.0055、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
前記リチウムイオン電池用正極活物質の、正極活物質粒子表面に設けられたLiとNbとの酸化物からなる被覆層と、
を含み、粒子の円形度が0.94~0.96であり、比表面積が0.6m
2
/g以下であり、粒子強度が100MPa以上であり、(003)面の結晶子サイズが650Å以下である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
【請求項5】
請求項4に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質を含む、全固体リチウムイオン電池用正極。
【請求項6】
請求項5に記載の全固体リチウムイオン電池用正極及び負極を含む、全固体リチウムイオン電池。
【請求項7】
下記式(2)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質の前駆体を準備する工程と、
Ni
b
Co
c
Mn
d
(OH)
2
(2)
(前記式(2)中、0.58≦b≦0.62、0.18≦c≦0.22、及び、b+c+d=1である。)
50%累積体積粒度D50が1μm以下である、Zrの酸化物、Taの酸化物及びWの酸化物から選ばれる少なくとも1種を前記リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体に湿式で混合して混合物を得る工程と、
前記混合物をリチウム源と乾式で混合し、820℃以上で4時間以上焼成する工程と、
を含む、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【請求項8】
前記Zrの酸化物、Taの酸化物及びWの酸化物は、前記D50が0.3~1.0μmである、請求項7に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記混合物を焼成する工程において、前記混合物をリチウム源と乾式で混合し、820~860℃で6~12時間焼成する、請求項7に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか一項に記載の方法で製造されたリチウムイオン電池用正極活物質を準備する工程と、
前記リチウムイオン電池用正極活物質の正極活物質粒子表面に、LiとNbとを含む水溶液を用いて、転動流動層装置によって、LiとNbとの酸化物からなる被覆層を形成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年におけるパソコン、ビデオカメラ、及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。該電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウムイオン二次電池が注目を浴びている。リチウムイオン二次電池には、電解液を用いた液系のリチウムイオン二次電池の他に、電解質を固体とした全固体リチウムイオン電池があり、近年注目を集めている。
【0003】
リチウムイオン二次電池用の正極活物質として、1990~2000年代においては、一般的に最もよく使用されているものはLiCoO
2
等であったが、電子機器の高機能化に伴う高消費電力化、EVの台頭による、長航続距離化といった課題解決のため、2010年代以降はこれに代わってNi比率が50%以上となるNCM523、NCM622等の正極活物質が使用されている。これら正極活物質は出力や耐久性の特性バランスに優れた材料であるが、自動車用途等で使用するためには、更なる高出力化、高耐久化が求められる。これまで、特に高耐久化の課題を克服するため、正極活物質へZr、W、Nb、Taといった酸素との親和性が高い元素での表面修飾やドーピングを施す方法が採用されている。
【0004】
特許文献1には、タングステンとニオブとを含有するリチウム-ニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物である正極活物質が開示されている。そして、このような構成によれば、優れた出力特性を有し、ガス発生の少ない正極活物質およびそれを用いた電池を提供することができると記載されている。
【0005】
特許文献2には、NiおよびMnを必須とする遷移金属の水酸化物とリチウム源とを混合し、焼成してリチウム含有複合酸化物を製造する際に、X線回折パターンの空間群P-3m1の結晶構造モデルにおいて(100)面の結晶子径が35nm以下である遷移金属水酸化物を使用することを特徴とするリチウム含有複合酸化物の製造方法が開示されている。そして、このような構成によれば、リチウムイオン二次電池についてサイクル特性、レート特性などの性能を向上可能な、リチウム含有複合酸化物の製造方法を提供することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-140787号公報
特開2016-44120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
NCM523、NCM622等の正極活物質は、結晶性を高めるため、NCM811等のハイニッケル系の正極活物質に比べて焼成温度を高く設定する必要がある。そのため、焼成後の活物質は一次粒子が大きくなり、それに伴い粒子の強度が低くなるという問題が生じる。また、特に、低強度の粒子では全固体リチウムイオン電池用正極活物質で必須となるLi複合酸化物の被覆を転動流動層コーティング装置等の粉体が流動する機構の装置で行うと被覆時に粒子が割れてしまうという問題がある。被覆時に粒子のヒビ割れ等が生じていると、電極を作製する際のプレスで割れ、割れた破面はLi複合酸化物が未被覆の状態となり、電池として組み立てた際、固体電解質と接触し高抵抗層が形成されてしまい性能劣化が起こってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、良好な電池特性を有するリチウムイオン電池用正極活物質、それを用いたリチウムイオン電池用正極、リチウムイオン電池、及び、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。また、良好な電池特性を有する全固体リチウムイオン電池用正極活物質、それを用いた全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、及び、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
上記知見を基礎にして完成した本発明は以下の1~11で規定される。
1.下記式(1)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質であり、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d
M
e
O
f
(1)
(前記式(1)中、1.0≦a≦1.07、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、1.8≦f≦2.2、0.0035≦e/(b+c+d+e)≦0.0055、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
粒子強度が100MPa以上であり、(003)面の結晶子サイズが650Å以下であり、50%累積体積粒度D50が5~7μmである、リチウムイオン電池用正極活物質。
2.前記1に記載のリチウムイオン電池用正極活物質を含む、リチウムイオン電池用正極。
3.前記2に記載のリチウムイオン電池用正極及び負極を含む、リチウムイオン電池。
4.下記式(1)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質と、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d
M
e
O
f
(1)
(前記式(1)中、1.0≦a≦1.07、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、1.8≦f≦2.2、0.0035≦e/(b+c+d+e)≦0.0055、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
前記リチウムイオン電池用正極活物質の、正極活物質粒子表面に設けられたLiとNbとの酸化物からなる被覆層と、
を含み、粒子の円形度が0.94~0.96であり、比表面積が0.6m
2
/g以下であり、粒子強度が100MPa以上であり、(003)面の結晶子サイズが650Å以下である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
5.前記4に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質を含む、全固体リチウムイオン電池用正極。
6.前記5に記載の全固体リチウムイオン電池用正極及び負極を含む、全固体リチウムイオン電池。
7.下記式(2)に示す組成で表されるリチウムイオン電池用正極活物質の前駆体を準備する工程と、
Ni
b
Co
c
Mn
d
(OH)
2
(2)
(前記式(2)中、0.58≦b≦0.62、0.18≦c≦0.22、及び、b+c+d=1である。)
50%累積体積粒度D50が1μm以下である、Zrの酸化物、Taの酸化物及びWの酸化物から選ばれる少なくとも1種を前記リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体に湿式で混合して混合物を得る工程と、
前記混合物をリチウム源と乾式で混合し、820℃以上で4時間以上焼成する工程と、
を含む、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
8.前記Zrの酸化物、Taの酸化物及びWの酸化物は、前記D50が0.3~1.0μmである、前記7に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
9.前記混合物を焼成する工程において、前記混合物をリチウム源と乾式で混合し、820~860℃で6~12時間焼成する、前記7または8に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
10.前記7~9のいずれかに記載の方法で製造されたリチウムイオン電池用正極活物質を準備する工程と、
前記リチウムイオン電池用正極活物質の正極活物質粒子表面に、LiとNbとを含む水溶液を用いて、転動流動層装置によって、LiとNbとの酸化物からなる被覆層を形成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
11.前記LiとNbとを含む水溶液が、(1)リチウム源として水酸化リチウム一水和物、炭酸リチウム及び硝酸リチウムのいずれか一種、(2)ニオブ源として水酸化ニオブ、蓚酸ニオブ及び蓚酸ニオブアンモニウムのいずれか一種、及び、(3)純水、過酸化水素水及びアンモニア水のいずれか一種を含む水溶液である、前記10に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、良好な電池特性を有するリチウムイオン電池用正極活物質、それを用いたリチウムイオン電池用正極、リチウムイオン電池、及び、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することができる。また、良好な電池特性を有する全固体リチウムイオン電池用正極活物質、それを用いた全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、及び、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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