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公開番号2025091169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206262
出願日2023-12-06
発明の名称電圧調整装置
出願人東北電力株式会社,株式会社ダイヘン
代理人個人,個人
主分類H02J 3/18 20060101AFI20250611BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】タップの切り換えを抑制する電圧調整装置を提供する。
【解決手段】変電所を前段側とし負荷を後段側とする電力系統に多段に直列設置される複数の電圧調整装置のうちの後段の電圧調整装置100は、タップ切換器t1~t9付きの調整変圧器10と、調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器11と、タップ切換器を制御することにより、電力系統における交流電圧の電圧調整に関する処理を行う制御部とを備える。制御部は、負荷側の電圧である監視電圧を取得し、所定期間に取得した複数の監視電圧を移動平均処理することにより電圧平均値を算出し、算出した電圧平均値が、予め定められた基準電圧に応じた不感帯を逸脱した場合は、電圧調整に関する処理を行い、電圧調整に関する処理を行うにあたり、現時点の監視電圧が不感帯内に収まる場合は、タップの切り換えを抑制する切換抑制処理を行う。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
変電所を前段側とし負荷を後段側とする電力系統に多段に直列設置される複数の電圧調整装置のうちのいずれかの電圧調整装置であって、
タップ付きの調整変圧器と、
前記調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器と、
前記タップ切換器を制御することにより、前記電力系統における交流電圧の電圧調整に関する処理を行う制御部とを備え、
前記制御部は、
前記負荷側の電圧である監視電圧を取得し、
所定期間にて取得した複数の監視電圧を移動平均処理することにより、電圧平均値を算出し、
算出した電圧平均値が、予め定められた基準電圧に応じた不感帯を逸脱した際、電圧調整に関する処理を行い、
電圧調整に関する処理を行うにあたり、現時点の監視電圧が不感帯内に収まる場合は、タップの切り換えを抑制する切換抑制処理を行う
電圧調整装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記制御部は、
前記変電所側に設置される他の電圧調整装置によるタップの切り換えが行われた際、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近い場合、電圧平均値を補正し、
補正した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うことにより、前記切換抑制処理を行う
請求項1に記載の電圧調整装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記変電所側に設置される他の電圧調整装置によるタップの切り換えが行われた際、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近い場合、前記他の電圧調整装置によるタップの切り換え時点を起算点とした所定期間にて、電圧平均値を再計算し、
再計算した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うことにより、前記切換抑制処理を行う
請求項1に記載の電圧調整装置。
【請求項4】
前記制御部は、
電圧平均値が不感帯を逸脱した場合であっても、現時点の監視電圧が不感帯内に収まっている間は、前記タップ切換器によるタップの切り換えを行うことなく、電圧平均値を算出する処理を継続することにより、前記切換抑制処理を行う
請求項1に記載の電圧調整装置。
【請求項5】
前記制御部は、
電圧平均値が不感帯を逸脱した場合であっても、現時点の監視電圧が不感帯内に収まっている場合は、電圧平均値を補正し、
補正した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うことにより、前記切換抑制処理を行う
請求項1に記載の電圧調整装置。
【請求項6】
前記多段に直列設置される複数の電圧調整装置のうち、最後段に位置する電圧調整装置である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電圧調整装置。
【請求項7】
前記多段に直列設置される複数の電圧調整装置は、前記いずれかの電圧調整装置と、前記いずれかの電圧調整装置以外となる他の電圧調整装置とを含み、
前記他の電圧調整装置も、前記いずれかの電圧調整装置と同様に前記切換抑制処理を行う
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電圧調整装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧調整装置に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
配電経路にタップ切換式の自動電圧調整装置を設置し、自動電圧調整装置は、通常は二次側の電圧を検出してこれを目標値に近づけるようにタップ切換を行って二次側の電圧調整を行う配電系統の電圧調整方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-22050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された自動電圧調整装置は、所定期間にて取得した複数の監視電圧を移動平均処理することにより算出した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うにあたり、現時点の監視電圧が不感帯内に収まる場合は、タップの切り換えを抑制する点について考慮されていない。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定期間にて取得した複数の監視電圧を移動平均処理することにより算出した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うにあたり、タップの切り換えを抑制することが可能な電圧調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電圧調整装置は、変電所を前段側とし負荷を後段側とする電力系統に多段に直列設置される複数の電圧調整装置のうちのいずれかの電圧調整装置であって、タップ付きの調整変圧器と、前記調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器と、前記タップ切換器を制御することにより、前記電力系統における交流電圧の電圧調整に関する処理を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記負荷側の電圧である監視電圧を取得し、所定期間にて取得した複数の監視電圧を移動平均処理することにより、電圧平均値を算出し、算出した電圧平均値が、予め定められた基準電圧に応じた不感帯を逸脱した際、電圧調整に関する処理を行い、電圧調整に関する処理を行うにあたり、現時点の監視電圧が不感帯内に収まる場合は、タップの切り換えを抑制する切換抑制処理を行う。
【0007】
本態様にあたっては、変電所を電源とする電力系統の配電線には、2つ以上の電圧調整装置が直列に設置されることにより、複数の電圧調整装置による多段設置系統が構成される。これら多段設置系統を成す2つ以上の電圧調整装置は、変電所側に位置する前段の電圧調整装置(前段側に設置される電圧調整装置)と、当該前段の電圧調整装置よりも負荷側(電力系統からの交流電力が供給される負荷の側)に位置する後段の電圧調整装置(後段側に設置される電圧調整装置)とを含む。すなわち、後段の電圧調整装置(後段側に設置される電圧調整装置)は、電力系統に多段に直列設置される複数の電圧調整装置のうちのいずれかの電圧調整装置に相当する。ただし、当該いずれかの電圧調整装置は、後段の電圧調整装置に限定されものでなく、例えば、最前段の電圧調整装置等、前段の電圧調整装置(前段側に設置される電圧調整装置)であってもよい。以降、本実施形態における例示において、いずれかの電圧調整装置は、後段の電圧調整装置であるとして説明する。後段の電圧調整装置(後段側に設置される電圧調整装置)は、例えば、SVRである。前段の電圧調整装置(前段側に設置される電圧調整装置)は、例えば、SVR、TVR、又はLRTである。後段側に設置される電圧調整装置(後段の電圧調整装置)は、自装置における二次側の電圧を監視電圧として周期的に取得(検出)し、所定期間において連続して取得した複数の監視電圧の平均値を継続的に算出することにより、当該監視電圧に対する移動平均処理を行う。後段の電圧調整装置(SVR)は、移動平均処理を行うことにより算出した電圧平均値が、予め定められた基準電圧に応じた不感帯に収まっているか否か(不感帯内であるか否か)を当該電圧平均値の算出都度行い、電圧平均値が不感帯を逸脱した場合、タップ切換器を制御することによりタップを切り換えて変圧比を調整し、監視電圧が基準電圧に近接するように電圧調整を行う。すなわち、電圧調整装置(SVR)の制御部は、このように周期的にサンプリング(例えば1秒周期にて10分における600点サンプリング)した複数の監視電圧値による電圧平均値(監視電圧の移動平均値)を用いることにより、急峻な電圧変動を除去する移動平均フィルタとして、機能する。これにより、平均化されることにより平滑化された監視電圧(電圧平均値)による動作判定(移動平均方式によるタップ動作)を行うため、例えば、不感帯逸脱時間が整定した時限を超えた場合にタップ動作(タップ切換)を行う定限時制御方式にてタップ切り換えを制御する場合と比較して、タップ切換頻度を減少させることができる。このように移動平均方式を用いた電圧調整装置(SVR)であっても、自装置よりも変電所側に設置される電圧調整装置(前段の電圧調整装置)による動作の影響により、タップ切換の回数が増加することが懸念される場合がある。当該前段の電圧調整装置による動作は、例えば、電圧再調整動作、又は不感帯内でのタップ切換動作を含む。これに対し、後段の電圧調整装置は、電圧平均値が基準電圧に応じた不感帯を逸脱した場合であっても、現時点の監視電圧が不感帯内に収まる場合は、タップの切り換えを抑制する切換抑制処理を行うため、タップの切換動作が過度に行われることを抑制し、タップ切換頻度を低減(タップ切換回数を減少)することができる。
【0008】
本開示の一態様に係る電圧調整装置は、前記制御部は、前記変電所側に設置される他の電圧調整装置によるタップの切り換えが行われた際、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近い場合、電圧平均値を補正し、補正した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うことにより、前記切換抑制処理を行う。
【0009】
本態様にあたっては、電圧調整装置の制御部は、例えば、二次側である監視電圧の電圧変動を検知し、当該検知結果に基づき、変電所側に設置される他の電圧調整装置(前段の電圧調整装置)によるタップの切り換えが行われたと判定する。すなわち、電圧調整装置の制御部は、所定の処理単位時間(例えば1秒以内、タップ切換の所要時間)における監視電圧(二次側電圧)の変動量(電圧変動)が、他の電圧調整装置(前段の電圧調整装置)におけるタップ電圧幅(1タップ分のステップ電圧:100V)に相当(100Vの±30%に該当)する場合、変電所側に位置する他の電圧調整装置によるタップの切り換え(タップ動作)が行われたと判定する。電圧調整装置の制御部は、このように自装置よりも変電所側に位置する電圧調整装置によるタップの切り換えを検知した際、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近いか否かを判定する。すなわち、電圧調整装置の制御部は、基準電圧と現時点の監視電圧との差分の絶対値(監視電圧差分絶対値)と、基準電圧と現時点の電圧平均値との差分の絶対値(電圧平均値差分絶対値)とを算出し、算出したこれら2つの絶対値を比較することにより、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近いか否かを判定する。電圧調整装置の制御部は、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近い(監視電圧差分絶対値<電圧平均値差分絶対値)と判定した場合、電圧平均値を補正することにより、切換抑制処理を行う。電圧調整装置の制御部は、電圧平均値を補正するにあたり、電圧平均値を現時点における監視電圧又は基準電圧に置換するものであってもよい。これにより、補正された電圧平均値は、補正前の電圧平均値よりも、基準電圧に近い値となるため、以降、当該補正された電圧平均値を用いることにより、タップの切換動作が過度に行われることを効率的に抑制することができる。又は、電圧調整装置の制御部は、電圧平均値を補正するにあたり、電圧平均値に対し、一定の値である(例えば、タップ電圧幅(100V)の±30%:70から130Vのいずれかの任意の値)補正値を加算又は減算することにより、補正後の電圧平均値を、補正前の電圧平均値よりも、基準電圧値に近づけるものであってもよい。電圧調整装置の制御部は、変電所側に位置する電圧調整装置(前段の電圧調整装置)によるタップの切り換えを検知するにあたり、検出した監視電圧の変動量が正の値である場合、当該前段の電圧調整装置は、昇圧タップ切換を行ったと判定し、電圧平均値に対し補正値を加算するものであってもよい。電圧調整装置の制御部は、変電所側に位置する電圧調整装置(前段の電圧調整装置)によるタップの切り換えを検知するにあたり、検出した監視電圧の変動量が負の値である場合、当該前段の電圧調整装置は、降圧タップ切換を行ったと判定し、電圧平均値に対し補正値を減算するものであってもよい。このように電圧調整装置の制御部は、変電所側に設置される他の電圧調整装置(前段の電圧調整装置)による動作に応じて、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近い場合、電圧平均値を補正することにより切換抑制処理を行うため、タップの切換動作が過度に行われることを抑制し、タップ切換頻度を低減(タップ切換回数を減少)することができる。
【0010】
本開示の一態様に係る電圧調整装置は、前記制御部は、前記変電所側に設置される他の電圧調整装置によるタップの切り換えが行われた際、現時点の監視電圧が電圧平均値よりも基準電圧に近い場合、前記他の電圧調整装置によるタップの切り換え時点を起算点とした所定期間にて、電圧平均値を再計算し、再計算した電圧平均値を用いて電圧調整に関する処理を行うことにより、前記切換抑制処理を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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