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公開番号2025111282
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005608
出願日2024-01-17
発明の名称カバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類H01M 10/52 20060101AFI20250723BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】硫化系ガスを好ましく吸着し得るガス吸着シートを提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態によるカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートは、耐熱性基材と、該耐熱性基材の少なくとも片側に配置されたガス吸着層とを含む、2次電池用ガス吸着シートと;該ガス吸着層の該耐熱性基材とは反対側に配置されたカバーフィルム;とを備え、該ガス吸着層が、バインダー樹脂と、細孔を有する無機多孔質材料から構成され、ガスを吸着し得るガス吸着粒子とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
耐熱性基材と、該耐熱性基材の少なくとも片側に配置されたガス吸着層とを含む、2次電池用ガス吸着シートと、
該ガス吸着層の該耐熱性基材とは反対側に配置されたカバーフィルムとを備え、
該ガス吸着層が、バインダー樹脂と、細孔を有する無機多孔質材料から構成され、ガスを吸着し得るガス吸着粒子とを含む、
カバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記耐熱性基材と前記ガス吸着層との間に、中間層をさらに備える、請求項1に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項3】
前記ガス吸着粒子が、銅、亜鉛、マンガン、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種類の金属塩と珪酸塩の複合体であり、
前記ガス吸着粒子の細孔容積は、好ましくは0.3ml/g~0.5ml/gである、
請求項1に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項4】
前記ガス吸着粒子が、シリコーンによる表面処理面を有する、請求項1に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項5】
前記シリコーンが、エトキシシラン基またはメトキシシラン基を有する、請求項4に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項6】
前記シリコーンが、エポキシ基またはアミノ基を含むシランカップリング剤である、請求項4に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項7】
前記シリコーンが、アルコキシシランまたはオルガノシラザン化合物である、請求項4に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項8】
前記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂である、請求項1に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項9】
前記バインダー樹脂が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を含み、
該(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数が4~12の直鎖状または分岐状のアルキル基を有する、請求項6に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
【請求項10】
前記バインダー樹脂が、ブチルゴム、イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンプロピレンゴムまたはシリコーン系樹脂である、請求項1に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー密度が高い二次電池として、全固体電池の検討が進められている。全固体電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないため、安全性に優れ、また、急速充電による電解質劣化が生じがたい、高温環境下で安定に動作するなど利点を有する。このような全固体電池においては、出力電流の観点から、硫化物系固体電解質を用いることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-187855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、硫化物系固体電解質を用いて構成された全固体電池においては、硫化物系固体電解質が水分と接触すると、硫化水素等の硫化物系のガスが発生してしまい、ガス漏れによる安全面で課題がある。本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、硫化系ガスを好ましく吸着し得るガス吸着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態によるカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートは、耐熱性基材と、該耐熱性基材の少なくとも片側に配置されたガス吸着層とを含む、2次電池用ガス吸着シートと;該ガス吸着層の該耐熱性基材とは反対側に配置されたカバーフィルム;とを備え、該ガス吸着層が、バインダー樹脂と、細孔を有する無機多孔質材料から構成され、ガスを吸着し得るガス吸着粒子とを含む。
[2]上記[1]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートは、上記耐熱性基材と上記ガス吸着層との間に配置された中間層をさらに備えていてもよい。
[3]上記[1]または[2]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートは、上記ガス吸着粒子が、銅、亜鉛、マンガン、コバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種類の金属塩と珪酸塩の複合体であり、上記ガス吸着粒子の細孔容積は、好ましくは0.3ml/g~0.5ml/gであってもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記ガス吸着粒子が、シリコーンによる表面処理面を有していてもよい。
[5]上記[4]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記シリコーンが、エトキシシラン基またはメトキシシラン基を有していてもよい。
[6]上記[4]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記シリコーンが、エポキシ基またはアミノ基を含むシランカップリング剤であってもよい。
[7]上記[4]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記シリコーンが、アルコキシシランまたはオルガノシラザン化合物であってもよい。
[8]上記[1]から[7]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂であってもよい。
[9]上記[7]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記バインダー樹脂が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を含み、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数が4~12の直鎖状または分岐状のアルキル基を有していてもよい。
[10]上記[1]から[9]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記バインダー樹脂が、ブチルゴム、イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンプロピレンゴムまたはシリコーン系樹脂であってもよい。
[11]上記[1]から[10]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記ガス吸着粒子の含有割合が、2次電池用ガス吸着シート100重量部に対して、10重量部~90重量部であってもよい。
[12]上記[1]から[11]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記耐熱性基材を構成する材料が、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリイミドまたはポリエーテルエーテルケトンであってもよい。
[13]上記[1]から[12]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記カバーフィルムが、基材と、該基材の少なくとも片側に配置された粘着剤層とを備えていてもよい。
[14]上記[13]に記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記粘着剤層が、ベースポリマーを含む粘着剤から形成され、有機酸モノマー由来の構成単位の含有割合が、該ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以下であってもよい。
[15]上記[1]から[14]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートにおいて、上記カバーフィルムが、剥離可能であってもよい。
[16]本発明の実施形態による全固体2次電池は、上記[1]から[15]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートを備える。
[17]本発明の実施形態による硫化物系固体電解質を使用する全固体2次電池は、上記[1]から[15]いずれかに記載のカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、硫化系ガスを好ましく吸着し得るガス吸着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による2次電池用ガス吸着シートの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.カバーフィルム付2次電池用ガス吸着シートの全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態によるカバーフィルム付2次電池用ガス吸着シート(以下、単にカバーフィルム付ガス吸着シートともいう)の概略断面図である。カバーフィルム付ガス吸着シート100は、耐熱性基材10と、耐熱性基材10の少なくとも片側に配置されたガス吸着層20とを含む2次電池用ガス吸着シート(以下、単に、ガス吸着シートともいう)110と、ガス吸着層20の耐熱性基材10とは反対側に配置されたカバーフィルム120と備える。ガス吸着層は、バインダー樹脂とガス吸着粒子とを含む。ガス吸着粒子は、細孔を有する無機多孔質材料から構成される。本明細書において、ガス吸着粒子とは、化学吸着の作用により硫化系ガスを吸着し得、ガス吸着性能発揮する粒子である。硫化系ガスとしては、硫化水素が例示される。1つの実施形態においては、上記ガス吸着シート110は、耐熱性基材10とガス吸着層20との間に、中間層30をさらに備える。中間層を形成することにより、ガス吸着層の脱落を防止することができる。また、1つの実施形態においては、カバーフィルム120は、基材41と、基材41の少なくとも片側に配置された粘着剤層51とを備える。粘着剤層51は、ガス吸着層20と対向するようにして積層され得る。カバーフィルム付ガス吸着シートおよびガス吸着シートは、本発明の効果が得られる限り、任意の適切なその他の層を備えていてもよい。例えば、ガス吸着シートの外側面一面または両面に配置された粘着剤層を備えていてもよい(図示せず)。
【0009】
本発明の実施形態によれば、ガス吸着粒子をバインダー樹脂に分散させて、ガス吸着粒子とバインダー樹脂とから構成されるガス吸着層を形成してシート化することにより、ハンドリング性よく種々の用途に適用し得るガス吸着シートを得ることができる。また、耐熱性基材を備えることにより、ハンドリング性向上の効果は、より顕著となる。さらに、基材として耐熱性基材を用いることにより、ガス吸着シート使用前に該ガス吸着シートを加熱すること(例えば、200℃で24時間の加熱)が可能となる。使用前に加熱することにより、ガス吸着粒子に付着した不要な物質を除去することができ、使用時においては、ガス吸着粒子の性能が十分に発揮され得る。
【0010】
上記ガス吸着シートは、例えば、全固体電池のガス吸着材として好適に使用され得る。上記ガス吸着シートは、微量な硫化系ガスであっても、吸収率よく吸収でき、かつ、再放出も少ない点で有利である。
(【0011】以降は省略されています)

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