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公開番号
2025118858
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2025081121,2024181962
出願日
2025-05-14,2024-05-28
発明の名称
(メタ)アクリル樹脂、ビヒクル組成物、スラリー組成物及び電子部品
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C08F
220/10 20060101AFI20250805BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、スラリー組成物の優れた低温分解性と、セラミックグリーンシートの高い強度とを両立でき、更なる薄膜化が可能なセラミック積層体を製造することができる(メタ)アクリル樹脂を提供する。また、該(メタ)アクリル樹脂を含むビヒクル組成物、スラリー組成物及び電子部品を提供する。
【解決手段】本発明は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を有し、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーA及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを含み、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーAが有するエステル置換基の炭素数をXとしたとき、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーBが有するエステル置換基の炭素数が4Xである、(メタ)アクリル樹脂である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を有し、
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーA及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを含み、
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーAが有するエステル置換基の炭素数をXとしたとき、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーBが有するエステル置換基の炭素数が4Xである、(メタ)アクリル樹脂。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーAに由来する構成単位の含有量に対する(メタ)アクリル酸エステルモノマーBに由来する構成単位の含有量の比(モノマーB/モノマーA)が3以上12以下である、請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂。
【請求項3】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーがメタクリル酸エステルモノマーである、請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル樹脂。
【請求項4】
酢酸ブチルに溶解させた樹脂溶液のTi値が1.5以上2.5以下である、請求項1、2又は3に記載の(メタ)アクリル樹脂。
【請求項5】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、エステル置換基の炭素数が互いに同じである分岐鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び直鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含む、請求項1、2、3又は4に記載の(メタ)アクリル樹脂。
【請求項6】
エステル置換基の炭素数が互いに同じである直鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位の含有量に対する分岐鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位の含有量の比(分岐鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー/直鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー(エステル置換基の炭素数が同じ))が0.5以上2.0以下である、請求項5に記載の(メタ)アクリル樹脂。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6に記載の(メタ)アクリル樹脂と有機溶剤とを含有する、ビヒクル組成物。
【請求項8】
更に水を含有し、前記水の含有量が10重量ppm以上12000重量ppm以下である、請求項7に記載のビヒクル組成物。
【請求項9】
請求項7に記載のビヒクル組成物と無機粒子と分散剤とを含有する、スラリー組成物。
【請求項10】
請求項8に記載のビヒクル組成物と無機粒子と分散剤とを含有する、スラリー組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル樹脂に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極とが交互に複数積層された積層体と、積層体を挟持するように設けられた一対の外部電極とを備えた構造が知られている。外部電極は、上記積層体の表面上に外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼結することによって形成されている。
【0003】
近年、セラミック焼成にかかるエネルギー削減のためにバインダー樹脂を除去する脱脂工程を低温化することが求められている。また、セラミック部品を軽量化、高性能化する要求が高まっており、製造過程においてセラミックグリーンシートを薄膜化し、より多層化することが求められている。
【0004】
このようなセラミック成形用バインダー樹脂として、特許文献1には、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチルセルロース樹脂等を用いることが記載されており、特に、シートの薄層化のためにポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂を用いることが記載されている。
また、特許文献2には、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、水酸基を有するメタクリル酸エステルを所定の割合として共重合して得られるメタクリル酸エステル系共重合体が記載されている。また、このようなバインダー樹脂を用いることで良好な成形性や脱脂性を発揮できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-84433号公報
特開平10-167836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミックグリーンシートを薄膜化するためにはバインダー樹脂に充分な強度が必要となり、強度を高めるためには一般的には分子量を高める必要がある。しかしながら、分子量を高めた場合、無機粒子とバインダーとを分散させたスラリー組成物の粘度が高くなりすぎて無機粒子の分散性が悪化し、セラミックグリーンシートに異物が生じてしまい、強度低下の原因となる。特許文献1に記載されているようにポリビニルブチラール樹脂を用いることで薄膜化は可能なものの分解温度が高く低温で脱脂できないという問題がある。また、特許文献2に記載のようなメタクリル酸エステル系共重合体は低温で脱脂できるものの樹脂自体が脆く薄膜化できないという問題がある。このため、脱脂温度の低温化と薄膜化とを両立できるバインダー樹脂が求められている。
【0007】
本発明は、スラリー組成物の優れた低温分解性と、セラミックグリーンシートの高い強度とを両立でき、更なる薄膜化が可能なセラミック積層体を製造することができる(メタ)アクリル樹脂を提供することを目的とする。また、該(メタ)アクリル樹脂を含むビヒクル組成物、スラリー組成物及び電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示(1)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を有し、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーA及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを含み、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーAが有するエステル置換基の炭素数をXとしたとき、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーBが有するエステル置換基の炭素数が4Xである、(メタ)アクリル樹脂である。
本開示(2)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAに由来する構成単位の含有量に対する(メタ)アクリル酸エステルモノマーBに由来する構成単位の含有量の比(モノマーB/モノマーA)が3以上12以下である、本開示(1)の(メタ)アクリル樹脂である。
本開示(3)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーがメタクリル酸エステルモノマーである、本開示(1)又は(2)の(メタ)アクリル樹脂である。
本開示(4)は、酢酸ブチルに溶解させた樹脂溶液のTi値が1.5以上2.5以下である、本開示(1)~(3)の何れかとの任意の組み合わせの(メタ)アクリル樹脂である。
本開示(5)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、エステル置換基の炭素数が互いに同じである分岐鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び直鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含む、本開示(1)~(4)の何れかとの任意の組み合わせの(メタ)アクリル樹脂である。
本開示(6)は、エステル置換基の炭素数が互いに同じである直鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位の含有量に対する分岐鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位の含有量の比(分岐鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー/直鎖エステル置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー(エステル置換基の炭素数が同じ))が0.5以上2.0以下である、本開示(5)の(メタ)アクリル樹脂である。
本開示(7)は、本開示(1)~(6)の何れかの(メタ)アクリル樹脂と有機溶剤とを含有する、ビヒクル組成物である。
本開示(8)は、更に水を含有し、前記水の含有量が10重量ppm以上12000重量ppm以下である、本開示(7)のビヒクル組成物である。
本開示(9)は、本開示(7)のビヒクル組成物と無機粒子と分散剤とを含有する、スラリー組成物である。
本開示(10)は、本開示(8)のビヒクル組成物と無機粒子と分散剤とを含有する、スラリー組成物である。
本開示(11)は、本開示(9)のスラリー組成物を用いてなる、電子部品である。
本開示(12)は、本開示(10)のスラリー組成物を用いてなる、電子部品である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明者らは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAが有するエステル置換基の炭素数をXとしたとき、(メタ)アクリル酸エステルモノマーBが有するエステル置換基の炭素数が4Xとなる関係を満たす複数の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを組み合わせて用いることにより、優れた低温分解性を発揮し得るスラリー組成物が得られることを見出した。また、このような(メタ)アクリル樹脂を無機粒子分散用のバインダーとして用いた場合に高い強度のセラミックグリーンシートを得ることができ、更なる薄膜化が可能となることを見出した。また、このような(メタ)アクリル樹脂を用いることで優れた特性を有するセラミック積層体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
上記(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を有する。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーA及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーBを含む。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーAが有するエステル置換基の炭素数をXとしたとき、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーBが有するエステル置換基の炭素数が4Xである。
上記構成を有する(メタ)アクリル樹脂とすることで、焼結時の分解過程で6員環の炭素が形成されにくくなり焼結時の残渣を少なくすることができ、さらに低温分解性に優れたものとすることができる。また、(メタ)アクリル樹脂中の(メタ)アクリル酸エステルモノマーAに由来する部分はエステル置換基の分子鎖が短くファンデルワールス力が強く働き、(メタ)アクリル樹脂中の(メタ)アクリル酸エステルモノマーBに由来する部分はエステル置換基の分子鎖が長くファンデルワールス力が弱く働き、これらの2つの部分が混在することにより引張性能の良い成形品を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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