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公開番号2025125318
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-27
出願番号2024021292
出願日2024-02-15
発明の名称シリル化ポリシルセスキオキサン、その製造方法、及びその用途
出願人株式会社日本触媒
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08G 77/04 20060101AFI20250820BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】誘電率の低い硬化物を与えることができる、シリル化ポリシルセスキオキサンを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構成単位(A)と、下記一般式(2)で表される構成単位(B)とを含み、少なくとも1つのトリアルキルシリル基を有するシリル化ポリシルセスキオキサン。
[R1SiO1.5] (1)
(式(1)中、R1は、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
[R2R3SiO1.0] (2)
(式(2)中、R2及びR3は、同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表される構成単位(A)と、下記一般式(2)で表される構成単位(B)とを含み、少なくとも1つのトリアルキルシリル基を有する
ことを特徴とするシリル化ポリシルセスキオキサン。
[R

SiO
1.5
] (1)
(式(1)中、R

は、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
[R



SiO
1.0
] (2)
(式(2)中、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記シリル化ポリシルセスキオキサンにおけるトリアルキルシリル基の含有割合が、トリアルキルシリル基とケイ素原子に結合した水酸基との合計100モル%に対して、10モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
【請求項3】
前記構成単位(A)は、前記一般式(1)中のR

が炭素数3~10のアルキル基である構成単位(a1)と、該一般式(1)中のR

がアリール基である構成単位(a2)とを含むことを特徴とする請求項1に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
【請求項4】
前記シリル化ポリシルセスキオキサンは、ポリシルセスキオキサンのトリアルキルシリル化物であり、
該ポリシルセスキオキサンは、前記構成単位(a1)のアルキル基の炭素量が該ポリシルセスキオキサンの全炭素量100質量%に対して3質量%以上であることを特徴とする請求項3に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
【請求項5】
前記構成単位(A)の含有割合は、前記シリル化ポリシルセスキオキサンの全構成単位100モル%に対して、10モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
【請求項6】
請求項1に記載のシリル化ポリシルセスキオキサンを含むことを特徴とする光学材料。
【請求項7】
請求項1に記載のシリル化ポリシルセスキオキサンを含むことを特徴とする低誘電材料。
【請求項8】
シリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法であって、
ポリシルセスキオキサンをトリアルキルシリル化する工程を含み、
該ポリシルセスキオキサンは、下記一般式(1)で表される構成単位(A)と、下記一般式(2)で表される構成単位(B)とを含む
ことを特徴とするシリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法。
[R

SiO
1.5
] (1)
(式(1)中、R

は、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
[R



SiO
1.0
] (2)
(式(2)中、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
【請求項9】
前記トリアルキルシリル化する工程は、前記ポリシルセスキオキサンにトリアルキルシリル化剤を反応させることにより行われ、
該トリアルキルシリル化剤は、下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする請求項8に記載のシリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法。






Si-X (6)
(式(6)中、R

、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基を表す。Xは、水素原子、塩素原子、アルコキシ基、水酸基、又は、-NH-SiR
10

11

12
を表す。R
10
、R
11
及びR
12
は、同一又は異なって、アルキル基を表す。)
【請求項10】
前記トリアルキルシリル化剤は、ヘキサメチルジシラザンであることを特徴とする請求項9に記載のシリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリル化ポリシルセスキオキサン、その製造方法、及びその用途に関する。詳しくは、誘電率が低い硬化物を与えるシリル化ポリシルセスキオキサン、その製造方法、及びその用途に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の通信機器、サーバー等のネットワーク関連、コンピュータ等の電子機器等の電気・電子デバイスにおいては、高周波数化が進み、これらの電気・電子デバイスに用いられる材料には、その対応が求められる。なかでも、これらの電気・電子デバイスに用いられる絶縁膜には、伝送損失低減の観点から、誘電率が低い材料が使用されているが、高周波数化に伴い誘電率がより一層低い材料が要求されている。また、絶縁膜には、電気・電子デバイスの製造過程や使用時において耐熱性が必要とされる。さらに需要が急速に拡大しつつある、フレキシブルディスプレイ等のフレキシブルデバイスでは、絶縁膜に対しても引張や曲げ等の変形に対する強度、例えば、伸度が大きい材料が求められる。従来、このような電気・電子デバイス用の絶縁膜材料として、ポリイミド系材料等が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-130281号公報
特開2008-195966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される積層ポリイミドフィルムは、実際、測定周波数1MHzにおける誘電率が3.5程度、最も低い例で3.45のものしか示されていない。近年、高周波数化に伴い、誘電率がより一層低い材料が求められているが、特許文献1の積層ポリイミドフィルムは、その要求を未だ十分満足できるものではない。特許文献2には、特定のポリイミド樹脂を用いた熱硬化性ポリイミド樹脂組成物からなる硬化塗膜の物性が第3表等に示されているが、破断伸度が小さく、柔軟性が十分とは言い難い。このように、電機・電子デバイスにおける高周波数化、フレキシブル化に対応できる絶縁膜に求められる、高周波領域における誘電率及び伸度のいずれをも満足し得る材料は未だ知られていない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、誘電率が低く、伸度が大きく柔軟性に優れた硬化物を与えることができる、シリル化ポリシルセスキオキサンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、低誘電材料について種々検討したところ、特定の構成単位を含み、少なくとも一つのトリアルキルシリル基を有するポリシルセスキオキサンとすることにより、誘電率の低い硬化物を与えることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の態様を含む。
<1>下記一般式(1)で表される構成単位(A)と、下記一般式(2)で表される構成単位(B)とを含み、少なくとも1つのトリアルキルシリル基を有することを特徴とするシリル化ポリシルセスキオキサン。
[R

SiO
1.5
] (1)
(式(1)中、R

は、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
[R



SiO
1.0
] (2)
(式(2)中、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
<2>上記シリル化ポリシルセスキオキサンにおけるトリアルキルシリル基の含有割合が、トリアルキルシリル基とケイ素原子に結合した水酸基との合計100モル%に対して、10モル%以上であることを特徴とする上記<1>に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
<3>上記構成単位(A)は、上記一般式(1)中のR

が炭素数3~10のアルキル基である構成単位(a1)と、該一般式(1)中のR

がアリール基である構成単位(a2)とを含むことを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
<4>上記シリル化ポリシルセスキオキサンは、ポリシルセスキオキサンのトリアルキルシリル化物であり、該ポリシルセスキオキサンは、上記構成単位(a1)のアルキル基の炭素量が該ポリシルセスキオキサンの全炭素量100質量%に対して3質量%以上であることを特徴とする上記<3>に記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
<5>上記構成単位(A)の含有割合は、上記シリル化ポリシルセスキオキサンの全構成単位100モル%に対して、10モル%以上であることを特徴とする上記<1>~<4>のいずれかに記載のシリル化ポリシルセスキオキサン。
<6>上記<1>~<5>のいずれかに記載のシリル化ポリシルセスキオキサンを含むことを特徴とする光学材料。
<7>上記<1>~<5>のいずれかに記載のシリル化ポリシルセスキオキサンを含むことを特徴とする低誘電材料。
<8>シリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法であって、ポリシルセスキオキサンをトリアルキルシリル化する工程を含み、該ポリシルセスキオキサンは、下記一般式(1)で表される構成単位(A)と、下記一般式(2)で表される構成単位(B)とを含むことを特徴とするシリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法。
[R

SiO
1.5
] (1)
(式(1)中、R

は、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
[R



SiO
1.0
] (2)
(式(2)中、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
<9>上記トリアルキルシリル化する工程は、上記ポリシルセスキオキサンにトリアルキルシリル化剤を反応させることにより行われ、上記トリアルキルシリル化剤は、下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする上記<8>に記載のシリル化ポリシルセスキオキサンの製造方法。






Si-X (6)
(式(6)中、R

、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基を表す。Xは、水素原子、塩素原子、アルコキシ基、水酸基、又は、-NH-SiR
10

11

12
を表す。R
10
、R
11
及びR
12
は、同一又は異なって、アルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明のシリル化ポリシルセスキオキサンは、誘電率が低く、柔軟性に優れた硬化物を与えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明を詳述する。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
【0010】
1.シリル化ポリシルセスキオキサン
本発明のシリル化ポリシルセスキオキサンは、下記一般式(1)で表される構成単位(A)と、下記一般式(2)で表される構成単位(B)とを含み、少なくとも1つのトリアルキルシリル基を有することを特徴とする。
[R

SiO
1.5
] (1)
(式(1)中、R

は、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
[R



SiO
1.0
] (2)
(式(2)中、R

及びR

は、同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又は、3-(メタ)アクリロキシプロピル基を表す。)
(【0011】以降は省略されています)

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