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公開番号2025131524
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2025020240
出願日2025-02-10
発明の名称情報の非対称性を緩和するエネルギー管理システムおよび方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人クシブチ国際特許事務所
主分類G06Q 50/06 20240101AFI20250902BHJP(計算;計数)
要約【課題】異なる層間の情報の非対称性を緩和する階層的なエネルギー管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】エネルギー管理システムは、エネルギー管理システムの集約情報に基づき、各サブシステムのエネルギー予算及び目標値を決定するステップと、決定したエネルギー予算目標値に基づき、要求される追加のエネルギー予算を決定するステップと、目標値についてのエネルギー予算と要求される追加のエネルギー予算との合計と比較したエネルギー予算に基づいて、各サブシステムの性能損失をさらに予測するステップと、各サブシステムの要求される追加のエネルギー予算と予測される性能損失とに基づき、各サブシステムの承諾される追加のエネルギー予算を決定するステップと、追加のエネルギー予算に基づき、エネルギー予算計画を生成するステップと、各サブシステムのエネルギー予算計画に基づき、エネルギー管理システムを制御するステップと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つのサブシステムを備えるエネルギー管理システム(20)のためのコンピュータ実装方法であって、
アグリゲータモジュールにより、前記エネルギー管理システム(20)の集約情報に基づいて、各サブシステムのエネルギー予算および少なくとも1つの目標値を決定するステップ(S1)と、
各サブシステムに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー・ディストリビュータ・モジュールにより、関連付けられた前記サブシステムの固有の情報に基づいて、それぞれの前記決定されたエネルギー予算および前記少なくとも1つの目標値に基づき、要求される追加のエネルギー予算を決定するステップ(S2)であって、各サブシステムは、個々のエネルギー・ディストリビュータ・モジュールに関連付けられている、ステップ(S2)と、
各エネルギー・ディストリビュータ・モジュールにより、前記少なくとも1つの目標値についての前記エネルギー予算と、前記要求される追加のエネルギー予算との合計と比較した前記エネルギー予算に基づいて、前記アグリゲータモジュールがそれぞれの前記要求される追加のエネルギー予算を承諾しない場合の各サブシステムの性能損失を予測するステップ(S3)と、
各エネルギー・ディストリビュータ・モジュールにより、前記要求される追加のエネルギー予算および性能損失を前記アグリゲータモジュールに通信するステップ(S4)と、
前記アグリゲータモジュールにより、各サブシステムの前記要求される追加のエネルギー予算と、前記予測される性能損失とに基づいて、各サブシステムの承諾される追加のエネルギー予算を決定するステップ(S5)と、
前記アグリゲータモジュールにより、各サブシステムの決定された前記承諾される追加のエネルギー予算に基づいて、エネルギー予算計画を生成するステップ(S6)と、
各サブシステムの前記エネルギー予算計画に基づいて前記エネルギー管理システム(20)を制御するステップ(S7)と、を含むコンピュータ実装方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記アグリゲータモジュールにより、前記エネルギー管理システム(20)に関する集約された金銭的費用、温度目標値、および充電充足レベルの少なくとも1つに基づいて計算される指標を最適化することにより、各サブシステムの前記エネルギー予算および前記少なくとも1つの目標値を決定するステップ(S1)を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
訓練段階に訓練データを使用して機械学習によって訓練されたモデルに基づいて、建物に作用する集約された熱外乱を推定するステップと、
前記アグリゲータモジュールにより、前記集約された熱外乱にさらに基づいて、各サブシステムの前記エネルギー予算および前記少なくとも1つの目標値を決定するステップ(S1)と、を含む、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記アグリゲータモジュールにより各サブシステムの前記エネルギー予算および前記少なくとも1つの目標値を決定する前記ステップ(S1)において、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する、または熱エネルギーを電気エネルギーに変換するステップを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記アグリゲータモジュールにより、最適制御問題、特に
TIFF
2025131524000098.tif
17
149
に従う複数の費用関数に関する最適制御問題を解くことにより、各サブシステムの前記エネルギー予算および前記少なくとも1つの目標値を決定するステップ(S1)を含み、
kは離散的な時間ステップ、w
costs
、w
comf
、およびw
sat
は、前記費用関数の重み、J
costs
は金銭的費用の前記費用関数、J
comf
は熱的快適性費用の前記費用関数、J
sat
は充足費用の前記費用関数である、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記アグリゲータモジュールにより、前記承諾される追加のエネルギー予算を、各サブシステムのそれぞれの前記要求される追加のエネルギー予算の割合nとして決定するステップ(S5)を含み、前記割合nが0以上1以下である、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
各エネルギー・ディストリビュータ・モジュールにより、各サブシステムの前記要求される追加のエネルギー予算を、前記サブシステムの前記少なくとも1つの目標値を達成するように、または前記サブシステムの最適な制御挙動を達成するように決定するステップ(S5)を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのエネルギー・ディストリビュータ・モジュールが、少なくとも1つの熱エネルギー・ディストリビュータ・モジュールであって、熱エネルギー予算を分配し、制御問題を解くことに基づいて目標とする追加の熱エネルギー予算を決定することにより、建物の個々の熱ゾーンの熱的挙動を制御する、少なくとも1つの熱エネルギー・ディストリビュータ・モジュールを含み、
前記制御問題を解くことが、前記個々の熱ゾーンの温度目標値からの加重二乗温度偏差の和を最小にすることを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの熱エネルギー・ディストリビュータ・モジュールが、前記個々の熱ゾーンの推定熱外乱を含む前記制御問題を解く、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱エネルギー・ディストリビュータ・モジュールが、訓練段階に訓練データで機械学習によって訓練されたモデルに基づいて前記熱外乱を推定する、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー管理システムおよびエネルギー管理システムのモデル予測制御の分野にある。詳細には、本開示は、エネルギー管理システム、およびそのエネルギー管理システムのための階層モデル予測制御を使用したコンピュータ実装方法を提示する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
階層的なシステム構造をもつエネルギー管理システム(energy management system:EMS)が一般に知られている。階層的なシステム構造は、2つのレベルまたは層、例えば、アグリゲータ層(アグリゲータモジュール、以下では短くアグリゲータと称する)と、エネルギーディストリビュータ層(ディストリビュータモジュール、エネルギー・ディストリビュータ・モジュール、以下では短くディストリビュータまたはエネルギーディストリビュータと称する)を有することがある。例えば建物のエネルギー管理システムでは、アグリゲータ層が、例えば、暖房/冷房システムの一般的な周囲空気温度などのシステム(本例では建物)全体に影響する外乱を考慮に入れて、アグリゲータ層に知られている集約された視点に基づいて、建物インフラストラクチャシステムのエネルギー予算および目標値を決定する。アグリゲータ層は、例えば電気エネルギー予算と熱エネルギー予算を併せて含む、建物のすべての構成要素またはサブシステムのエネルギー予算および目標値を併せて決定する。ディストリビュータ層は複数のエネルギーディストリビュータを含むことがあり、各ディストリビュータは、システム全体、すなわち建物インフラストラクチャ、の個々のまたは独立した個別のサブシステムに関連付けられる。エネルギーディストリビュータは、アグリゲータの視点と比較して詳細な視点、例えばローカルな視点と、サブシステムの固有の情報ベースに基づいて、エネルギー予算を分配し、目標値を追跡する。サブシステム同士は、サブシステムの異なる動的特性に関する異なる時間領域によって、または建物インフラストラクチャシステムの特定の構成要素のみを考慮することにより、互いから区別されてもよい。異なるサブシステムは、これらに限定されないが、サブシステム中のHVACシステムまたは電気車両充電ステーション(electric vehicle charging station:EVCS)を含み得る。
【0003】
しかし、エネルギーディストリビュータとアグリゲータの間には、通常、情報の非対称性が存在する。アグリゲータは、それほど詳細でないレベルでエネルギー予算を決定し、パラメータを集約し、多くの場合、建物のアグリゲータレベルで分からない、または許容できるリソースで制御問題を解決するためにアグリゲータが無視する詳細事項は考慮しない。
【0004】
そのため、アグリゲータによって導出されるエネルギー予算は、各サブシステムにとって、特定の建物インフラストラクチャシステムの目標とする目的を達成するのに十分でない可能性がある。この問題は、大幅に異なる技術的特性を有する複数のサブシステム、例えば、建物が有する1つのエネルギー管理システムにすべてが組み込まれており、電力網、熱エネルギーもしくは電気エネルギーを提供する局所的な再生エネルギー源、またはコジェネレーション(cogeneration)(電熱結合)システムを含む幅広い供給源からエネルギーを受け取る、電気車両充電システム、照明システム、HVACシステム、を考慮する場合により重大になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、階層的構造をもつエネルギー管理システムは、階層的なエネルギー管理システムの異なる層間の情報の非対称性に対処することにより改善の余地があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様のコンピュータ実装方法および第2の態様のエネルギー管理システムは、この問題および同様の問題の有利な解決法を提供する。従属請求項は、さらなる有利な実施形態を定める。
【0007】
第1の態様は、少なくとも1つのサブシステムを備えるエネルギー管理システムのためのコンピュータ実装方法であり、方法は、アグリゲータモジュールにより、エネルギー管理システムの集約情報に基づいて、各サブシステムのエネルギー予算および少なくとも1つの目標値を決定するステップを含む。少なくとも1つのサブシステムの各々に関連付けられた少なくとも1つのエネルギー・ディストリビュータ・モジュールが、それぞれの関連付けられたサブシステムの固有の情報に基づいて、それぞれの決定されたエネルギー予算および少なくとも1つの目標値に基づき、要求される追加のエネルギー予算を決定する。各サブシステムは、個々のエネルギー・ディストリビュータ・モジュールに関連付けられる。少なくとも1つのエネルギー・ディストリビュータ・モジュールは各々、少なくとも1つの目標値についてのエネルギー予算と要求される追加のエネルギー予算との合計と比較したエネルギー予算だけに基づいて、アグリゲータモジュールがそれぞれの要求される追加のエネルギー予算を承諾しない場合の関連付けられたサブシステムの性能損失を予測する。各エネルギー・ディストリビュータ・モジュールは、その要求される追加のエネルギー予算および性能損失をアグリゲータモジュールに通信する。アグリゲータモジュールは、各サブシステムの要求される追加のエネルギー予算と、予測される性能損失とに基づいて、各サブシステムの承諾される追加のエネルギー予算を決定する。アグリゲータモジュールは、各サブシステムの決定された承諾される追加のエネルギー予算に基づいて、エネルギー予算計画を生成する。エネルギー管理システムは、各サブシステムのエネルギー予算計画に基づいてエネルギー管理システムを制御する。
【0008】
サブシステムの性能損失は、要求される追加のエネルギー予算の分だけ増加したエネルギー予算をサブシステムに提供した場合のサブシステムの性能と、エネルギー予算だけをサブシステムに提供した場合のサブシステムの性能との間の、サブシステムの性能の差として求めることができる。したがって、性能損失は、サブシステムの性能の差であり、サブシステムの性能の単位で測定される。サブシステムの2つの具体例である熱サブシステムおよびEV充電サブシステムが、それぞれの性能と共に、実施形態と併せてさらに詳細に説明される。性能損失は、要求される追加のエネルギー予算を承諾しないことの費用に対応する。
【0009】
本発明の方法は、アグリゲータモジュール(アグリゲータ)とエネルギー・ディストリビュータ・モジュール(ディストリビュータ)の間、したがってエネルギー管理システムの層の間に、集約情報の通信を導入する。アグリゲータモジュールは、各サブシステムのエネルギー予算および少なくとも1つの目標値を決定し、エネルギー・ディストリビュータ・モジュールに提供する。エネルギーディストリビュータは、アグリゲータがそれぞれの要求される追加のエネルギー予算を承諾しない場合の個々の要求される追加のエネルギー予算およびそれぞれの性能損失を決定し、アグリゲータに提供する。アグリゲータとディストリビュータの間で通信される集約情報は、階層的なエネルギー管理システムの異なる層間に存在する情報の非対称性を克服するネゴシエーションを、好ましくは1回のみの反復で、実施することを可能にする。方法は、エネルギー管理システムのための階層的な手法から利益を得、個々の層を切り離して制御問題の制御策を決定することを可能にし、一方で、方法は、個々の層の間で同時に集約情報を交換し、各個々の層で集約情報を考慮することを追加する。したがって、層間の通信要件を大幅に増大させることなく、また、エネルギー管理システムの制御目標を達成するために解かなければならない制御問題の複雑性を増大させることなく、向上した制御性能が実現される。
【0010】
集約情報は、エネルギー管理システム全体に有効である情報を含むが、実際には、対応するサブシステムの固有の情報とは異なる可能性がある。例えば、建物の周囲空気温度は、建物の特定の熱ゾーンの特定の(例えば局所的な)周囲空気温度とは異なる可能性がある。人間にとっての適度な温度として関連する21℃の一般的温度は、工作場を含む熱ゾーンでは異なる可能性があり、工作場には19℃の固有の温度がより適する可能性があり、オフィス環境は、23℃の固有の温度を有するときにより快適であるとみなされる可能性がある。コンピュータ実装方法は、例えば、例えばアグリゲータレベルで使用するための固有の情報を集約する際に生じたモデル化エラーに起因する、アグリゲータとディストリビュータの間の情報の不一致がもたらし得る問題を克服する。
(【0011】以降は省略されています)

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