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公開番号2025104516
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222375
出願日2023-12-28
発明の名称ペロブスカイト太陽電池
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類H10K 30/50 20230101AFI20250703BHJP()
要約【課題】カーボンを含む対向電極を有し、光電変換効率の低下が抑制されたペロブスカイト太陽電池を提供する。
【解決手段】ペロブスカイト太陽電池10は、ホール輸送層5に隣接配置され、少なくとも2つの電極層が積層された陽極電極62を有する。2つの電極層は、ホール輸送層5の側に位置する撥水性カーボンを含む撥水性電極層62aと、撥水性電極層62aを挟んでホール輸送層5と反対側に位置する水性カーボンを含む水性電極層62bとで構成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ホール輸送層に隣接配置され、少なくとも2つの電極層が積層された陽極電極を有するペロブスカイト太陽電池であって、
2つの前記電極層は、前記ホール輸送層の側に位置する撥水性カーボンを含む撥水性電極層と、当該撥水性電極層を挟んで前記ホール輸送層と反対側に位置する水性カーボンを含む水性電極層とで構成されているペロブスカイト太陽電池。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記撥水性電極層の接触角は90度以上である請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項3】
前記陽極電極の抵抗値は10Ω/sq以下である請求項1に記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項4】
前記水性電極層の厚さは、前記撥水性電極層の厚さよりも厚い請求項1から3のいずれか一項に記載のペロブスカイト太陽電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ペロブスカイト太陽電池に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
太陽電池は、シリコン系、化合物半導体、有機半導体などの素子を用いたものが一般的である。最近では、高い光捕集能に加え、薄膜化や低コスト化の可能なペロブスカイト太陽電池が注目されている。
【0003】
特許文献1には、光電極(特許文献1においては陰極)、発電層(特許文献1においては光電変換層)及び対向電極(特許文献1においては陽極)をこの順に有するペロブスカイト太陽電池(特許文献1においては太陽電池)が開示されている。該ペロブスカイト太陽電池において、発電層は、一般式R-M-X

(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含んでいる。さらに、このペロブスカイト太陽電池は、対向電極と発電層との間に、周期表6族~15族の金属を含む金属酸化物、金属窒化物及び金属酸窒化物、並びに、カーボンからなる群より選択された少なくとも1種からなる拡散防止層を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/056295号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたペロブスカイト太陽電池は、対向電極と発電層との間に拡散防止層を設けることにより、対向電極の金属材料が有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層内に拡散することを防止している。これにより、ペロブスカイト太陽電池に長期間に亘って電圧を印加しても光電変換効率が高い状態を維持することができる。しかし、特許文献1の比較例3及び比較例4に示されるように、カーボンからなる拡散防止層を対向電極として用いた場合には、光電変換効率が低下している。
【0006】
これは、例えば、対向電極として水性のカーボン液を塗布したときに見られる現象である。ホール輸送層に水性のカーボン液を塗布し乾燥させて対向電極を形成する場合、乾燥前にカーボン液がホール輸送層に浸入し、ホール輸送層の下地層であるペロブスカイト層に浸入してしまうからである。ペロブスカイト層は水分に弱いので、カーボン液が浸入すると光電変換効率が低下してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、カーボンを含む対向電極を有し、光電変換効率の低下が抑制されたペロブスカイト太陽電池が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るペロブスカイト太陽電池の1つの実施形態は、ホール輸送層に隣接配置され、少なくとも2つの電極層が積層された陽極電極を有するペロブスカイト太陽電池であって、2つの前記電極層は、前記ホール輸送層の側に位置する撥水性カーボンを含む撥水性電極層と、当該撥水性電極層を挟んで前記ホール輸送層と反対側に位置する水性カーボンを含む水性電極層とで構成されている。
【0009】
乾燥により撥水性電極層となる撥水性カーボンを含む溶液は、接触角が大きく濡れ性が低い。このため、ホール輸送層に撥水性カーボンを含む溶液を塗布して乾燥させて撥水性電極層を形成するときに溶液の溶媒がホール輸送層に浸入し難く、ペロブスカイト層にも浸入し難い。その結果、撥水性電極層を形成しても、ペロブスカイト太陽電池の光電変換効率が低下することは抑制される。
【0010】
一方、撥水性カーボンを含む撥水性電極層は抵抗値が大きい。そこで、本実施形態においては、撥水性電極層を挟んでホール輸送層と反対側に水性カーボンを含む水性電極層を形成し、撥水性電極層と水性電極層とで陽極電極を構成している。水性電極層は撥水性電極層と比べて抵抗値が低いものの、水性カーボンを含む溶液は撥水性カーボンを含む溶液に比べて接触角が小さく濡れ性が高い。しかし、水性カーボンを含む溶液は撥水性電極層の上に塗布するので、撥水性電極層により溶液がホール輸送層に浸入することが抑制される。このように、陽極電極を撥水性電極層と水性電極層とで構成することにより、低抵抗値の陽極電極を有し、且つ光電変換効率の低下が抑制されたペロブスカイト太陽電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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