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公開番号
2025116931
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-12
出願番号
2024011466
出願日
2024-01-30
発明の名称
積層鉄心、該積層鉄心の製造方法、および該積層鉄心を用いた回転電機
出願人
Astemo株式会社
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
H01F
27/24 20060101AFI20250804BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】電気絶縁材料として所望の耐熱性が確保できる酸化物系材料を用いながら、従来よりも少ない環境負荷で電気絶縁材料と軟磁性板との分離を可能にする積層鉄心およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る積層鉄心は、電気絶縁層を介して複数の軟磁性板が積層されており、前記電気絶縁層は、前記軟磁性板のA1変態点よりも低い温度の軟化点を有する無鉛ガラス組成物をマトリックスとする層であることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電気絶縁層を介して複数の軟磁性板が積層された積層鉄心であって、
前記電気絶縁層は、前記軟磁性板のA1変態点よりも低い温度の軟化点を有する無鉛ガラス組成物をマトリックスとする層であることを特徴とする積層鉄心。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の積層鉄心において、
前記無鉛ガラス組成物は、名目成分を酸化物で表したときに、
15モル%以上35モル%以下のV
2
O
5
と、5モル%以上30モル%以下のP
2
O
5
とを含み、前記V
2
O
5
と前記P
2
O
5
との合計が40モル%以上65モル%以下であり、
BaO、Sb
2
O
3
、WO
3
、ZnO、K
2
O、Fe
2
O
3
、TeO
2
、Ag
2
O、およびLi
2
Oからなる群のうちの二種以上を合計35モル%以上60モル%以下で含み、
残部が不可避不純物である、
ことを特徴とする積層鉄心。
【請求項3】
請求項2に記載の積層鉄心において、
前記電気絶縁層は、球状のスペーサ粒子を50体積%以下で含み、
前記スペーサ粒子は、SiO
2
、ZrO
2
、Al
2
O
3
、Nb
2
O
5
、ZrSiO
4
、Zr
2
(WO
4
)(PO
4
)
2
、2MgO・2Al
2
O
3
・5SiO
2
、3Al
2
O
3
・2SiO
2
、LiAlSiO
4
、SiO
2
-Na
2
O-CaO系ガラス、およびSiO
2
-B
2
O
3
-Na
2
O- Al
2
O
3
系ガラスからなる群のうちの一種以上である、
ことを特徴とする積層鉄心。
【請求項4】
請求項3に記載の積層鉄心において、
前記スペーサ粒子は、D90が10μm以下であることを特徴とする積層鉄心。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の積層鉄心において、
前記無鉛ガラス組成物の前記軟化点が500℃以下であることを特徴とする積層鉄心。
【請求項6】
鉄心を具備する回転電機であって、
前記鉄心が請求項5に記載の積層鉄心であることを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の積層鉄心の製造方法であって、
前記軟磁性板を用意する軟磁性板用意工程と、
前記電気絶縁層の元となるガラスペーストを用意するガラスペースト用意工程と、
前記軟磁性板の少なくとも一方の主表面に前記ガラスペーストを塗布して軟磁性複合前駆体を形成する軟磁性複合前駆体形成工程と、
前記軟磁性複合前駆体を複数枚積層して積層鉄心前駆体を形成する積層鉄心前駆体形成工程と、
前記積層鉄心前駆体に熱処理を施して前記電気絶縁層を形成すると共に当該電気絶縁層を介して前記軟磁性板同士を接合して前記積層鉄心を形成する積層鉄心形成工程と、
を有することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の積層鉄心の製造方法において、
前記ガラスペースト用意工程は、前記ガラスペーストの中に均一分散するようにスペーサ粒子を混合させるスペーサ粒子混合素工程を有することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の積層鉄心の製造方法において、
前記軟磁性複合前駆体形成工程は、前記軟磁性複合前駆体のガラスペースト塗布面に均一分布するようにスペーサ粒子を埋め込み配置するスペーサ粒子埋め込み配置素工程を有することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の積層鉄心の製造方法であって、
前記軟磁性板を用意する軟磁性板用意工程と、
前記電気絶縁層の元となるガラス含有シートを用意するガラス含有シート用意工程と、
前記ガラス含有シートと前記軟磁性板とを交互に積層して積層鉄心前駆体を形成する積層鉄心前駆体形成工程と、
前記積層鉄心前駆体に熱処理を施して前記電気絶縁層を形成すると共に当該電気絶縁層を介して前記軟磁性板同士を接合して前記積層鉄心を形成する積層鉄心形成工程と、
を有することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性材料を用いた鉄心の技術に関し、特に、軟磁性板を複数枚積層した積層鉄心、該積層鉄心の製造方法および該積層鉄心を用いた回転電機に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
地球環境保護の観点から、鉄心を利用する電気機械装置(例えば、回転電機や変圧器)の適用分野が近年拡大傾向にあり、それに伴って該電気機械装置に対する高出力化、高効率化および小型化の要求が強まっている。回転電機や変圧器の鉄心としては、電磁純鉄板や電磁鋼板などの軟磁性材料板(例えば、厚さ0.01~3 mm)を複数枚積層成形した積層鉄心が広く利用されており、高出力化・高効率化・小型化のための技術開発が種々行われている。
【0003】
回転電機を例にとると、高出力化のためには軟磁性材料の飽和磁束密度Bsを高めることが重要であり、高効率化のためには軟磁性材料の損失(鉄損Pi)を抑制することが重要である。鉄心のBsを高めるために、軟磁性材料の組成制御や微細組織制御が研究されている。Piはヒステリシス損失と渦電流損失との和であり、ヒステリシス損失の低減には保磁力Hcが小さいことが望ましく、渦電流損失の低減には高電気抵抗化や薄板化が有効である。高出力化および高効率化を上手くバランスさせることで小型化が検討されている。
【0004】
軟磁性材料の薄板化を適切に活用するためには、積層鉄心を構成する軟磁性板同士の電気絶縁/層間絶縁を確保することが重要である。電気絶縁/層間絶縁を確保する方法は、大別して、樹脂系接着剤を利用して軟磁性板同士を積層接着する方法と、酸化物系絶縁材料を軟磁性板表面に形成して積層する方法とがある。
【0005】
樹脂系接着剤を利用して軟磁性板同士を積層接着する方法は、電気絶縁/層間絶縁を確保しながら積層鉄心全体を一体的に固着できることから、得られた積層鉄心は、小型化に有利であり機械的振動に強いという利点がある。一方、積層鉄心に耐熱性が求められる場合は、使用した樹脂系接着剤の耐熱性によって全体の耐熱性が制約されるという弱点もある。
【0006】
酸化物系絶縁材料を軟磁性板表面に形成した軟磁性板としては、例えば次のような技術が提案されている。特許文献1(WO 2018/079845 A1)には、
鋼板と、前記鋼板の表面に形成された絶縁被膜と、を有し、
前記絶縁被膜は、リン酸金属塩とコロイド状シリカとを含有し、前記リン酸金属塩100質量部に対し、前記コロイド状シリカが20~150質量部であり、さらに、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、サイアロン、コージェライトのうちから選ばれた1種または2種以上の微粒子を、前記リン酸金属塩100質量部に対し、0.5~7質量部含有し、
前記微粒子の平均粒径が0.3~7.0μmであり、
前記リン酸金属塩の結晶化度が2~40%であり、
クロムを含有しない、ことを特徴とする方向性電磁鋼板、が教示されている。
【0007】
特許文献2(WO 2019/181945 A1)には、
所定の化学成分を有する珪素鋼板と、前記珪素鋼板の表面上に配されたグラス皮膜と、前記グラス皮膜の表面上に配された絶縁皮膜と、を有し、
前記グラス皮膜がMn含有酸化物を含む、ことを特徴とする一方向性電磁鋼板、が教示されている。
【0008】
特許文献1によると、クロムを含有しないにもかかわらず、密着性や耐食性が良好であり、かつ従来よりも格段に高い張力を鋼板に付与できる絶縁被膜を有する、磁気特性が良好な方向性電磁鋼板を提供できる、とされている。また、特許文献2によると、磁気特性を損なうことなく皮膜密着性に優れる一方向性電磁鋼板およびその製造方法を提供できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2018/079845号
国際公開第2019/181945号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一方、2015年に国連サミットで持続可能な開発目標が採択されており、工業製品において、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした従来の経済システムに代わる循環型社会(サーキュラーエコノミー、CE)の経済システムが求められるようになった。サーキュラーエコノミーでは、原材料調達や製品の設計・製造の段階から資源の回収や再利用を前提とする。言い換えると、資源の回収や再利用が容易となるように、原材料調達や製品の設計・製造を行うことが求められる。
(【0011】以降は省略されています)
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