TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025117771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012668
出願日2024-01-31
発明の名称銀粒子担持粒状生分解性プラスチック
出願人株式会社ジェネライツ
代理人弁理士法人友野国際特許事務所
主分類A01N 59/16 20060101AFI20250805BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】本発明は、抗菌機能と生分解機能を兼備した粒状樹脂、及び、それを用いた製品を提供することを目的とし、それを達成するための抗菌性を有する銀が付着した生分解性樹脂を生成する技術を創生することを課題とする。
【解決手段】本発明は、蒸着源として銀を、被蒸着体として粒状生分解性樹脂を用い、蒸着温度と連続して蒸着する蒸着時間とを制御して物理蒸着が行われ、銀からの蒸発物質が、粒状生分解性樹脂表面上へ間欠的に到達して、粒状生分解性樹脂表面上で銀ナノ粒子を生成することによって、銀ナノ粒子が、粒状生分解性樹脂表面上に適度な付着力で担持される銀ナノ粒子担持粒状生分解性樹脂を提供するものである。本発明は、抗菌機能と生分解機能とを有するので、循環型社会に対応する農林業土壌改良材や抗菌性生活必需品等に活用することができる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
物理蒸着が、蒸着源として銀を用い、被蒸着体として粒状ポリ乳酸を用い、蒸着雰囲気温度を40~100℃の範囲に制御すると同時に、連続して蒸着する蒸着時間を0.01~0.2secの範囲に制御して行われ、
前記銀からの蒸発物質が、前記粒状ポリ乳酸表面上へ間欠的に到達して、前記粒状ポリ乳酸表面上で銀ナノ粒子が生成し、前記銀ナノ粒子が、前記粒状ポリ乳酸表面上に適度な付着力で担持されていることを特徴とする抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチック。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
物理蒸着が、蒸着源として銀を用い、被蒸着体として粒状酢酸セルロースを用い、蒸着雰囲気温度を25~180℃の範囲に制御すると同時に、連続して蒸着する蒸着時間を0.05~0.2secの範囲に制御して行われ、
前記銀からの蒸発物質が、前記粒状酢酸セルロース表面上へ間欠的に到達して、前記粒状酢酸セルロース表面上で銀ナノ粒子が生成し、前記銀ナノ粒子が、前記粒状酢酸セルロース表面上に適度な付着力で担持されていることを特徴とする抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチック。
【請求項3】
物理蒸着が、蒸着源として銀を用い、被蒸着体として粒状ポリブチレンサクシネートを用い、蒸着雰囲気温度を25~60℃の範囲に制御すると同時に、連続して蒸着する蒸着時間を0.01~0.2secの範囲に制御して行われ、
前記銀からの蒸発物質が、前記粒状ポリブチレンサクシネート表面上へ間欠的に到達して、前記粒状ポリブチレンサクシネート表面上で銀ナノ粒子が生成し、前記銀ナノ粒子が、前記粒状ポリブチレンサクシネート表面上に適度な付着力で担持されていることを特徴とする抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチック。
【請求項4】
物理蒸着が、蒸着源として銀を用い、被蒸着体として粒状ポリグリコール酸を用い、蒸着雰囲気温度を25~180℃の範囲に制御すると同時に、連続して蒸着する蒸着時間を0.01~0.2secの範囲に制御して行われ、
前記銀からの蒸発物質が、前記粒状ポリグリコール酸表面上へ間欠的に到達して、前記粒状ポリグリコール酸表面上で銀ナノ粒子が生成し、前記銀ナノ粒子が、前記粒状ポリグリコール酸表面上に適度な付着力で担持されていることを特徴とする抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチック。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチックを用いたことを特徴とする土壌改良剤。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチックを用いたことを特徴とする農林業資材。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチックを用いたことを特徴とする抗菌衛生用品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性銀粒子を担持している抗菌機能を有する粒状生分解性プラスチック、及び、それを用いた抗菌性及び生分解性を兼備する抗菌製品に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
2015年9月25日、ニューヨーク・国連本部で開催された国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(SDGs,Sustainable Development Goals)を中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(非特許文献1)は、2016年から2030年までの国際社会共通の17目標が設定されており、いずれの目標も単独で成り立つものではなく、強い連携を必要とするが、特に、地球温暖化を防止し、地球規模で自然環境と社会環境が包摂された循環型社会を構築するための、環境と直接的な関りを持つ目標が多いことが特徴的である。日本は、世界的に視れば、目標達成度が低いと評価されているが、例えば、「持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割」(例えば、非特許文献2)に掲げたように、積極的に世界に貢献していく姿勢を示している。
【0003】
そのため、二酸化炭素排出量の削減による地球温暖化防止の報道に代表されるように、持続可能な世界の営みを実現するための地球環境保全に係る活動が、俄かに高まってきたような印象を受けるが、折り返し点である2023年を過ぎた今日においても、目標の達成には程遠い感は否めない。
【0004】
このような状況において、日常生活に不可欠であるが故に、4億トン/年・世界もの膨大なプラスチックが使用されているが、この膨大な廃棄物を効果的に処理する対策が未だ不明確である。生分解性に乏しい自然生態系に組込まれない人工的に合成された物質であるプラスチックは、プラスチックの種類毎に分別することが困難であり、酸化や光分解等による性能劣化があるため、その再利用化率が極めて低く、埋立て、焼却、投棄等によって処理せざるを得ない面があり、地球環境を破壊する大きな要因となっている(例えば、非特許文献3)。また、プラスチックは、化石資源を原料とした製品であり、二酸化炭素排出量とも密接な関係があり、解決すべき優先順位の高い課題である。日本では、ポリ袋の使用制限、ストロー、スプーン、フォーク等の紙代替、PET(ポリエチレンテレフタレート)の回収・再利用、海洋プラスチックの分解物であるマイクロプラスチック問題等の情報として触れることが日常茶飯事となっている。
【0005】
しかし、このプラスチックの問題に対する取り組みは古く、1960年代後半から、プラスチックを生分解して自然に還元する技術が検討され、PEやPP等の汎用プラスチックを微生物で分解する研究が始められている。これは、分解菌の探索の行き詰まりがあり断念され、自然生態系に適合する生分解性プラスチックの開発に移行した。その結果、2001年には、カーギル・ダウ社が,米国産トウモロコシデンプンを原料とするポリ乳酸(ポリラクチド、PLA)の大量生産工場(年産14万トン規模)を稼働させている(非特許文献4)。現在では、タイにおいて、サトウキビのデンプンを用いた大量生産工場が稼働している模様である(非特許文献5)。その後、微生物が生産するポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、石油を原料として合成されたポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、非可食性植物を原料としたポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、また、天然高分子を活用した酢酸セルロース、デンプンを各種ポリマーにブレンドしたデンプン系プラスチックも開発され、広く使用されているものもあるが、循環型社会形成という観点から、自然生態系に組込まれ得る、生物資源を原料として、原料が再生される生分解プラスチックに対する関心が高まっている(例えば、非特許文献4)。
【0006】
一方では、清潔で罹患しない快適な生活環境、すなわち、目に見えない真菌、細菌、及び、ウイルス等の病原体から保護され、悪臭もなく清浄な空気に囲まれた生活環境に対する要求が急速に高まってきた。それと呼応するように、1985年頃、安定性及び安全性に課題を有していた有機抗菌剤に対し、安定性及び安全性に優れた銀(Ag)を用いた無機抗菌剤の出現により、家庭・台所用品、食品容器・包材、衣料品、文具・おもちゃ、電気・電子製品、住宅・建材、及び、車両・航空機等に至るまで抗菌加工処理が施された抗菌用品の用途が拡大した(例えば、非特許文献6及び7)。更に、最近では、コロナウィルスの感染拡大が、このような傾向に拍車を掛けている。なお、「抗菌」という用語が、適正に理解されることがなく使用されてきたが、本明細書では、病原性の有無にかかわらず、真菌、細菌、及び、ウイルス等の微生物の滅菌、殺菌、消毒、除菌、静菌、制菌、防腐、防菌、及び、防黴等も含め、微生物による悪影響を防止する微生物制御機能という意味で、これらを総称して「抗菌」という用語を使用する。この定義に従い、本発明の抗菌性金属粒子担持生分解性ペレットは、微生物に対して、滅菌、殺菌、消毒、除菌、静菌、制菌、防腐、防菌、及び、防黴の少なくともいずれか一つの微生物制御機能を有する金属粒子が担持された生分解性プラスチックである。
【0007】
このように、プラスチック製品には二つの機能が求められ、生分解性と抗菌性とを両立するプラスチック製品の開発が古くから行われてきたが、生分解性と抗菌性との両立を阻害する要因があり、生分解性と抗菌性を十分に満足するプラスチック製品は開発されていないため、上記抗菌機能性汎用プラスチック製品のように、幅広く実用化されるには至っていない。しかし、SDGsの達成という世界的・社会的要請を真摯に受け止め、持続可能な循環型社会を形成し、衛生的で健康的な生活を実現するためには、生分解性と抗菌性とを兼備したプラスチック製品の開発が不可欠であると考えられる。
【0008】
ここで、生分解性と抗菌性とを兼備したプラスチック製品の実現を阻害する大きな要因として、生分解性プラスチックが、汎用されている非生分解性プラスチックと比較して、幅広い物性に対応できるだけの種類がないため、要求される物性を満足できる用途が限定的であり、生分解性プラスチックに最も望ましい生物資源を原料とした生分解性プラスチックに限定すると、PLAが生産されているに過ぎないということを挙げることができる。
【0009】
しかし、PLA、PHB、PBS、酢酸セルロース(CA)、デンプン系プラスチック、PCL、ポリビニルアルコール(PVA)、及び、ポリグリコール酸(PGA)等が生産されており、特に、PLA、CA、デンプン系プラスチックを中心にして、マルチフィルム、燻蒸フィルム、獣害対策忌避ネット等の農業・土木資材、食品容器、レジ袋、生ごみ収集袋等の食品包装資材、並びに、ストロー、カトラリー、箸、トレー等の食器等に用途が広がりつつある(例えば、非特許文献3~5)。
【0010】
従って、限定された生分解性プラスチックであっても、適切に抗菌機能が付与されることによって、抗菌機能を有する生分解性プラスチックの利用範囲が拡大するものと期待される。そこで、本発明は、生分解性プラスチックの物性よりも生分解プラスチックに付与される抗菌機能に着目し、抗菌性を生分解性プラスチックに付与する場合、また、抗菌性を備える生分解性プラスチックを利用する場合において、抗菌機能の効果的な発現及び活用を阻害する要因を克服した、生分解性と抗菌性とを兼備するプラスチック、及び、それを用いた生分解性と抗菌性を兼備するプラスチック製品の提供を目的とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
ルアー
13日前
個人
播種装置
10日前
個人
プランターセット
17日前
個人
養殖システム
5日前
個人
獣捕獲罠装置
20日前
個人
生命力近親交配方法
17日前
株式会社シマノ
釣竿
6日前
井関農機株式会社
作業車両
3日前
株式会社シマノ
釣竿
24日前
株式会社アテックス
草刈機
25日前
個人
ペット用オムツカバー
24日前
個人
漁業支援装置及び方法
11日前
ウエダ産業株式会社
切断装置
6日前
株式会社フルトン
水中捕捉装置
25日前
個人
落口枡用取付部材及び落口枡
14日前
鹿島建設株式会社
レインガーデン
14日前
個人
害虫捕獲、解放及び駆除装置
20日前
株式会社ササキコーポレーション
農作業機
12日前
OTIS株式会社
ルアー用スカート
10日前
株式会社和コーポレーション
肥料散布機
24日前
個人
ペット搬送用バッグの開放部カバー
25日前
株式会社クボタ
水田作業機
17日前
株式会社クボタ
圃場作業機
5日前
株式会社シマノ
ルアー
12日前
有限会社小阪組
切り株処理方法及び積層体
21日前
株式会社タカミヤ
台車用レール構造
11日前
株式会社シマノ
ルアー
25日前
株式会社Personal AI
反射光拡散装置
17日前
グローブライド株式会社
魚釣用リール
19日前
浙江家楽蜜園藝科技有限公司
水稲の栽培方法
25日前
第一精工株式会社
釣り糸の張力付与装置
18日前
トヨタ自動車株式会社
走行式草刈機
今日
株式会社やまぜん
簡易建物及び簡易建物の組立方法
17日前
日本ワイドクロス株式会社
農業用防虫ネット
24日前
三菱マヒンドラ農機株式会社
作業車両
24日前
日本製紙クレシア株式会社
ペット用吸収性物品
6日前
続きを見る