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公開番号2025118677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025068222,2023539804
出願日2025-04-17,2021-09-28
発明の名称リサイクル廃プラスチックから生成された熱分解油をバージンオレフィンおよび石油化学中間体に変換するための真の循環型ソリューションのための接触クラッキング方法
出願人ルーマス テクノロジー エルエルシー
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C10G 51/06 20060101AFI20250805BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】プラスチック廃棄物リサイクルに対する真の循環型ソリューションを提供する。
【解決手段】原材料を生成するためのおよび真の循環型ポリマーを生成するための方法およびシステム。該システムおよび方法は、プラスチック廃棄物熱分解油などの廃棄物由来炭化水素流を第1反応器システム内で触媒混合物で処理すること、および化石ベース原料を第2反応器システム内で触媒混合物で処理することを含んでいてもよい。触媒混合物は、第1および第2反応器システムのそれぞれに、共通の触媒再生器から供給されてもよい。化石ベース炭化水素生成物を含む排出液は、第2反応器システムから回収されてもよく、廃棄物由来炭化水素生成物を含む排出液は、第1反応器システムから回収されてもよい。分離後、第1および第2反応器システムのそれぞれからの使用済み触媒は、共通の触媒再生器に戻されてもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
真の循環型ポリマーを生成するための原材料を生成するための方法であって、
プラスチック廃棄物熱分解油を第1反応器システム内で触媒混合物で処理すること、
化石ベース原料を第2反応器システム内で上記触媒混合物で処理すること、
上記第1および第2反応器システムのそれぞれに、共通の触媒再生器から上記触媒混合物を供給すること、
上記第2反応器システムから、化石ベース炭化水素生成物を含む排出液を回収すること、
上記第1反応器システムから、廃棄物由来炭化水素生成物を含む排出液を回収すること、ならびに
上記第1および第2反応器システムのそれぞれから上記共通の触媒再生器に使用済み触媒を戻すこと
を含む方法。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
上記第2反応器システムから回収された上記廃棄物由来炭化水素生成物とは別にして、上記第1反応器システムから回収された上記化石ベース炭化水素生成物を維持することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記廃棄物由来炭化水素生成物から回収されたオレフィン留分を重合システムに供給して循環型ポリマーを生成することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プラスチック、タイヤまたは他のポリマー材料を含む廃棄物流を熱分解して、上記プラスチック廃棄物熱分解油を生成することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
上記廃棄物由来炭化水素生成物の1種もしくは複数種、または上記廃棄物由来炭化水素生成物の処理から得られる廃棄物由来モノマーを、重合プロセスに直接または間接的に供給して、循環型ポリマーを生成することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
プラスチック廃棄物を、プラスチックを生成するための原料に変換するための方法であって、
ポリマー廃棄物原料を熱分解してプラスチック廃棄物熱分解油を生成すること、
触媒再生器内で、第1触媒および第2触媒を含む触媒混合物を再生すること、
上記触媒混合物の一部分を第1反応器システムに供給すること、
上記触媒混合物の一部分を第2反応器システムに供給すること、
上記第1反応器システム内で、化石ベース原料を上記触媒混合物と接触させて、上記化石ベース原料の一部分をクラッキングすることにより、化石由来オレフィン、第1触媒および第2触媒を含む第1排出液を生成すること、
上記第2反応器システム内で、
上記プラスチック廃棄物熱分解油を反応器内で高濃度触媒混合物と接触させて、上記プラスチック廃棄物熱分解油の一部分をクラッキングすることであって、上記高濃度触媒混合物が、上記第2反応器システムに供給された上記触媒混合物の一部分および追加の第2触媒を含み、したがって上記第2反応器システム内の上記触媒混合物が、上記触媒再生器または上記第1反応器システム内よりも高い濃度の第2触媒を有し、また、上記接触が、廃棄物由来オレフィンおよび他の炭化水素、上記第1触媒ならびに上記第2触媒を含む第2反応器排出液を生成する、こと、
上記第2反応器排出液を分離して、上記第1触媒ならびに上記廃棄物由来オレフィンおよび他の炭化水素を含む第1流と、上記第2触媒を含む第2流とを生成すること、
上記第2流を上記追加の第2触媒として上記第2反応器に供給し、それによって上記第2反応器システム内で上記第2触媒を高濃度化すること、
上記第1排出液を分離して、(i)使用済み第1触媒および使用済み第2触媒の混合物と、(ii)上記化石由来オレフィンを含む第1反応器システム生成物流とを回収すること、
上記第1流を分離して、(i)使用済み第1触媒と、(ii)上記廃棄物由来オレフィンおよび他の廃棄物由来炭化水素を含む第2反応器システム生成物流とを回収すること、ならびに
(i)上記使用済み第1触媒および使用済み第2触媒の混合物と、(ii)上記使用済み第1触媒とのそれぞれを上記触媒再生器に供給すること
を含む、方法。
【請求項7】
上記第1触媒が、非晶質シリカアルミナ、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、ゼオライトベータ、ゼオライトMOR、モルデナイト、フォージャサイト、ナノ結晶質ゼオライトおよびMCMメソポーラス材料からなる群から選択される1種または複数種を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記第2触媒が、
中細孔ゼオライトおよびペンタシル系ゼオライトからなる群から選択される添加剤型クラッキング触媒もしくは添加剤型クラッキング触媒の混合物、または
MgO、CaO、CeO

、MgTiO

、CaTiO

、Li

Ti



およびZnTiO

、Ca/Mg、ホウ素、希土類ベース捕捉添加剤もしくは低塩素FCC触媒からなる群から選択される汚染物質捕捉添加剤もしくは汚染物質捕捉添加剤の混合物
の一方または両方を含む、請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記第1反応器システム生成物流を第1分留システムに供給して、上記第1反応器システム生成物流を分離することにより、2種以上の化石由来炭化水素留分を回収すること、および
上記第2反応器システム生成物流を第2分留システムに供給して、上記第2反応器システム生成物流を分離することにより、2種以上の廃棄物由来炭化水素留分を回収すること
をさらに含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
上記2種以上の廃棄物由来炭化水素留分のうち1種もしくは複数種、または上記2種以上の廃棄物由来炭化水素留分のうち1種もしく複数種の処理から得られたモノマーを、重合プロセスに直接または間接的に供給して、循環型ポリマーを生成することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、プラスチック廃棄物などの廃棄物材料をリサイクルすることに関する。より詳細には、本明細書の実施形態は、耐用年数を終えたプラスチック材料を、新しいプラスチック材料および組成物を生成するのに有用となり得るオレフィンおよび化学中間体に戻すための真の循環型ソリューションを提供するシステムおよび方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
プラスチック廃棄物の熱的熱分解は、使用済みプラスチックを価値ある分子に変換することによって、使用済みプラスチックから価値ある炭素および水素元素を再生するものであり、該価値ある分子は、新しい化学中間体にアップグレートすることができ、それらから全く新しい消費財に変換することができる。このプロセスは、使用後のプラスチックを新しい材料に繰り返しリサイクルできる可能性があるので、このプロセスを経て生成されたポリマーを循環型ポリマーと呼ぶ。これにより、埋め立て地および環境におけるプラスチック廃棄物が低減されることになり、等量の化石から生成された原料の消費が置き換わる。しかしながら、このリサイクル経路の経済的実現可能性に影響を及ぼすいくつかの因子がある。
【0003】
プラスチック廃棄物の熱分解に由来する液体油生成物は、液体スチームクラッキング装置に供給できない場合があったり、液体スチームクラッキング装置に供給する前に処理もしくはコンディショニングを必要とする場合があったりする。高レベルの窒素、塩素ならびにモノおよびジオレフィン、さらには鉄およびカルシウムなどの汚染物質は、スチームクラッキング炉に供給物として直接添加される前にさらなる検討または調節を必要とし得る。この原料をスチームクラッキング可能なものにするために、1つの可能性ある解決策として、最初にジオレフィンを飽和し、その後モノオレフィンを飽和してから、水素化処理するなどの、水素化処理ステップを必要とする場合がある。しかしながら、そのようなステップは、水素供給、多数の高圧反応器の付加、関連した投資(槽が利用可能ではない場合)、および運転コストを必要とする。
【0004】
そのような手法に対する別の選択肢として、従来のナフサ原料と混合してクラッキング装置に送ることにより、熱分解油の性質の負の影響を薄めることが考えられる。しかしながら、熱分解油のクラッキングから得られたオレフィンおよび石油化学中間体は、従来のナフサからのそれらと混ぜ合わせられることになり、最終オレフィン生成物に少量であるが寄与することになり、物質収支方法論に基づいて特定の循環含量を有するという証明が必要となる。しかしながら、新しい炭化水素供給物との希釈/混ぜ合わせは、過渡的解決策にすぎず、循環型プラスチック経済のための実現可能な長期にわたる解決策ではない。
【0005】
プラスチックリサイクルの実現可能性に影響する別の因子は、費用効果的チャネルを経て入手可能なプラスチック廃棄物原料の量が限られることである。インフラおよび物流の制限に起因して、リサイクルにアクセス可能なプラスチックの量は、各地理的位置で制限される。利用可能な現行のプラスチック熱分解プロセス技術のほとんどは、一列車当たり50T/日以下のプラスチックを処理するよう設計された。これは、スケールアップに対する制限だけではなく、プラスチック廃棄物の入手可能性によっても決められた。このスケールにおいて、これらのユニットの1つから生成された熱分解油は、年間13,000メトリックトンの量に等しいが、これが世界規模のナフサクラッキング装置に供給された場合、1つのスチームクラッキング加熱器への全供給のわずか2wt%を構成することになる。プラスチック廃棄物熱分解ユニット容量は、将来的には、1,000~2,000トン/日のプラスチック供給物の範囲のさらに大きいサイズに増大することが予想される。しかしながら、これらのより高い容量であっても、得られるナフサクラッキング装置への原料の寄与は、スチームクラッキング装置への全供給物の一部に過ぎないと考えられる。したがって、得られる生成物は、100%循環型ではないことになり、得られる生成物は、循環成分が非常に小さい割合となると考えられる。
【0006】
プラスチック廃棄物を獲得するコスト、および熱分解に適した原料へと選別しクリーニングするのに関連したコストも高い。多くの提案されたプロセスは、供給のばらつきおよび汚染物質の含量に対して柔軟ではなく、使用可能な原料を生成するために多量の選別およびクリーニングを必要とする。液体ナフサクラッキング装置への熱分解油原料の品質および汚染に関する問題に対処するために、多くの会社が、純粋なPEまたはPPなど、費用のかかるクリーンで純粋なリサイクルプラスチック原料を熱分解ユニットに使用するか、水素処理および水素化処理するか、または熱分解油をはるかに多くの量の化石由来ナフサとブレンドすることによる希釈効果を使用している。しかしながら、1日当たり約3,800バレルなどといったより大きな容量であっても、熱分解油を水素処理および水素化処理して、供給物を典型的なスチームクラッキングユニットに適したものにすることは、依然として不経済である場合がある。
【0007】
プラスチックリサイクルに影響するさらに他の因子は、プラスチック熱分解ユニットの設計処理能力が典型的には小さく、規模の経済の有利性が活用されず、必要とされる生成物の処理レベルのために、関連する運転および資本コストが高くなってしまうことである。送られる熱分解油生成物の量および品質、さらなる処理に必要とされる準備、ならびに既存の操作に対する影響は、既存の下流設備との一体化を難しくする。さらに、化石ベース生成物と混ぜ合わせた場合の熱分解生成物の販売からの収益は、処理コストと比較するとしばしば好ましくなく、様々なプラスチック熱分解由来生成物に対する利用可能な市場および価格に依存して変動し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書の実施形態は、プラスチックなどの廃棄物材料の熱的熱分解から生成された熱分解油を、有用なバージンオレフィンおよび石油化学中間体に変換して戻すという課題の1つまたは複数に対処するシステムおよび方法に関する。1つまたは複数の実施形態では、該システムおよび方法は、プラスチック廃棄物リサイクルに対する真の循環型ソリューションを提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本明細書に開示される実施形態は、真の循環型ポリマーを生成するための原材料を生成するための方法に関する。該方法は、プラスチック廃棄物熱分解油などの廃棄物由来炭化水素流を第1反応器システム内で触媒混合物で処理すること、および化石ベース原料を第2反応器システム内で上記触媒混合物で処理することを含んでいてもよい。上記触媒混合物は、上記第1および第2反応器システムのそれぞれに、共通の触媒再生器から供給されてもよい。該方法は、化石ベース炭化水素生成物を含む排出液を上記第2反応器システムから回収すること、および廃棄物由来炭化水素生成物を含む排出液を上記第1反応器システムから回収することも含んでいてもよい。上記排出液中の上記触媒から上記炭化水素を分離した後、該方法は、上記第1および第2反応器システムのそれぞれから上記共通の触媒再生器に使用済み触媒を戻すことを含んでいてもよい。
【0010】
様々な実施形態では、該方法は、上記第2反応器システムから回収された上記廃棄物由来炭化水素生成物とは別にして、上記第1反応器システムから回収された上記化石ベース炭化水素生成物を維持することを含んでいてもよい。さらなる実施形態は、上記廃棄物由来炭化水素生成物から回収されたオレフィン留分を重合システムに供給して循環型ポリマーを生成することを含んでいてもよい。さらに、該方法は、プラスチック、タイヤまたは他のポリマー材料を含む廃棄物流を熱分解して、上記プラスチック廃棄物熱分解油を生成することを含んでいてもよい。さらに他の実施形態では、該方法は、上記廃棄物由来炭化水素生成物の1種もしくは複数種、または上記廃棄物由来炭化水素生成物の処理から得られる廃棄物由来モノマーを、重合プロセスに直接または間接的に供給して、循環型ポリマーを生成することを含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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