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公開番号2025123095
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024018967
出願日2024-02-09
発明の名称リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類H01M 10/54 20060101AFI20250815BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】使用済みリチウムイオン電池の再生処理として、安全性が高く工程の簡略化を図ることもできる、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法に関する。
【解決手段】炭素を担持してなるリチウム系ポリアニオン粒子(A)を含む正極によって構築された使用済みリチウムイオン二次電池から得られる、劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)を含む粉体(X)を用い、次の工程(I)粉体(X)、及びリチウム源(Y)を混合して、スラリー水Iを得る工程、工程(II)得られたスラリー水IのpHを9~14に調整して、スラリー水IIを得る工程、工程(III)得られたスラリー水IIを30℃以上200℃未満の温度で3時間~5時間の加熱処理に付す工程を備え、かつ還元剤を用いることのない、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法であって、リチウム系ポリアニオン粒子(A)式(A):LiaMnbFecMxPO4で表され、劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)が、式(A)で表され、かつLiとPとのモル比(Li/P)が0.3以上1未満である、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素を担持してなるリチウム系ポリアニオン粒子(A)を含む正極によって構築された使用済みリチウムイオン二次電池から得られる、劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)を含む粉体(X)を用い、
次の工程(I)~(III):
(I)粉体(X)、及びリチウム源(Y)を混合して、スラリー水Iを得る工程
(II)得られたスラリー水IのpHを9~14に調整して、スラリー水IIを得る工程
(III)得られたスラリー水IIを30℃以上200℃未満の温度で3時間~5時間の加熱処理に付す工程
を備え、かつ還元剤を用いることのない、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法であって、
リチウム系ポリアニオン粒子(A)が、下記式(A):
Li

Mn

Fe



PO

・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Al、Ti、Cu、Zn、Nb、Co、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0<b≦1.2、0<c≦1.2、0≦x≦0.3、及びb+c≠0を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(Mの価数)×x=3を満たす数を示す。)
で表され、
劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)が、上記式(A)で表され、かつLiとPとのモル比(Li/P)が0.3以上1未満である、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
還元剤が、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
【請求項3】
劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)におけるLiとPとのモル比(Li/P)が、0.4以上1未満である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
【請求項4】
工程(III)における加熱処理の温度が、30℃以上180℃以下である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
【請求項5】
工程(I)が、粉体(X)、及びリチウム源(Y)に加え、さらにカーボン(C)を混合して、スラリー水Iを得る工程であり、かつ
工程(III)が、30℃以上90℃未満の温度での加熱処理に付す工程である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
【請求項6】
工程(I)において、カーボン(C)がカーボン粉末(c1)であり、かつカーボン粉末(c1)の添加量が粉体(X)100質量部に対して0.1質量部~5質量部である請求項5に記載のリチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みリチウムイオン二次電池を有効活用することのできる、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、携帯電話やデジタルカメラ、ノートPC、ハイブリッド自動車、及び電気自動車等、広い分野に利用されている。なかでも、LiMn

Fe
1-x
PO

のようなリチウム系ポリアニオン粒子は、その安全性の高さや容量の大きさから、こうしたリチウムイオン二次電池の正極材料として極めて有用性が高い。
ところで、近年、環境意識が世界的にも高まり、資源枯渇への対応も要求されるなか、廃棄される使用済みリチウムイオン電池のリサイクル実現化が強く望まれており、正極材料の再生処理についても種々試みられている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、使用済みLiFePO

カソード材料の再生処理が開示されており、熱水条件下にてリチウムの補充しつつ、還元剤としてN



・H

Oを投入している。また、特許文献1には、廃棄リン酸鉄リチウムの選択的酸化還元再生方法が開示されており、特定の条件下における1次焼結、及び2次焼結により、リチウムや炭素の補填、及び組成調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2022-517160号公報
【非特許文献】
【0005】
Qiankun Jing 外、「Direct Regeneration of Spent LiFePO4 Cathode Material by a Green and Efficient One-Step Hydrothermal Method」、ACS Sustainable Chemical Engineering、 2020、Vol 8、No.48、17622-17628
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術では、過酷な処理条件に付す必要がある上、還元剤の毒性にも配慮しなければならず、工業化を図るには未だ改善すべき余地がある。また特許文献1に記載の技術であっても、依然として処理工程の煩雑化が避けられない状況にある。
【0007】
したがって、本発明は、使用済みリチウムイオン電池の再生処理として、安全性が高く工程の簡略化を図ることもできる、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、使用済みリチウムイオン二次電池の正極から得た粉体を原料として用いつつ、還元剤を用いることなく、調製したスラリー水を特定の条件に付す簡易な工程を経ることにより、劣化したリチウム系ポリアニオン粒子の再生を有効に図ることのできる製造方法を見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、炭素を担持してなるリチウム系ポリアニオン粒子(A)を含む正極によって構築された使用済みリチウムイオン二次電池から得られる、劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)を含む粉体(X)を用い、
次の工程(I)~(III):
(I)粉体(X)、及びリチウム源(Y)を混合して、スラリー水Iを得る工程
(II)得られたスラリー水IのpHを9~14に調整して、スラリー水IIを得る工程
(III)得られたスラリー水IIを30℃以上200℃未満の温度で3時間~5時間の加熱処理に付す工程
を備え、かつ還元剤を用いることのない、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法であって、
リチウム系ポリアニオン粒子(A)が、下記式(A):
Li

Mn

Fe



PO

・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Al、Ti、Cu、Zn、Nb、Co、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0<b≦1.2、0<c≦1.2、0≦x≦0.3、及びb+c≠0を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(Mの価数)×x=3を満たす数を示す。)
で表され、
劣化したリチウム系ポリアニオン粒子(A’)が、上記式(A)で表され、かつLiとPとのモル比(Li/P)が0.3以上1未満である、リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリチウムイオン二次電池正極活物質用リチウム系ポリアニオン粒子の製造方法によれば、還元剤を用いることなく安全性の高い簡易な方法でありながら、優れた電池物性を発現するリチウムイオン二次電池の正極材料として有用性の高いリチウム系ポリアニオン粒子を得ることができる。
したがって、本発明であれば、使用済みリチウムイオン二次電池のリサイクル実現化に大いに寄与することが可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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