特許ウォッチ

公開番号2025134595
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2024046882
出願日2024-03-22
発明の名称口腔用組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61K 8/19 20060101AFI20250909BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌を選択的かつ効果的に生育促進することのできる口腔用組成物に関する。
【解決手段】次の成分(A)及び(B):
(A)硝酸イオン供給化合物
(B)炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上の炭酸化合物
を含有する口腔用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
次の成分（Ａ）及び（Ｂ）：
（Ａ）硝酸イオン供給化合物
（Ｂ）炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる１種又は２種以上の炭酸化合物
を含有する口腔用組成物。
続きを表示（約 280 文字）【請求項２】
成分（Ｂ）の含有量と成分（Ａ）の含有量との質量比（（Ｂ）／（Ａ））が、０．０１以上１０以下である請求項１に記載の口腔用組成物。
【請求項３】
成分（Ｂ）の含有量が、０．１質量％以上１８質量％以下である請求項１又は２に記載の口腔用組成物。
【請求項４】
成分（Ａ）が、硝酸アルカリ金属塩、及び硝酸アルカリ土類金属塩から選ばれる１種又は２種以上である請求項１又は２に記載の口腔用組成物。
【請求項５】
成分（Ａ）の含有量が、０．５質量％以上２０質量％以下である請求項１又は２に記載の口腔用組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、口腔用組成物に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
口腔内には、多種多様の細菌が数多く生息しており、歯面や歯肉、歯肉縁、口蓋や頬粘膜、舌表面や舌背部等の種々の部位には、これらの細菌が群集を構築してなる口腔内菌叢が存在する。かかる口腔内菌叢には、う蝕や歯周病等の口腔内疾患に関与する病原性細菌だけでなく、非病原性細菌も常在菌として混在している。これら非病原性細菌と病原性細菌とのバランスを整えることは、口腔疾患の発症や予防、又は進行の抑制において有用性が高いと言われている。
【０００３】
このような状況のなか、口腔内常在菌についての種々の研究が進められつつある。例えば、特許文献１には、特定の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、キシリトール等、及び油溶性抗酸化物質を含有する口腔用組成物が開示されており、口腔内常在菌であるストレプトコッカス・ゴルドニの生育を選択的に促進してその存在割合を高める試みがなされている。また、特許文献２には、硝酸塩等の窒素源を組成物に配合することによって、口腔内に存在するナイセリア菌が一酸化窒素を産生し、口腔内菌叢の細菌構成を良好なものへと制御しうることも報告されている。
【０００４】
さらに、特許文献３には、硝酸イオン供給化合物と、エリスリトール、キシリトール及びマンニトールから選ばれる１種以上の糖アルコールを有効成分とする口腔内ナイセリア・ムコサ増加剤が開示されており、口腔内におけるナイセリア・ムコサの含有率等を増加させて、歯周病の予防又は治療への可能性を高める試みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０２１－２０８６９号公報
米国特許出願公開第２０１６／０１５１４２８号明細書
特開２０２２－１５１７１４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記特許文献１に記載の組成物においては、口腔内常在菌としてはもっぱらストレプトコッカス属菌に着目し、病原性細菌としてはもっぱらポルフィロモナス属に着目して、これらの生育バランスを確認するのみに留まり、ナイセリア属菌の生育を選択的に促進する点については、何ら具体的な検討はなされていない。また、上記特許文献２には、微生物自体を人体へ投与する、いわゆるプロバイオティクスの技術が記載されているのみであり、口腔内において特定微生物の生育を促進させようとする技術思想については、何らの開示も示唆もない。
さらに、上記特許文献３に記載の技術であっても、口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌の選択的かつ効率的な生育促進効果を高める点においては、依然として改善の余地がある。
【０００７】
したがって、本発明は、口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌を選択的かつ効果的に生育促進することのできる口腔用組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、硝酸イオン供給化合物と特定の炭酸化合物を含有することにより、口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌を選択的かつ効果的に生育促進することのできる口腔用組成物を見出した。
【０００９】
すなわち、本発明は、次の成分（Ａ）及び（Ｂ）：
（Ａ）硝酸イオン供給化合物
（Ｂ）炭酸塩、重炭酸塩、及びセスキ炭酸塩から選ばれる１種又は２種以上の炭酸化合物
を含有する口腔用組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、口腔内におけるナイセリア属菌の生育を選択的に促進し、口腔用組成物としての良好な呈味性を保持することができる。また、ナイセリア属菌のみならずロシア属菌の生育をも促進する可能性を有する。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許