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公開番号
2025119592
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-14
出願番号
2025010320
出願日
2025-01-24
発明の名称
ポリオレフィン系フィルム、半導体製造工程フィルム、半導体チップの製造方法、製造装置
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
H01L
21/301 20060101AFI20250806BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】エキスパンド装置のステージ上面部分のフィルムの延伸性に優れ、すなわちエキスパンド装置のステージ上面部分のチップ間隔の拡張性が十分に高く、さらにカット性に優れるポリオレフィン系フィルムを提供すること。
【解決手段】(i)、(ii)を満たすA層を少なくとも片面に有し、引張破断伸度が250%以上であるポリオレフィン系フィルム。
(i)ナノインデンテーションによる負荷除荷試験において、表面の押し込み硬さが40MPa以上150MPa以下
(ii)突出山部高さSpkと突出谷部深さSvkの和であるSpk+Svkが0.5μm以上3.0μm以下
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(i)、(ii)を満たすA層を少なくとも片面に有し、引張破断伸度が250%以上であるポリオレフィン系フィルム。
(i)ナノインデンテーションによる負荷除荷試験において、表面の押し込み硬さが40MPa以上150MPa以下。
(ii)突出山部高さSpkと突出谷部深さSvkの和であるSpk+Svkが0.5μm以上3.0μm以下。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
-20℃での貯蔵弾性率E’(-20)が1.8GPa以上、かつ50℃での貯蔵弾性率E’(50)が0.3GPa以下である、請求項1に記載のポリオレフィン系フィルム。
【請求項3】
伸度10%における引張応力をP1(MPa)、伸度200%における引張応力をP2(MPa)とした際に、P2/P1が1.0以上3.0以下である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルム。
【請求項4】
ヘイズが7%以上55%以下である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルム。
【請求項5】
表面ヘイズが5%以上38%以下である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルム。
【請求項6】
A層全体を100質量%とした際に、A層がポリプロピレン系樹脂を主成分とし、かつ融点125℃以上のポリエチレン系樹脂を10質量%以上40質量%以下含有し、かつ前記ポリエチレン系樹脂の溶融粘度が前記ポリプロピレン系樹脂の溶融粘度より300Pa・s以上850Pa・s以下高いことを特徴とする、請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルム。なお、溶融粘度は230℃、122s
-1
の条件でキャピラリーフローテスターで測定した値とする。
【請求項7】
A層の表面同士の静止摩擦係数が0.1以上0.6以下である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルム。
【請求項8】
ウエハダイシング用途またはウエハエキスパンド用途に用いられる、請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルム。
【請求項9】
請求項1または2に記載のポリオレフィン系フィルムを含む、半導体製造工程フィルム。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体製造工程フィルムを用いて製造される半導体チップの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はポリオレフィン系フィルムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体チップの製造工程において、シリコンウエハ、サファイアウエハ、SiCウエハなどの半導体用ウエハをチップ状にダイシング(切断)し、その後エキスパンド(延伸)してチップ間を一定間隔に広げた後、個々のチップをピックアップする方法が知られている。前記ダイシング工程およびエキスパンド工程で半導体用ウエハ(以降、単にウエハと記載する場合がある)を固定するために用いられるのがダイシングフィルムである。
【0003】
ダイシングフィルムはウエハを貼り付けるための粘着層とそれを支える基材フィルムからなる。ダイシング工程およびエキスパンド工程では、ダイシングフィルムの粘着面に貼り付けられたウエハをチップ状にダイシングした後、ダイシングフィルムのチップ貼り付け面とは反対側の面(以降、背面と記載する場合がある)から、円形状のステージでダイシングフィルムを突き上げることでステージ上面部分のフィルムを全方位に延伸し、チップ間隔を広げる方法が一般に用いられている。
【0004】
これまで本用途では延伸性に優れる塩化ビニル樹脂(塩ビ)が基材フィルムとして用いられてきたが、塩ビはフタル酸ジオクチル等の規制物質を可塑剤として含有することや、難燃性であり廃棄処理時のCO
2
排出が多い等の環境負荷の問題があり、代替素材としてオレフィン系樹脂を基材フィルムとするダイシングフィルムが提案されている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-9018号公報
特開2007-109808号公報
特開2021-106187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂に、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体樹脂等の成分を添加したダイシングフィルム用基材フィルムが提案されている。しかしながら、材質が柔軟であるためダイシング工程で使用する際のフィルムのカット性が不十分であったり、エキスパンドの際にエキスパンド用のステージの上面や角部分とフィルムの背面が密着して滑り性が不足することで、ステージ上面中央部分のフィルムの延伸性が不十分となり、半導体チップをピックアップする際に不具合が生じる懸念がある。また、特許文献2では易滑層を有するダイシングテープが提案されているが、基材フィルムが柔軟であり、フィルムのカット性に劣ることが懸念される。また、近年では半導体チップの小型化が進んでいたり、ピックアップ速度の向上が求められており、このような場合にも高精度で半導体チップをピックアップするためには、特にステージの上面中央部においてチップ間隔が十分に拡張している必要があるが、特許文献2ではフィルムの延伸性が不十分でピックアップ性が不十分な懸念がある。特許文献3では、易滑粒子の適用の提案がされているが、円周方向でのエキスパンド性の均一性に優れるものの、ステージ上面部分のフィルムの延伸性が不十分となり、半導体チップのピックアップに不具合が生じる懸念がある。
【0007】
本発明は、ダイシングフィルムとして用いた際、エキスパンド装置のステージ上面部分のフィルムの延伸性に優れ、すなわちエキスパンド装置のステージ上面部分のチップ間隔の拡張性が十分に高く、さらにカット性に優れるポリオレフィン系フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)(i)、(ii)を満たすA層を少なくとも片面に有し、引張破断伸度が250%以上であるポリオレフィン系フィルム。
(i)ナノインデンテーションによる負荷除荷試験において、表面の押し込み硬さが40MPa以上150MPa以下。
(ii)突出山部高さSpkと突出谷部深さSvkの和であるSpk+Svkが0.5μm以上3.0μm以下。
(2)-20℃での貯蔵弾性率E’(-20)が1.8GPa以上、かつ50℃での貯蔵弾性率E’(50)が0.3GPa以下である、(1)に記載のポリオレフィン系フィルム。
(3)伸度10%における引張応力をP1(MPa)、伸度200%における引張応力をP2(MPa)とした際に、P2/P1が1.0以上3.0以下である、(1)または(2)に記載のポリオレフィン系フィルム。
(4)ヘイズが7%以上55%以下である、(1)~(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルム。
(5)表面ヘイズが5%以上38%以下である、(1)~(4)のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルム。
(6)A層全体を100質量%とした際に、A層がポリプロピレン系樹脂を主成分とし、かつ融点125℃以上のポリエチレン系樹脂を10質量%以上40質量%以下含有し、かつ前記ポリエチレン系樹脂の溶融粘度が前記ポリプロピレン系樹脂の溶融粘度より300Pa・s以上850Pa・s以下高いことを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルム。なお、溶融粘度は230℃、122s
-1
の条件でキャピラリーフローテスターで測定した値とする。
(7)A層の表面同士の静止摩擦係数が0.1以上0.6以下である、(1)~(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルム。
(8)ウエハダイシング用途またはウエハエキスパンド用途に用いられる、(1)~(7)のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルム。
(9)(1)~(8)のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルムを含む、半導体製造工程フィルム。
(10)(9)に記載の半導体製造工程フィルムを用いて製造される半導体チップの製造方法。
(11)(9)に記載の半導体製造工程フィルムを用いて半導体チップを製造する製造装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ダイシングフィルムとして用いた際、エキスパンド装置のステージ上面部分のフィルムの延伸性に優れ、すなわちエキスパンド装置のステージ上面部分のチップ間隔の拡張性が十分に高く、さらにカット性に優れるポリオレフィン系フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
エキスパンド試験の測定方法を示す模式図。
チップ間距離の評価方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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