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公開番号2025127211
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024023801
出願日2024-02-20
発明の名称クラッチユニットおよびステアバイワイヤ方式の操舵装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 27/112 20060101AFI20250825BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】電磁コイルへの通電を停止したときに、アーマチュアをフィールドコアから速やかに離反させることが可能なクラッチユニットを提供する。
【解決手段】電磁コイル22への通電によりフィールドコア21に吸着され、電磁コイル22への通電停止によりフィールドコア21から離反するアーマチュア20と、アーマチュア20のフィールドコア21への吸着と離反の動作に応じて、係合子保持器19を係合位置と係合解除位置の間で移動させる動作変換機構23とを有するクラッチユニット1において、電磁コイル22への通電を停止するときに、それまでフィールドコア21とアーマチュア20とに流れていた磁束とは逆向きの磁束を発生して残留磁束を打ち消す残留磁束打消手段を設ける。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
外輪(16)と、
前記外輪(16)の径方向内側に配置される内輪(17)と、
前記外輪(16)と前記内輪(17)の間に組み込まれた係合子(18)と、
前記係合子(18)を前記外輪(16)と前記内輪(17)の間に係合させる係合位置と、前記係合子(18)の係合を解除する係合解除位置との間で移動可能に支持された係合子保持器(19)と、
磁性材料で形成されたフィールドコア(21)と、
前記フィールドコア(21)に巻回された電磁コイル(22)と、
前記電磁コイル(22)への通電により前記フィールドコア(21)に吸着され、前記電磁コイル(22)への通電停止により前記フィールドコア(21)から離反するアーマチュア(20)と、
前記アーマチュア(20)の前記フィールドコア(21)への吸着と離反の動作に応じて、前記係合子保持器(19)を前記係合位置と前記係合解除位置の間で移動させる動作変換機構(23)と、を有するクラッチユニットにおいて、
前記電磁コイル(22)への通電を停止するときに、それまで前記フィールドコア(21)と前記アーマチュア(20)とに流れていた磁束とは逆向きの磁束を発生して残留磁束を打ち消す残留磁束打消手段を設けたことを特徴とするクラッチユニット。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記残留磁束打消手段は、前記電磁コイル(22)に電流を供給する電源部(24)と、前記電源部(24)を制御する制御部(25)とを有し、
前記制御部(25)は、前記電磁コイル(22)への通電を停止するときに、それまで前記電磁コイル(22)に印加されていた電流とは逆向きの電流を前記電磁コイル(22)に印加する制御を行なう請求項1に記載のクラッチユニット。
【請求項3】
前記残留磁束打消手段は、前記フィールドコア(21)に前記電磁コイル(22)とは別に巻回して設けられた第2電磁コイル(56)と、前記電磁コイル(22)および前記第2電磁コイル(56)に電流を供給する電源部(24)と、前記電源部(24)の制御を行なう制御部(25)とを有し、
前記制御部(25)は、前記電磁コイル(22)への通電を停止するときに、それまで前記フィールドコア(21)と前記アーマチュア(20)とに流れていた磁束を打ち消す磁束を発生させる方向の電流を前記第2電磁コイル(56)に印加する制御を行なう請求項1に記載のクラッチユニット。
【請求項4】
前記フィールドコア(21)は、外筒部(34)と、前記外筒部(34)の径方向内側に配置される内筒部(35)と、前記外筒部(34)および前記内筒部(35)の前記アーマチュア(20)の側とは反対側の端部同士を連結する円環板状の連結部(36)とを有する断面C字状の環状体であり、
前記電磁コイル(22)と前記第2電磁コイル(56)は、いずれも前記外筒部(34)と前記内筒部(35)の間の環状空間内に配置されている請求項3に記載のクラッチユニット。
【請求項5】
前記電磁コイル(22)と前記第2電磁コイル(56)は、径方向に並んで配置され、
前記電磁コイル(22)に電流を供給するリード線(40)が、前記電磁コイル(22)から軸方向に引き出され、
前記第2電磁コイル(56)に電流を供給する第2リード線(57)が、前記第2電磁コイル(56)から軸方向に引き出されている請求項4に記載のクラッチユニット。
【請求項6】
前記電磁コイル(22)と前記第2電磁コイル(56)は、軸方向に並んで配置されている請求項4に記載のクラッチユニット。
【請求項7】
回転操作されるステアリングホイール(2)と、
前記ステアリングホイール(2)の操作量を検知する操舵センサ(6)と、
前記ステアリングホイール(2)に対して機械的に切り離して設けられ、前記操舵センサ(6)で検知される前記ステアリングホイール(2)の操作量に応じて操舵対象の向きを変化させる転舵アクチュエータ(3)と、
前記外輪(16)と前記内輪(17)のうちの一方が回転しないように固定され、他方が前記ステアリングホイール(2)に機械的に接続された請求項1から6のいずれかに記載のクラッチユニット(1)と、を有するステアバイワイヤ方式の操舵装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、クラッチユニットと、そのクラッチユニットを用いたステアバイワイヤ方式の操舵装置とに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
運転者によるステアリングホイールの回転操作に応じて、車両の転舵輪の向きを変化させる操舵装置として、ステアバイワイヤ方式のものが知られている(例えば、特許文献1,2)。特許文献1,2のステアバイワイヤ方式の操舵装置は、ステアリングホイールの操作量を検知する操舵センサと、ステアリングホイールに対して機械的に切り離して設けられた転舵アクチュエータとを有し、その転舵アクチュエータが、操舵センサで検知されるステアリングホイールの操作量に応じて作動し、左右一対の転舵輪の向きを変化させる。
【0003】
このステアバイワイヤ方式の操舵装置は、運転者によるステアリングホイールの操作量をいったん電気信号に変換し、その電気信号に基づいて転舵アクチュエータの動作を制御するので、例えば、ステアリングホイールを操作したときの転舵輪の向きの変化量を車両の走行速度に応じて調整するといったように、車両の走行速度に応じてステアリングホイールの操作量と転舵アクチュエータの動作量の対応関係を最適化することが可能であり、車両の走行安定性や運動性能の向上を可能とするものとして期待されている。
【0004】
ところで、ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、運転者によって回転操作されるステアリングホイールと、左右一対の転舵輪の向きを変化させる転舵アクチュエータとが機械的に切り離されている。そのため、運転者が、ステアリングホイールを回転操作して転舵輪の向きがその移動限界(ストロークエンド)に到達したときにも、運転者は、さらにステアリングホイールを同じ方向に回転操作することができる。そのため、転舵輪の向きがストロークエンドに到達しているにもかかわらず、運転者は、転舵輪の向きがストロークエンドに到達していることに気付かないという問題が生じる。
【0005】
この問題は、車両の転舵輪を操舵対象とする車両用の操舵装置以外にも、ステアバイワイヤ方式の操舵装置であれば、例えば、船舶の船尾に設けられる舵(船外機等)を操舵対象とする船舶用の操舵装置などにも存在する。
【0006】
そこで、本願の発明者は、操舵対象の向きがストロークエンドに到達したときに、運転者がステアリングホイールを通じてその状況を確実に感知することができるようにするため、特許文献1,2において、係合子を用いたクラッチユニットをステアリングホイールに接続して設け、そのクラッチユニットの通電と通電停止とを切り替えることで、ステアリングホイールの回転を阻止するロック状態と、ステアリングホイールの回転を許容するロック解除状態とを切り替え可能とすることを提案している。
【0007】
ここで、特許文献1,2のクラッチユニットは、励磁型であるか無励磁型であるかが異なるだけであり、基本的な構成は同じである。
【0008】
すなわち、特許文献1,2のクラッチユニットは、いずれも、外輪と、外輪の径方向内側に配置される内輪と、外輪と内輪の間に組み込まれた係合子と、係合子を外輪と内輪の間に係合させる係合位置と、係合子の係合を解除する係合解除位置との間で移動可能に支持された係合子保持器と、磁性材料で形成されたフィールドコアと、フィールドコアに巻回された電磁コイルと、電磁コイルへの通電によりフィールドコアに吸着され、電磁コイルへの通電停止によりフィールドコアから離反するアーマチュアと、アーマチュアのフィールドコアへの吸着と離反の動作に応じて、係合子保持器を係合位置と係合解除位置の間で移動させる動作変換機構とを有する。外輪は回転しないように固定され、内輪がステアリングホイールに機械的に接続されている。
【0009】
ここで、特許文献1のクラッチユニットは、アーマチュアがフィールドコアに吸着されたときに、係合子保持器が係合解除位置から係合位置に移動し、一方、アーマチュアがフィールドコアから離反したときに、係合子保持器が係合位置から係合解除位置に移動するように構成した動作変換機構を採用している。すなわち、特許文献1のクラッチユニットは励磁型であり、電磁コイルに通電したときに、外輪と内輪の間に係合子が係合してステアリングホイールの回転が阻止されるロック状態となり、電磁コイルへの通電を停止したときに、外輪と内輪の間への係合子の係合を解除してステアリングホイールの回転を許容するロック解除状態となるように構成されている。
【0010】
特許文献2のクラッチユニットは、アーマチュアがフィールドコアに吸着されたときに、係合子保持器が係合位置から係合解除位置に移動し、一方、アーマチュアがフィールドコアから離反したときに、係合子保持器が係合解除位置から係合位置に移動するように構成した動作変換機構を採用している。すなわち、特許文献2のクラッチユニットは無励磁型であり、電磁コイルへの通電を停止したときに、外輪と内輪の間に係合子が係合してステアリングホイールの回転が阻止されるロック状態となり、電磁コイルに通電したときに、外輪と内輪の間への係合子の係合を解除してステアリングホイールの回転を許容するロック解除状態となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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