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公開番号
2025132623
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024030304
出願日
2024-02-29
発明の名称
樹脂粒子およびその製造方法
出願人
株式会社リコー
代理人
個人
主分類
C08J
3/16 20060101AFI20250903BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】定着性と帯電性に優れた樹脂粒子を提供する。
【解決手段】金属元素としてMgおよびNaを含む樹脂粒子であって、蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のMg含有量(mass%)が、前記蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のNa含有量(mass%)よりも少ない、ことを特徴とする樹脂粒子によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
金属元素としてMgおよびNaを含む樹脂粒子であって、
蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のMg含有量(mass%)が、前記蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のNa含有量(mass%)よりも少ない、ことを特徴とする樹脂粒子。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記樹脂粒子全体に対し、前記Mg含有量が0.05mass%以上0.30mass%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂粒子。
【請求項3】
前記樹脂粒子全体に対し、前記Na含有量が0.10mass%以上0.40mass%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂粒子。
【請求項4】
前記樹脂粒子の放射性炭素同位体
14
C濃度が10.8pMC以上であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂粒子。
【請求項5】
前記樹脂粒子はポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートを含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂粒子。
【請求項6】
前記樹脂粒子は、前記ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートとバイオマス由来樹脂とを含み、前記樹脂粒子のポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレート含有量が、前記バイオマス由来樹脂含有量よりも多いことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂粒子。
【請求項7】
前記樹脂粒子はコアシェル構造を形成し、シェル層は少なくともスルホン酸塩基を含有することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂粒子。
【請求項8】
請求項1に記載の樹脂粒子を製造する方法であって、
樹脂を有機溶媒に溶解または分散させた溶解液を作製する工程、前記溶解液に水を添加して、油中水型分散液から水中油型分散液に転相させる工程、凝集剤を用いて前記水中油型分散液の微粒子を凝集させ、所定の時点で停止剤を用いて凝集を停止させる凝集工程を含み、
前記凝集剤が、二価の金属元素Mgであることを特徴とする、製造方法。
【請求項9】
前記停止剤が、一価の金属元素Naであることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の樹脂粒子を含有するトナー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂粒子およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
樹脂粒子は、オフィス等、様々な場所において、複合機(MFP)及びプリンタ等の画像形成装置のトナーとして広く利用されている。トナーには、環境への負荷低減を図るため、例えば、トナー自体の低温定着性向上による消費電力の低減、製造時のエネルギー削減、結着樹脂へのバイオマス(植物)由来樹脂の使用、結着樹脂へのリサイクル原料の使用等が検討されている。特に、省資源、省エネルギー及び資源のリサイクル等の必要性が重要視されている点から、結着樹脂へのポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートのようなリサイクル原料の使用の要求が高まっている。
【0003】
特許文献1(特開2022-181043号公報)は、酸価が5mgKOH/g以上25mgKOH/g以下の結着樹脂、及びイソインドリン骨格を持つ顔料を含有し、蛍光X線分析により測定される、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計のNet強度N
A
が1.50kcps以上4.00kcps以下であるトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーを開示している。
特許文献2(特許4625386号公報)は、静電荷像現像用トナーであって、少なくとも着色剤、離型剤および結着樹脂(A)が含有されている芯部分と、該芯部分を覆う結着樹脂(B)からなる殻部分を持つ構造を有しており、前記結着樹脂(B)からなる殻部分は、ビニル系共重合樹脂からなる微粒子を凝集剤によって前記芯部分に凝集させることによって形成されたものであって、(1)前記凝集剤がMg2+を含む凝集剤であり、トナーの蛍光X線測定装置でのMgの固有X線Kαのピーク強度が3~30Kcpsの範囲であるか、(2)前記凝集剤がCa
2+
を含む凝集剤であり、トナーの蛍光X線測定装置でのCaの固有X線Kαのピーク強度が45~500Kcpsの範囲であるか、又は(3)前記凝集剤がAl
3+
を含む凝集剤であり、トナーの蛍光X線測定装置でのAlの固有X線Kαのピーク強度が3~30Kcpsであり、結着樹脂(A)は少なくともポリエステル骨格を有する樹脂を含有し、結着樹脂(B)はビニル系共重合樹脂であり、該芯部分に対する該殻部分の重量比が0.05~0.5であり、該トナーの体積平均粒径が3~8μmであることを特徴とする静電荷像現像用トナーを開示している。
特許文献3(特許7069809号公報)は、結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合が60質量%以上のトナー粒子であって、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であり、100℃における前記トナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下であり、前記トナー粒子のガラス転移温度(Tg)が30℃以上55℃以下であり、前記トナー粒子中のNa、SおよびAl量を特定の範囲に定めたトナー粒子を開示している。
特許文献4(特開2010-145508号公報)は、結着樹脂と、着色剤と、を含有し、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上であり、30℃の水系媒体に分散した分散液中でのナトリウムイオン量が100ppm以下であり、かつ前記ガラス転移温度(Tg)+10℃の温度の水系媒体に分散した分散液中でのナトリウムイオン量が800ppm以上20000ppm以下であるトナーを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、定着性と帯電性に優れた樹脂粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)金属元素としてMgおよびNaを含む樹脂粒子であって、
蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のMg含有量(mass%)が、前記蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のNa含有量(mass%)よりも少ない、ことを特徴とする樹脂粒子。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、定着性と帯電性に優れた樹脂粒子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態について説明する。
(1)本発明の樹脂粒子は、金属元素としてMgおよびNaを含み、蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のMg含有量(mass%)が、前記蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のNa含有量(mass%)よりも少ない、ことを特徴とする。
本発明の前記要件は、例えば、樹脂を有機溶媒に溶解または分散させた溶解液を作製する工程、前記溶解液に水を添加して、油中水型分散液から水中油型分散液に転相させる工程、凝集剤を用いて前記水中油型分散液の微粒子を凝集させ、所定の時点で停止剤を用いて凝集を停止させる凝集工程を含む製造方法により樹脂粒子を作製する場合、凝集工程の攪拌の際に撹拌を弱くする手法が挙げられる。攪拌を弱くするには、例えば撹拌羽根として上下の対流が少ないアンカー羽根を用いることや、攪拌タンク内にバッフルを設けないこと等が挙げられる。
撹拌を弱くすることにより、樹脂粒子の形成に必要な凝集剤(Mg)の使用量を少なくでき、また液温度を低くできる。またMgの使用量が少ないため、帯電性、環境異性、転写性を向上できる。一方、攪拌を弱くすることにより凝集の停止は撹拌力に頼れないため、停止剤(Na)の使用量は多くなる。Naの使用量が多くなることにより、樹脂粒子の凝集状態を制御でき、所望しない樹脂粒子の融着を防止でき、粒度分布が改善する。
以上から、本発明の樹脂粒子は、蛍光X線分析により測定される前記樹脂粒子中のMg含有量(mass%)が、Na含有量(mass%)よりも少なくなる。
なお、凝集工程において撹拌を強くすると、凝集剤の量は多くなり、液温度は高く攪拌時間も長くなる。停止剤は撹拌によって凝集を停止できるので、停止剤の使用量は少なくなる。以上から攪拌が強い場合は、凝集剤(Mg)が停止剤(Na)よりも多い構成となる。
【0008】
(測定方法)
本発明における蛍光X線分析は、例えば、蛍光X線装置(ZSX Primus IV((株)リガク製))を用いて、金属イオンの定量分析を行うことが挙げられる。測定する樹脂粒子試料の形態は、特に限定されるものではないが、一般的な加圧成型器等でペレット状又はシート状に成型すると取り扱いしやすい。例えば、直径15mmの錠剤成型ダイスに試料を投入し、6Mpaの荷重で1分間加圧することで、厚さ約2mmの樹脂粒子のペレット錠剤が得られる。得られたペレット錠剤を蛍光X線装置の試料ホルダーに設置し、定量分析測定(管電圧50kV、管電流30mA)を実施することで、試料中に含有する金属元素を検出することができる。樹脂粒子に外添剤が添加されている場合は、樹脂粒子から外添剤を取り除いたのち、金属元素量を測定する。外添剤を取り除く方法はいずれの方法でも可能であるが、例えば、樹脂粒子3.75gを0.5%に希釈した界面活性剤(ノイゲンET-165)50mlに加え、ボールミルで攪拌させる。その後、超音波ホモジナイザで超音波エネルギー(40W、5分)を付与する。超音波付与した樹脂分散溶液を遠心分離後、ろ過し、沈殿物を回収する。この際、遠心分離後の上澄み液が透明になるまで、上記の作業を繰り返す。その後、恒温槽で乾燥させたものを試料として金属元素量を測定する。
【0009】
(2)本発明の一実施形態における樹脂粒子は、前記樹脂粒子全体に対し、前記Mg含有量が0.05mass%以上0.30mass%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂粒子である。
Mgは凝集剤であり、0.05mass%以上であれば樹脂粒子がコアシェル構造を形成している場合、乳化凝集法においてコア凝集の過程でコア粒子の粒度分布がシャープとなる。また、シェル凝集の過程ではコアへのシェル化が起こりやすい。0.30mass%以下であれば、コア凝集の過程で凝集性が適度となり粒度分布の調整が容易となり、粒度分布がシャープとなる。また、シェル凝集の過程ではコアへのヘテロ凝集が起こりやすくなり、シェル同士のホモ凝集が起こりにくくシェル化不良を防止できる。
(量)
前記樹脂粒子全体に対し、前記Mg含有量は、好ましくは0.1mass%以上0.25mass%以下、より好ましくは0.12mass%以上0.20mass%以下である。
(種類)
Mgは二価の凝集剤である。その他凝集剤として、一価のNaやK、三価のAl等が挙げられるが、一価のNaやKでは二価のMgと比べて凝集性が劣ってしまい、凝集するために必要な量が増えてしまう。また、粒径調整しにくい場合がある。三価のAlでは凝集性が強すぎて粒径調整しにくい。特に、撹拌が弱い系ではその傾向は顕著である。
【0010】
(3)本発明の一実施形態における樹脂粒子は、前記樹脂粒子全体に対し、前記Na含有量が0.10mass%以上0.40mass%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の樹脂粒子である。
Naは停止剤であり、0.10mass%以上であれば凝集を良好に停止できる。0.40mass%以下であることにより融着時の形状制御が良好となる。また、総金属量の増加を抑制することで抵抗や帯電に悪影響を与える恐れを減少できる。
(量)
前記樹脂粒子全体に対し、前記Na含有量は好ましくは0.15mass%以上0.35mass%以下であり、より好ましくは0.20mass%以上0.30mass%以下である。
なお、Mg含有量(mass%)とNa含有量(mass%)の合計は0.20~0.80mass%が好ましく、0.20~0.42 mass %が更に好ましい。
(種類)
凝集剤である二価のMgに対して、停止剤としては一価が良く、Naが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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