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公開番号2025088227
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202794
出願日2023-11-30
発明の名称予測モデルの作成方法、タイヤの物理量の予測方法及び予測装置
出願人住友ゴム工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B60C 19/00 20060101AFI20250604BHJP(車両一般)
要約【課題】熟練者による経験や勘を必要とすることなく、タイヤとタイヤの外表面に接する物質との間の物理量を予測することが可能な予測モデルの作成方法を提供する。
【解決手段】予測モデルの作成方法である。この作成方法では、タイヤが第1の走行状態にあるときに、タイヤ及び物質を含むように少なくとも一つの断面18を決定する第1工程と、少なくとも一つの断面18におけるタイヤ及び/又は物質の第1物理量13を特定するための第1データ21を入力する第2工程と、第1の走行状態にあるタイヤ又は物質の第2物理量22を入力する第3工程と、第1データ21と第2物理量22とを結びつけたデータセット23を、複数のタイヤについて作成する第4工程と、データセット23を教師データとして、予測対象の第1データ21から、第2物理量22を推定する予測モデルを作成する第5工程とを含む。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
タイヤと、前記タイヤの外表面に接する物質との間の物理量を予測するための予測モデルの作成方法であって、
前記タイヤが第１の走行状態にあるときに、前記タイヤ及び前記物質を含むように少なくとも一つの断面を決定する第１工程と、
コンピュータに、前記少なくとも一つの断面における前記タイヤ及び／又は前記物質の第１物理量を特定するための第１データを入力する第２工程と、
前記コンピュータに、前記第１の走行状態にある前記タイヤ又は前記物質の第２物理量を入力する第３工程と、
前記コンピュータが、前記第１データと前記第２物理量とを結びつけたデータセットを、複数のタイヤについて作成する第４工程と、
前記コンピュータが、前記データセットを教師データとして、予測対象の前記第１データから、前記第２物理量を推定する予測モデルを作成する第５工程と、を含む、
予測モデルの作成方法。
続きを表示（約 820 文字）【請求項２】
前記少なくとも１つの断面が、前記タイヤの走行面からの高さが異なる複数の断面である、請求項１に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項３】
前記物質は、空気又は水を含む流体を含む、請求項１に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項４】
前記物質は、雪又は泥を含む路面堆積物を含む、請求項１に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項５】
前記第１データは、画像データを含む、請求項１に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項６】
前記複数の断面が、３つの断面であり、
前記データセットのそれぞれは、３つの画像データを含み、
前記３つの画像データは、それぞれグレースケールデータであり、
前記第５工程は、前記３つのグレースケールデータを、ＲＧＢカラーモデルのＲチャンネル、Ｇチャンネル及びＢチャンネルにそれぞれ割り当てる工程を含む、請求項２に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項７】
前記予測モデルは、前記Ｒチャンネル、前記Ｇチャンネル及び前記Ｂチャンネルのそれぞれを対象に畳み込み演算可能な畳み込みニューラルネットワークを含む、請求項６に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項８】
前記第２工程は、前記タイヤの外表面に前記物質を接触させるシミュレーションの計算結果から、前記第１データを取得する工程を含む、請求項１に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項９】
前記物質は、空気又は水を含む流体であり、
前記第２物理量は、流体抵抗に関する物理量を含む、請求項１に記載の予測モデルの作成方法。
【請求項１０】
前記第２物理量は、空気抵抗係数を含み、
前記第１物理量は、空気の総圧係数を含む、請求項９に記載の予測モデルの作成方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、予測モデルの作成方法、タイヤの物理量の予測方法及び予測装置に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、回転するタイヤの周辺の流体を、簡単に定義することが可能なシミュレーション方法種々提案されている（例えば、下記特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０－１８５９１３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
一般に、コンピュータを用いたシミュレーションでは、計算対象とする領域や物理量の個数が大きくなると、多くの計算時間を必要とすることから、それらの領域や物理量を一定の範囲に限定し、それらの物理量からタイヤと物質との間の現象等が考察される。しかしながら、このような限定や考察には、熟練者による経験や勘を必要とするため、上記の物理量の予測は容易ではない。
【０００５】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、熟練者による経験や勘を必要とすることなく、タイヤと、タイヤの外表面に接する物質との間の物理量を予測することが可能な予測モデルの作成方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、タイヤと、前記タイヤの外表面に接する物質との間の物理量を予測するための予測モデルの作成方法であって、前記タイヤが第１の走行状態にあるときに、前記タイヤ及び前記物質を含むように少なくとも一つの断面を決定する第１工程と、コンピュータに、前記少なくとも一つの断面における前記タイヤ及び／又は前記物質の第１物理量を特定するための第１データを入力する第２工程と、前記コンピュータに、前記第１の走行状態にある前記タイヤ又は前記物質の第２物理量を入力する第３工程と、前記コンピュータが、前記第１データと前記第２物理量とを結びつけたデータセットを、複数のタイヤについて作成する第４工程と、前記コンピュータが、前記データセットを教師データとして、予測対象の前記第１データから、前記第２物理量を推定する予測モデルを作成する第５工程と、を含む、予測モデルの作成方法である。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の予測モデルの作成方法は、上記の工程を採用することにより、熟練者による経験や勘を必要とすることなく、タイヤと、タイヤの外表面に接する物質との間の物理量を予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
予測モデルの作成方法の処理手順と、タイヤの物理量の予測方法の処理手順とが実行されるコンピュータの一例を示すブロック図である。
タイヤが装着された車両の一例を示す斜視図である。
予測モデルの作成方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
タイヤモデル、車両モデル、路面モデル及び物質モデルの一例を示す概念図である。
第１データの一例を示す図である。
リサイズ後の画像データを含む第１データの一例を示す図である。
データセットの一例を示す概念図である。
ＶＧＧ１６の概念図である。
予測モデル（畳み込みニューラルネットワーク）の一例を示す概念図である。
第２物理量の予測に寄与した特徴が可視化された画像データの一例を示す図である。（ａ）は、図９に示したカラー画像データに基づいて特徴が可視化された画像データの一例を示す図である。（ｂ）は、リサイズ後の画像データの一例を示す図である。
本発明の他の実施形態の断面を示す概念図である。
タイヤの物理量の予測方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
実施例の空気抵抗係数の推定値と実測値との関係を示すグラフである。
（ａ）、（ｂ）は、種類が異なるフロントのタイヤについて、空気の総圧係数の等値面をそれぞれ示す図である。
（ａ）、（ｂ）は、種類が異なるフロントのタイヤについて、空気の流線と、空気抵抗係数の等値線とをそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
【００１０】
本実施形態の予測モデルの作成方法（以下、「作成方法」ということがある。）では、コンピュータを用いて、予測モデルが作成される。この予測モデルは、タイヤと、タイヤの外表面に接する物質との間の物理量を予測（推定）するためのものである。本実施形態の予測モデルは、タイヤの物理量の予測方法（以下、「予測方法」ということがある。）に用いられる。
（【００１１】以降は省略されています）

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