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公開番号2025089007
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2023203922
出願日2023-12-01
発明の名称キャップトレッド用ゴム組成物及びタイヤ
出願人住友ゴム工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C08L 9/00 20060101AFI20250605BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低燃費性及び耐摩耗性の総合性能に優れたキャップトレッド用ゴム組成物及びタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物であって、前記ゴム成分100質量%中の前記イソプレン系ゴムの含有量が5質量%を超え、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が40質量部を超え、アセトン抽出量AE(質量%)と灰分量Ash(質量%)との比(AE/Ash)が、0.52未満であり、30℃における0.1%せん断変形時(周波数10Hz)の複素弾性率G*a(MPa)と30℃における20%せん断変形時(周波数10Hz)の複素弾性率G*b(MPa)との差ΔG*が、1.50MPa未満であり、硬度Hsが、65を超えるキャップトレッド用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項１】
イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物であって、
前記ゴム成分１００質量％中の前記イソプレン系ゴムの含有量が５質量％を超え、
前記ゴム成分１００質量部に対する前記シリカの含有量が４０質量部を超え、
アセトン抽出量ＡＥ（質量％）と灰分量Ａｓｈ（質量％）との比（ＡＥ／Ａｓｈ）が、０．５２未満であり、
３０℃における０．１％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ａ（ＭＰａ）と３０℃における２０％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ｂ（ＭＰａ）との差ΔＧ＊が、１．５０ＭＰａ未満であり、
硬度Ｈｓが、６５を超えるキャップトレッド用ゴム組成物。
続きを表示（約 670 文字）【請求項２】
Ｈｓが７０を超える請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項３】
ゴム成分１００質量部に対するシリカの含有量が１００質量部以上である請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項４】
ＡＥ／Ａｓｈが０．４６未満である請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項５】
アセトン抽出量ＡＥ中のイソプレン成分量が１０質量％未満である請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項６】
充填剤中のシリカ含有率が９０質量％以上である請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項７】
シリカがもみ殻シリカを含む請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項８】
イソプレン系ゴムが、窒素、硫黄、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも１種を含む変性基を有する変性イソプレン系ゴムを含む請求項１に記載のトレッド用ゴム組成物。
【請求項９】
請求項１に記載のキャップトレッド用ゴム組成物で構成されたキャップトレッドを備えたタイヤであって、
前記キャップトレッドの厚みＴが６．０ｍｍ以上１８．０ｍｍ以下であるタイヤ。
【請求項１０】
キャップトレッド用ゴム組成物のゴム成分１００質量％中のイソプレン系ゴムの含有量Ｉｃ（質量％）と、キャップトレッドの厚みＴ（ｍｍ）との比（Ｉｃ／Ｔ）が、０．５以上である請求項９に記載のタイヤ。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、キャップトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いたタイヤに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
タイヤには、最近、環境への配慮などの観点から、低燃費性、耐摩耗性などの向上が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、低燃費性、耐摩耗性は一般に背反する性能であるため、バランスよく改善することは難しい。
【０００４】
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性及び耐摩耗性の総合性能に優れたキャップトレッド用ゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物であって、
前記ゴム成分１００質量％中の前記イソプレン系ゴムの含有量が５質量％を超え、
前記ゴム成分１００質量部に対する前記シリカの含有量が４０質量部を超え、
アセトン抽出量ＡＥ（質量％）と灰分量Ａｓｈ（質量％）との比（ＡＥ／Ａｓｈ）が、０．５２未満であり、
３０℃における０．１％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ａ（ＭＰａ）と３０℃における２０％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ｂ（ＭＰａ）との差ΔＧ＊が、１．５０ＭＰａ未満であり、
硬度Ｈｓが、６５を超えるキャップトレッド用ゴム組成物に関する。
【発明の効果】
【０００６】
本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物であって、前記ゴム成分１００質量％中の前記イソプレン系ゴムの含有量が５質量％を超え、前記ゴム成分１００質量部に対する前記シリカの含有量が４０質量部を超え、アセトン抽出量ＡＥ（質量％）と灰分量Ａｓｈ（質量％）との比（ＡＥ／Ａｓｈ）が、０．５２未満であり、３０℃における０．１％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ａ（ＭＰａ）と３０℃における２０％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ｂ（ＭＰａ）との差ΔＧ＊が、１．５０ＭＰａ未満であり、硬度Ｈｓが、６５を超えるキャップトレッド用ゴム組成物であるので、低燃費性及び耐摩耗性の総合性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
図１のタイヤのトレッドの近辺が示された拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
上記キャップトレッド用ゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填剤とを含有し、該ゴム成分１００質量％中の該イソプレン系ゴムの含有量が５質量％を超え、該ゴム成分１００質量部に対する該シリカの含有量が４０質量部を超え、かつ、アセトン抽出量ＡＥ（質量％）と灰分量Ａｓｈ（質量％）との比（ＡＥ／Ａｓｈ）が０．５２未満であり、３０℃における０．１％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ａ（ＭＰａ）と３０℃における２０％せん断変形時（周波数１０Ｈｚ）の複素弾性率Ｇ＊ｂ（ＭＰａ）との差ΔＧ＊が１．５０ＭＰａ未満であり、硬度Ｈｓが６５を超えるものである。
【０００９】
上記キャップキャップトレッド用ゴム組成物により前述の効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
低燃費配合は、充填剤量を減らす手法が一般的であるが、補強性が下がり、耐摩耗性との両立が一般に難しい。
イソプレン系ゴムおよびシリカを所定配合で含むゴム組成物において、アセトン抽出量ＡＥと灰分量Ａｓｈとの比（ＡＥ／Ａｓｈ）を０．５２未満とすることで、０．１％せん断変形時の複素弾性率Ｇ＊ａと２０％せん断変形時の複素弾性率Ｇ＊ｂとの差ΔＧ＊が１．５０ＭＰａ未満となると共に、硬度Ｈｓが６５を超えるようになる。そして、ΔＧ＊＜１．５０ＭＰａとなることで、充填剤の分散性が向上すると同時に、走行時に路面に対して変形し易くなるため、摩耗が抑制されると考えられる。また、Ｈｓ＞６５となることでも摩耗が抑制されると考えられる。
従って、上記キャップトレッド用ゴム組成物により、低燃費性及び耐摩耗性の総合性能が向上すると推察される。
【００１０】
このように、本発明は、「ＡＥ／Ａｓｈが０．５２未満」、「ΔＧ＊が１．５０ＭＰａ未満」、「Ｈｓが６５を超える」の関係を満たす構成にすることにより、低燃費性及び耐摩耗性の総合性能を向上するという課題（目的）を解決するものである。すなわち、「ＡＥ／Ａｓｈが０．５２未満」、「ΔＧ＊が１．５０ＭＰａ未満」、「Ｈｓが６５を超える」のパラメータは課題（目的）を規定したものではなく、本願の課題は、低燃費性及び耐摩耗性の総合性能を向上することであり、そのための解決手段として当該パラメータを満たすような構成にしたものである。
（【００１１】以降は省略されています）

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