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公開番号2025154631
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057741
出願日2024-03-29
発明の名称硬質表面用液体洗浄剤組成物
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類C11D 17/08 20060101AFI20251002BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】アルミニウム等の金属表面を含む硬質表面に、アルカリ性の液体洗浄剤組成物を接触させ、不織布又は織布で拭き取った場合、あるいは前記液体洗浄剤組成物と不織布又は織布とを含んでなる拭浄シートを用いて拭浄した場合に、硬質表面上の金属の腐食による変色を抑制し、且つ硬質表面上の白残りを抑制する、硬質表面用液体洗浄剤組成物、及び硬質表面用拭浄シートを提供する。
【解決手段】(a)分子量210以下であって、カルボキシル基を1個以上2個以下有する、α―ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩、(b)ケイ酸塩、(c)(b)成分以外のアルカリ剤、及び水を含有し、25℃におけるpHが9以上14以下である、硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
（ａ）分子量２１０以下であって、カルボキシル基を１個以上２個以下有する、α―ヒドロキシカルボン酸及び／又はその塩（以下、（ａ）成分という）、（ｂ）ケイ酸塩（以下、（ｂ）成分という）、（ｃ）（ｂ）成分以外のアルカリ剤（以下、（ｃ）成分という）、及び水を含有し、２５℃におけるｐＨが９以上１４以下である、硬質表面用液体洗浄剤組成物。
続きを表示（約 380 文字）【請求項２】
（ａ）成分を０．０１質量％以上２質量％以下、（ｂ）成分を０．００１質量％以上０．２質量％以下含有する、請求項１に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項３】
（ｃ）成分を０．０５質量％以上５質量％以下含有する、請求項１又は２に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項４】
（ｃ）成分がアルカノールアミン、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる１種以上である、請求項３に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項５】
更に（ｄ）界面活性剤（以下、（ｄ）成分という）を含有する、請求項１又は２に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項６】
請求項１又は２に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物と、不織布又は織布とを含んでなる、硬質表面用拭浄シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、硬質表面用液体洗浄剤組成物、及び硬質表面用拭浄シートに関する。
続きを表示（約 2,700 文字）【背景技術】
【０００２】
器具、器機等の殺菌洗浄、病院施設又は介護施設等の衛生管理が必要な施設の床や壁の清掃消毒などにおいて、殺菌剤を含む洗浄液を噴霧又は塗布して乾燥又は布帛で拭き取るか、あるいは当該洗浄液を不織布又は織布に含浸させた拭浄シートで拭くことが行われている。特に病院施設では、感染対策ガイドラインで、日常的に手が接触する環境表面に対して、１日1回以上清掃することが記載されているが、対象の硬質表面にはアルミニウム等の金属表面が多く使われていることから、殺菌及び洗浄性の目的からアルカリ性の洗浄液を用いた場合、拭浄の回数が多くなると、酸化等の腐食の問題が発生する。
【０００３】
特許文献１には、セルロース系繊維を８０質量％以上含む坪量２０～１２０ｇ／ｍ
２
の基材シートに液体洗浄性組成物を含浸させてなり、該液体洗浄性組成物が、有機酸０．０１～０．５０質量％、界面活性剤０．１～１．０質量％および２価以上の金属イオン化合物０．５～５．０質量％を含有する除菌性清掃物品が開示されている。
特許文献２には、グリコール誘導体を３～２０質量％及びカチオン系抗菌剤を０．１～５．０質量％含有する液剤を不織布又は織布シートに含浸してなる除菌清拭用硬質洗浄シートが記載されている。
特許文献３には、酸化性殺菌剤、無機アルカリ剤、界面活性剤及び水を含有しｐＨが１０以上１４以下である殺菌洗浄剤組成物とそれを不織布に含んでなる清拭材が記載されている。
特許文献４には、第４級アンモニウム塩型界面活性剤、無機電解質及び／又はクエン酸塩、アルカリ剤及び水を含有する除菌用シートが記載されている。
特許文献５には、陽イオン界面活性剤、亜鉛や銅の無機塩、非イオン界面活性剤及び水を含有する硬質表面用液体洗浄剤組成物とそれを不織布等に含浸させた硬質表面洗浄シートが記載されている。
特許文献６には、カチオン界面活性剤、アルカノールアミン、炭酸塩やケイ酸塩等の無機アルカリ剤及び水を含有する水性除菌剤を基材シートに保持してなる除菌用シートが記載されている。
特許文献７には、（ａ）アミノカルボン酸型キレート剤、（ｂ）乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、及びこれらの塩から選ばれる１種以上、並びに水を含有する、アルミニウム及び／又はアルマイトの金属表面を含む硬質表面の腐食低減用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献８には、アルカリ洗浄剤に添加する添加剤であって、二塩基酸、アルカノールアミン、ケイ酸塩を配合し、二塩基酸は、少なくとも分岐鎖を有するとともに、主鎖から分岐する炭素原子に不飽和結合を有する不飽和二塩基酸となされたことを特徴とするアルカリ洗浄剤用添加剤、及び上記添加剤を添加したアルカリ洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１７－１１０３２３号公報
特開２０１０－１３８５１９号公報
特開２０２０－４４２１７号公報
特開２０１８－２７９１６号公報
特開２０２２－１７５５５２号公報
特開２０１７－７９９８号公報
特開２０２３－１００５１１号公報
特開２００８－２９７４６９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
アルミニウム等の金属表面を含む硬質表面をアルカリ性の液体洗浄剤組成物で拭浄する場合、金属表面の腐食を抑制するために、アルカリ性の液体洗浄剤組成物にケイ酸塩を含有させる方法が用いられている。しかし、該方法を用いる場合、硬質表面に白残りが発生し、美的観点から好ましくなく課題があることがわかった。
【０００６】
本発明は、アルミニウム等の金属表面を含む硬質表面に、アルカリ性の液体洗浄剤組成物を接触させ、不織布又は織布で拭き取った場合、あるいは前記液体洗浄剤組成物と不織布又は織布とを含んでなる拭浄シートを用いて拭浄した場合に、硬質表面上の金属の腐食による変色を抑制し、且つ硬質表面上の白残りを抑制する、硬質表面用液体洗浄剤組成物、及び硬質表面用拭浄シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、（ａ）分子量２１０以下であって、カルボキシル基を１個以上２個以下有する、α―ヒドロキシカルボン酸及び／又はその塩（以下、（ａ）成分という）、（ｂ）ケイ酸塩（以下、（ｂ）成分という）、（ｃ）（ｂ）成分以外のアルカリ剤（以下、（ｃ）成分という）、及び水を含有し、２５℃におけるｐＨが９以上１４以下である、硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
【０００８】
また本発明は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物と、不織布又は織布とを含んでなる、硬質表面用拭浄シートに関する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、アルミニウム等の金属表面を含む硬質表面に、アルカリ性の液体洗浄剤組成物を接触させ、不織布又は織布で拭き取った場合、あるいは前記液体洗浄剤組成物と不織布又は織布とを含んでなる拭浄シートを用いて拭浄した場合に、硬質表面上の金属の腐食による変色を抑制し、且つ硬質表面上の白残りを抑制する、硬質表面用液体洗浄剤組成物、及び硬質表面用拭浄シートが提供される。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明は硬質表面用液体洗浄剤組成物、及び硬質表面用拭浄シートが、アルミニウム等の金属表面を含む硬質表面上の金属の腐食による変色を抑制し、且つ硬質表面上の白残りを抑制する理由は必ずしも定かではないが以下のように推定される。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物、及び硬質表面用拭浄シートを、アルミニウム等の金属表面に接触させると、本願発明の（ａ）成分である特定のα―ヒドロキシカルボン酸及び／又はその塩がアルミニウム等の金属表面上で錯体を形成し、同時に（ｂ）成分であるケイ酸塩がアルミニウム等の金属表面上に沈着する。これらが強固な保護膜を作り、（ｃ）成分に由来する水酸化物イオンなどの薬剤による金属の腐食を防ぐことができ、且つ（ｂ）成分の量を減らすことができるため、白残りを抑制できているものと推定される。
但し、本発明は、上記した作用機構に限定されるものではない。
（【００１１】以降は省略されています）

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