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公開番号2025108986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-24
出願番号2024002588
出願日2024-01-11
発明の名称擁壁用防護柵およびその構築方法
出願人株式会社プロテックエンジニアリング
代理人個人,個人,個人
主分類E01F 7/04 20060101AFI20250716BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】簡易な施工により既設の擁壁の天端面の真上に安定した姿勢で防護柵を構築できる擁壁用防護柵およびその構築方法を提供すること。
【解決手段】既設擁壁10の天端面上に現場で構築したコンクリート製の拡張支持層30と、拡張支持層30を貫挿して背面地盤Gに定着して、拡張支持層30を位置決めする複数のアンカー材40とを具備し、拡張支持層30は既設擁壁10の天端面11より幅広の拡張天端面31と、既設擁壁10の天端面11から斜面山側にはみ出した拡張部32とを有し、拡張支持層30の拡張部32の斜面山側の偏倚した位置にアンカー材40の頭部を固定して拡張支持層30を変位不能に位置決めし、拡張支持層30の拡張天端面31に支柱21の下部を着床させて立設した。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の支柱と防護ネットとを具備し、崩落物を捕捉する既設擁壁の上部に構築した擁壁用防護柵であって、
既設擁壁の天端面上に現場で構築したコンクリート製の拡張支持層と、
前記拡張支持層を貫挿して背面地盤に定着して、拡張支持層を位置決めする複数のアンカー材とを具備し、
前記拡張支持層は既設擁壁の天端面より幅広の拡張天端面と、既設擁壁の天端面から斜面山側にはみ出した拡張部とを有し、
前記拡張支持層の拡張部の斜面山側の偏倚した位置にアンカー材の頭部を固定して拡張支持層を変位不能に位置決めし、
前記拡張支持層の拡張天端面に支柱の下部を着床させて立設したことを特徴とする、
擁壁用防護柵。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記拡張支持層の奥行成幅が既設擁壁の天端面の奥行幅より大きい寸法関係にあることを特徴とする、請求項1に記載の擁壁用防護柵。
【請求項3】
前記拡張支持層に支柱の立設位置に合わせて複数のアンカーボルトが植設してあり、該複数のアンカーボルトを介して支柱の下部のベースプレートをボルト止めして立設したことを特徴とする、請求項1に記載の擁壁用防護柵。
【請求項4】
前記拡張支持層内に単数または複数の支圧板が埋設してあり、前記アンカーボルトが支圧板に固定してあることを特徴とする、請求項3に記載の擁壁用防護柵。
【請求項5】
前記拡張支持層が既設擁壁の天端面に沿って連続して形成してあることを特徴とする、請求項1に記載の擁壁用防護柵。
【請求項6】
前記支柱の下部にベースプレートを設け、該ベースプレートの斜面山側の偏倚した位置にアンカー材の頭部を固定したことを特徴とする、請求項1に記載の擁壁用防護柵。
【請求項7】
既設擁壁の上部に複数の支柱と防護ネットとを具備した防護柵を構築する擁壁用防護柵の構築方法であって、
既設擁壁の天端面上に現場でコンクリート製の拡張支持層を構築し、
前記拡張支持層は既設擁壁の天端面より幅広の拡張天端面と、既設擁壁の天端面から斜面山側にはみ出した拡張部とを有し、
前記拡張支持層の拡張部にアンカー材の頭部を固定して拡張支持層を変位不能に位置決めしつつ、
前記拡張支持層の拡張天端面に支柱の下部を着床させて立設したことを特徴とする、
擁壁用防護柵の構築方法。
【請求項8】
前記拡張支持層を構築する際に該拡張支持層に支柱の立設位置に合わせて複数のアンカーボルトを植設し、該複数のアンカーボルトを介して支柱の下部のベースプレートをボルト止めして立設したことを特徴とする、請求項7に記載の擁壁用防護柵の構築方法。
【請求項9】
前記拡張支持層内に単数または複数の支圧板を埋設し、前記アンカーボルトを支圧板に固定したことを特徴とする、請求項7に記載の擁壁用防護柵の構築方法。
【請求項10】
前記支柱の下部にベースプレートを設け、該ベースプレートの斜面山側の偏倚した位置にアンカー材の頭部を固定したことを特徴とする、請求項7に記載の擁壁用防護柵の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は崩落土砂、雪崩、落石等の崩落物を捕捉する防護柵に関し、特にもたれ擁壁等の既設擁壁の上部に構築する擁壁用防護柵およびその構築方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
雪崩、落石、崩落土砂等の崩落物による災害を防止する防護施設として、複数の支柱と防護ネットを具備した防護柵が知られている。
防護ネットに作用した崩落物の運動エネルギーは最終的に支柱で支持する構造である。
これらの防護柵の支柱の立設手段のひとつとして、支柱の下部をコンクリート製の柵基礎に埋設する方法が知られていて、支柱に作用した運動エネルギーを柵基礎で支持する構造である(特許文献1)。
【0003】
一方、斜面を保護する重力式擁壁として、もたれながら自重によって土圧に対抗するもたれ式擁壁が知られている。
このもたれ式の既設擁壁の上部に防護柵を追加設置する場合がある。
もたれ式の既設擁壁の上部に防護柵を構築する方法として、既設擁壁の上部に天端面より幅広の大型のコンクリート製柵基礎を嵩上げして造成し、嵩上げして新たに設けた柵基礎に支柱を立設して防護柵を構築することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-29070号公報
特開平8-134849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の防護柵の構築技術にはつぎのような改善すべき点がある。
<1>既設擁壁の山側斜面を掘削したり地盤改良を施したりする必要があることに加えて、既設擁壁の上部に大型の柵基礎を増設しなければならない。
そのため、既設擁壁の上部に防護柵を構築するには、多くの費用と工期を必要とする。
<2>もたれ式の既設擁壁の天端に支柱を立設することも考えられるが、一般的に既設の擁壁の天端面の奥行幅が50cm程度と非常に狭いために、擁壁の天端面に安定姿勢を保った状態で支柱を立設することが技術的に難しい。
<3>仮にもたれ式の既設擁壁の天端に支柱を立設して防護柵を構築できたとしても、受撃時に既設擁壁の天端が衝撃荷重に耐えきれずに破損してしまう。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡易な施工により既設の擁壁の天端面の真上に安定した姿勢で防護柵を構築できる擁壁用防護柵およびその構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の支柱と防護ネットとを具備し、崩落物を捕捉する既設擁壁の上部に構築した擁壁用防護柵であって、既設擁壁の天端面上に現場で構築したコンクリート製の拡張支持層と、前記拡張支持層を貫挿して背面地盤に定着して、拡張支持層を位置決めする複数のアンカー材とを具備し、前記拡張支持層は既設擁壁の天端面より幅広の拡張天端面と、既設擁壁の天端面から斜面山側にはみ出した拡張部とを有し、前記拡張支持層の拡張部の斜面山側の偏倚した位置にアンカー材の頭部を固定して拡張支持層を変位不能に位置決めし、前記拡張支持層の拡張天端面に支柱の下部を着床させて立設したものである。
本発明の他の形態において、前記拡張支持層の奥行成幅が既設擁壁の天端面の奥行幅より大きい寸法関係にある。
本発明の他の形態において、前記拡張支持層に支柱の立設位置に合わせて複数のアンカーボルトが植設してあり、該複数のアンカーボルトを介して支柱の下部のベースプレートをボルト止めして立設してもよい。
本発明の他の形態において、前記拡張支持層内に単数または複数の支圧板が埋設してあり、前記アンカーボルトが支圧板に固定する。
本発明の他の形態において、前記拡張支持層が既設擁壁の天端面に沿って連続して形成してある。
本発明の他の形態において、前記支柱の下部にベースプレートを設け、該ベースプレートの斜面山側の偏倚した位置にアンカー材の頭部を固定してもよい。
【0008】
本発明の他の形態において、既設擁壁の上部に複数の支柱と防護ネットとを具備した防護柵を構築する擁壁用防護柵の構築方法であって、既設擁壁の天端面上に現場でコンクリート製の拡張支持層を構築し、前記拡張支持層は既設擁壁の天端面より幅広の拡張天端面と、既設擁壁の天端面から斜面山側にはみ出した拡張部とを有し、前記拡張支持層の拡張部にアンカー材の頭部を固定して拡張支持層を変位不能に位置決めしつつ、前記拡張支持層の拡張天端面に支柱の下部を着床させて立設したものである。
本発明の他の形態において、前記拡張支持層を構築する際に該拡張支持層に支柱の立設位置に合わせて複数のアンカーボルトを植設し、該複数のアンカーボルトを介して支柱の下部のベースプレートをボルト止めして立設してもよい。
本発明の他の形態において、前記拡張支持層内に単数または複数の支圧板を埋設し、前記アンカーボルトを支圧板に固定してもよい。
本発明の他の形態において、前記支柱の下部にベースプレートを設け、該ベースプレートの斜面山側の偏倚した位置にアンカー材の頭部を固定してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は少なくとも次の一つの効果を奏する。
<1>本発明では、既設擁壁の天端面上に構築した拡張支持層と、拡張支持層を位置決めするアンカー材との組み合わせにより、既設の擁壁の天端面を有効活用して、防護柵の支柱を安定した姿勢で立設することができる。
<2>拡張支持層と既設擁壁の天端面との間を連結せずに、背面地盤に定着したアンカー材を活用することで、拡張支持層を変位不能に位置決めすることができる。
したがって、既設擁壁の上部に防護柵を簡易に構築することができる。
<3>既設擁壁の天端面を外れた拡張部にアンカー材の頭部を固定すれば、既設擁壁の天端面を貫通させずにアンカー材を短時間で、かつ簡単に設置することができる。
<4>支柱に伝えられた衝撃力はアンカー材を通じて背面地盤に支持されるので、拡張支持層や既設擁壁の天端面に対して過大な応力が集中することがなくなり、拡張支持層や既設擁壁の上部の破損を効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一部を省略した本発明の実施例1に係る擁壁用防護柵の正面図
図1に示した擁壁用防護柵の横断面図
図1に示した擁壁用防護柵の平面図
擁壁用防護柵の構築方法の説明図
擁壁用防護柵の構築方法の説明図
擁壁用防護柵の支柱の立設部の拡大断面図
アンカー材により位置決めした拡張支持層の断面図
一部を省略した本発明の実施例2に係る擁壁用防護柵の支柱の立設部の拡大断面図
図8に示した擁壁用防護柵の平面図
【発明を実施するための最良の形態】
(【0011】以降は省略されています)

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