TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025130039
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2025019641
出願日2025-02-07
発明の名称薬液投与装置
出願人テルモ株式会社
代理人あいそう弁理士法人
主分類A61M 5/168 20060101AFI20250829BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】薬液容器に充填した薬液を投与するための薬液投与装置であって、薬液を高精度で投与可能な薬液投与装置を提供する。
【解決手段】薬液投与装置1は、薬液2が充填された薬液容器10から薬液2を押し出す押し子11を薬液容器10の先端開口部12に向かって前進させる駆動機構30と、薬液容器10および駆動機構30を収容可能なハウジング50と、を有し、駆動機構30は、押し子11に押し子11を前進させるための駆動力を付与するモータ31と、モータ31の回転を光学的に検出する光学式回転検出部32と、を有し、光学式回転検出部32は、検出光を発光する発光部33と、検出光を受光する受光部34と、を有し、受光部34への検出光以外の光の入光量を低減する光量低減部(70,71,72)を備える。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
薬液が充填された薬液容器から前記薬液を押し出す押し子を前記薬液容器の先端開口部に向かって前進させる駆動機構と、前記薬液容器および前記駆動機構を収容可能なハウジングと、を有する薬液投与装置であって、
前記駆動機構は、前記押し子に前記押し子を前進させるための駆動力を付与するモータと、前記モータの回転を光学的に検出する光学式回転検出部と、を有し、
前記光学式回転検出部は、検出光を発光する発光部と、前記検出光を受光する受光部と、を有し、
前記薬液投与装置は、前記受光部への前記検出光以外の光の入光量を低減する光量低減部を備えることを特徴とする薬液投与装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記薬液投与装置は生体部位に装着して使用されるものであり、
前記ハウジングは、前記生体部位に装着される下面部と、前記下面部と前記光学式回転検出部を挟んで対向する上面部と、前記下面部と前記上面部の両側部同士を連結する一対の側面部と、を有し、
前記光量低減部は、少なくとも前記ハウジングの前記上面部に設けられている請求項1に記載の薬液投与装置。
【請求項3】
前記光量低減部は、前記ハウジングの前記上面部および前記側面部に設けられている請求項2に記載の薬液投与装置。
【請求項4】
前記光学式回転検出部は、前記ハウジングの基端側部分に配設されており、
前記光量低減部は、前記光学式回転検出部よりも基端側に設けられた基端側光量低減部を有する請求項1から3のいずれかに記載の薬液投与装置。
【請求項5】
前記光学式回転検出部は、前記発光部と前記受光部とが被検出部を挟んで対向して設けられる透過型フォトインタラプタ、または、前記発光部と前記受光部が被検出部に対して同じ側に設けられる反射型フォトインタラプタである請求項1または2に記載の薬液投与装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記受光部は、700~1000nmの波長の光を受光可能であり、前記光量低減部は、前記ハウジングよりも700~1000nmの波長の光の透過率が低くなっている請求項1または2に記載の薬液投与装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記光量低減部は、前記ハウジングとは別体の光量低減用部材によって構成される請求項1または2に記載の薬液投与装置。
【請求項8】
前記光量低減用部材は、絶縁性材料により形成され、前記ハウジングの内部に配設される請求項7に記載の薬液投与装置。
【請求項9】
前記光量低減部は、全光透過率が30%以下である請求項1または2に記載の薬液投与装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記光量低減部は、近赤外線吸収材料を含み、前記ハウジングの一部を構成する請求項1または2に記載の薬液投与装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液を高精度で投与可能な薬液投与装置に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、薬液容器に充填した薬液を投与するための所謂シリンジポンプ型の薬液投与装置が知られている。
そのような薬液投与装置として、例えば、特許文献1(特表2018-507747)には、モータ等からなる電気作動装置(101)を備える駆動機構(100)によって、ピストン(110、1110、2110)(バレル(58)内のプランジャシール(60))の移動の速度を制御して、薬剤容器(50)内に画定された薬剤チャンバ(21)から流体(薬液)を押し出す構造を備える薬剤送達ポンプ(薬液投与装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2018-507747
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬液投与装置においては、駆動機構の動作(モータの回転等)を検出することで薬液投与の精度を確保している。モータの回転を検出する回転検出部として、モータの回転を光学的に検出する光学式の回転検出部が用いられる。光学式の回転検出部は、接触型の回転検出部に対して、モータの回転を阻害しない(モータの回転の抵抗とならない)点で優位性がある。一方、光学式の回転検出部を用いた場合、モータの回転に異常がないにも関わらず回転数異常と判断される事例が発生し、薬液投与の精度が低下したり、場合によっては安全装置が働いて薬液の投与が中断されてしまう恐れがある。このような問題に対し、本発明者らは、検出光以外の光が悪影響を与えている可能性に想到した。
そこで、本発明の目的は、薬液容器に充填した薬液を投与するための薬液投与装置であって、薬液を高精度で投与可能な薬液投与装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 薬液が充填された薬液容器から前記薬液を押し出す押し子を前記薬液容器の先端開口部に向かって前進させる駆動機構と、前記薬液容器および前記駆動機構を収容可能なハウジングと、を有する薬液投与装置であって、
前記駆動機構は、前記押し子に前記押し子を前進させるための駆動力を付与するモータと、前記モータの回転を光学的に検出する光学式回転検出部と、を有し、
前記光学式回転検出部は、検出光を発光する発光部と、前記検出光を受光する受光部と、を有し、
前記薬液投与装置は、前記受光部への前記検出光以外の光の入光量を低減する光量低減部を備える薬液投与装置。
【0006】
(2) 前記薬液投与装置は生体部位に装着して使用されるものであり、
前記ハウジングは、前記生体部位に装着される下面部と、前記下面部と前記光学式回転検出部を挟んで対向する上面部と、前記下面部と前記上面部の両側部同士を連結する一対の側面部と、を有し、
前記光量低減部は、少なくとも前記ハウジングの前記上面部に設けられている上記(1)に記載の薬液投与装置。
(3) 前記光量低減部は、前記ハウジングの前記上面部および前記側面部に設けられている上記(2)に記載の薬液投与装置。
(4) 前記光学式回転検出部は、前記ハウジングの基端側部分に配設されており、
前記光量低減部は、前記光学式回転検出部よりも基端側に設けられた基端側光量低減部を有する上記(1)から(3)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(5) 前記光学式回転検出部は、前記発光部と前記受光部とが被検出部を挟んで対向して設けられる透過型フォトインタラプタ、または、前記発光部と前記受光部が被検出部に対して同じ側に設けられる反射型フォトインタラプタである上記(1)から(4)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(6) 前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記受光部は、700~1000nmの波長の光を受光可能であり、前記光量低減部は、前記ハウジングよりも700~1000nmの波長の光の透過率が低くなっている上記(1)から(5)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(7) 前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記光量低減部は、前記ハウジングとは別体の光量低減用部材によって構成される上記(1)から(6)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(8) 前記光量低減用部材は、絶縁性材料により形成され、前記ハウジングの内部に配設される上記(7)に記載の薬液投与装置。
(9) 前記光量低減部は、全光透過率が30%以下である上記(1)から(8)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(10) 前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記光量低減部は、近赤外線吸収材料を含み、前記ハウジングの一部を構成する上記(1)から(9)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(11) 前記光量低減部は、前記光学式回転検出部側の部分が吸光部または非反射部となっている上記(1)から(10)のいずれかに記載の薬液投与装置。
(12) 前記薬液投与装置は、前記薬液投与装置に装着された前記薬液容器を備えている上記(1)から(11)のいずれかに記載の薬液投与装置。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(13) 薬液が充填された薬液容器から前記薬液を押し出す押し子を前記薬液容器の先端開口部に向かって前進させる駆動機構と、前記薬液容器および前記駆動機構を収容可能なハウジングと、を有する薬液投与装置であって、
前記駆動機構は、前記押し子に前記押し子を前進させるための駆動力を付与するモータと、前記モータの回転を光学的に検出する光学式回転検出部と、を有し、
前記光学式回転検出部は、検出光を発光する発光部と、前記検出光を受光する受光部と、を有し、
前記薬液投与装置は、前記ハウジングの内部に収容され、前記ハウジングに対して固定可能、かつ前記光学式回転検出部を保持または収容可能なシャーシを備え、
前記ハウジングは、可視光が透過可能な光透過性材料により形成され、
前記シャーシは、可視光が透過困難な光難透過性材料により形成され、かつ孔が形成されており、
前記薬液投与装置は、前記受光部への前記検出光以外の光の入光量を低減する光量低減部を備え、前記光量低減部は、前記ハウジングおよび前記シャーシとは別体で、かつ可視光が透過困難な光難透過性硬質樹脂材料製の遮光部材によって構成されており、
前記遮光部材は、前記シャーシに形成された前記孔からの前記受光部への入光量を低減するものである薬液投与装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の薬液投与装置は、薬液が充填された薬液容器から薬液を押し出す押し子を薬液容器の先端開口部に向かって前進させる駆動機構と、薬液容器および駆動機構を収容可能なハウジングと、を有する薬液投与装置であって、駆動機構は、押し子を前進させるための駆動力を付与するモータと、モータの回転を光学的に検出する光学式回転検出部と、を有し、光学式回転検出部は、検出光を発光する発光部と、検出光を受光する受光部と、を有し、受光部への検出光以外の光の入光量を低減する光量低減部を備えている。
これにより、光学式回転検出部の誤作動の可能性、すなわち、モータの回転に異常がないにも関わらず回転数異常と判断して、薬液投与の精度が低下したり、場合によっては安全装置が働いて薬液の投与が中断されてしまう可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の薬液投与装置の実施例の基本構成を示す斜視図である。
図2は、図1の正面図である。
図3は、図1の平面図である。
図4は、図2のA-A断面概略図である。
図5は、図3において一部の構成の配置を破線で示す平面図である。
図6は、図5のB-B断面概略図である。
図7は、本発明の薬液投与装置の実施例において用いられる光学式回転検出部の構成を説明するための拡大概略正面図である。
図8は、図7の右側面図である。
図9は、図8からモータが回転した状態を示す説明図である。
図10は、図2において一部の構成の配置を破線で示す正面図である。
図11は、図2の右側面図であって、第2ハウジング部材を除いて示す説明図である。
図12は、本発明の薬液投与装置の実施例を示す平面図である。
図13は、図12の正面図である。
図14は、図12に示す薬液投与装置の第1ハウジング部材に第1光量低減用部材を取り付けた状態を示す右側面図である。
図15は、図12の右側面図であって、第2ハウジング部材を除いて示す説明図である。
図16は、本発明の薬液投与装置および投与器具を生体部位に装着した状態を示す正面概略図である。
図17は、本発明の薬液投与装置の他の実施例において用いられる光学式回転検出部の構成を説明するための拡大概略正面図である。
図18は、図17の右側面図である。
図19は、本発明の薬液投与装置の他の実施例を示す正面図である。
図20は、図19に示す薬液投与装置の第1ハウジング部材に第1光量低減用部材を取り付けた状態を示す右側面図である。
図21は、本発明の薬液投与装置の他の実施例を示す右側面図であって、第2ハウジング部材を除いて示す説明図である。
図22は、図21のC-C断面概略図である。
図23は、図21に示す薬液投与装置において、遮光部材を除いて示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の薬液投与装置を図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の薬液投与装置1は、図1から図15に示すように、薬液2が充填された薬液容器10から薬液2を押し出す押し子11を薬液容器10の先端開口部12に向かって前進させる駆動機構30と、薬液容器10および駆動機構30を収容可能なハウジング50と、を有する薬液投与装置1であって、駆動機構30は、押し子11に押し子11を前進させるための駆動力を付与するモータ31と、モータ31の回転を光学的に検出する光学式回転検出部32と、を有し、光学式回転検出部32は、検出光を発光する発光部33と、検出光を受光する受光部34と、を有し、受光部34への検出光以外の光の入光量を低減する光量低減部(後述する上面側光量低減部70、側面側光量低減部71、基端側光量低減部72)を備える。なお、本実施例の薬液投与装置1は、薬液投与装置1に装着された薬液容器10を備えている。
【0010】
なお、図示および詳細な説明は省略するが、本実施例の薬液投与装置1は、本願出願人が提案するWO2020/202922の薬液投与装置と同様に、押し子11の被検出部を検知し、検知結果に基づいて薬液の送液完了を検出する検出部、駆動機構30を含む薬液投与装置1の動作を制御する制御部、駆動機構30や制御部等の動作に必要な電力を供給する電源部等を有している。制御部は、例えば、CPU、RAM、ROMなどを実装した公知のマイクロコンピュータ(電子回路素子)により構成することができ、駆動機構30、検出部、電源部、および後述する光学式回転検出部32等を含む薬液投与装置1の動作を統括的に制御する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

テルモ株式会社
針部材
2か月前
テルモ株式会社
移送器具
3か月前
テルモ株式会社
移送器具
2か月前
テルモ株式会社
医療器具
2か月前
テルモ株式会社
止血器具
2か月前
テルモ株式会社
医療用具
12日前
テルモ株式会社
移送器具
2か月前
テルモ株式会社
医療用具
12日前
テルモ株式会社
移送器具
2日前
テルモ株式会社
移送器具
2日前
テルモ株式会社
移送器具
2日前
テルモ株式会社
測定装置
28日前
テルモ株式会社
カテーテル
13日前
テルモ株式会社
カテーテル
28日前
テルモ株式会社
可搬型機器
13日前
テルモ株式会社
オスコネクタ
9日前
テルモ株式会社
液飛散防止具
2日前
テルモ株式会社
薬液投与装置
1か月前
テルモ株式会社
薬液投与装置
5日前
テルモ株式会社
吐出デバイス
2日前
テルモ株式会社
投与デバイス
2日前
テルモ株式会社
薬液投与装置
1か月前
テルモ株式会社
医療デバイス
2日前
テルモ株式会社
医療デバイス
2日前
テルモ株式会社
流体供給装置
27日前
テルモ株式会社
ろ過デバイス
2日前
テルモ株式会社
医療用コネクタ
1か月前
テルモ株式会社
透析用カセット
2か月前
テルモ株式会社
透析用カセット
2か月前
テルモ株式会社
容器蓋デバイス
2日前
テルモ株式会社
医療用送液装置
2日前
テルモ株式会社
カテーテル組立体
14日前
テルモ株式会社
カテーテル組立体
14日前
テルモ株式会社
バルーンカテーテル
1か月前
テルモ株式会社
弁装置及び送液システム
2か月前
テルモ株式会社
採取組織細切補助デバイス
2日前
続きを見る