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公開番号2025146214
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024046871
出願日2024-03-22
発明の名称口腔内菌叢改善剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61K 8/49 20060101AFI20250926BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌及び/又はロシア属菌を選択的かつ効果的に生育促進して、口腔内菌叢の改善を有効に図ることのできる口腔内菌叢改善剤に関する。
【解決手段】クロロフィル金属錯塩誘導体、及びクロロフィル誘導体から選択される1種又は2種を有効成分とする、口腔内菌叢改善剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
クロロフィル金属錯塩誘導体、及びクロロフィル誘導体から選択される１種又は２種以上を有効成分とする、口腔内菌叢改善剤。
続きを表示（約 570 文字）【請求項２】
さらに、硝酸イオン供給化合物を有効成分とする、請求項１に記載の口腔内菌叢改善剤。
【請求項３】
さらに、有機酸塩、グリチルレチン酸、及び含フッ素化合物から選ばれる１種又は２種以上の化合物を有効成分とする、請求項１又は２に記載の口腔内菌叢改善剤。
【請求項４】
クロロフィル金属錯塩誘導体、及びクロロフィル誘導体から選択される１種又は２種以上を有効成分とする、口腔内ナイセリア属菌及び／又はロシア属菌の生育促進剤。
【請求項５】
さらに、硝酸イオン供給化合物を有効成分とする、請求項４に記載の口腔内ナイセリア属菌及び／又はロシア属菌の生育促進剤。
【請求項６】
さらに、有機酸塩、グリチルレチン酸、及び含フッ素化合物から選ばれる１種又は２種以上の化合物を有効成分とする、請求項４又は５に記載の口腔内ナイセリア属菌及び／又はロシア属菌の生育促進剤。
【請求項７】
口腔内病原性細菌の生育抑制作用を有する、請求項４又は５に記載の口腔内ナイセリア属菌及び／又はロシア属菌の生育促進剤。
【請求項８】
クロロフィル金属錯塩誘導体、及びクロロフィル誘導体から選択される１種又は２種以上を有効成分とする、口腔内菌叢改善作用迅速化剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、口腔内菌叢改善剤に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
口腔内には、多種多様の細菌が数多く生息しており、歯面や歯肉、歯肉縁、口蓋や頬粘膜、舌表面や舌背部等の種々の部位には、これらの細菌が群集を構築してなる口腔内菌叢が存在する。かかる口腔内菌叢には、う蝕や歯周病等の口腔内疾患に関与する病原性細菌だけでなく、非病原性細菌も常在菌として混在している。これら非病原性細菌と病原性細菌とのバランスを整えることは、口腔疾患の発症や予防、又は進行の抑制において有用性が高いと言われている。
【０００３】
こうしたなか、口腔疾患の一つである歯周病の発症や予防の対策として、特許文献１には、銅クロロフィリン塩を有効成分として含有する、口腔内細胞内等に存在する歯周病菌を排除するための組成物が開示されており、口腔細胞へ侵入した歯周病菌を殺菌することにより細胞内を浄化する試みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２３－３４８７４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記特許文献に記載の組成物は、もっぱら歯周病菌を殺菌することを目的とするのみであって、口腔内におけるナイセリア属菌を選択的かつ効果的に生育促進することに関しては、何らの検討もなされていない。
【０００６】
したがって、本発明は、口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌及び／又はロシア属菌を選択的かつ効果的に生育促進して、口腔内菌叢の改善を有効に図ることのできる口腔内菌叢改善剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、有効成分として、クロロフィル金属錯塩誘導体、及びクロロフィル誘導体から選択される１種又は２種以上を用いることにより、全く予想外にも口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌やロシア属菌を選択的かつ効果的に生育促進することのできる剤を見出した。
【０００８】
すなわち、本発明は、クロロフィル金属錯塩誘導体及びクロロフィル誘導体から選択される１種又は２種以上を有効成分とする、口腔内菌叢改善剤、及び口腔内ナイセリア属菌及び／又はロシア属菌の生育促進剤、口腔内菌叢改善作用迅速化剤を提供するものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、口腔内におけるナイセリア属菌の生育を選択的に促進し、また病原性細菌の生育を選択的に抑制して、口腔内菌叢の改善を有効に図ることができ、さらにその口腔内菌叢の改善作用を迅速に発現させることもできる。さらに、ナイセリア属菌のみならずロシア属菌の生育をも選択的に促進する可能性を有する。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において、「口腔内菌叢」とは、「口腔内（口内又は口腔）フローラ」又は「口腔内（口内又は口腔）マイクロバイオータ」とも称され、口腔内に生息する多種多様の細菌により形成されてなる群集を意味する。
また、本発明において、口腔内菌叢を「改善」するとは、口腔内菌叢の細菌構成を変化させて、非病原性細菌が占める割合を増大させることにより、或いは病原性細菌が占める割合を低減させることにより、口腔内菌叢の状態を健常な口腔内環境をもたらす状態へ転じさせることを意味する。具体的には、口腔内において、ナイセリア属菌、或いはさらにロシア属菌の生育を選択的に促進させることにより、口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌やロシア属菌（以下、総じて「ナイセリア属菌等」とも称する）が占める割合を増大させることを意味する。また病原性細菌の生育を選択的に抑制させることにより、口腔内菌叢中におけるナイセリア属菌等が占める割合を増大させることをも意味する。
（【００１１】以降は省略されています）

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